2009年7月5日日曜日

THE ALFEE『ARCADIA』(1990)

 70年代半ばにALFIEでデビュー。フォークから出発し、時代の流れと共にニュー・ロック、ハード・ロック、プログレッシヴ・ロック、デジロック、テクノ、AOR、パンク、ビート・ポップと、多様な音楽性を血肉として取り入れ、今なお変化し続けているTHE ALFEE。坂崎幸之助氏のアコースティック/フォークのエッセンスと高見沢俊彦氏のハードロック/プログレ的なエッセンスが混ざり合った音楽性はプログレ的な視点から見ても興味深いものがあります。80年代中盤からのアルバムには叙情的で大作志向な曲が1~2曲は入っているのですが、90年代に発表された『ARCADIA』『夢幻の果てに…』『LIVE IN PROGRESS』『Nouvelle Vague』の4枚のアルバムは、ALFEEのプログレ的な方向性が非常に高まっていた時期の作品であり、アルフィーのプログレ的側面を語る上ではいずれも外すことの出来ないものです。今年、デビュー35周年記念で彼らの全カタログが再発されましたし、この機会に是非とも聴いてみてはいかがでしょうか。

ポニーキャニオン|THE ALFEE 35周年記念完全限定生産!!
http://www.ponycanyon.co.jp/alfee/alfee.htm


ARCADIAARCADIA
(2009/03/18)
THE ALFEE

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 1990年リリースの『ARCADIA』は、当時のFENCE OF DEFENSEの作風にも通じるエキゾチックな雰囲気を織り込んだタイトル曲「Arcadia」に始まり、アコースティック・ギターのアクセントが劇的さを引き立てるメタルチューン「Masquerade Love」、曲調やコーラスのハーモニーに当時活動中だったAnderson Bruford Wakeman Howeっぽさも少々感じさせるパワーバラード「Rainbow In The Rain」、叙情的なイントロから一気に加速していくジャパメタ風味の「Count Down 1999」(PVにおける高見沢氏の派手なヴィジュアル系メイクとギラギラな格好を見るに、当時デビューしたばかりのX-JAPANを思いっきり意識していたんだろうなと)、と、ハードなキラーチューンがガンガン続いていくアルバム前半は本当にスキがない仕上がりで、この充実ぶりは実に素晴らしいものがあります。後半はストレートなメッセージのロックチューンを挟みつつ、印象的なコーラスを織り込んだアコースティック曲「流砂のように」、徐々に盛り上がるダイナミズムで展開するシンフォニックバラード「Mind Revolution」「On The Border」などの壮大な曲がメイン。アルバム全体を通して楽曲にしっかりとした統一感があり、コンセプチュアルなプログレ・ハード作品としてもダントツの内容です。