2009年9月3日木曜日

ANDRE MATOS『Mentalize』(2009)

メンタライズ(SHM-CD)メンタライズ(SHM-CD)
(2009/08/26)
アンドレ・マトス

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 ブラジルを代表するメタル・シンガー:アンドレ・マトスの2ndアルバム。押しまくるアンドレのハイトーン歌唱と近年のANGRAを思わせるプログレメタルがかったサウンドで非常にテンションが高かった前作ですが、今回はミドルテンポのメロディックメタルに重点を置いた作風。前作と同様、SHAMAN時代の作風をベースにしているのは変わりません。また、今回のアルバムはタイトルからも伺えるように人間の内なる精神世界をテーマにしているためか、アルバムの中盤からギアが入るような構成になっており、「Mirror Of Me」「Powerstream」といった疾走曲(どちらも素晴らしいキラーチューン)は終盤に集中しております。前作では随所でANGRAやVIPERを意識しているところが伺えましたが、今回は一切そういうのはなし。過去のアレコレのしがらみは前作で完全に振り払ったのかなと考えてもいいのでしょうかね。かつてよりはるかにマイルド味を増したアンドレの今の声質はスピードメタルナンバーはもとより、ミドルテンポのナンバーやバラードで非常に映えるようになってきており、メロディアスハードロックとしても十分に聴ける「I Will Return」や、ダイナミックな力強さを感じさせる中盤の「The Myriad」「When The Sun Cried Out」の2曲の流れは秀逸。適度な厚みのあるオケアレンジやクワイアパートなど、長年の盟友であるサシャ&ミロの、マトスの特性をよく理解したアレンジがここぞというところでしっかりとキマってます。2曲のボーナストラックは正統派疾走チューンの「Forever Is Too Long」と、メンバーのアイデアによりQUEENの「手をとりあって」がカヴァーされており、マトスの日本のファンへの思い入れが十分に伺える嬉しいボーナストラック。しかしながら、前作のJOURNEYの「Separate Ways」といい、ANGRA時代にカヴァーしていたケイト・ブッシュ「嵐が丘」といい、マトスのカヴァーする曲は毎度毎度選曲が絶妙ですね。





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