Idmen (2010/05/25) Indukti 商品詳細を見る |
UnSunのドラマーや、紅一点のヴァイオリン奏者らも在籍しているポーランドのプログレ・メタル・バンド インダクティの2ndアルバム。前作ではヘヴィなリフや乾いたアルペジオに淫靡にゆらめき絡み付いていくヴァイオリンがなんとも呪術的な趣すら感じさせるヘヴィ・シンフォニック・サウンドを展開しておりましたが、今回はツインギターのへヴィネスがさらに前面に出ており、RED期KING CRIMSONやTOOLからの影響が色濃いヘヴィなリフ構築をさらにグレードアップさせたという印象を感じます。北欧ヘヴィ・プログレ勢とは異なる、湿り気のないただひたすらに乾いた感触、曲によって孕みこんでくるエスニックな要素も相変わらず健在の、妖しげなねじ伏せ系ヘヴィ・プログレ・メタル。前作には同郷のバンドRIVERSIDEのベース&ヴォーカルであるマリウス・デューダがゲスト参加しておりましたが、本作ではアメリカのレコメン系プログレ・バンド SLEEPYTIME GORILLA MUSEUMのニルス・フリクダールが、3人のゲストヴォーカルの中の一人として2曲目で狂えるデスヴォイスを披露、サウンドのアグレッションの増幅に貢献しているのも見逃せないところではないかと。ツインギターの押しもさることながら、曲の尺も前作以上に伸びており、恐ろしく濃密な仕上がりになっているのですが、やや冗長な面も感じるのでこれは賛否が分かれるところ。しかしながら変拍子とヘヴィネスを両手に携え全てを無慈悲にねじ伏せんと言わんばかりのずっしりと切れ込む彼らのアグレッションはやはり白眉。初期サイレントヒルのテーマ曲のような荒涼とした雰囲気にアてられた方なんかには非常に琴線に触れるバンドではないかと思います。
●INDUKTI:公式