今年もそんな時期になりました。特に気の利いた前置きなんてものは思いつかないのでさっさと本題突入。今年はこんな感じでございます。
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●CIRCUS MAXIMUS「Isolate」
Circus Maximus
Sensory Records (2007-09-04)
売り上げランキング: 7,110
ネット界隈を見てみるとSYMPHONY XやDREAM THEATHERやTNTを髣髴とさせられる、メロディセンス/構築共にズバ抜けている、完成度が高い、といった感じで高評価を下しているところが多く見受けられましたが、思わずコブシを握りたくなる楽曲のドラマ性やアルバムに一貫して漂う濃密なムードについて踏み込んで言及しているとこは少なかったように思います。「オメエの感情移入が過ぎているだけじゃねーか!」と言われることを承知で言いますけども、本作はそんなみみっちい品質チェック的な手法で評価してしまうのはあまりにも勿体無い、そう声を大にして、いやむしろ腹の底から絶叫して言いたいです。有無を言わさず聴き手に直球でガツンと訴えかけてくるものがある、いくら言葉を尽くしても語り尽くせないほど語り甲斐があるというアルバムってのはそうそうあるもんではありません。時にねじ伏せ、時に泣かせ、時に昂ぶらせる絶品の高揚感、お先真っ暗な状況に一筋の光明が射し込むような見せ方、重厚なフィナーレへの布石、明確な起承転結、部分的ではなくトータルで真っ向からぶちかましてくる本作はまさにそれでした。圧倒的な世界観やバンドの逞しさ、頼もしさがありありと目に浮かんでくるので、聴くたびに感極まってしまいます。今年一番骨の髄まで堪能させてもらったアルバムですよホント。
●THRESHOLD「Dead Reckoning」
Threshold
Nuclear Blast Americ (2007-04-24)
売り上げランキング: 611,076
●AXXIS「Doom Of Destiny」
Axxis
Afm Records Germany (2007-11-19)
売り上げランキング: 460,425
前者はイギリスのプログレメタルバンドで、後者はドイツのメロパワバンド。双方共に音楽性は王道、そしてキャリア20年目前にして最高傑作と断言できる作品を放った、ということでなかなかに感慨深いものがあります。この漢気とアツさはルーキーには出せないでしょう、健闘を見せたHELLOWEENやGAMMA RAYのアルバムもそうでしたが、今年はヴェテランの強固な意地を見ました。
●kamomekamome「LUGER SEAGULL」
kamomekamome
SPACE SHOWER MUSIC (2007-11-07)
売り上げランキング: 105,175
1stよりもコンパクトに手堅くまとまった楽曲が多くなった反面、歌詞がダイレクトに耳にススーっと入り込んでくるようになってついつい何度もプレーヤーのボタンに手が伸びる。覚醒状態にも近い歌いまわしと詞の持つ魔力を再認識させられました。「言葉では上手く説明できない見えない何かと戦っている」って表現するのはチィト語弊があるかもしれませんが、随所に見られる突発性とか獰猛さとかを聴くとついついそう形容したくなってきます。
●COALTAR OF THE DEEPERS「Yukari Telepath」
Musicmine (2015-03-06)
売り上げランキング: 3,133
流線型の構成、ハイブリッドな音楽性、バランス感覚、オイシイところ詰まってます。
●MOSAIC.WAV「Future Fiction AKIBA-POP!!」
MOSAIC.WAV (2007-08-31)
売り上げランキング: 1,169
気づけばPerfumeを完全無視してこっちばっかり聴いてました。べ、別にブームに乗り遅れたのが悔しいわけじゃないんだからねっ!精度の高さでは断然シングル曲に軍配が上がりますが、アルバム楽曲も過去作と比べるとかなり焦点定まってきた感がします。
●メトロノーム「サイクルリサイクル」
メトロノーム
インディーズ・メーカー (2007-01-11)
売り上げランキング: 259,940
POLYSICSの新作と同じくらい本作は聴きまくったのですが、「絶望さん」を初めとした楽曲の印象度でこっちを選びました。ヴィジュアル系ということで今後音楽性が大幅に変わっていくという可能性も無きにしも非ずでしょうが、有頂天にも通ずるユーモアセンスは捨て去らないで欲しいなあと思います。
●茅原実里「Contact」
茅原実里
Lantis(K)(M) (2007-10-24)
売り上げランキング: 48,707
散々言ってますが、冒頭2曲で全て持っていかれました。あまりにもスキがなさ過ぎる。各種アレンジャー陣の職人ぶりといい、やたらサマになってる本人歌唱といい、狙いどころのハッキリした濃い内容で楽しめました。
●New Trolls「Concerto Grosso The Seven Seasons」
New Trolls
Edel Europe (2007-08-14)
売り上げランキング: 464,847
30年ぶりのシリーズ最新作。古くからのファンには印象は今ひとつのようですが、クラシックとロックの融合手法に今だブレを感じさせないのは流石、手堅いながら年季をしっかり味あわせてくれる良い作品だったと思います。再結成のジンクスもこの人達には無縁ですね。何度でも聴きたいと思わせてくれる逸品だと素直に思います。
●筋肉少女帯「新人」
筋肉少女帯
トイズファクトリー (2007-09-05)
売り上げランキング: 29,475
新旧のファンに十分アピールできる地に足の着いた内容でした。次は太田さんを迎えての完全復活でしょうかね。
【番外】
・米米CLUB「www.komedia.jp」
米米CLUB
ソニー・ミュージックレコーズ (2007-09-05)
売り上げランキング: 317,882
・高梨康治&水谷広実「地獄少女 二籠 オリジナルサウンドトラック1&2」
高梨康治 水谷広実 能登麻美子 TVサントラ
アニプレックス (2007-01-24)
売り上げランキング: 58,142
・斉藤恒芳「電脳コイル サントラ音楽集」
TVサントラ 池田綾子 斉藤恒芳
徳間ジャパンコミュニケーションズ (2007-05-23)
売り上げランキング: 56,859
米米CLUBはアルバムに追加ボーナストラックについては賛否両論あったようですが、メンバー全員の相変わらず自重しないサービス精神に笑わせていただきました。地獄少女とコイルのサントラは楽曲単体でも十分聴かせてくれるシロモノなんですが、特に元クライズラー&カンパニーの斉藤さんによるコイルの楽曲は凄く良かった。サントラでは今年一番の収穫でした。
曲単位で選ぶとすればこんな感じになりそう。自家発電コンピ。
1:地獄少女二籠 OST I(高梨康治&水谷広実) 「地獄メタル」
2:AXXIS 「Doom Of Destiny(Arabia)」
3:CIRCUS MAXIMUS 「Abyss」
4:THRESHOLD 「This Is Your Life」
5:9mm Parabellum Bullet 「Punishment」
6:kamomekamome 「スキンシップ編」
7:筋肉少女帯 「愛を撃ち殺せ!」
8:メトロノーム 「雨」
9:GOATBED 「Vogue Man」
10:電脳コイルOST II(斉藤恒芳) 「疾走」
11:COALTAR OF THE DEEPERS 「Aquarian Age」
12:虫姫さまふたり OST(並木学&阿部公弘) 「狂おしいほどに」
13:茅原実里 「Contact」
14:MOSAIC WAV. 「Look At Me Tendency(New Take)」
15:ジギタリス 「青い樹」
16:ZABADAK 「Hello Hello!」
17:New Trolls 「The Ray Of White Light」
1~7曲目はメタル、8~14曲目はテクノポップ/ニューウェーヴ多し。9mmはこの曲だけ何だか某最速任天堂メタルバンドばりに暴走していて爆笑したので、GOATBEDは音の強度はそのままに色気というか艶っぽさが増したのが印象的だったので、ジギタリスはギターロック+ケイト・ブッシュな音楽性が今後どう化けるか楽しみなので、虫姫さまふたりのサントラは「並木さん相変わらず良い仕事ぶりです」ということで、ZABADAKは個人的に大好きなので、それぞれ選出した次第。あと、ディーパーズの楽曲が虫姫さまの楽曲と親和性が高いのはちょっと面白かった。他にもメトロノーム「絶望さん」と大槻ケンヂと絶望少女達「人として軸がぶれている」の絶望コンボとか、米米CLUBと赤犬による【まんこUNCOコンボ】とかも考えていたのですが、イロモノ楽曲ツープラトンは存在感が強烈過ぎて他の曲喰いまくるので組み込むのは無理と判断。バカ曲オンリーでコンピ作るのも面白そう。