Touch in Light (2008/01/16) APOGEE 商品詳細を見る |
したたかなるロック/ポップス・バンド アポジーの2ndアルバム。変幻自在の柔軟なサウンドにフワっとしたヴォーカルが混ざり合い、夢と現実を狭間を行き来するようだったドリーミーな前作には大変お世話になりました。2年ぶりとなる本作ですが、焦点を絞りつつバンドの足場をしっかりと固めてきているのがよくわかる仕上がりになっています。放射状に放たれる鮮やかなキーボードサウンドが聴き手に瑞々しさと夢心地を与えてくれる一方で、バンドサウンドは前作以上に鋭角的な音を掻き鳴らしスタイリッシュに肉付け、そしてヴォーカルは両者のコントラストに更なるハリを与える、といった感じ。そのため楽曲は前作に比べると随分と地に足が着いているなあという印象で、1曲1曲の新鮮味は薄れましたが、安定度は更に磨きがかかっています。この人達のミドルテンポナンバーの展開作りの巧さ、味わい深さは絶品の域にあるなと改めて認識させられました。レトロなオルガンサウンドと幾重にも重なるコーラスワークが極彩色の空間を演出する中盤の長尺ミドルバラード「The Sniper」、目の前の風景が徐々に鮮明になっていくような開けた盛り上がりを見せる展開が気持ち良い「Just a Seeker's Song」の2曲は白眉、いつまでも浸っていたいと思わせてくれます。
●APOGEE:Wikipedia
●APOGEE:公式
■APOGEE『APOGEE』(2006)