2015年7月30日木曜日

ヴィンテージな志向と叙情性を備えるノルウェーの大編成プログレッシヴ・ロック・バンド ― GENTLE KNIFE『Gentle Knife』(2015)

Gentle Knife
Gentle Knife
posted with amazlet at 15.07.29
Bajkal Records (2015-05-01)
売り上げランキング: 62,874



 人脈を辿るだけであっちこっちのバンドに繋がってしまうMOTORPSYCHODUNGEN。「1975年以降に製造された機材は一切使用しない」というこだわりのもとにアルバムを制作し続けるWOBBLER。一触即発の熱狂的オルガン・ジャズ・ロックを聴かせるelephant9。昨年、鮮烈なアルバムでデビューを飾った気鋭のバンド SEVEN IMPALEなど、ヴィンテージな味わいのプログレッシヴ・ロックを志向するバンドの層の厚さに定評があるノルウェーのシーンですが、またまた期待のバンドが登場しました。このジェントル・ナイフは、十人ものメンバーを擁する大編成バンド。ほとんどのメンバーがパートを兼任しており、結果的にギタリストが三名、ヴォーカルが三名、キーボーディストが二名という厚みをもった編成。そこにフルートやサックス、トランペット、木管楽器、サンプラーなどの担当が加わり、さらに鮮やかな色合いを成しております。今年リリースされた彼らのデビューアルバムは、バンドのsoundcloudで全曲試聴可能。また、アルバムのミキシングは、ロック、ポップス、フュージョン、メタル、プログレの数多のビッグネームのアルバムを手がけてきた名匠 ニール・カーノンが担当しています。

 70年代をリスペクトしたヴィンテージなサウンドを主軸としていますが、何よりもまずKING CRIMSONからの影響は避けては通れないものだと感じます。黄昏れたサックスとフルートにメロトロンの音色がうっすらと響きわたる"Beneath The Waning Moon"は中期KING CRIMSONの"Starless"をほのめかすかのような色合いですし、"Coda - Impetus"はヌーヴォ・メタル期KING CRIMSONの"ProzaKc Blues"へのオマージュを感じる不穏なフレージングが耳を引きます。AnekdotenやÄnglagårdが築き上げてきた、どこかほの暗さを感じさせる北欧プログレのイメージはやはりこのバンドも備えており、大編成の本領をフルに発揮した厚みのあるアンサンブルをふんだんに聴かせるヘヴィで叙情的な大曲"Eventide" "Our Quiet Footsteps"、練り上げられたスロウな楽曲展開で男女ヴォーカルのデュエットをじっくりと聴かせる"Remnants of Pride"、冒頭三曲はバンドのゆるぎない根幹部を知らしめるにふさわしい仕上がりです。フォロワー・バンドとしては既に一級品のクオリティを示しておりますが、個人的にはもっと彼らの独自色もみてみたいと思います。これからどこまでそれを出していけるのかということも含めて、今後の展開が楽しみなところです。




http://www.gentleknife.com/
https://www.facebook.com/gentleknife
https://soundcloud.com/gentleknife

GENTLE KNIFE『Gentle Knife』- Progstreaming
全曲フルサイズでストリーミング試聴できます。 ※期間限定

GENTLE KNIFE - Progarchives

2015年7月28日火曜日

珍妙なワビサビの効いた和洋折衷エレクトロ。スイス製エキサイテング妖怪STGのサントラ ―『Nandeyanen!? O.S.T』(2015)



http://tchagata.com/games/nandeyanen/
http://store.steampowered.com/app/386090/

スイス産の和風ヘンテコ横シュー『Nandeyanen!? - The 1st Sutra』Steam配信開始 - gamespark


nandeyanen-cover.jpg スイスのインディーズゲームメーカー「Tchagata Games」が開発し、今年の5月から配信されている横スクロール妖怪弾幕シューティング「Nandeyanen!?: The 1st Sûtra」。天狗の自機を操り、妖怪どもの跋扈するステージを攻略していくというジャパネスクあふれる作品で、その昔タイトーがPCエンジン用ソフトとしてリリースした天狗シューティング「はなたーかだか!?」に多大なるリスペクトが捧げられています。Tchagata Gamesの公式サイトには“はなたーかシューティングゲーム復活! さあ、天狗たちのそばに大妖怪反乱を止める覚悟があるのか? 奇妙界へようこそ!”という、正直どの層に向けているのか謎な日本語のアオリが載っております。一見してイロモノ感バリバリですが、システム、ヴィジュアル、BGMのいずれもしっかりしたつくりです。



Nandeyanen!? (Original Game Soundtrack)
Tchagata Games (2015-01-01)
売り上げランキング: 839



 本作を彩るサウンドトラックは、公式でYouTubeに全曲アップロードされているほか、Amazon mp3やiTunes Storeでダウンロード販売(全7曲/600円~750円)もされています。コンポーザーはs3miotikGudi Guruの二名。s3miotik氏の詳細なプロフィールは不明ですが、vimeoにアカウントを持っており、「Nandeyanen!?」を含めたいくつかの作品を聴くことができます。低音のエレクトロシーケンスと三味線の音色をフィーチャーした"Into the Wild"、ヘヴィなギターリフとホーミーめいたドローン音が中毒的なまでにハイにさせる"To Make the End of Bullets"(このタイトルはやはりファルコムのYsIIのOPテーマ"To Make the End of Battle"からでしょうか)は氏によるもの。もうひとりのGudi Guru氏はインド系のネーミングですが、国籍不明のサウンドデザイナー/ミキシングエンジニア。同じくTchagata Games作品である「めぞん歓楽」のサウンドトラックの制作にも関わっております。こちらはディープでアシッドなエレクトロ・チューンを得意としており、"Hannya"では無駄にテンションの高い日本語めいたシャウトもぶっこまれ、珍妙なワビサビの効いた(?)仕上がり。ほとんど環境音とシャウトで構成された"Main Menu"には思わず「ワオ......ゼン......」とこぼしたくなるかもしれません。






https://vimeo.com/user32752487
http://gudi.guru/


 余談ですが、天狗シューティングの嚆矢(?)ともいえるメルダックの「暴れん坊天狗」がリリースされたのは1990年12月、「はなたーかだか!?」がリリースされたのが1991年8月なので、「はなたーかだか!?」が「暴れん坊天狗」から間接的に影響を受けている可能性は少なからずあるのかもしれません。それとも大いなる天狗のおぼしめしだったのでしょうか。

abarenbou-tengu.jpg

2015年7月27日月曜日

石田勝範 他『おおや和美イメージアルバム BE-BOY倶楽部』(1988)




 1989年に発表された、おおや和美キャラクター原案によるOVA「BE-BOY KIDNAPP'N IDOL」のイメージアルバム&ドラマCD。佐々木望氏と草尾毅氏演じるふたりのキャラ同士のコントめいた掛け合いを繰り広げるトラックと、三人のヴォーカリストによる歌もの曲を収録。コンポーザーは、テレビ、映画、CM、楽曲提供、プロデュースなど広範囲に渡る活動で知られるベテラン 石田勝範氏。当時は〈トランスフォーマー〉のアニメシリーズの劇伴や、「仮面ライダーBLACK RX」の挿入歌の編曲などを手がけられておりました。長島秀幸氏は80年代末に「きまぐれオレンジ☆ロード」の主題歌や「電脳警察サイバーコップ」の挿入歌を歌われていたヴォーカリスト。橋本舞子さんはこれ以前に村田恵里名義でアイドル歌手としてデビューされていた人で、本CDの翌年には「アイドル伝説えり子」の主題歌・挿入歌を歌われておりました。浜田良美氏はヤマハポプコン出身のシンガーソングライターで、長らく長渕剛のツアーサポートメンバーでもあった人です。本CDは単体での再発はしておりませんが、2004年に本編がDVDソフト化された際に特典として封入されました。

---------------------------------------------------------

『おおや和美イメージアルバム BE-BOY倶楽部』
[LD32-5092|1988.12.28|東芝EMI/Futureland]

〈SIDE 1〉
01. MIDNIGHT・デジャヴ(歌:長島秀幸)
02. 美BOY(歌:橋本舞子)
03. Cookin’Time
04. 216秒のアイドル(歌:浜田良美)
05. Sorry!!


〈SIDE 2〉
06. SUMMER DREAMER(歌:橋本舞子)
07. スピーディー・タイフーン
08. 未成年ジェネレーション(歌:浜田良美)
09. A part of me(歌:長島秀幸)



作編曲:石田勝範
作詩・脚本:水谷啓二
歌:長島秀幸(①⑨)
橋本舞子(②⑥)
浜田良美(④⑧)

〈声の出演〉
志乃原和也……佐々木望
工藤秋彦……草尾毅

プロデューサー:高塚俊紀
ミキサー:小幡幹男
アシスタントミキサー:倉本淳二
構成:渡辺麻実
イラスト:おおや和美




---------------------------------------------------------

2015年7月25日土曜日

多種多彩多国籍なサウンドで追体験する〈ヘルサレムズ・ロット〉 ― 岩崎太整『血界戦線 オリジナルサウンドトラック』 (2015)

TVアニメ「血界戦線」オリジナル・サウンドトラック
岩崎太整
東宝 (2015-07-15)
売り上げランキング: 66

http://kekkaisensen.com/products/music/ost.html

 内藤泰弘氏による異世界クロッシングドンパチングアクションコミックをボンズがアニメ化した「血界戦線」のサウンドトラック。インストゥルメンタル・トラックで構成されたDISC1、ヴォーカル・トラックで構成されたDISC2のヴォリューミーな二枚組です。コンポーザーは、〈SR サイタマノラッパー〉シリーズや「モテキ」「ジョーカーゲーム」など、映画を中心に、CM、舞台劇伴なども手がける岩崎太整氏。アニメの劇伴を手がけるのは今回が初となります。《NewType》2015年5月号の岩崎氏へのミニインタビューによると、実写映画を手がけることが多かっただけに、これまでのつくり方とはまったく違うスタンスで挑まれたようで、“絵の表現としても幅が広い” ゆえに、“「アニメは許容してくれる音楽の幅が広いな」という印象”と、コメントされております。松本理恵監督との打ち合わせを経て “自然と生まれた曲を作品に当てはめていったという感じに近い” “曲ごとに主張が強いというか、「何じゃこれ?」と思うような曲が並んでいるのがいいかな、と” というスタンスになったとのこと。歌ものを入れるという構想は松本監督も岩崎氏も持たれていたようです。レコーディングは日本、ニューヨーク、ボストン、エルサレムと、複数の拠点で行われ、現地のアーティストやセッション・ミュージシャンを多数迎えて制作されております。「血界戦線」の舞台である〈ヘルサレムズ・ロット〉が異界と交わったニューヨークだということもあり、岩崎氏は早い段階で海外レコーディングを思い立たれていたようです。





 おなじく内藤氏原作である「トライガン」「ガングレイヴ」の今堀恒雄氏や、「カウボーイビバップ」などの菅野よう子さん、「バッカーノ!」の吉森信氏など、スタイリッシュなスコアのアニメ作品はパッと思いつくだけでもいくつもありますが、それらの先行作品に負けずとも劣らずな内容です。ホーンセクションをフィーチャーしたビッグバンドジャズによる“動”のスコア、ストリングスと打ち込みを組み合わせた“静”のトラックをメインに、AOR、R&B、ファンク、ヒップホップ、タンゴ、エレクトロニカ、オルタナティヴ・ロックなどの多彩な方向性の楽曲が脇を彩ります。サウンドトラックを漁っていると、ときたま埋め草のような無味無臭のスコアに出くわしたりしますが、本作にはそういった楽曲は一切ありません。ちなみに、岩崎氏は脚本家やジャズ・ギタリストを志していた時期もあったそうですが、紆余曲折あって劇伴コンポーザーの道に入ったという経歴の持ち主。作品のイメージのみならずシーンや演出にマッチしたスコアが多いのは、そういった氏のバックグラウンドも活きております。本編シーンに絶妙なタイミングで挿入されていたヴォーカル曲は英語詞中心ですが、"It's Magic"はヘブライ語詞、"Epi fèmen dife a"はアフリカ言語のスキャット/コーラスをフィーチャーしています。それぞれにクッキリとしたカラーを持ち合わせた抜群の内容ですが、個人的には、ヴォーカルもアンサンブルも軽やかで楽しげにスウィングする"Catch Me If You Can"と、第六話のエピソードと演出に相乗的なハマり具合をみせたウェットなバラード"On My Own"二宮愛さんヴォーカルの二曲、Ben Lorentzenの滋味あふれるヴォーカルが染み渡るAOR"The Land Of Nod"(ちなみに、同曲の編曲者である辻理恵さんはビヨンセのツアーサポートメンバー&アレンジャーを務める方でもあります)をとくに推したいところです。また、コ・プロデュース/編曲で、ボストンを拠点としたジャズ&ヒップホッププロジェクト〈monolog〉のマルチ・インストゥルメンタリストであるYuki Kanesakaこと金坂征広氏が参加されているのもポイントでしょう。折り紙つきの仕上がり。〈ヘルサレムズ・ロット〉のイメージが、多種多彩多国籍なサウンドとして結実しております。

http://kekkaisensen.com/
http://taisei-iwasaki.com/

INTERVIEW:岩崎太整インタビュー - HogaHolic
RIP SLYME SHOCK THE RADIO ARCHIVE|ゲスト:岩崎太整 (2015.3.20 ON AIR)

---------------------------------------

『血界戦線 オリジナルサウンドトラック』
[THCA-60055|2015.7.15|TOHO animation RECORDS]

【Disc 1】

01. Theme of Blood Blockade Battlefront
02. Footloose/Run for Cover/Footloose
03. Sidewinder
04. Libra
05. Victim
06. Snap Out
07. Call You Later
08. Presage
09. Oblivion
10. Attack The System
11. Keep On The Sunny Side
12. Look Daggers
13. Toy Blues
14. The Urge
15. Hands On
16. Starbow
17. There Will Be A Day
18. United
19. Fate
20. Traffic Man
21. Under Pressure
22. A Funeral
23. Early Train
24. White Gloves (Reprise)


All Produced, Arranged And Composed:岩崎太整

【Disc 2】

01. Catch Me If You Can
(作詞・ヴォーカル:二宮愛/作編曲:岩崎太整)
02. A Way Out
(作詞・ヴォーカル:Shayne Holland/作曲:岩崎太整/編曲:Yuki Kanesaka〈monolog〉)
03. World Goes Round
(ヴォーカル:Hannah Macklin aka MKO/作詞:二宮愛/作曲:岩崎太整/編曲:平野“Bigyuki”雅之)
04. On My Own
(作詞・ヴォーカル:二宮愛/作編曲:岩崎太整)
05. In The City
(作詞・ヴォーカル:Saucy Lady/作曲:岩崎太整/編曲:Yuki Kanesaka〈monolog〉)
06. The Land of Nod
(ヴォーカル:Ben Lorentzen/作詞:二宮愛/作曲:岩崎太整/編曲:辻利恵)
07. Dust
(作詞・ヴォーカル:Toft Whillingham/作曲:岩崎太整/編曲:Yuki Kanesaka〈monolog〉)
08. Just A Game
(作詞:二宮愛/作編曲:岩崎太整/編曲:辻利恵)
09. BCCGS
(プログラミング:岩崎太整)
10. It's Magic
(作詞・ヴォーカル:Shira Z.Carmel/作編曲:岩崎太整/編曲:辻利恵)
11. At The Gates
(プログラミング:岩崎太整)
12. Epi fèmen dife a
(ヴォーカル:Deborah Pierre/編曲:Yuki Kanesaka〈monolog〉)
13. Epigraph
(ヴォーカル:土屋絢子/プログラミング:岩崎太整)
14. World Goes Round (Reprise)
(ヴォーカル:Hannah Macklin aka MKO/編曲:平野“Bigyuki”雅之)
15. White Gloves
(作詞・ヴォーカル:二宮愛/作曲:岩崎太整)
16. Hello,world! 〔TV size version〕
(作詞・作曲:藤原基央/編曲:BUMP OF CHICKEN & MOR)


《レコーディングメンバー》

岩崎太整(synth, programming, etc)
金坂征広/Yuki Kanesaka〈monolog〉(Co-produce, arrange, etc)
平野“Bigyuki”雅之(Co-produce, arrange, etc)
Rozhan Razman(Co-produce, programming, etc)
辻利恵(Co-produce, arrange, piano etc)
U-key(programming)
二宮愛(vocal)
Toft Whillingham(vocal)
Deborah Pierre(vocal)
Ben Lorentzen(vocal)
Shayne Holland(vocal)
小澤篤土(trumpet)
川上鉄平(trumpet)
真砂陽地(trumpet)
田沼慶紀(trumpet)
川原聖仁(trombone)
半田信英(trombone)
松尾直樹(trombone)
佐々木匡史(bass trombone)
古田儀左ェ門(horn)
西倫未(horn)
海野貴裕(horn)
若木曜(horn)
庵原良司(flute, tenor sax)
竹村直哉(clarinet, baritone sax)
辻野進輔(alto sax)
安藤康平(alto sax)
村瀬和広(tenor sax)
石川周之介(tenor sax)
〈岡村美央ストリングス〉(strings)
岡村美央(violin)
伊勢三木子(violin)
Amiko Wadabe(viola)
笠原あやの(cello)
常田大希(cello)
Yusuke Chikita(A.bass)
古田尚樹(E.bass)
Akos Forgacs(bass)
服部正嗣(drums)
吉川昭仁(drums)
安齋拓磨(drums)
Justin Tyson(drums)
原ゆうま(E.guitar)
Randy Runyon(E.guitar)
Joe Young(guitar)
山口周平(guitar)
佐藤ひろのすけ(piano, organ, clavinet)
Nobumasa Kobayashi(percussions, turntable)
大久保かおり(bandoneon)
朝川朋之(harp)

---------------------------------------

【追記】海外版サウンドトラックについて

Blood Blockade Battlefront - O.S.T.
Taisei Iwasaki
Milan Records (2016-08-12)
売り上げランキング: 1,049,236


 その後、2016年8月12日にサウンドトラックの名門レーベル「Milan Records」より、北米・ヨーロッパ版サントラがリリースされました。岩崎氏のブログによると、Milan Recordsのエライ人であるジャン・クリストフ氏が「音楽がいいから」という理由だけでアニメ放送前に岩崎氏に直接コンタクトをとり、会いにきてくれたとのこと。いやー、すごい話だなと思いつつ、ジャン氏の嗅覚の確かさにうならされます。こちらのサントラはCD一枚組のため、必然的に収録曲は日本盤より少なくなりますが、インストゥルメンタル、ヴォーカルトラックがまんべんなくチョイスされた全25曲。なお、Milan Recordsのsoundcloudで"Sidewinder" "Footloose/Run for Cover/Footloose"の二曲が試聴できます。

Blood Blockade Battlefront – original music by Taisei Iwasaki
アニメ『血界戦線』のオリジナルサウンドトラックが北米とヨーロッパで発売されます。
(from Taisei Iwasaki Blog|2016.07.30)




---------------------------------------
『BLOOD BLOCKADE BATTLEFRONT Original Soundtrack』

●は日本盤サントラDISC 1収録曲
▼は日本盤サントラDISC 2収録曲


●01. Theme of Blood Blockade Battlefront
●02. Footloose / Run For Cover / Footloose
▼03. Catch Me If You Can
▼04. A Way Out
▼05. World Goes Round
▼06. On My Own
●07. Snap Out
●08. Sidewinder
●09. Toy Blues
▼10. BCCGS
●11. Keep On The Sunny Side
●12. White Gloves (Reprise)
●13. Call You Later
●14. Traffic Man
▼15. Epi fèmen dife a
▼16. It's Magic
▼17. In The City
●18. There Will Be A Day
●19. Presage
●20. Attack The System
▼21. Dust
●22. Oblivion
▼23. The Land Of Nod
▼24. World Goes Around (Reprise)
▼25. White Gloves

--------------------------------------


2015年7月21日火曜日

ノスタルジーとオリジナルの融合、チップチューンの名作 ― Shnabubula『SNESology Special Edition』(2015)

 アメリカのchiptuner、ShnabubulaことSamuel Ascher-Weissの名作『SNESology』が、さる六月末にスペシャル・エディションと装いを新たにして氏のbandcampに再アップされました。同アルバムは、ゲーム音楽リミックス投稿サイト「OverClocked ReMix」界隈を中心とした不特定多数のコンポーザーが、スーパーファミコン音源を駆使してカヴァーやオリジナル曲を制作するプロジェクト「SNESology」の企画趣旨にのっとってShnabubula氏が制作した楽曲を収録したアルバムです。2012年に全10曲収録でリリースされ、その後、2013年にトータル20分以上の新規トラックを8曲追加収録して再リリースされました(現在は両ヴァージョンとも削除されています)。再々リリースとなる今回のスペシャル・エディションでは、新たに2014年制作の2曲"Fun Saber" "Grape Kid"に、2012年録音のピアノソロヴァージョン3曲を追加収録した全23曲。もちろん今回も name your price(投げ銭)でダウンロードが可能です。





『SNESology』は単なるカヴァーアルバムではなく、名作SFCソフトのサウンドフォントを駆使した、オマージュをたっぷりと込めたオリジナル曲集というのがミソ。元のゲームに紛れ込んでいても違和感のないつくりなのです。使用しているタイトルを挙げると、「スーパーマリオワールド」「悪魔城ドラキュラ」「ファイナルファンタジーVI」「スーパーマリオカート」「ガイア幻想紀」「魂斗羅スピリッツ」「天地創造」「ロックマンX」「Run Saber(日本未発売)」「聖剣伝説2」「Secret of Evermore(日本未発売)」「クロノトリガー」「ストリートファイター2」「MOTHER」といったところ。サウンドフォントの特性がよく出ているものとしては、「スーパーマリオカート」の音源を駆使した"At The Races" "Ready Set..." "Golden Corridor"でしょうか。スティールパンやホイッスルの響きを活かしたトロピカルなムードで仕上げられています。また、Shnabubula氏はかなりの凝り性で知られる人なので楽曲構成がかなり練られており、フュージョン/プログレッシヴな要素が強いのも特徴です。「悪魔城ドラキュラ」のサウンドフォントによる"Darling Escape"や、「魂斗羅スピリッツ」のサウンドフォントによる"Infiltration"、複数タイトルのサウンドフォントを惜しみなく投入した"SNESology"などは圧巻のプログレ・チューン。また、収録曲のなかで"I Dreamed a Dream"は「レ・ミゼラブル」の劇中曲のカヴァー。これをFFVIの「オペラ」のサウンドフォントでカヴァーするという趣向がなんともニクいです。聴き手がプレイしたゲームへのノスタルジーを喚起させつつ、オリジナル曲としてもバッチリとした聴き応えをもたらしてくれるという、なかなか味わえない感触があります。すでに知っている人も、そうでない人も、ぜひ聴いてみてはいかがでしょうか。

-------------------------------------------

※カッコ内は使用サウンドフォントの元ゲームタイトル
※☆は2013年版の追加曲
※★は2015年版の追加曲


01. Adventures in Dinosaur Land (スーパーマリオワールド)
02. Daring Escape (☆悪魔城ドラキュラ)
03. Across The Plains (ファイナルファンタジーVI)
04. At The Races (☆スーパーマリオカート)
05. The Story Begins (ファイナルファンタジーVI)
06. Stonehenge (☆ガイア幻想紀)
07. Ready Set... (スーパーマリオカート)
08. Infiltration (魂斗羅スピリッツ)
09. A Solemn Decision (天地創造)
10. Static Lobster (☆ロックマンX)
11. Fun Saber (★Run Saber)
12. A Cry of Joy and Sadness (天地創造)
13. Evermore Densetsu (☆聖剣伝説2/Secret of Evermore)
14. Riverlands (天地創造)
15. Golden Corridor (スーパーマリオカート)
16. Hands of Fate (クロノトリガー/ファイナルファンタジーVI/天地創造)
17. Billy Mitchell's Stage (☆ストリートファイター2)
18. I Dreamed a Dream〔「レ・ミゼラブル」より〕 (☆ファイナルファンタジーVI)
19. Grape Kid (★MOTHER)
20. SNESology (☆複数タイトルのアラカルト)
21. Across The Plains〔★ピアノソロヴァージョン〕
22. A Solemn Decision〔★ピアノソロヴァージョン〕
23. Ready, Set...〔★ピアノソロヴァージョン〕


-------------------------------------------

http://snesology.tumblr.com/


 以下はおまけ。そのほか、サウンドフォントを駆使したアルバムをいくつかご紹介。

■「ロックマンX」のサウンドフォントを使用した、各種ゲーム音楽カヴァーアルバム、その名も『Mega Man XA』。アレンジはJormungandことJoe Schwebke氏。ゲーム版「ガングレイヴ」の曲をカヴァーする人は初めて見た気がする。フリーダウンロード。




■「スーパーマリオワールド」のトリビュートアルバム。しかしBGMのカヴァーではなく、ゲームと同じサウンドフォントを使い、ゲームの世界観をオマージュしての完全オリジナル曲集というやたら気合の入った内容。つまり、近藤浩治氏トリビュートでもある。「ヨッシーアイランド」のトリビュートと同時リリースされているので、ダブルトリビュートコンピレーションアルバムというコンセプトでもある。投げ銭でダウンロード可能。





■要注目の一枚。ロシアのUbiktuneから2012年にデビューアルバムをリリースしたコンポーザー fluidvoltの3年ぶりとなる新作アルバム『Clay Memory』。「MOTHER 3」の膨大なサウンドフォントを駆使し、ワビサビに想を得た複合的チップチューンを奏でる。





Shnabubulaのゲーム音楽ピアノカヴァー ライヴストリーミング「VGMCAST」のベストセレクションが登場

2015年7月19日日曜日

Shnabubulaのゲーム音楽ピアノカヴァー ライヴストリーミング「VGMCAST」のベスト盤が登場



アメリカのchiptuner、ShnabubulaことSamuel Ascher-Weissは、五月中旬よりゲーム配信専門ストリーミングサービス「Hitbox」で毎週金曜日にゲーム音楽のカヴァーを中心としたピアノソロのライヴストリーミングを行っており、同パフォーマンスの映像や音源はYouTubeやbandcampに逐一アーカイヴされております(視聴、ダウンロードはもちろん無料)。これまでに行われた五回分+αのパフォーマンスからメドレー形式でセレクトしたベスト盤が、「Season 1」として先ごろリリースされました。とりあげているタイトルの幅の広さには舌を巻くばかりで、さらにシレっとMATS/MORGANやKING CRIMSONをカヴァーしているのがまた。なお、Season 2は今秋を予定しているようです。




以下は各回の紹介。

第一回(2015.5.18)


全14曲。収録内容は「マックスウォーリアー 惑星戒厳令」「ゼルダの伝説 夢をみる島」「初音ミク -Project DIVA- F(sasakure.UK "ネガポジ*コンティニューズ feat.初音ミク")」「ニーア・ゲシュタルト」「スーパーマリオRPG」「ブラッディロア3」「46億年物語」「ギミック!」「ファイナルファンタジーXIII」「ポケモン不思議のダンジョン」「シルバーサーファー」「Fantastic Star-Friend」。ゲーム音楽以外では「FalseSTOP!」(グラフィックノベル)のイメージサウンドトラックのカヴァーや、JAGA JAZZIST"One Armed Bandit"のカヴァーを収録。


第二回(2015.5.25)


全18曲。収録内容は「ポケットモンスター 金・銀」「PLOK!」「HALO」「ロックマンゼロ4」「ブロックアウト」「大航海時代」「ワイルドアームズ4」「幻想水滸伝II」「スタークルーザー」「ペーパーマリオ」「ソニック・ザ・ヘッジホッグCD」「アウトラン2006」「スーパーメトロイド」「ドラゴンフォース」「Chrono Ark(「クロノトリガー」「クロノクロス」インスパイア非公式二次創作アルバム)」。ゲーム音楽以外ではKING CRIMSON"Frame by Frame"、マッツ/モルガン"Etage A-41"(!!)、イエロー・マジック・オーケストラ"Firecracker"(大元はマーティン・デニーですが)、Béla Fleck and the Flecktones"Scratch and Sniff"のカヴァーを収録。


番外(2015.6.03)


短めのセット。全8曲。収録内容は「Starsky and Hutch」「ラグナロクオンライン」「クロノトリガー」「Secret of Evermore」「ポケットモンスターブラック2・ホワイト2」。オープニングとエンディングは即興。


第三回(2015.6.08)


全12曲。収録内容は「ソニック3D ブラスト(ソニック3D フリッキーアイランド)」「AZEL -パンツァードラグーン RPG-」「東方星蓮船」「ドラゴンズドグマ」「ドラゴンクエストVII」「デュープリズム」。ゲーム音楽以外ではアニメ「鉄腕バーディー」劇伴、Igorrr"Infinite Loop"、ジェーン・チャイルド"Don't Wanna Fall in Love"、Disasterpeace"Three"、SubPixel"Outage with Candles"、ミルト・ジャクソン"Bluesology"のカヴァーを収録。


第四回(2015.6.15)


全10曲。収録内容は「ボンバーマンヒーロー」「アランドラ」「Double Dragon NEON」「Millie」「ボーダーダウン」「ストリートファイターEX3」「悪魔城ドラキュラ(SFC版)」「Spider-Man & X-Men - Arcade's Revenge」「Secret of Evermore」。ゲーム音楽以外ではバッカーノ!のオープニングテーマ"Gun's & Roses"のカヴァーを収録。


第五回(2015.6.22)


全13曲。収録内容は「スーパーマリオカート」「ドンキーコング64」「エスカ&ロジーのアトリエ」「トキメキファンタジー ラテール」「Treasure Master」「Borne in Blood(「ブラッドボーン」インスパイアアルバム)」「ライブ・ア・ライブ」「シャイニング・フォース外伝 ~ファイナル コンフリクト~」「シェンムー」。ゲーム音楽以外では、Carl Åborg"Dreamplay"、映画「秘密の花園」劇伴、Rustie"Hover Traps"、ティグラン・ハマシアン"Song for Melan and Rafik"をカヴァー。


Shnabubula『SNESology Special Edition』(2015)

2015年7月17日金曜日

軽やかにジャンルを越境する、とびっきり鮮やかなハイブリッド・フュージョン 第二弾 ― maigoishi『Dystopia』(2015)

Dystopia
Dystopia
posted with amazlet at 15.07.16
maigoishi
elegantdisc (2015-07-15)
売り上げランキング: 36,361



 魅力的アーティストを輩出しているエレクトロニカ系レーベル「elegantdisc」から2013年末にデビューを飾った新進気鋭のコンポーザー/トラックメイカー maigoishi。デビューアルバムである『Encounter』では、ジャズ、ソウル、ファンク、エレクトロニカ、プログレッシヴ・ロック、ゲーム・ミュージック、サウンドトラックなどの最良の要素を巧みに取り込み、和の情緒を交え出力した新世代のデジタル・フュージョン・サウンドで、とびっきりの鮮烈な印象を与えてくれました。その後、コンピレーションアルバムや、TV番組や映画、映像作品への楽曲提供も活発に行いながらアルバムのレコーディングがすすめられ、約一年半ぶりの作品となる『Dystopia』が完成。楽しみにしておりました。





 今作ではJukeやFootworkの要素を意識的に取り込んだとのことで、流麗なピアノ/シンセのフレーズに導かれる冒頭曲"背水ノ陣"や、エレピソロが興趣を添える"Human Heart"では、サンプリングとトリッキーなビートの叩き込まれたトラックが鼓膜を心地よく刺激してくれます。"四面楚歌"では、キース・エマーソンを彷彿とさせるタッチのド直球キーボード・プログレを展開。"SHINOBI" "Japanese Metronome" "夏座敷"など、和のエッセンスは本作においてもたっぷりとまぶしこまれており、持ち前の抜けのよいサウンド、カラフルなアレンジもあいまって不思議なジャパネスクを演出しております。部分的に久石譲を想起させるところも。また、今回もギタートラックには外部ミュージシャンが迎えられており、"古神道"の中盤ではシャープなギターソロが挿入されております。柔らかさと人懐っこいメロディが染みこんだ"Steam Punk Scrap" "IHATOV"や、裏拍気味に入る木魚の音色も楽しい"April Dash"、ゆるやかなピアノの上をメリハリの効いたビートが刻み、コントラストの妙を感じる"Omen Break"といったポップ・インストゥルメンタルでは、情景的な志向がよりいっそう強くなったとも感じます。ラストの"Over the Time"はさまざまな情景が鮮やかにフラッシュバックする、締めを飾るにふさわしい印象的な一曲。適度にスキマを設けたアルバム構成もさることながら、スタイリッシュなインストゥルメンタルとしてさらに磨きのかかった快作。雑食的なサウンドを追い求める向きにはこれ以上なくマストな一枚です。






http://maigoishi.jimdo.com/

maigoishi『dystopia』 - elegantdisc
maigoishi interview - elegantdisc
氏のユニークな音楽遍歴について言及あり。

maigoishi『Encounter』(2013)

2015年7月15日水曜日

極上の地中海プログレッシヴ・フュージョンに浸る、約十年ぶりの新作 ― Arti & Mestieri『Universi Paralleli』(2015)

ウニヴェルシ・パラレリ
ウニヴェルシ・パラレリ
posted with amazlet at 15.07.14
アルティ・エ・メスティエリ
キングレコード (2015-06-24)
売り上げランキング: 4,681


 先ごろ三度目の来日も果たしたイタリアン・プログレッシヴ・ロック・バンド アルティ・エ・メスティエリは、ギタリストのジジ・ヴェネゴーニ、キーボーディストのベッペ・クロヴェッラ、そしてプログレッシヴ・ロック界の無限動力炉ドラマーとして現在も名を馳せるフリオ・キリコを中心として1973年に結成、1985年の活動停止までに五枚のアルバムを発表。その後、1999年に再結成を果たし、現在もキリコを中心に活動を続けております。本作『Universi Paralleli』は、フルアルバムとしては『Estrazioni』(2005)以来、約十年ぶりとなる新作アルバム。ですが、『Estrazioni』は'70年代に制作されながらもお蔵入りとなってしまった楽曲のリメイクアルバムだったので、純粋な新作アルバムとしては復活作となった『Murales』(2000)以来、約十五年ぶりとなります。そう考えると長いものですが、そのあいだに二度の来日公演や、そこでのパフォーマンスを含む三枚のライヴアルバム、そして探検家ジョヴァンニ・バッティスタ・ベルツォーニをテーマとしたアルバム(しかし2015年現在も未リリース)からの先行曲を収めた四曲入りマキシシングル『Il Grande Belzoni』(2009)など、リリースには事欠かない状況ではあったので、待ったという感はさほどないのですよね。それでも、これが満を持してのリリースであることに違いはありません。





 “平行宇宙”を意味するアルバムタイトル、そして象徴的なオブジェクトがあしらわれたアルバムジャケットから、本作は過去の実績を踏まえながらも、焼き直しやセルフオマージュに堕さないという決意のうかがえるものになっています。「芸術家と職人」という自らのバンド名を改めて体現するかのようです。前作『Il Grande Belzoni』は歌もののイタリアン・ロックといった印象に終始していましたが、今作は『Murales』からさらに焦点を絞った形で、地中海の薫りが爽やかにくすぐるプログレッシヴ・フュージョンを展開しています。メンバーは、キリコとヴェネゴーニを中心に、近年活動をともにしているヴォーカリスト、ベーシスト、ヴァイオリニスト、サイドギタリストの四人、そしてレーベルオーナーとして多忙のため不参加となったベッペ・クロヴェッラに代わり、VENEGONI & CO.のキーボーディスト/アレンジャーであるピエーロ・モルターラを迎えた計七名。そこにオリジナルメンバーのアルトゥーロ・ヴィターレと、KING CRIMSONのメル・コリンズ、ふたりのサックス奏者がフィーチャリング・ゲストとして参加しています。





 アルバム冒頭を飾る"Alter Ego"は、ヴェネゴーニの紡ぐ哀愁のメロディラインの美しさが際立つ畢生の名曲。しなやかさと力強さを兼ね備えたクロスオーヴァー/プログレとしてすでに向かうところ敵なしといったところです。後ろでキリコがガスガスと手数を叩き込み、表ではメル・コリンズのサックスによる印象的なテーマをフィーチャーしたスピーディなジャズ・ロック"Dune"を経て、メルが今度はフルートで客演する"Pacha Mama"と、本作のテーマが色濃く反映された"L'ultimo Imperatore"という二曲の歌ものバラードへ。特に後者は本作随一のスルメ曲といっても過言ではなく、中盤からラストにかけて繰り広げられるキーボードとヴァイオリンのソロ回しもスリリングです。本作のヴォーカル曲はわずか四曲ですが、イアーノ・ニコロの声はきっちりと存在感を示しています。ヴェネゴーニのペンによる"Johann"、そしてヴェネゴーニ/モルターラのコンビによる"Finisterre" "Linea D'omebra"は、やはり哀愁のメロディが全面に出たインストゥルメンタル。ふくよかな響きに酔わされます。アルトゥーロ・ヴィターレをフィーチャーした明快なイタリアン・ロック・チューン"Restare Immobile""Borea" "Pandora"は、それぞれアコーディオンとヴァイオリン、ヴァイオリンとアコースティック・ギターの軽快な絡みが聴きもの。"Comunicazione Primordiale"は完全なるドラムソロで、筋肉モリモリマッチョマンの独壇場です。本編ラストの"La Luce In Fondo Al Tunnel"ではふたたび冒頭の路線に回帰し、吹き抜ける風のような印象でアルバムを締めくくります。日本盤ボーナストラックの"La Porta Del Cielo"はメロトロンの音色も滲み出たどっぷりと濃いプログレ曲。アルバムの他の曲と齟齬なく、カッチリとハマり込んでいます。

 同じくイタリアン・プログレのヴェテランバンドとして現在も活動を続けるOSANNAが、代表作『Palepoli』の続編アルバム『Palepolitana』を先ごろリリースし、過去を呑み込んだ現在進行形のバンドとしての姿を存分に示した見事な力作に仕上げてきましたが、アルティ・エ・メスティエリはパラレルというコンセプトをたっぷりと追求し、多様性に富む力作を仕上げました。アプローチは違えど、目指した先は同じというのは興味深いところです。


http://artiemestieri.org/
https://www.facebook.com/pages/ArtiMestieri-official/350403901800455

Arti & Mestieri - Prog Archives

2015年7月13日月曜日

〈ペリー・ローダン〉スペース・ロック・コンピレーション ― 『The Psychedelic Avengers Vol.2』(2006)

テラナー (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-500 宇宙英雄ローダン・シリーズ 500)
H・G・フランシス ウィリアム・フォルツ
早川書房
売り上げランキング: 1,129



 世界最長のスペースオペラシリーズ〈宇宙英雄ペリー・ローダン〉の邦訳が先ごろ500巻(1000話)を迎えたそうで、とくにシリーズを追っかけているファンではないのですが、それでも感慨深いものを感じました。しかし本国では2800話を越え、外伝シリーズも含めてなお現在もハイペースで刊行中というのですから、気が遠くなります。そもそも第1000話がドイツ本国で発表されたのは1980年なので、まだ35年もの差があるのですよね。


サイケデリック・アヴェンジャーズ 第二集(THE PSYCHEDELIC AVENGERS AND THE THE DECTERIAN BLOOD EMPIRE)
オムニバス
インディペンデントレーベル (2006-10-20)
売り上げランキング: 299,716



 かつて日本では'78年(邦訳が40巻くらい出たころ)に寺内タケシとブルージーンズによるイメージアルバムが出ておりましたが、こちらはドイツ本国で2000年代半ばにリリースされた企画アルバム。正式タイトルは『The Psychedelic Avengers And The Decterian Blood Empire - Vol 2』。〈サイケデリック・アヴェンジャーズ〉と銘打ったサイドストーリーであり、一大ミュージック・プロジェクトでもあります。2004年に第一弾CDが出ているのですが、この第二弾CDはさらなるパワーアップを遂げ、CD二枚組にわたって目一杯楽曲が収録され、コンセプト面ではローダン執筆者のひとり、レオ・ルーカスによる書き下ろしストーリー「悠久の虚飾の水晶」(金子みちる訳)が付されています。といっても、デクテリアン帝国に決死の戦いを挑む数多のサイケデリック・アヴェンジャーたちの話なので、ローダンや主要なキャラクターたちは出てきません。レオ氏は、2001年に刊行された第2059話から現在まで断続的に執筆に参加(数十話ほど)している、執筆陣のなかでは若手。作家というよりは芸人/ミュージシャン気質の人のようで、単独の活動でローダンものの音楽作品を制作してもいるようです。





 パッケージの文面には、「これはコンピレーションでも、オーディオブックでもない。これはアナタ自身の想像上のSF映画のためのサウンドトラックであり、意識を拡大させるサイケデリック・スペース・オペラなのである」という但し書きがついております。一アーティスト一曲形式なのかというと必ずしもそうではなく、何人ものアーティストが複数トラックにわたってクレジットされた楽曲が多いです。つまり各アーティストがレコーディングしたマテリアルを切ったり貼ったりして楽曲にしているといったほうがいいでしょうか。音楽性もサイケデリック/スペース・ロックを基調に、テクノ、アンビエント、ヒップホップ、ハードロック、オルタナティヴ・ロック、エクスペリメンタル・ミュージックなどが混じり合っており、全容をつかむのにはなかなか時間を要します。長大なシリーズだけに、こういう入り乱れた趣向は「らしい」かもしれませんね。さすがひとクセもふたクセもあるバンドを多数輩出したジャーマン・ロックの国はやることが違うなと思います。サイケデリック/スペース・ロック系バンドの顔ぶれをみると、ドイツのELECTIC ORANGEVIBRAVOIDZONE SIX、アンダース・ベッカー(Mandra Gora Lightshow Society)、フィンランドのDARK SUN、ベルギーのHYPNOS 69、そして日本からはMARBLE SHEEPが参加しています。そういうこともあってか〈サイケデリック・アヴェンジャーズ〉の二枚のアルバムは日本盤がキャプテン・トリップ・レコードから出ています。まだ廃盤にはなっていないようなので、入手は容易かと、


サイケデリック・アヴェンジャーズ 第一集(THE PSYCHEDELIC AVENGERS AND THE CURSE OF THE UNIVERSE)
オムニバス
インディペンデントレーベル (2006-10-20)
売り上げランキング: 354,289



The Psychedelic Avengers
『The Psychedelic Avengers And The Decterian Blood Empire - Vol 2』- discogs


 〈ペリー・ローダン〉を題材とした音楽作品はローダン専門wikiのperrypediaにまとまっておりますが、こちらも膨大な数にのぼります。いくつか気になったものを以下に。


Marcello Giombini『4.3.2.1 Morte (Perry Rhodan) Soundtrack』(1967)
...4..3..2..1...Morte
...4..3..2..1...Morte
posted with amazlet at 15.07.12

Gdm (2001-10-22)
売り上げランキング: 812,821

https://itunes.apple.com/jp/album/4.3.2.1-morte-perry-rhodan/id490111791

 '67年にイタリア/西ドイツ/スペインで共同製作されたローダンの実写映画版「Perry Rhodan – SOS aus dem Weltall(独題)」のサウンドトラック。映画はシリーズ第一巻『スターダスト計画』が原作で、いちおう『...4...3...2...1... デス、ミッション・スターダスト』という題で日本でもかつてソフト化されていました・・・・・・本編の出来はお察しのようですが。ライブラリーミュージックやマカロニ映画のサウンドトラックを手がけたMarcello Giombini(マルチェロ・ジョンビーニ)がスコアを手がけているので、その筋の人にはたまらないのではないかと。いまではiTunesでサウンドトラックの全曲が買えます。




SENSUS『Perry Rhodan ... More Than A Million Lightyears From Home ...』(1986)

  '84年にデビューしたドイツのテクノ・グループ SENSUSが'86年にリリースした最後のシングル。ジャケットは、〈ペリー・ローダン〉第1000話『テラナー』の本国版の表紙絵の流用。このシングルは同年に開催されたローダン25周年のワールドコンで売られたそうな。ちなみに曲はスペースズンドコ節とでもいうようなシンセ・ポップ。マジでズンドコ節です。わずか三枚のシングルリリースで消滅してしまったのですが、とにかくヴィジュアルが完全に宇宙人のソレで、ハンパなく強烈です。ダフトパンクより前にこんなことをやっていたのかといったところですが、出てくるのが早すぎた感があります。





Christopher Franke『Perry Rhodan Pax Terra』(1996)

元TANGERINE DREAMのクリストファー・フランケが'96年12月に発表したイメージアルバム。このころ彼は「バビロン5」のスコアも手がけていたので、方向性がかぶっているなという感は否めませんが、よい内容です。ちなみに本作は、同年にフランケが手がけた劇場版アニメ「天地無用! in LOVE」のサウンドトラックと制作環境が同じ。つまり、ベルリンシンフォニックオーケストラとリック・ジュードがこちらにも参加しているのです。リリースは天地無用のほうが先(4月)なので、こちらのレコーディングの際にまとめて録っていたのかもしれません。
 https://itunes.apple.com/jp/album/perry-rhodan-pax-terra/id257810982





Spyce『X-Plorer - A Trip through the Universe of Perry Rhodan』(2007)
X-Plorer - A Trip Through The Universe Of Perry Rhodan
Perry Rhodan Spyce
Edel Enter
売り上げランキング: 1,529,982


 '07年にリリースされたイメージアルバム。メインコンポーザーのAlf M.は、ジャーマン・プログレ・バンド Rachel's Birthdayの元キーボーディスト アルフレッド・ミュラー。実質的に彼のソロアルバムです。エレクトロ・ポップ/スペース・ロック路線でまとめられています。こちらもアルバムジャケットは本国版『テラナー』の表紙絵の流用。



2015年7月10日金曜日

樫原伸彦『カプリコン オリジナルアルバム』(1989)

カプリコン
カプリコン
posted with amazlet at 15.08.15


売り上げランキング: 526,119



 「カプリコン」は、1989年から1990年にかけて、新書館の〈月刊ウイングス〉で連載された真鍋譲治氏のコミックス作品(全五巻)。本CDは単行本二巻の刊行とほぼ同時期にリリースされたイメージアルバム。真鍋氏による各曲解説が掲載されたライナーノーツ付き。コンポーザーは、尾崎豊のアルバム・プロデュースや演奏などを手がけた樫原伸彦氏(現在は→Pia-no-jaC←のプロデューサーです)。作詩で参加されているダイアン・シルバーソンさんは、70年代前半に和製ブラジリアン・ポップス・グループ NOVOに参加されていたアメリカ人女性ヴォーカリスト。その後、作詞家として活動されており、高中正義やムーンライダーズのアルバムなどにクレジットされてもおります。ヴォーカルのHANNAHさんのプロフィールは不明ですが、同年のアニメ「魔動王グランゾート」の"奇跡のように" "太陽を凍らせろ"や、特撮「高速戦隊ターボレンジャー」の"キューティーターボレディ"といった各挿入歌でクレジットが確認できます。


-------------------------------------------
『カプリコン オリジナルアルバム』
[LD32-5096|1989.03.08|東芝EMI/Futureland]

〈SIDE 1〉
01. CAPRICORN
02. WAKE UP
03. MAD SPIRIT
04. PATA PATA
05. IF


〈SIDE 2〉
06. LADY WOLF
07. SHADOW OF DEATH
08. PROMISE
09. SPACE WAR
10. LAST SOLDIER


作詩:Diane Silverthorn(②⑤⑧⑩)
作編曲;樫原伸彦
歌:HANNAH(②⑤⑧⑩)

-------------------------------------------

カプリコン - Wikipedia
樫原伸彦 - Wikipedia

2015年7月8日水曜日

アルゼンチンの作曲家が60年代に残した、珠玉のラウンジ・ジャズ ― WALDO DE LOS RIOS『Su Musica & Su Quinteto』(2007)

Su Musica Y Su Quinteto
Su Musica Y Su Quinteto
posted with amazlet at 15.07.07
DE LOS RIOS WALDO
MEL (2014-02-11)
売り上げランキング: 864,352

https://itunes.apple.com/jp/album/su-musica-y-su-quinteto/id931742248


 アルゼンチン・ブエノスアイレスの作曲家/ピアニスト ワルド・デ・ロス・リオス(1934-1977)。音楽家の父と母のあいだに生まれ、幼少期より母のツアーに帯同する形でピアニストとして活動。国立音楽院では、テオドロ・フックスとアルベルト・ヒナステラから指導をうけております。バンド活動後、アメリカ、そしてスペインへと渡り、フリオ・イグレシアス、カリーナ、マリ・トリーニ、カミーロ・セストなど、数々の著名な歌手のアレンジャーを手がけ、一世を風靡します。スペインの国民的歌手であるミゲル・リオスが、ベートーベンの交響曲第九番「喜びの歌」を歌い上げ、各国でヒットを記録した'70年の"Song of Joy"でのオーケストラ・アレンジがよく知られています。彼はピストル自殺により四十三歳という若さで亡くなっておりますが、生前に制作した作品は膨大な数にのぼり、ポップス編曲のみならず、イージーリスニングやタンゴ、クラシック作品、「象牙色のアイドル」(1969)「荒野のライフル」(1971)、「ザ・チャイルド」(1976)など、TVや映画の劇伴音楽も数多く手がけております。





 本アルバムは、彼の没後三十年目にリリースされたコンピレーション・アルバム。ピアノ/オルガン、ヴィブラフォンを擁したクインテットで60年代に録音した音源を十五曲収録しています。大半はオリジナルですが、"Metamorfosis Folklórica"はバッハの二声のインヴェンションのアレンジで、アルバムの最後の三曲はアレンジ。ザンバやチャカレーラといったフォルクローレや、クラシックの要素をポップス/ジャズになめらかに落とし込む非凡なセンスが発揮されており、師であるヒナステラからの影響もうかがわせる鮮やかなものです。華麗なピアノと小気味のよいパーカッションの絡みでグイグイと引っ張ってゆく"El Hacha Y El Quebracho"や、ヴィブラフォンとピアノの瀟洒な響きに酔わされるラウンジ・ジャズ"Zamba en Nueva York" "Sevillanas"。浮遊感に富んだ趣向が結果的にサイケデリックに感じさせる"El Algarrobo Que Hablaba Con los Pájaros" "De Donde Vienen las Guitarras"、絶妙に挿入されるストリングスでよりシネマティックな情景を喚起させる"El Último de los Matacos"など、いずれも柔らかで洗練されたアレンジの効いた珠玉の仕上がり。時を経ても古びない輝きが詰まっています。

http://www.waldodelosrios.es/

WALDO DE LOS RIOS - discogs

2015年7月5日日曜日

2015年 上半期ベストアルバム10選+α

6:33『Deadly Scenes』
Deadly Scenes
Deadly Scenes
posted with amazlet at 15.07.04
6:33
Kaotoxin (2015-06-09)
売り上げランキング: 203,968



金屬惠比須『ハリガネムシ』
ハリガネムシ
ハリガネムシ
posted with amazlet at 15.07.04
金属恵比須
Ryouki-World Records (2015-02-11)
売り上げランキング: 123,220



新垣隆、吉田隆一『N/Y』
N/Y
N/Y
posted with amazlet at 15.07.04
新垣隆 吉田隆一
APOLLO SOUNDS (2015-02-11)
売り上げランキング: 2,950



Tigran Hamasyan『Mockroot』
モックルート
モックルート
posted with amazlet at 15.07.04
ティグラン・ハマシアン
ワーナーミュージック・ジャパン (2015-04-08)
売り上げランキング: 111,831



悠木碧『イシュメル』
イシュメル(初回限定盤)(DVD付)
悠木碧
FlyingDog (2015-02-11)
売り上げランキング: 2,819




John Carpenter『Lost Themes』
Lost Themes
Lost Themes
posted with amazlet at 15.07.04
John Carpenter
Sacred Bones (2015-02-03)
売り上げランキング: 13,430




Lonely Robot『Please Come Home』
プリーズ・カム・ホーム
プリーズ・カム・ホーム
posted with amazlet at 15.07.04
ロンリー・ロボット
マーキー・インコーポレイティド (2015-03-25)
売り上げランキング: 143,858



TOTO『TOTO XIV』
TOTO XIV~聖剣の絆 [Blu-spec CD2]
TOTO
キングレコード (2015-03-18)
売り上げランキング: 2,060




BAROCK PROJECT『Skyline』
地平線(スペシャル・ダブルCDエディション)
バロック・プロジェクト
ベル・アンティーク (2015-07-25)
売り上げランキング: 74,754




『Kung Fury: Original Motion Picture Soundtrack』
http://shop.kungfury.com/*/*/Original-Motion-Picture-Soundtrack/4NC30000000
kungfuryOST-.jpg





〈+α〉

LOSZEAL『Ideal World』
Ideal World

Native Construct『Quiet World』
Quiet World

MEW『+-』
プラス・マイナス

KA.F.KA『Fantome Noir』
Fantome Noir

The Silence『The Silence』
The Silence

WALTARI『We are WALTARI』
You Are Waltari

Stig『Velocity』
stigvelocity.jpg

Ludrium (Cody Carpenter)『Pleasure of a False Past』
ludrium_please.jpg

Antonio Sanchez『Birdman (Original Motion Picture Soundtrack)』
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

深町純『エイリアン魔獣境』(再発/初CD化)
エイリアン魔獣境

2015年7月1日水曜日

上野知己、中川亜紀子、飯塚雅弓 他『はりきり! ふろーずんぷりてぃ〔fuchsia〕/〔indigo〕』(1998)

はりきり!ふろーずん ぷりてぃ(indigo)飯塚雅弓ヴァージョン
イメージ・アルバム
パイオニアLDC (1998-03-25)
売り上げランキング: 1,153,566


「はりきり!ふろーずん ぷりてぃ」~fuchsia
ドラマCD 中川亜紀子 飯塚雅弓
ソニー・ミュージックレコーズ (1998-04-01)
売り上げランキング: 876,335



 '98年にリリースされた二枚の企画ドラマCD。各種スパイスが麻薬ばりに厳しい統制下のもと取り締まられた二十二世紀の女子高生が、ヒマラヤで氷漬けになっていた二十世紀の女の子とドタバタを繰り広げるガールミーツガールなストーリーを、「ザッピングドラマCD」というコンセプトで展開したもの。「十姉妹参美」役の中川亜紀子さんサイドと「神渡つばめ」役の飯塚雅弓さんサイドに分かれたそれぞれのCDはソニーレコードとパイオニアLDCの異なるレーベルからリリースされております。ライナーノーツの文面を一部引用すると「それぞれ独立した内容のドラマCDでありながら、同じ世界観、同じ時間軸、同じ登場人物などの設定により並行してドラマが進みます。――上記の2枚のCDのタイム・トラックを合わせて、2台の同じ機種のCDプレーヤーで同時に再生をスタートすることで、より一層2枚のCDのドラマ内容を楽しむことができます」とのこと。なかなかに手の込んだコンセプトです。ちなみに、同時並行で今は亡き〈月刊コミックドラゴン〉〈月刊ドラゴンジュニア〉で連動企画的なコミック(永井朋裕/花屋敷ぼたん:画)も載っていたそうです。実はこのCD、プログレッシヴ・ロック・バンド アウターリミッツのヴォーカリスト/キーボーディスト 上野友煕(上野知己)氏がコンポーザーとして楽曲を制作されておりました。プログレ色が強いというわけではないけど、ちょっとだけ「らしい」曲はあったりします。



『はりきり! ふろーずんぷりてぃ〔fuchsia〕』
[SRCL-4208|1998.4.01|SONY RECORDS]

01. プロローグ
02. 第1話「お待たせしました!!」
03. 第2話「WANDERER'S LOVE」
04. 第3話「いたいのとんでけ」
05. the intermezzo,SANMI
06. 第4話「PRETTY RED」
07. Frozen Kiss
(作詩・作曲:安部純/編曲:武藤星児/歌:中川亜紀子)


『はりきり! ふろーずんぷりてぃ〔indigo〕』
[PICA-1168|1998.3.25|パイオニアLDC]

01. プロローグ
02. 第1話「完ペキなスマイル」
03. 第2話「ONE DOLLER`S LAB」
04. 第3話「SWEET PAIN」
05. The intermezzo:TSUBAME
06. 第4話「FROZEN BLUE」
07. Indian Surprise
(作詩:枯堂夏子/作編曲:関淳二郎/歌:飯塚雅弓)



〈キャスト〉
十姉妹参美 中川亜紀子
神渡つばめ 飯塚雅弓
中乘丹後 林延年
尾上華辰 津久井教生
七笑香苗 今井由香
頼母鶴珠絵 小桜エツ子
インディラ 白鳥由里
神渡勘太郎 速水奨
神渡ひよこ 川上とも子
勧進帳小梅 水谷優子
突入隊々長 立木文彦
突入隊々員 西村朋紘

Gメン 室園丈裕
作業員 酒井哲也
会長 うすいたかやす

〈ドラマスタッフ〉
企画:垣本幸夫
原作・脚本:丘津奈々(スタジオ新大陸)
音響監督:鶴岡陽太
音楽:上野知己
音響効果:神保大介
録音:はたしょうじ
音響制作:杉山好美(楽音舎)
制作プロデュース:鈴木誠二(フィールドワイ)



情報>はりきり!ふろーずん・ぷりてぃ(1998・01・23) - animefan online
上野知煕 (うえの ともき) - vgmdb