純血鬼爛 (2008/03/07) 死蝋月比古 商品詳細を見る |
コンポーザー/作詞家の畑亜貴さんがフロントを務めるプログレッシヴ・ロック・バンド「月比古」。その別働隊となるアコースティック・ユニット 死蝋月比古(シロウツキヒコ)が、先ごろ1stアルバムをリリースいたしました。メンバーは畑さんに、ヴァイオリニストの岡田鉄平氏、作編曲家の森藤晶司氏の3名。また、月比古メンバーの並木晃一氏がサウンド・エンジニアを務めております。作風はピアノ/チェンバロの音色によるゴシック/バロック調のシーケンスとヴァイオリンの雅な音色を主軸に、畑嬢が退廃様式美な詞を歌い上げていくというもの。極彩色の砂糖菓子のような甘味の強いヴォーカルはやや好みが分かれるところですが、ゴシックな雰囲気と甘美なメロディを存分に織り込みつつも、クドくならずにスッキリと聴かせるアレンジは流石の仕上がり。優美なニュアンスに富みながらも、どこかゾクリと背筋を寒からしめる怖気も孕んでいるのは、やはりアコースティックという編成ならではのニュアンスでありましょう。ささやきかけるようなヴォーカルと躍動的なストリングスで、妖しさと美しさが交互に顔を覗かせる「純血鬼爛」「瓦礫の正体」「とりこ」はチェンバー・ロックと言っても遜色ないですし、「治まる御世の」「夢見たさに夢を見た」は、狂おしきメロディを切々と展開していく様が秀逸な楽曲であります。黒百合姉妹やALI PROJECTがお好きであれば、こちらも大いにオススメの1枚。本家 月比古ともども、今後の活動に注目です。
●畑亜貴:Wikipedia