10月13日(土)に早稲田の茶箱で行われた、クロスジャンル・クラブイベント「fiction」Vol.8にて、自分が回した楽曲の一覧を、簡単なコメントも添えて。
1:中潟憲雄 / 【GB】平安京エイリアン - ステージテーマA
検 非違使が穴掘ってエイリアンを埋め立てるゲーム、それが平安京エイリアン。1990年の年初にメルダックより発売(ちなみに暴れん坊天狗は同年の年末発 売)されたゲームボーイ版より、ステージ曲のひとつ。楽曲はバラデュークや源平討魔伝、暴れん坊天狗などの楽曲を手がけた中潟憲雄氏。ちなみに中潟氏の奥 さんのお兄さんはオリジナル版の開発に関わったお方だそうな。なんとも奇縁。GB版への移植の際にはオリジナル版のプログラムが提供されたとのこと。音源 のCD化は一応されており(プロモ・オンリーでのリリースで、一般発売はされていないようです)、『平安京エイリアン音楽集』なるものが存在するようです → http://vgmdb.net/album/14914
2:コナミ矩形波倶楽部 / 【NES】Zen Intergalactic Ninja - Toxic Factory
1993年にコナミより発表された、同名のアメコミを 元にしたゲーム。NES版とゲームボーイ版が出ているのですが、どちらも日本未発売。タイトルを邦訳するなら「宇宙忍者 禅」といったところでしょうか。ベルトスクロールアクションだったり横スクロールアクションだったりとバラエティに富んだステージ構成、また粒揃いの楽曲 で、日本未発売が惜しまれる良作。作曲者はJ-Kane(兼田潤一郎)、Nakamur(中村康三)、Ayachan(西垣綾子)、T.Tommy(冨田朋也)、Sakagon(坂倉雄一)の5名。曲調がファミコンのT.M.N.T.(これもコナミゲー)っぽいのは、同作の楽曲にも携わった中村氏と坂倉氏に因るところでしょうかね。
3:コナミ矩形波倶楽部 / 【FC】クライシスフォース - STAGE2&5
1991 年にコナミより発売されたファミコンの縦スクロール・シューティングゲーム。ステージ2とステージ5で流れるBGM。作曲者はドラキュラIIやグラディウ スII、トライゴンの楽曲も手がけている松原健一氏。本作の楽曲は2011年にコナミのオンライン通販でリリースされたBOXセット『KONAMI SHOOTING COLLECTION』で音源化されました。印象に残るメロディアスなフレーズが盛り込まれた、たまらない楽曲揃いです。
4:塩田信之 / 【FC】サマーカーニバル'92 烈火 - Jetter[1面前半/裏5面]
ナ グザットから1992年に発売された、ファミコンの縦スクロール・シューティングゲーム。表ステージ全4面、裏ステージ全7面という構成で、裏モードは表 をはるかに越える鬼畜難易度。背景がぐにゃりぐにゃりとラスタースクロールしたり超高速スクロールをする中で敵と敵弾とアイテムが同時表示数の限界もなん のそのといわんばかりにわらわらと襲い掛かってくる様はもう圧巻を通り越して呆然の一言であります。まさにファミコンが烈火のごとく火を噴きかねない壮絶 さ。ちなみに、本作のメインプログラムを作り上げたS.YAGAWAこと矢川忍氏は後にバトルガレッガやバトルバクレイド、鋳薔薇などのメインプログラム に携わり、現在もCAVEで現役活動中。そして、本作の楽曲は塩田信之氏の手によるもの。全編にわたって展開される、アシッドなファミコンノイズを多用し たミニマルテクノサウンドが素晴らしいです。
5:Tim Follin(&Geoff Follin) / 【NES】シルバーサーファー
1990 年にアルカディア・システムズから発売されたNESソフト(日本未発売)。マーベル・コミックのスーパーヒーロー、シルバーサーファーを主人公にした シューティングゲーム(極上パロディウスの自機キャラのひとつ「こいつ」の元ネタはここからきてるんじゃないかという説も)なのですが、ゲーム本編は極悪 な当たり判定のせいでまともにプレイすることが困難で、どうしようもないクソゲー扱いされております。そんなゲーム本編とは対照的に、鬼才サウンド職人 ティム・フォリン氏が手がけた楽曲は絶品のクオリティ。重厚かつアグレッシヴな音の奔流を味わうことができます。
6:Geoff Follin / 【NES】ウルヴァリン - タイトル
1991 年にLJN株式会社より発売されたNESソフト(日本未発売)。マーベル・コミックの人気キャラクターの一人ウルヴァリンを主人公にしたアクションゲー ム。前述のティム・フォリン氏の兄であるジェフ・フォリン氏が楽曲を手がけており、弟に負けず劣らずの重厚で印象的なサウンドを聴かせてくれます。
7:Neil Baldwin / 【NES】ヒーロークエスト
ミルトン・ブラッドレー株式会社/ゲームズ・ワークショップの制作によるファンタジーRPG型ボードゲーム(1991 年)のNESソフト版。しかし、このソフトは本国でも日の目を見ることがなかったとか(なんという…)、ゆえに国内外未発売作品。ニール・ボールドウィン 氏による楽曲は、フォリン兄弟に負けず劣らずの重厚なサウンドを聴かせてくれるだけに、発売されなかったのがつくづく惜しまれるところ。氏は、「ジャング ルブック(国内未発売)」「ジェームズ・ボンド.Jr(国内未発売)」「フェラーリ グランプリチャレンジ(国内版あり)」などのNESソフトでも楽曲を担当されているようです。以下のサイトで各作品の楽曲が聴けます。
http://dutycyclegenerator.com/
8:富沢敏明 / 【AC】ゼロウイング - ヒット・マン[Stage8]
1989 年に発表された東亜プランの横スクロール・シューティングゲーム。そのアーケード版のステージ8BGM。 東亜プラン作品の楽曲は硬派なメロディやギンギンなベースラインなど、"東亜節"と呼ばれる特徴的なサウンドを展開しているのですが、この曲もそんな東亜 節が全開な仕上がり。と ころで、ゼロウイングを話題にすると避けては通れないネタに、メガドライブ海外版のストーリーデモに出てくるセリフ「All your base are belong to us」があります。あまりにも奇妙に感じる英語(いわゆるEngrish)だったらしく向こうの人にバカウケ、インターネット界隈でネタが流行した 2001年からだいぶ年月が経った今でもなおネタにされており、もはやEngrishの定番フレーズのひとつと化している感があります。AYBABTU
★All your base are belong to usとは - ニコニコ大百科
9:Virt(Jake Kaufman) / Lorem Chipsum
こ れは特定のゲームに使われた曲ではなく、ジェイク・カウフマン氏のオリジナル曲。氏は、「ケツイ~絆地獄たち~」のアレンジサウンドトラックへの参加や 「怒首領蜂大復活ブラックレーベル」の編曲、ニンテンドーDSの「魂斗羅 Dual Spirits」の楽曲も手がけているアメリカのVGMコンポーザーです。Blockpartyというミュージックコンペに提供した楽曲「Lorem Ipsum」のチップチューンアレンジ版です。原曲はアニメのテーマソングを意識して、VOCALOID(初音ミク)とクワイアソフトを使って仕上げた壮 大でアツいロック・チューン(歌詞はダミーテキスト[Lorem Ipsum]そのもの)。チップチューンアレンジ版でも疾走感は健在で、聴き応え十分です。
10:Tim Follin / 【NES】ピクショナリー - ミニゲーム1
1990年にLJN株式会社より発売されたNESソフト(日本未発売)。ボードゲームとパズルゲームを足したようなパーティゲーム。2つあるミニゲーム時BGMのうちのひとつ。QUEENの"Another One Bites the Dust"の8bitカヴァー&パロディに仕上がっており実に愉快。デンデンデン、もう一人死ぬ♪ ちなみにこのLJNというメーカーからリリースされるゲームは版権モノ&クオリティの低いものが多く、向こうの界隈では忌むべき存在として挙げられているとか。
★LJNとは - ニコニコ大百科