アーロンはプレイヤーとして以上にコンポーザーとして優れたセンスの持ち主であり、穏やかなヴォーカルを主軸に開放感のある楽曲を展開しており、タイトで抑制の効いたつくりや、どこか牧歌的なイメージは同国のENCHANTやECHOLYNにも通じる感触。ドライヴ感はあれどプログレッシヴ・メタル的なアプローチまで行かないのは、やはりRUSHから強く影響を受けているがゆえでしょうか。前作ではフルート奏者を迎えておりましたが、本作ではヴァイオリン奏者/チェロ奏者を五名迎え、大々的にフィーチャーしています。冒頭を飾る"Kissed by the Sun"は、アーロンのメロディセンスと華麗なストリングスサウンドが遺憾なく発揮された一曲。続く"Locked"のような爽やかなオルタナ・ピアノ・ロックから、"The Last Oasis" "The Bathed Moonlight"などのスロウテンポのシンフォニック・ロックやバラード曲に至るまで、一体感のあるバンドサウンドをじっくりと聴き込める仕上がりです。練りこまれたアルバムの方向性を考えるとハイペースでのリリースは難しそうではありますが、てらいなくアメリカン・プログレッシヴ・ロックの魅力を体現したバンドだけに、次回作にも大きく期待したいです。
80年代テイストにあふれまくったスウェーデン製作のサイバー・カンフー・アクション・アドベンチャー・ムービー「Kung Fury (カン・フューリー)」。同作のメインコンポーザーである Mitch Murderが、劇伴アウトテイク&サウンドトラック未収録曲をまとめた10曲入りコンピレーションを先月末にリリースいたしました。こちらはname your price(投げ銭)でダウンロードができます。カン・フューリーがカンフーパワーに目覚めるシーンで流れる曲"Moment Of Clarity"や、携帯電話の通販CMシーンで流れる曲"Communication Device"、本編終盤のカートゥーンアニメパートで流れた曲"Playing For Keeps"(名曲!)なども収録されております。さらに、サントラに収録されていた"Face Puncher"の別ヴァージョンも収録。また、アウトテイクである"Street Brawler"は、「超音速ヘリ エアーウルフ」のテーマのオマージュ込みの一曲。
Kung Furyの最近のマーチャンダイズについて。サウンドトラックLPは初回プレス分が先ごろ完売。9月14日ごろから2ndプレス盤が通販流通するとのこと。オーダーはこちらから。そして9月18日から、新Tシャツが販売開始されます。色は黒・赤・白の三種類で、「Kung Fury」のロゴのみをあしらったシンプルなものです。各$21.99。これでアナタもChosen Oneになりましょう。
『だんちがい Music Collection』
[SOH-AA003|2015.08.26|埼玉音楽放送株式会社]
〈キャラクターソング&エンディングテーマ Instrumental〉 01. しあわせのかけら 02. 気になるアイツはありえないっ!? 03.Gentle Mischief 04. Princess Durandal 05. Early Morning 06. Let a good day 07. いたずらサンバ 08. 空想少女
1989年から1997年にかけて学習研究社の〈月刊コミックNORA〉〈コミックCAIN〉で連載された、水縞とおる原作のラブコメ作品『恋人は守護霊!?』(全10巻)。本CDは単行本第五巻の刊行前にリリースされたイメージアルバム。翌年二月には二枚目のイメージアルバムもリリースされています。ライナーノーツでは「今冬OVA化されます」というコメントが掲載されているものの、その後アニメ化の企画は立ち消えになったものと思われます。本CDの作曲陣は全四名。堀井勝美氏は自身の名前を冠したフュージョン・バンド 堀井勝美PROJECTや、テレビ、映画、CMなど多岐・多産な作曲活動で知られるコンポーザー。埜邑紀見男氏も同様にマルチ・コンポーザーとして知られる人です。多田光裕氏は後にガンダムWのエンディングテーマ"It's Just Love!"の編曲などを手がけられる方。氏が手がけた"Don'T You Want Me?" "やめられないもん"は、ビートの効いたアップテンポなアレンジが素晴らしい楽曲です。