2014年4月19日土曜日

Progressive Side of THE ALFEE

70年代半ばにALFIEでデビュー。フォークから出発し、時代の流れと共にニュー・ロック、ハード・ロック、プログレッシヴ・ロック、デジロック、テクノ、AOR、パンク、ビート・ポップと、多様な音楽性を血肉として取り入れ、今なお変化し続けているTHE ALFEE。坂崎幸之助氏のアコースティック/フォークのエッセンスと高見沢俊彦氏のハードロック/プログレ的なエッセンスが混ざり合った音楽性はプログレ的な視点から見ても興味深いものがあります。80年代中盤からのアルバムには叙情的で大作志向な曲が1~2曲は入っているのですが、そういったプログレ度の高いアルフィーの楽曲をまとめてみました。

●「GATE OF HEAVEN」(from Album『The Renaissance』【1984】)

'84年作『The Renaissance』はアルフィーのHR/HM化、プログレ化の大きなターニングポイントとなったアルバム。代表曲「星空のディスタンス」が収録されているのも本作であり、曲調も豊かでツボがしっかり押さえられた充実度の高い1枚です。8分半に及ぶ「GATE OF HEAVEN」も実に気合の入った構成で組み立てられたプログレハードチューン。


●「AGES」(from Album『AGES』【1986】)

タイトル曲でもあるこの曲のアカペラの出だしはモロにYES「Leave IT」の冒頭部のソレに影響を受けたのだと思う(ちなみに、YES『90125』がリリースされたのは'83年)。曲調はカラっとしたアメリカン・プログレ・ハード系。


●「DNA Odyssey」(from Album『DNA Communication』【1989】)

やんわりと優しげなコーラスワークや落ち着いたトーンのバンドサウンドに彩られた'89年作『DNA Communication』の楽曲はソフトなフォーク&AOR路線のものが多いのですが、大作志向が強まっており、アルバムは8分にも及ぶ「Heart Of Justice」で幕開けします。この9分にも及ぶ「DNA Odyssey」はアルバムのハイライトで、内省的プログレオペラとでもいうような1曲。


●「Mind Revolution」(from Album『ARCADIA』【1990】)

ハードな疾走感に溢れた前半、壮大かつシンフォニックな後半と、1枚で2度おいしいアルバム『ARCADIA』。個々の楽曲もさることながら、楽曲の統一感でもプログレッシヴな流れを生んでいる見事な作品であります。「Mind Revolution」は徐々に盛り上がるダイナミズムも効いた絶品のシンフォニックバラードです。


●「幻夜祭」(from Album『夢幻の果てに』【1995】)

スリリングな変拍子の効いたゴリゴリのプログレッシヴ・メタル・チューン。『夢幻の果てに』は、同年リリースのライヴアルバム『LIVE IN PROGRESS』と併せて、プログレ期アルフィーを象徴する作品であります。


●「Nouvelle Vague」(from Album『Nouvelle Vague』【1998】)

「幻夜祭」の姉妹編とも言える1曲で、ストリングスを大胆に導入し、QUEEN風のコーラスワークも交えたド派手なシンフォニック・メタル・チューン。


●「Dark Side Meditation」(from Album『orb』【1999】)
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(2009/03/18)
THE ALFEE

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世紀末に発表された『orb』は捨て曲なしの名盤だと個人的に思います。テクノ/デジロック要素をうまく取り込んだハリのあるサウンドが非常にパワフルで聴き応えバツグン。2曲目に位置する「Dark Side Meditation」はテクニカルな導入部(YES+DREAM THEATERといった感じ)も印象的な1曲。


●「UNCROWNED KINGDOM」(from album『GLINT BEAT』【2001】)

『GLINT BEAT』はビートパンク/ロックンロール路線へのターニングポイントとなったアルバム。「運命の轍、宿命の扉」「Boy」「Fairy Dance」等、名曲多し。「UNCROWNED KINGDOM」は前作の「Dark Side Meditation」の流れを汲んだテクニカルプログレハード系。


●「組曲~progressive edit~」(from 『フィギュア17 つばさ&ヒカル オリジナル・サウンドトラック』【2002】)
こちらは番外。2001年から2002年にかけて放送されたアニメ「フィギュア17 つばさ&ヒカル」は、主題歌をTHE ALFEE、劇伴を高見沢俊彦氏が担当された作品であります。サウンドトラックには主題歌"Boy"のフレーズを織り交ぜた"組曲~progressive edit~"という楽曲が収録されているのですが、高見沢氏のプログレハード嗜好が反映されており、もっさり感も含めて何というか「らしい」仕上がりです。



●「LAST OF EDEN~Neo Universe PART II」(from Album『新世界 -Neo Universe-』【2010】)

2010年代最初のアルバムのオープニングを飾ったのは、トータルで20分近い"Neo Universe"三部作の組曲なのですが、その第二部にあたる楽曲。ここぞとばかりにテクニカルな変拍子リフを叩き込む疾走プログレ・ハードチューン。「メロディック・ハード究極のコーラス・ワーク」というアルバムのコピーにも偽りはありません。