オプチカル・レース(紙ジャケット仕様) (2009/09/09) タンジェリン・ドリーム 商品詳細を見る |
ジャーマン・エレクトロニック・ミュージックの大家 タンジェリン・ドリームの88年作品。クリストファー・フランケが脱退し、エドガー・フローゼとポール・ハスリンガーの二人体制で制作されたオリジナル・アルバムであり、元メンバーのピーター・バウマンが主宰するレーベル「Private Music」への移籍後 初となるアルバムでもあります。個人的にタンジェリン・ドリームは70年代の大作エレクトロ/アンビエントな作風よりも、80年代に入ってコンパクトでキャッチーな路線を目指していくようになってからの作風に多分に惹かれるのですが、中でも本作は琴線にクリティカル・ヒットした1枚。この時期のタンジェリン・ドリームの一連の作品は、80年代後期~90年代初頭のゲーム・ミュージックの源流の一つではないかと思っております。
アルバムは平均4~5分程度の十の楽曲で構成されており、ポップに躍動するエレクトロ・プログレ・テイストと、落ち着いたトーンのニューエイジ・テイストが程よく混ざり合った仕上がり。淡々としながらもリリシズムを感じさせるメロディを、巧みに盛り込まれた起伏と併せて聴かせる「Merakesh」「Optical Race」。聴き触りは爽やかながらパーカッシヴなバッキングの間を縫うようにしてチェンバロがメリハリのある旋律を奏でる「Atlas Eyes」。煌びやかに歌い上げられるノスタルジックなメロディで締められるラストナンバー「Ghazal (Love Song)」などが特に耳を惹きます。適度にスリリングな流れをキープして澱みなく聴かせる構成もさることながら、しみじみとした味わいもあるコンパクトな良作。
●TANGERINE DREAM - Official Site
●TANGERINE DREAM - Wikipedia
●「Optical Race」- Wikipedia