2013年7月31日水曜日

Sound Of Contact『Dimensionaut』(2013)

DimensionautDimensionaut
(2013/05/28)
Sound of Contact

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フィル・コリンズの息子 サイモン・コリンズ(dr.vo)率いるプログレッシヴ・ロック・バンド SOUND OF CONTACTのデビュー・アルバム。サイモンは1999年にソロ名義でデビューしており、エレクトロニックな要素も交えたポップ/ロック路線のサウンドでこれまでに『All of Who You Are』『Time for Truth』『U-Catastrophe』の3枚のアルバムをリリースしています(『U-Catastrophe』には父フィルと、スティーヴ・ハケットも客演)。バンド結成のキッカケは、2006年にサイモンがデイヴ・カーズナー(彼はDTMソフトウェアの制作会社Sonic Reality Incのオーナーでもあります)と出会ったのがそもそもの発端。意気投合した二人は、"Keep It Dark"(GENESISの1981年のアルバム『Abacab』収録)のカヴァーをレコーディングします。その後、2009年ごろにサイモンがバンドでの活動プロジェクトをデイヴに持ちかけ、『U-Catastrophe』リリース後のライヴに参加したマット・ドーシーをメンバーに迎え、翌2010年にSound of Contactが誕生します。

今年Inside Outからリリースされた本作はコンセプト・アルバムであり「人間の経験の領域を拡張するという使命を帯びた時空の旅人」が、テーマとしてあるようです。2曲目の"Cosmic Distance Ladder"こそ、プログレ・ハード寄りのインストサウンドを聴かせますが、基本はアトモスフェリックな趣向を交えたメランコリックな歌ものであり、サイモンがこれまでのソロアルバムで見せたメロディアスなポップ・センスと、父譲りの声質でのウェットなヴォーカルが、バンドサウンドによってより耳馴染みやすくも力強く展開されています。また、"Beyond Illumination"では、サイモンがTHE WISHING TREE(Marillionのスティーヴ・ロザリーのサイド・プロジェクト)のハンナ・ストバートとのデュエットを披露しているほか、20分に及ぶスペイシーな大曲"Mobius Slip"でラストを締め括るなど、意欲的な姿勢も十分。バンドサウンドにもう一押しアピール出来るものが欲しいなと感じる場面も少なからずありますが、デビューアルバムでこれだけの内容ならば御の字でありましょう。父の背中を見続け、父の影響を強く受けて育ったということもあり、今回のバンド結成はやはりサイモンにとって一つの大きな挑戦であったであろうとも思います。ここから、父をどう乗り越えてゆくか、彼の今後の活動に大いに期待したいところです。





Sound Of Contact - Official Site
Simon Collins - Wikipedia
Dave Kerzner - Wikipedia