2010年7月20日火曜日

板倉真一『Intuition』(2010)



 元NOVELAの五十嵐久勝氏と元HELLENの清水保光氏率いるハード・ロック・バンド CYCLONEのキーボーディストにして、森川智之氏と西岡和哉氏率いるBLACK VELVETのキーボーディスト。また、コンポーザー/アレンジャーとしても活動(難波弘之氏と共に「街」「DTエイトロン」「トランスフォーマー・カーロボット」といったサントラ仕事歴あり)している板倉真一氏の1stソロアルバム。

 ギターに清水氏、ベースにCichla temensisの国分巧氏を迎え、EL&P/キース・エマーソンやDEEP PURPLE/ジョン・ロードからの影響を伺わせる板倉氏のキーボードプレイが唸る、プログレッシヴなテイストも感じさせる様式系ハード・ロック/フュージョン寄りサウンドやシンフォニックなインストゥルメンタルサウンドを展開しております。オープニングとエンディングに壮大な盛り上がりを見せるインスト曲「Prologue」「Epilogue」を配するあたりは実にキーボーディストのソロアルバムという趣を感じさせます。清水氏と板倉氏のソロバトルもアツい王道チューン「To The Core」「Intuition」。清水氏の泣きのギターをフィーチャーした黄昏時をイメージさせるロック・フュージョン系インスト「Timeless Land」。声楽家の小林紗英子嬢による荘重なコーラスを交えた、「Prologue」のシンフォニック版アレンジ「Eternity」などなど、基本的にはキーボードを前面に立てた滑りの良いインスト曲が中心となっている本作ですが、ゲストを迎えてのヴォーカル曲が2曲あり、1曲は元プロヴィデンスやサーベルタイガーの久保田陽子嬢を迎えた「Breaking The Past」。久保田嬢のパワフルなヴォーカル炸裂の1曲で、彼女のいぶし銀なシャウトにひたすらシビれる本作随一の疾走キラーチューン。もう1曲は練馬マッチョマンの永野啓司氏を迎えた「A Day Of The Judgment」で、ミドルテンポの曲調に永野氏のねっとりしたヴォーカルが絡む、徹頭徹尾ドッシリ構えた1曲。自主制作アルバムということで基本的には公式からの通販で入手することになる1枚ですが、キーボードを軸とした爽快感溢れるストレートなハード・ロック系インストが目白押しなので、後腐れなくスカッと聴けるオススメの作品です。

Shinichi Itakura『INTUITION』
板倉真一:myspace