9月25日発売のミステリマガジン2018年11月号に、「ルパン・コミカライズの世界」を寄稿いたしました。2000年以降に発表された漫画版アルセーヌ・ルパン作品のガイドです。JET『怪盗紳士アルセーヌ・ルパン 八点鐘』、森田崇『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』、さいとうちほ『VSルパン』、岩崎陽子『ルパン・エチュード』の4作品を中心にとり上げています。
【ミステリマガジン2018年11月号目次】
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原典のアルセーヌ・ルパン シリーズで個人的に好きな作品を3つ挙げるなら『棺桶島』『八点鐘』『バーネット探偵社』ですね。『棺桶島』は孤島の伝説や「神の石」など物々しい雰囲気満載の伝奇チックな長編で最高。『八点鐘』はミステリ短編集としてもロマンスとしても珠玉。『バーネット探偵社』はルパンが探偵としてふるまう軽妙洒脱な短編集でイカします。番外だと『綱渡りのドロテ』を挙げたいです。ルパンは一切登場しないのだけれども、「カリオストロ4つの謎」のうちの一つが明らかになるのが同作。内容の痛快さやエンタ―テインメント性は抜群だし、エンディングも爽やかな冒険活劇です。
また、同号には音楽コラムの第3回「音楽界の“ファントマ”」も掲載されております。今回は、異才 マイク・パットンの悪巧みプロジェクトの一つ「Fantômas/ファントマス」について書いています。同バンド名の由来は怪人ファントマ。アルセーヌ・ルパンが「アルセーヌ・ルパンの逮捕」で初登場したのは1905年、ファントマの小説第一作が刊行されたのは1911年なので、ほぼ同時代のキャラクターともいえます。ただ、ファントマは義賊ではなく荒唐無稽な極悪人です。ちなみに、1909年には怪盗ジゴマやオペラ座の怪人の小説連載も開始しているので、当時のフランスはいわば怪人・アンチヒーローのデパート状態ですね。また去年、ファントマ原作小説第一巻の「完訳版」が風濤社から刊行されたので要チェックですよ。
http://futohsha.co.jp/books/fnovels/nfantomas.html
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《ルパン・コミカライズの世界 補足》
ミステリマガジン2018年11月号の拙稿「ルパン・コミカライズの世界」、2000年以降のコミカライズに主眼を置いたので2000年以前のコミカライズは前書きに一文でとどめたのみだったんですが、ちょっと補足しますね。 pic.twitter.com/X75hEpGHBk— 糸田屯 (@camelletgo) 2018年9月27日
【ルパン・コミカライズの世界 補足1】— 糸田屯 (@camelletgo) 2018年9月27日
▼木下としお「怪盗ルパン」
(1955/集英社《おもしろ漫画文庫》)https://t.co/mvr698Ln3v
※『木下としおのみち草漫画集2』に再録。
▼竹山のぼる「怪盗ルパン」
(1955/講談社〈ぼくら〉6月号別冊ふろく)https://t.co/MIYXitilKH pic.twitter.com/hggAhYBVtL
【ルパン・コミカライズの世界 補足2】— 糸田屯 (@camelletgo) 2018年9月27日
▼好美のぼる『怪盗ルパン』
(1970/曙出版《世界文学漫画全集》)https://t.co/s9gQn63IJr
好美のぼる版アルセーヌ・ルパンの造形の濃さはすごいぜ。 pic.twitter.com/8O1cxDJqoE
【ルパン・コミカライズの世界 補足3】— 糸田屯 (@camelletgo) 2018年9月27日
▼永井豪&ダイナミックプロ『劇画怪盗ルパン』
(1984~1985/小学館)https://t.co/oMmsvVA82Y
『奇岩城』『怪盗紳士』『ルパン対ホームズ』『813の謎』『水晶の栓』『金三角』『三十棺桶島』『虎の牙』『八点鐘』『ルパン再現』。ベースは保篠龍緒訳。 pic.twitter.com/f7cOZSF2GS
【ルパン・コミカライズの世界 補足4】— 糸田屯 (@camelletgo) 2018年9月27日
▼一峰大二『まんが怪盗ルパン』
(1997~1998/くもん出版)https://t.co/JV7ZN15oJS
『ルパンの逮捕』『不思議な旅行者』『女王の首飾り』『ハートの7』『ブロンドの貴婦人』の漫画化。 pic.twitter.com/bOwQDilGgA
【ルパン・コミカライズの世界 補足5】— 糸田屯 (@camelletgo) 2018年9月27日
海外ではアンドレ・P・ドュシャトーの文、ジャック・ジュロンのイラストで『水晶の栓』『813』『続813』『緑の目の令嬢』『奇岩城』のバンドデシネが1989~1994年にかけて発表されて、1994年に偕成社の「名探偵コレクション」で邦訳版(長島良三訳)が刊行。 pic.twitter.com/BxnlgPFtGa
《過去記事》
▼ミステリマガジン2018年9月号に、ミステリ&音楽コラム第2回「Ghost and Osiris」を寄稿いたしました
▼ミステリマガジン2018年7月号《おしりたんてい&バーフバリ特集》に「バーフバリ音楽ガイド」を寄稿しました&同号よりコラム新連載を始めます
▼エイドリアン・マッキンティ『コールド・コールド・グラウンド』のレビューを早川書房公式noteに寄稿いたしました
▼ミステリマガジン2018年1月号「特集:ミステリが読みたい!」に、2017年周辺ジャンル総括記事を寄稿しました
▼ミステリマガジン2017年11月号「幻想と怪奇 ノベル×コミック×ムービー」にコラムを三本 寄稿いたしました
▼ミステリマガジン2017年9月号「シャーロック・ホームズ & コリン・デクスター」特集にディスクガイドを寄稿いたしました
▼ミステリマガジン2017年7月号特集「このミステリ・コミックが大好き」のコミックガイドに参加&コラムを寄稿いたしました
▼ミステリマガジン2017年5月号【北欧ミステリ特集】に「北欧ミステリDISC SIDE A&B」を寄稿いたしました