企画:ゲームフリーク、開発:システムサコムのもと製作され、1991年にEPICソニーから発売されたスーパーファミコン用アクションゲーム「ジェリーボーイ」。悪の魔法使いによってスライムに変えられてしまった王子ジェリー・ビーンの16ステージにわたる冒険を描く同作は、今年の9月13日で発売25周年を迎えました。ゲームデザイン/ストーリーは田尻智氏(現 ゲームフリーク代表取締役社長)と杉森建氏(同 取締役/アートディレクター)。リリース後、1992年にかけて〈ファミリーコンピュータMagazine〉誌上で杉森氏によるコミカライズが連載され、1993年に単行本が徳間書店インターメディアより刊行されました(2014年に『杉森建の仕事』に再録)。「ポケットモンスター」以前のゲームフリークのオリジナルタイトルとして、「クインティ」(1989/ファミコン)、「パルスマン」(1994/メガドライブ)と並ぶ代表作です。
エピックソニーレコード (1991-09-13)
売り上げランキング: 27,158
売り上げランキング: 27,158
徳間書店
売り上げランキング: 185,982
▽The Making of Jerry Boy: An Interview with its Creators
(『ジェリーボーイ』(トクマインターメディアコミックス)に収録された、田尻智氏、杉森建氏、とみさわ昭仁氏の対談テキスト)
■「ジェリーボーイ」(1991)BGM集
黎明期ゲームフリークを語る上で避けては通れない同作ですが、コンポーザーの顔ぶれにも注目です。メインコンポーザーは福田裕彦氏。アシスタントコンポーザーはシステムサコムの斎藤学氏、そして山岡晃氏。この後「天外魔境II 卍MARU」「スーパーボンバーマン2」「エメラルドドラゴン」を手がけられる福田氏。「ユーフォリー」「幽霊君」「38万キロの虚空」など、数多くのシステムサコム作品を手がけてきたコンポーザーであり、翌1992年に22歳の若さでこの世を去った斎藤氏。この後 コナミに入社し、〈サイレントヒル〉シリーズのコンポーザー/プロデューサーを担当される山岡氏。以上の三人が携わられていたというのも興味深く思います。
▽「ジェリーボーイ」エンディングクレジット
HIROHIKO FUKUDA(福田裕彦)
MANABU SAITO(斎藤学)
AKIRA YAMAOKA(山岡晃)
■「ジェリーボーイ2」(1994) BGM集
1994年には続編である「ジェリーボーイ2 ちょっとあぶない遊園地」の発売が予定されていましたが、最終的に発売中止となりました。しかしほぼ完成していたそうで、ベータ版のROMはいつの間にか流出しており、今ではソフトの全貌はほぼ明らかとなっています。当時、電気グルーヴの一員だった砂原良徳氏(現 METAFIVE)がメインコンポーザーとして参加されていたというのも特筆すべきポイントでしょう。古本鉄也氏、藤澤孝史氏との共作であり、誰がどの曲を担当されたのかは不明ですが、曲を聴いてみるとだいたいのアタリをつけることはできます。そして1994年といえば、メガドライブで「パルスマン」が出た年でもあり、佐藤大氏と砂原良徳氏のユニット【ステレオタイプ】による同作のイメージCD『エレクトレース パルスマン』がリリースされています。
▽ジェリーボーイ2 クレジット
YOSHINORI SUNAHARA(砂原良徳)
TETSUYA FURUMOTO(古本鉄也)
TAKAFUMI FUJISAWA(藤澤孝史)
▽「Chris Covell's Jerry Boy/Smart Ball Tribute Page」
海外のジェリーボーイ ファンページ