2014年12月21日日曜日

このお下劣変態ミクスチャーを待っていた! 十年ぶりのフルアルバム ― 巨乳まんだら王国。『ちん毛02』(2014)

ちん毛02ちん毛02
(2014/10/18)
巨乳まんだら王国。

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イコマノリユキ教祖と愉快な仲間達による変態ロック・バンド 巨乳まんだら王国。の2ndフルアルバム。2011年にミニアルバム『ぶっかけぅどん』を発表していますが、フルアルバムとしては2004年のデビューアルバム『王国民洗脳教育セット』以来、10年ぶりとなります。いやあ、年はとるものですね。メンバーが出入りしまくるためラインナップも何度か変わり(※ベース、ドラム、ダンサーなどを兼任するマサオ氏〔ダッチワイフ〕も14代目になりました)、劇団☆新感線や楽団鹿殺しなどでの教祖の課外活動の機会も徐々に増えつつあったりと、いろいろありましたが、文字通りのド変態スタイルを貫くお下劣なミクスチャー・ロックは不変。そのポテンシャルの高さは、爆風スランプ、米米CLUB、おかげ様ブラザーズの系譜にあるものだとマジメに思っております。

楽曲と寸劇めいたコントが入り混じるアルバム構成は相変わらずですが、サウンドの方向性はヘヴィ・メタルからデジロック寄りのミクスチャー・ロックになったという印象。バンドの代表曲である"ちん毛"のリメイク・ヴァージョン"ちん毛02"や、"おチンチンの皮"は、ワブルベースも叩き込まれたアップ・トゥ・デイトなアレンジです。口にするのもはばかられるド直球の下ネタをキャッチーなメロディに乗せて高らかに歌い上げる。これが、これが巨まんの真骨頂。ジェイムズ・ヘットフィールドとマイク・パットンが河原の土手の下で糞まみれで盛り合っているような品性下劣さ(褒め言葉)は以前よりストレートな悪化の様相を見せており痛快、いや快便というほかありません。"うんこカレー"は〈呑み過ぎて下痢便〉〈ご飯にうんこをかけると美味い〉ということを歌っているだけですが、バンドとヴォーカルが一体となってブリブリ連呼のブレイクダウンパートや、「おいしい」「うんこ」のコール&レスポンスも盛り込まれた糞まみれのヘヴィ・ロック・チューン。本作随一のキラーチューンであり、うんこが美味しいということをこんなにカッコよく歌い上げるバンドもそうそうないですよ! え、そもそも追随者がいないだって? 知るかバカ!! 小粋なファンク・ロックに乗せてのっぴきならないオナニーライフや喜びの快便ライフを歌う"オナニー見つかれ!" "うんちをするのが仕事です"、〈手ックス〉をテーマにした、(巨まん的には)奥ゆかしくも甘酸っぱい"ナイスペッティング"といったポップ・センスみなぎる楽曲は、アルバムの清涼剤として絶妙に機能しております。

「東京都特許許可局」を早口言葉で口々にまくしたてる(言えていない)"東京都特許許可局のテーマ"という、どうしようもなく瞬間的なコントのノリも相変わらず。"イコマさん家のノリユキくん" "ニコニコ生本番" "ペペローション"はもう一発ネタとしか言いようがないです(ちなみに巨まんの人らはほぼ毎週一回のペースでニコニコ生放送やってます。コミュニティはこちら。Join Ass!! → )。"南蛮渡来"は別にじゃがたらのカヴァーとかではなく、薩摩藩士が南蛮渡来のピンクローターに興味津々である様を活写した秀逸な江戸時代末期コントぜよ。ボーナス・トラック的に収録されている"ちん毛02"の英語版(!?)である"DICK hair"は、〈dick Hair bow bow〉と歌われることで、まさに「全世界に飛びたて! from ちん毛」を体現したと言っても過言ではない仕上がりになっております。また、現在は廃盤でプレミアアイテムとなっている『王国民洗脳教育セット』より、"ちん毛" "inもじゃもじゃ"の再録も嬉しい。"ちん毛02"と聴き比べて、巨まんの歩んだこの10年の歳月を感じるのもまた一興でありましょう。待望のフルアルバムとして申し分のない内容になっております。



電脳王国「巨乳まんだら王国。」
巨乳まんだら王国。 - Wikipedia
イコマノリユキ - Youtube Channel

巨乳まんだら王国『王国民洗脳教育セット』(2004)