2018/02/28

『ROCKET KNIGHT ADVENTURES【Soundtrack LP】』(1993/2018)



https://www.shiptoshoremedia.com/store/albums/rocket-knight-adventures


「ロケットナイトアドベンチャーズ」は、1993年にメガドライブ用アクションアドベンチャーゲームとしてコナミからリリースされた作品。素晴らしいBGMをもったタイトルでありながら、これまで一度もサントラ音源化などはされてきませんでした。しかし、今年に入ってアメリカのサウンドトラック専門の再発レーベル「Ship to Shore」がサウンドトラックLPをリリース。ソフト発売からじつに25年目にして本邦初の音源化をやってくれました。もちろん、コナミデジタルエンタテインメントの公式ライセンス商品です。まことにグッジョブというほかありません。Ship to Shoreはこれまでに「MOTHER 2」のサントラや、タイトーのサウンドチームZUNTATAのコンピレーション盤『Arcade Classics』(Volume 1 & 2)、コナミものでは「The Adventures of Bayou Billy(マッド・シティ)」「ラグランジュポイント」「スナッチャー」「悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん」のサントラも公式ライセンスのもとにLP化しております。ほかには、メトロイドヴァニア系アクションアドベンチャーゲーム「Axiom Verge」や、ジョージ・A・ロメロ「マーティン/呪われた吸血少年」のサントラLPなどもラインナップされています。

「Ship To Shoreからレトロゲームのサントラレコードが続々登場!」
(HMV Online)









 ゲームスタッフロールでクレジットされている本作のコンポーザーは大内正徳氏、畑亜貴さん、安達昌宣氏、小林ひろし氏、山根ミチルさんの5名。厳密に誰がどの楽曲を担当したのかまではわかりませんが、それにしても改めて錚々たるメンツです。「悪魔城ドラキュラ」シリーズの看板コンポーザーであった山根さんは現在フリーで国内外のタイトルに楽曲を提供され、「魂斗羅スピリッツ」や「魍魎戦記MADARA2」なども手がけられた安達氏はラブデリックを経て、現在はバンプールに所属。大内氏は近年、さんみゅ~ や 私立恵比寿中学などの楽曲を手がける作詞家・作編曲家に、畑さんはアニソンの作詞家として押しも押されぬ存在となり、小林氏は「小林でび」として映画監督や俳優として、それぞれご活躍中です。




 ハードこそ異なりますが、ジャズ、ロック、ポップ、テクノが景気よくミックスされたサウンドの多彩さと骨太さ、そして楽曲の雰囲気という点で、ティム&ジェフのフォリン兄弟がサウンドを手がけたスーパーファミコン用ソフト「PLOK!」とかなり相通ずるものがあると思います。何の因果か、両作品とも1993年に発表されているというのがまた面白いところ。また、Ship to Shore商品ページのキャプションに「that sound as if they were pulled directly from a classic Yellow Magic Orchestra album.」とあるのは、6面BGMがYMOの「Technopolis」のちょっとしたオマージュとなっていることを踏まえてのものです。海外での人気も高い一曲。





 ちなみに、メガドライブ海外移植版「ゼロウイング」に登場したヘンな英語と海外圏でしてインターネットミーム化した「All your base are belong to us」をネタにした音MADを制作したアメリカのテクノユニット The Laziest Men on Marsが、2000年前半ごろに「Happy Softcore (Bleeding Ears Mix)」のタイトルで6面BGMのリミックスをネット上に発表していたこともあります。メガドライブつながりでのチョイスともいえますね。





 ロケットナイトアドベンチャーズには続編タイトルとして「スパークスター」(1994)がメガドライブとスーパーファミコンで出ていたのですが、こちらのサウンドもまた骨太の素晴らしい仕上がりであります。メガドライブ版は山根ミチルさんと山岡晃氏、スーパーファミコン版は山岡晃氏、上原和彦氏、碇子正広氏、松平美奈子さん、山根ミチルさんという、こちらも錚々たる顔ぶれ。山岡氏が活動初期に参加されたタイトルのひとつであるという点でも興味深いです。

【メガドライブ版】






【SFC版】



2018/02/23

Cody Carpenter『Cody Carpenter's Interdependence』(2018)




 父 ジョン・カーペンターの音楽的な右腕としてアルバムの作曲やレコーディング、ツアーなどに参加するかたわら、プログレッシヴ・ロック・ユニット「Ludrium」でも活動を続けているコーディ・カーペンター。2012年発表の1stアルバム『Zeal』を皮切りに、2ndアルバム『Pleasure of a False Past』(2015)、3rdアルバム『Unity』(2016)、4thアルバム『Through Sentinent Eyes』(2016) でプログレ、フュージョン、ゲームミュージックの要素を併せ持った良質なインストゥルメンタルを次々と生み出し、昨年頭にコーディ・カーペンター名義で発表した5thアルバム『Alternate Universe』では初のヴォーカルアルバムに挑戦するなど、コンスタントにクリエイティヴィティを発揮するとともに、着々と次のステップへと歩を進めていました。また、オムニバスホラーシリーズ〈マスターズ・オブ・ホラー〉の第一期作品としてジョンが手がけた「世界の終り/Cigarette Burns」(2005)のコーディ作曲スコアや、SUPER R-TYPEの3面BGM「We Wet You」(海外版では「As Wet as a Fish」)のピアノアレンジ&演奏の公開。イギリスのチップチューンユニット Electric Cafe(マーク・デイ)とのコラボレーションや、イタリアのエレクトロユニット CONFRONTATIONALのアルバム『The Burning Down』へのゲスト参加。ここ数年間にsoundcloudなどに単発的にアップしていた楽曲をまとめたEP『Infiltrate the Mothership』のリリースなどもトピックとしてありました。



Cody Carpenter's Interdependence
Cody Carpenter's Interdependence
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Cody Carpenter
Blue Canoe (2018-01-26)
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https://www.bluecanoerecords.com/codycarpentersinterdependence.html


 ジョン・カーペンターのセルフカヴァーアルバム『Anthology: Movie Themes 1974-1998』のレコ発を兼ねた14公演の北米ツアー(2017年10月29日~11月19日)への参加を挟んでリリースされた通算6thアルバムとなる『Cody Carpenter's Interdependence』は、ミキシングとマスタリングをジョンのツアーバンドの一員でもあるジョン・スパイカーが担当。リズム隊には、YELLOWJACKETS、JING CHIなどの活動や、トミー・ボーリン、アラン・ホールズワースなどとの共演で知られるベーシストのジミー・ハスリップ。TENACIOUS Dのサポートメンバーであり、エイミー・マンやジェイソン・ムラーズなど数多くのレコーディングに参加しているスコット・セィーバー(彼もまたジョンのツアーメンバーであります)を迎え、オーストリア/イタリア系のシュレッドギタリスト P・J・ディアトリがギターソロで客演し、さらにスペシャルゲストとしてヴァージル・ドナティが参加しています。PLANET XやRING OF FIRE、2010年のマイク・ポートノイの脱退に伴うDREAM THEATERのドラマーオーディションの参加者の一人であり、近年は渡辺香津美とジェフ・バーリンとのトリオなどでその腕を振るう、言わずと知れたスーパードラマーであるヴァージルの参加は本作の大きなトピックでありましょう。音楽的にも、これまでのソロアルバムで着々と積み重ねてきたプログレ、フュージョン、ゲームミュージックのクロスオーヴァーの集大成と言える内容になっています。





 冒頭を飾る「Jinrai Fuuretsu(迅雷風烈)」は、生バンドスタイルを知らしめるに格好のタイトなプログレッシヴ・フュージョン・チューン。「Face The Future」「Overlooking The Divide」では80年代のプログレやゲームミュージックの憧憬と親和性の高さを再提示し、メロディアスなシンセウェイヴ「The Divide」、ポップなフュージョン「Heart of Slag」「Thinking Of What Might Be」を経て、今から5年ほど前に書かれた「The Procession」は、全パートをコーディが演奏。レコーディングはAMBROSIAのバーレイ・ドラモンドのスタジオで行ったとのこと。ポップ・プログレ「Premonition」「Her Precious Youth」、シンセサイザーによるサウンドスケイプ的な小品「A Simple Sustenance」を挟み、ラストはヴァージルの圧巻のドラミングと、ディアトリのギターソロがここぞと炸裂する「Nebulous Is The Power」でアルバムは幕を閉じます。「相互依存」のタイトルを冠した本作は、コーディとレコーディングスタッフ陣との良好なケミストリーを示しているだけでなく、LudriumとCody Carpenterの二つの名義での活動の関係をも示す一枚であるともいえます。インタビューによると、今後はLudrium名義ではヴォーカルプロジェクトを、Cody Carpenter名義ではインストプロジェクトをそれぞれ行っていくだろうとのこと。コーディの「新章」は、今ここに開幕しました。







「Interview - Cody Carpenter」
(from Dreadcentral|2018.02.02)

「Interview - Cody Carpenter」
(from Cryptic Rock|2018.01.24)

▼Ludrium『Zeal』(2012)
▼Ludrium『Pleasure of a False Past』(2015)
▼Ludrium『Unity』(2016)
▼Ludrium『Through Sentinent Eyes』(2016)
▼Cody Carpenter『Alternate Universe』(2017)

▼John Carpenter『Lost Themes』(2015)
▼John Carpenter『Lost Themes II』(2016)

https://www.facebook.com/ludrium
https://soundcloud.com/john-cody-carpenter
https://www.youtube.com/channel/UC2hboJKaYwHLZQWWCyI9zOg
https://twitter.com/Ludrium

2018/02/18

DEZOLVE『PORTRAY』(2018)




 近年の日本のテクニカル・フュージョン・バンドだと、元カシオペアの熊谷徳明氏と元T-SQUAREの須藤満氏を中心とする“ハイパーテクニカルコミックフュージョンサービス団体”こと「TRIX」や、熱帯JAZZ楽団など数々のバンドで活動する平川象士氏、MONACA楽曲の常連ギタリストである後藤貴徳氏、Lowland Jazzなどの小林修己氏による「Gravitational Force Field」。藤岡幹大氏、BOH氏、前田遊野氏といったBABYMETALのバックバンドの元/現プレイヤーからなる「仮BAND」などがありますが、さらにぐっと若いメンバーが気を吐くバンドというと、間違いなくこの「DEZOLVE(ディゾルヴ)」になるでしょう。ジャズ、フュージョンのみならず、ロック、ポップス、ゲームミュージックやアニメでのレコーディング/セッション経験にも富んだ平均年齢23歳のバンドです。


DEZOLVE
DEZOLVE
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DEZOLVE
ベガ・ミュージックエンタテインメント株式会社 (2016-02-09)
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SPHERE
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DEZOLVE 北川翔也 友田ジュン 小栢伸五 山本真央樹
ベガ・ミュージックエンタテインメント (2017-02-25)
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 山本真央樹氏(drums)、友田ジュン氏(keyboard)、小栢伸五氏(bass)といった、バークリー音楽大学やメーザーハウスで学んだプレイヤーによって2014年に結成されたディゾルヴは、ベガ・ミュージック・エンタテインメントから2016年に『DEZOLVE』でアルバムデビュー。洗練のなかにもチップチューンを織り込むなどの遊び心も感じさせるセンス、真央樹氏の父であるBOWWOWの山本恭司氏、有形ランペイジやTRIX(2017年に正式加入)の佐々木秀尚氏、平木LAGGY宏隆氏、北川翔也氏、加部輝氏、林洋輔氏といったゲスト陣のサポートも光る内容でした。その後、最年少メンバー(1996年生まれ)の北川翔也氏がバンドのギタリストに正式加入し、現在のラインナップが完成。四人のメンバーがそれぞれ2~3曲ずつ持ち寄った2ndアルバム『SPHERE』を2017年にリリース。ほぼ同時期に北川氏は1stアルバム『The New Day』もリリースし、ソロギタリストとしてもデビューを果たしております。


PORTRAY(ポートレイ)
PORTRAY(ポートレイ)
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DEZOLVE(ディゾルブ)
キングレコード (2018-02-07)
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 そして今年、キングレコードから3rdアルバムとなる『PORTRAY』で、バンドは満を持してメジャーデビューを果たしました。バンドが一体となってキメにキメまくった展開が心地よい「Disasters」(小栢作編曲)と「Endless Colors」(北川作編曲)をそれぞれアルバムのオープニングとエンディングに据え、箏奏者の馬場千年[馬場千井寿]さんをフィーチャーして和のイメージでグイグイと広げゆく「Ancient Capital」(山本作編曲)や、さながら爽やかな海風を運ぶかのようなギターのドライヴ感に富んだ「Shaping the Future」「Chronostasis」(山本作編曲)。アダルト・コンテンポラリーなムードと瀟洒なグルーヴで軽快に躍る「Jamin' and Crammin'」(北川作編曲)、「Insomnia」(山本作編曲)。アコースティック・ピアノとクライン・ベースがまろやかな情感で魅せる「Autumn Island」(小栢作編曲)。アコースティック・ギターとシンセのメロディがリードする「Egoist」(友田作曲/友田&山本&北川編曲)。パット・メセニー・グループへの深い敬愛と、胸に迫る牧歌的郷愁を感じさせる「After the Rainy Season」(小栢作曲/小栢&山本&友田編曲)。北川氏のコンテンポラリージャズのエッセンスが堪能できる「November Snow」の、全11曲。ジャパニーズ・フュージョンの様式美を叩き込みつつ、各メンバーの音楽的素養とフレッシュなイメージで彩っていく持ち味はそのままに、アルバムジャケットにも表れているように、絵画的なイメージを喚起させる楽曲が増えた印象があります。前々作から前作に至るまでに格段の成長と洗練を遂げた彼らですが、メジャー感を得たことでまた一段とギアを上げたことが如実にうかがえる内容になっており、目下急成長中のノリにのったバンドのエネルギーに非常に頼もしさを感じさせます。3月にはレコ発ツアーを控えており、脂ののったパフォーマンスが期待できること間違いなしでありましょう。




https://www.dezolve.net/
https://www.youtube.com/channel/UCxEMu-7-iya7mu-iP-Il0lQ


【関連】
NEO RESISTANCE QUARTETTO『NEO』(2016)
山本真央樹氏参加。

2018/02/12

Music Works of Garoad ―「VA-11 HALL-A」のコンポーザー、Garoad氏について

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http://publishing.playism.jp/va11halla#


「梅本竜に大谷幸、日本のアニメやゲームに多大な影響を受けた「VA-11 Hall-A」コンポーザー特別インタビュー」
(from IGN JAPAN|2018.01.21)

「ベネズエラ製サイバーパンク・バーテンダーADV「VA-11 HALL-A」のサントラが、深夜都市へとその身を誘う」
(2016.02.11)



 アメリカ・アラバマ州出身の 「Garoad」ことマイケル・ケリー氏は、ベネズエラのインディーズデベロッパー「Sukeban Games」によるサイバーパンク・バーテンダー・シミュレーションゲーム「VA-11 HALL-A」(ヴァルハラ)の音楽を手がけたことで一躍注目を集めるコンポーザーです。2014年リリースの同作のプロローグ版サウンドトラック『Sounds From The Future』、2016年リリースの本編(日本版パッケージは2017年11月)サウンドトラック『Second Round』、そして2017年リリースの『Bonus Tracks Collection』に至るまで、深夜都市のクレバーなイメージとアダルティーなムードを演出する楽曲を提供しており、いずれも煌びやかなメロディが彩るシンセ・ポップ/アンビエント/AOR/フュージョンが楽しめる作品に仕上がっております(ちなみに『Sounds From The Future』に収録されている「Strictly Business」「Spirit Potion」の2曲のみ、スウェーデン出身のギタリスト デヴィッド・ナイマン氏が担当されています)。


▼『VA-11 HALL-A Prologue OST - Sounds From The Future』(2014年8月)



▼『VA-11 HALL-A - Second Round』(2016年1月)



 また、『Sounds From The Future』『Second Round』から20曲をセレクトした二枚組レコード盤サントラが海外のBlack Screen Recordsよりリリースされております。1st、2ndプレスは瞬く間に完売しており、現在は3rdプレス盤が入手可能。ちなみに日本版パッケージの初回限定版特典の16曲入りサントラCDとは曲数も収録曲も異なります(14曲は共通)。CD盤に収録の「Dusk」「Snow Fall」の2曲はLP盤サントラには未収録。一方、LP盤サントラ収録の「Heart of the City」「Skyline」「A New Frontier」「Digital Drive」「You've Got Me」「Believe in Me Who Believes in You」の6曲はCD盤には未収録です。


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http://blackscreenrecords.limitedrun.com/products/597476-garoad-va-11-hall-a-official-soundtrack


▼『VA-11 HALL-A EX - Bonus Tracks Collection』(2017年9月)



「VA-11 HALL-A」レコード盤サントラにダウンロードコードとして付属していたボーナストラック・コレクションは単体で配信リリース(4ドル)されています。アドリアナ・フィゲロアによるヴォーカル曲や、SenzaFine、FamilyJules、insaneintherainによるリミックス/アレンジをふくむ全10曲。


▼「The Silver Case (Lunar Phase Remix)」(2017年10月)



 Garoad氏の音楽的なインスピレーションのひとつには、高田雅史氏(「シルバー事件」「花と太陽と雨と」「ダンガンロンパ」「サイコブレイク」etc)の存在があり、2017年10月にはOCRemix経由で「シルバー事件」のメインテーマのリミックス「The Silver Case (Lunar Phase Remix)」をアップされています。同リミックスは「VA-11 HALL-A」のゲーム内ジュークボックスでも聴くことができます。


▼「Look Around You」「Attack On Apollo」(2018年1月)
 2018年1月13日にGaroad氏はVA-11 HALL-Aのお蔵入りトラック2曲をアップしました。





「Interview with Garoad」
(from WHIMSICALLY THEORETICAL|2016.05.23)

「VA-11 HALL-A」がsteamで配信リリースされる直前のロングインタビュー。幼少期にプレイしたゼルダの伝説(神々のトライフォース)の闇の世界のテーマが、ゲームミュージックを初めて意識した曲であること。そのあとにスーパーマリオ64のウォーターランドのテーマや、ウェーブレース64、ファイナルファンタジー、女神転生、デジタルデビルサーガ、サイレントヒルシリーズのサウンドに大きく影響を受けたこと。初めて書いた曲が「Warp Rift」というタイトルであるということ。そのほか、川井憲次、山岡晃、浜渦正志、目黒将司、細江慎治、トレント・レズナーといった名前を影響元として挙げています。また、複数のインディーズコンポーザーからなるグループサイト「Indie Loop Garden」に登録されていたGaroad氏のプロフィールページには、後に「VA-11 HALL-A」のサントラ曲となる「The City that Never Sleeps」がサンプルとしてあがっていました。

 さらに年をさかのぼると、Garoad氏は10年ほど前に「The Tsunami Effect」という名義で活動を行っており、音楽系ポータルサイト「ReverbNation」でのアーティストページには、当時制作したオリジナル曲「Astro Dreaming」「Mecha Trails」「Star Gazer」「One Road」「A Hero's Loneliness」が登録されております。また、2008年に海外の有志が企画したスーパーマリオRPGの3枚組トリビュートアレンジアルバム『Heavy Troopa is Ready to Launch!』に、3曲のアレンジトラック「Weapons Factory」「Grandpa and the Delightful Tadpoles」「Fight Against Monsters」を提供しています。









 近年のGaroad氏の活動に話を戻すと、サウンドトラック以外ではこれまでに3枚のEP/アルバムをコンスタントなペースでリリースしています。清涼感あふれるエレクトロ・フュージョン/アダルトコンテンポラリー路線のオリジナル曲を収録。


▼『Sukeban EP』(2015年8月)



▼『Blue』(2016年4月)



▼『Passenger EP』(2017年6月)



 Garoad氏の今後のゲームミュージックコンポーザーとしての活動には、Pixel Arc Studios開発の2Dアクション「Bushiden」や、Baroque Decay開発による2Dサバイバルホラーゲーム「Yuppie Psycho」があります。「Yuppie Psycho」のスコアは、氏のsoundcloudで現在デモヴァージョンが5曲アップされており、よりサスペンスフルなシンセサイザースコアを聴くことができます。




https://www.facebook.com/garoadmusic

2018/02/10

プログレ/メタルの老舗レーベル MAGNA CARTA RECORDS バックカタログのbandcamp配信を開始

 1989年にピーター・モルティチェッリが、「Shrapnel Records」の創始者であるマイク・ヴァーニーとともに設立し、来年2019年には30周年を迎えるアメリカ・ニューヨークののインディペンデント・レコードレーベル「MAGNA CARTA RECORDS」。近年はマイペースなリリースを続けておりますが、1990年代から2000年代初頭にかけて精力的にプログレッシヴ・ロック、プログレッシヴ・メタルのカタログ、数々の企画トリビュートアルバムをリリース。SHADOW GALLERY、MAGELLAN、CAIRO、ENCHANT、TEMPESTなどが同レーベルからデビューし、DREAM THEATERメンバーのサイドプロジェクトである「Liquid Tension Experiment」や、一大プログレプロジェクト「Explorers Club」、テリー・ボジオ、トニー・レヴィン、スティーヴ・スティーヴンスによるインストゥルメンタル・トリオ「ボジオ・レヴィン・スティーヴンス」、TESTAMENTのアレックス・スコルニック、フレットレス魔人マイケル・マンリング、PRIMUSのティム・アレクサンダーによる「Attention Deficit」、スティーヴ・モーズ、ビリー・シーン、ジョーダン・ルーデスのソロアルバムなど、アメリカのプログレ/テクニカル系といえばまずここ、という名物レーベルとして確固たる存在感を示しました。そんな同レーベルが今年に入り、自社の過去のカタログをbandcampで順次配信中。現時点(2018年2月10日)でのリリースは以下の通り。


https://magnacartarecords.bandcamp.com/


▼Liquid Tension Experiment『Liquid Tension Experiment』(1998)




▼Liquid Tension Experiment『Liquid Tension Experiment 2』(1999)


※LTEの二作はSpotifyでも聴けます。


▼Explorers Club『Age of Impact』(1999)



▼Explorers Club『Raising The Mammoth』(2002)



▼Jordan Rudess『Feeding The Wheel』(2001)



▼Jordan Rudess『4NYC』(2002)



▼Jordan Rudess『Rhythm Of Time』(2004)



▼Jordan Rudess『Prime Cuts』(2006)※ベスト盤



▼Jordan Rudess『The Road Home』(2007)



▼Major Impacts『Steve Morse』(2000)



▼Steve Morse Band『Split Decisions』(2002)



▼Steve Morse『Major Impacts 2』(2004)



▼Steve Morse『Prime Cuts』(2005)※ベスト盤



▼Steve Morse『Prime Cuts Volume 2』(2009)※ベスト盤



▼Robert Walter's 20th Congress『Giving Up The Ghost』(2003)



▼Robert Walter『Super Heavy Organ』(2005)



▼OZRIC TENTACLES『Spirals In Hyperspace』(2004)



▼OZRIC TENTACLES「Even Chewier (Eat Static Remix)」※リミックス



▼OZRIC TENTACLES『The Floor's Too Far Away』(2006)



▼TEMPEST『The Double-Cross』(2006)



▼TEMPEST『Prime Cuts』(2008)※ベスト盤



▼TEMPEST『Another Dawn』(2010)



▼TEMPEST『The Tracks We Leave』(2015)



▼Points North『Road Less Traveled』(2012)



▼Points North『Points North』(2015)



▼Pinnick Gales Pridgen『Pinnick Gales Pridgen』(2013)



▼Pinnick Gales Pridgen『PGP 2』(2014)



▼Red Zone Rider『Red Zone Rider』(2014)



▼Red Zone Rider「Day of the Eagle / Dead Man Walking」※シングル



http://www.magnacarta.net/
https://www.facebook.com/MagnaCartaRecords/
https://www.youtube.com/user/magcart

2018/02/02

ファミコンソフト「ジャンボ尾崎のホールインワン・プロフェッショナル」発売30周年





 HAL研究所よりファミリーコンピュータ用ソフトとして「ジャンボ尾崎のホールインワン・プロフェッショナル」が発売されたのは1988年2月1日。今年、2018年2月1日で30周年を迎えます。システム的なベースになったのは、1985年にMSX用ソフトとして発売された「ホール・イン・ワン」「ホールインワンプロフェッショナル」であり、“ジャンボ尾崎監修”というタレントゲームとしてのバリューをつけたうえで、ゴルフゲームとしても大幅なリニューアルを図ったのが本作。近年ではチートバグ動画で様々な「ワンポイントレッスン」が登場し、人気を集めております。いいぞ。

「Hole in One Professional」
(Generation MSX)

「ジャンボ尾崎のホールインワン・プロフェッショナル」
(HAL研究所)



 同作のコンポーザーは、〈エッガーランド〉シリーズや「ファミコングランプリII 3Dホットラリー」など、初期のHAL研ソフトタイトルのサウンドを支えた菅浩秋氏と金指英樹氏(『HAL ゲームミュージック』に両名の名前があります)。耳なじみがよく、親しみやすいBGMぞろい。改めて聴きなおしてみるのもよいと思います。1988年8月に徳間ジャパンからCD・LPでリリースされたアルバム『HAL ゲームミュージック』には、比留間雅夫氏によるアレンジヴァージョンと、「エッガーランド」「ファイヤーバム」「ジャンボ尾崎のホールインワン・プロフェッショナル」のオリジナルBGMが収録されていました。8曲目の「エッガーランド組曲」と10曲目の「ファイヤー・バム組曲」のはざま、9曲目の35秒のインタールード的トラックがそれであり、“ワンポイントレッスン”時のBGMです。ちなみにアレンジャーの比留間氏は、細野晴臣氏プロデュースによるデザイナー・テクノ・ポップ・ユニット「テストパターン」のメンバーであった人で、戸川純&三宅裕司の覆面ユニット「アポジー&ペリジー」の『超時空コロダスタン旅行記』(1984)にも楽曲を提供されておりました。1988年7月に同じく徳間よりリリースされた「3Dホットラリー」のアレンジアルバムも氏による仕事です。


ハル・ゲームミュージック

株式会社徳間ジャパンコミュニケーションズ (1988-08-25)
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「ジャンボ尾崎のホールインワン・プロフェッショナル」から3年後の1991年2月23日には、スーパーファミコンで「ジャンボ尾崎のホールインワン」がリリース。開発は同じくHAL研。スタッフクレジットはありませんが、サウンドの雰囲気からみて、入社して間もないころの石川淳氏がコンポーザーで関わられているとみてよいと思います。同年8月の「ハイパーゾーン」を経て、翌年に記念すべきシリーズ第一作がリリースされる「星のカービィ」へと連なる氏のメロディのよさが顔をのぞかせており、そういう意味でも興味深いものがあります。



「ジャンボ尾崎のホールインワン」
(HAL研究所)


 キーボードマガジン2017年夏号のゲームミュージック特集(すばらしい内容です)には、HAL研の石川淳氏と安藤浩和氏の貴重なインタビューも掲載されていました。それによると、「ジャンボ尾崎のホールインワン」の開発はHAL研の山梨開発センターの建設とほぼ同時期の出来事であり、国分寺にあった六畳間のアパートから山梨開発センターへの引っ越し作業が、安藤氏がHAL研に入社して最初の仕事だったという、当時の苦労話もこぼれていました。

 『星のカービィ』シリーズを手がけた石川淳&安藤浩和(HAL研究所)に話を聞く!|キーボード・マガジン 2017年7月号 SUMMERより【PICK UP】
(リットーミュージック)
※インタビュー冒頭部が試し読みできます。






※なお、HAL研以外の「尾崎ゲー」では、1989年6月にセガがアーケードで稼働させた「ジャンボ尾崎スーパーマスターズ」。9月にリリースされた同作のメガドライブ移植版「尾崎直道スーパーマスターズ」があります(アーケード版BGMは中林亨氏、メガドライブ版BGMは上保徳彦氏がそれぞれ担当)。アーケード版BGMはサイトロン・デジタルコンテンツよりリリースされた『レジェンド オブ ゲームミュージック2 プラチナムBOX』(2006)、ウェーブマスターよりリリースされた『SEGA SYSTEM24 SOUND COLLECTION』(2015)に収録されております。