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2019/01/15

西暦2000年のブギーポップ・メディアミックス~3枚の企画CDについて

 2019年1月より19年ぶり2度目のアニメ化が放送中の「ブギーポップは笑わない」。前回のアニメ版「ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom」は2000年1月から3月にかけて放送され、こちらはオリジナルストーリー(後日談)によるアニメ化でした。同年2月には小説『ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生』が刊行、同年3月には小説第1作の映画化「ブギーポップは笑わない Boogiepop and Others」が公開、さらに時期を同じくしてサウンドトラックやイメージアルバムが2か月連続で3タイトルリリースされるなど、ガッチリとしたメディアミックスが展開されていました。リリースから19年が経とうとしている今、この3枚の企画盤を改めて振り返ってみたいと思います。



『ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー 第1幕への前奏曲
~ブギーポップ・ヴァージョン~』

MNCM-2001(2000年2月25日発売)

『ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom
オリジナル・サウンドトラック』

MNCA-3001[TGCS-836~837](2000年2月25日発売)

『Music Album Inspired by Boogiepop and Others
ブギーポップ 君に伝えたいこと』
MNCA-3003[TGCS-838](2000年3月25日発売)


※メディアワークス(現:アスキー・メディアワークス)の規格品番で「MNCM」が使用されたのはMNCM-2001のみ。また、「MNCA」のナンバリング3000番台が使用されたのはMNCA-3001とMNCA-3003のみで、以降のリリースでは9000番台が使用されており、「キノの旅」の初ゲーム化作(PS2用ソフト)のサントラ『キノの旅 -the Beautiful World- サウンドコレクション』(MNCA-9004/2003年3月)が最初のものとなっています。



ブギーポップは笑わない ― Boogiepop Phantom  /  ワーグナー,ニュルンベルクのマイスタージンガー第1幕への前奏曲(ブギーポップ・ヴァージョン)
TVサントラ 平野義久 梶浦由記 上遠野浩平
KADOKAWA メディアファクトリー (2000-02-25)
売り上げランキング: 79,394


『ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー 第1幕への前奏曲~ブギーポップ・ヴァージョン』は、表題曲と「口笛ヴァージョン」の2曲を収録したシングル。前曲は鈴木織衛氏が指揮、平野義久氏が編曲、後曲は浜田理恵氏が口笛、梶浦由記氏が編曲をそれぞれ担当しています。デジパック仕様パッケージのブックレットにはユージンとフォルテッシモが登場する20ページの短編「ブギートーク・ポップライフ」を収録。こちらは現在も文庫未収録であり、本CDでしか読めません。



『ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー 第1幕への前奏曲~ブギーポップ・ヴァージョン~』

《収録曲》

01. ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー 第1幕への前奏曲
~ブギーポップ・ヴァージョン~

02. ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー 第1幕への前奏曲
~口笛ヴァージョン~



ブギーポップは笑わない ~Boogiepop Phantom ― オリジナル・サウンドトラック
TVサントラ
KADOKAWA メディアファクトリー (2000-02-25)
売り上げランキング: 31,753


『ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom オリジナル・サウンドトラック』は、クラブミュージックに特化したCD2枚組のコンピレーション。Flare(ケン・イシイ)、SiLC(元M-AGEのMIYO-KEN[三代堅]のユニット)、Audio Activeススム・ヨコタAOA(ボアダムスのHILAHとE-DA Kazuhisaによるユニット)、Ming & FS(アーロン・アルバーノ & フレッド・サルゴリーニ)、Sugar PlantSadesper Record(WATCHMAN & Goro Watari[NARASAKI])、サワサキヨシヒロヒデノブ・イトウレイ・ハラカミM.Y.K.N.(MIYO-KEN)が楽曲を提供しています。方向性的には「serial experiments lain」の『cyberia mix』(1998)や、「サムライチャンプルー」の一連のサントラ(2004)と同列に位置するアルバムではないかと思います。





『ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom オリジナル・サウンドトラック』

《Disc 1 収録曲》

01. Happy End(Flare)
02. In Heaven(SiLC)
03. Penalty Taker(Audio Active)
04. Gataway(Sususmu Yokota)
05. Delirious(SiLC feat 2k+D's of RED LINE)
06. Stormy Soup(AOA)

《Disc 2 収録曲》

01. Boogiepop Me Up(Ming & FS)
02. A Furrow Dub(Sugar Plant)
03. Torso(Sadesper Record)
04. Snow Coast(Yoshihiro Sawasaki)
05. Unstability(Hidenobu Ito)
06. Pone(Rei Harakami)
07. Angel in the Dark(M.Y.K.N.)



ブギーポップ 君に伝えたいこと
ワーグナー 梶浦由記 平野義久
メディアファクトリー (2000-03-25)
売り上げランキング: 149,924


『ブギーポップ 君に伝えたいこと』梶浦由記氏が全作編曲(ボーナストラックを除く)を手がけたイメージアルバム。山木秀夫(drums)、八ッ橋義幸(guiter)、Mecken・中村キタロー(bass)、難波弘之・冨樫春生(piano, keyboards)、梯郁夫(percussion)、矢口博康(sax)といった強力なレコーディングメンバーのセッションで制作されたピアノ主体のジャズ・ロック/ポスト・ロック インストゥルメンタルは、梶浦氏が劇伴を担当した映画版でもアレンジされて流れることになります。ピアノソロを力強いバンドアンサンブルが支える「daphne」「boogie-pop」、矢口氏の熱演をフィーチャーした「nepenthe #1」「nepenthe #2」、リリカルなメロディが優しく胸を打つ「sad bird」「forget-me-not」、カタルシスの爆発が訪れるスリリングなブレイクビーツ・ロックの傑作「criss-cross」など、珠玉の楽曲ぞろい。梶浦作品の中でも間違いなく上位に入る傑作です。なお、2010年にリリースされた梶浦氏の3枚組サントラワークスベスト『The Works for Soundtrack』のDISC 2には、本イメージアルバムの「porcelain」「nepenthe #2」「embrace」とボーナストラック以外の7曲が収録されており、そちらでほぼフォローが可能です。ボーナストラックとして収録されている「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲(ブギーポップ・ヴァージョン・クラシカル・ミックス)は、シングルリリースされたもののミックス違い。本盤もデジパック仕様パッケージであり、ブックレットには原作の名台詞を抜粋してメッセージ詩集として収録しています。


The Works for Soundtrack
The Works for Soundtrack
posted with amazlet at 19.01.14
梶浦由記
BMG JAPAN Inc. (2010-12-08)
売り上げランキング: 115,609


『Music Album Inspired by Boogiepop and Others ブギーポップ 君に伝えたいこと』

《収録曲》

01. daphne
霧間凪(and 末真和子)

02. sad bird
エコーズ(and 紙木城直子)

03. nepenthe 1
ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲

04. porcelain
末真和子(and 霧間凪)

05. egotism
マンティコア(and 早乙女正美)

06. forget-me-not
紙木城直子(and 木村明雄)

07. nepenthe 2
ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲

08. criss-cross
VS

09. embrace
新刻敬

10. boogie-pop
ブギーポップ

〈Bonus Track〉
11. 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
(ブギーポップ・ヴァージョン・クラシカル・ミックス)





【関連】
「キノの旅」イメージアルバム『キノなカノン~ゆっくりでアップテンポでなめらかな曲~』(2003)
2度アニメ化した電撃文庫作品つながり。

2018/12/13

Jóhann Jóhannsson『MANDY Original Motion Picture Soundtrack』(2018)



http://www.finefilms.co.jp/mandy/

 パノス・コスマトス監督、ニコラス・ケイジ主演による復讐ヴァイオレンスムービー「マンディ 地獄のロード・ウォリアー」は、人間性を限界までブン投げながら、人間を辞めた輩を殺りにいくというストレートかつシンプルな筋立てに、全身トゲトゲ人間やCELTIC FROSTのバンドロゴみたいな大鎌、脳内が爆裂するヤバい特製LSD、チェーンソー・チャンバラなど視覚的にも訴えかける暴力とボンクラ感を満載した“真っ赤”なHEAVY METALムービーでありました(主人公の名前も「レッド」)。いやはや、ごおっつい素晴らしかった。レッドを演じるニコラス・ケイジのあまりにも生々しい怪演は中盤以降からブーストがかかりっぱなしで、一線を次々に越えてゆく。そしてラストシーンで見せる、あの笑顔……! 絶対に忘れられません。「狂った悪魔を狩る!」とはいえ、悪魔的だったり「神」を称するキャラクターは出てくるのだけれども、みな人間性を壊滅的に損壊した「人間」であるだけで、ストーリーラインは全くファンタジーではないというところも大きなポイントでしょう。人間性が損壊(または限界まで摩耗)してしまった人間が殺し、殺される。ずっと現実の延長線上にあります。奇跡も何もなく、己の力のみで無理やりすべてをねじ伏せる。そこも好きだなと。チーズのゲロを浴びせかけてくる作中のCMキャラクター「チェダー・ゴブリン」が本作の下世話なユーモアを一身に引き受けているところもツボでした。Twitterアカウントもあります。




 音楽的な側面でみてみると、KING CRIMSON「Starless」のほぼフルコーラスで幕を開け、サイケデリック・フォークが耳をくすぐり、HEAVY METALが押し寄せ、ブラック・メタル的な終焉からの「静寂」で幕を閉じる。実にヘヴィで、エクストリームで、そしてビューティフルなんですよね。ヨハン・ヨハンソンによるエレクトロ・ドゥームな劇伴は全編に恐ろしいまでの緊張感をもたらし、シンセサイザーによるヘヴィネスを最奥から体現したような陰鬱さとヴァイオレンスをはらむ。本作がヨハンソンの遺作だということを抜きにしても、掛け値なしの傑作と断言したいです。さらに、追加劇伴はSUNN O)))やBorisなどとの仕事でも知られるランドール・ダン(本作の音楽プロデュースも兼任)や、ポスト・テクノの気鋭であるピピン・コードロン(KRENG)、ヤイール・エラザール・グロットマン(KETEV)。編曲・演奏はポスト・ロック・バンド For a Minor Reflectionのキャルタン・ホルムと、ヨハンソンがかつて在籍していたエレクトロニカ・バンド Apparat Organ Quartetのウルファ・エルジャン。そしてギター演奏は泣く子も黙るドゥーム/ドローン・メタル・バンド SUNN O)))のスティーヴン・オマリーが担当。界隈の錚々たる顔ぶれが集結しています。





 ちなみに、本編でライナス・ローチ演じる教祖ジェレマイア・サンドがかけていた自作曲「Amulet of the Weeping Maze」は、今年の1月にデジタルシングルとして先行配信されていた楽曲でもあります。本編ではほんの少しだけの登場でしたが、全長版は7分あり、作曲は本職のサイケデリック・ロック・バンドであるMaster Musicians of Bukkakeのミルキー・バージェスが手がけ、ハンズ・トイバのフルートやMamifferのフェイス・コロッチアのコーラスをフィーチャーして相当に作りこまれたサイケデリック・フォークなのです。





MANDY (SOUNDTRACK) [CD]
MANDY (SOUNDTRACK) [CD]
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JOHANN JOHANNSSON
LAKESHORE RECORDS (2018-10-19)
売り上げランキング: 59,438


 ブラックメタル風の陰毛タイトルロゴ全面押しという、禍々しいスリーブケース付きCDのパッケージングもまた、ニコラス・ケイジばりの邪悪な笑みをもたらしてくれることウケアイ。ケイジの顔面芸も拝めるブックレットには、パノス・コスマトス監督によるヨハン・ヨハンソン追悼文が収められており、すごくいいテキストでした。




「Gnarly Psychos And Crazy Evil: Mandy Is A Midnight Movie For True Believers」
(THE QUIETUS|2018.10.12)

「Nicolas Cage Channels Dave Mustaine and Axl Rose in New Horror Film ‘Mandy’」
(Loudwire|2018.10.12)

「『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』:パノス・コスマトス監督インタビュー」
(i-D|2018.11.07)

「創造性が爆発する『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』パノス・コスマトス監督インタビュー 「映画でやれることはまだまだあると思う」」
(ガジェット通信|2018.11.08)

2018/11/09

少女☆歌劇 レヴュースタァライト『ラ レヴュー ド マチネ』『ラ レヴュー ド ソワレ』(2018)




 2018年7月から9月にかけて放送されたアニメ「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」(原作:ブシロード、ネルケプランニング、キネマシトラス/監督:古川知宏)、誠に凄まじい作品でありました。舞台とアニメの二層展開による相互補完/複数の解釈、さらにアニメ自体のエピソードの練られた演出(観返すたびに発見がある各キャラクターの感情の機微)や重層的なつくりに胸躍らされ、ある種の極北を観たという感慨があります。監督の古川氏は幾原邦彦氏の弟子筋にあたり、あちこちで指摘されているように幾原オマージュな趣向は随所にあります。第12話には思わず少女革命ウテナの最終話「いつか一緒に輝いて」が去来したのだけれども、「いつか」ではなく「いま」の一緒の輝き(スタァライト)を目指し、本作のキーワードの一つである「アタシ再生産」をふたたび力強く掲げて文字通りブチ抜いていったので、焼き直しではなく、まさに“再生産”。「少女☆歌劇レヴュースタァライト」という一つの作品を見事に確立させたと断言したいです。

https://revuestarlight.com/





 アニメ第1話を観るといきなり情報量過多のフルスロットルで飛ばしているような印象がありますが、舞台少女たちによる「トップスタァを目指して、歌って、踊って、奪い合う」世界観の説明は舞台「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE- #1 revival」である程度されているので、なにはなくとも舞台を観ましょう(ダイレクトマーケティング)。舞台版の重要なキャラクターである聖翔音楽学園学年主任、走駝紗羽の存在感。また、アニメ第5話の「嫉妬のレヴュー」における露崎まひる 対 愛城華恋の対決の構図は、舞台では露崎まひる 対 神楽ひかりの対決の構図であったことや、華恋、ひかりの二人が幼いころに感銘を受けた「スタァライト」の舞台でクレール役を演じていたのは誰か、など、色々と発見があることでしょう。そして10月に上演された「-The LIVE-#2 Transition」では、アニメの先の新たなストーリーが展開されているので、なにはなくともアニメを観ましょう(ダイレクトマーケティング)。

https://revuestarlight.com/musical/


「少女☆歌劇 レヴュースタァライト ―The LIVE―」#1 revival [Blu-ray]
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少女☆歌劇 レヴュースタァライト Blu-ray BOX1
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 レヴュー曲(劇中歌)は事前に作曲されたものではなく、映像に合わせて/映像からのインスピレーションも加味しながら曲をつけてゆく「フィルムスコアリング」の手法がとられており、シーンと音楽のより一層の相乗効果が得られています。それは作詞においても同様で、劇中でのキャラクターの台詞や心情を時に補完し、時にブーストをかける働きを見事に果たしています。これもまた「二層展開」といえるでしょう。レヴュー曲の全作詞を手がける中村彼方氏はプロジェクトに2017年春より参加されたとのこと。作中の重要なキーであり、いくつかのレヴュー曲のベースにもなっている戯曲「スタァライト」の脚本も、サウンドトラックの各楽曲のネーミングも彼女の手によるもの。確固たる世界観の構築をより揺るぎないものにしています。



野島鉄平
「監督から言葉でいただいたアイデアをもとに僕から山田さんに楽曲を発注して、出来上がったところで僕がまた監督に確認をして、決定したところで彼方さんが作詞に入るというのが大体の流れとしてありました。」

(エンタメステーション『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』TVアニメ史上に類を見ない試み“レヴュー曲”とは何だったのか? 制作陣が明かす「歌とセリフと映像の一体化」の秘密


中村彼方
「――だから曲の流れとしてセリフが入るところには歌詞を入れませんし、口パクでキャラが歌っている感じにするところにはキメのことばをもってきます。映像に合わせた曲づくりをフィルムスコアリングというんですが、私はシーンに合わせた作詞をフィルムマッチングと自分で呼んでいます(笑)。」

《月刊ニュータイプ》2018年10月号 樋口達人×中村彼方インタビュー)


中村彼方
「――曲ができあがってから、絵コンテに合わせて動画に曲を貼って、歌のメロディをシンセでいただいて、そこから私の作詞作業が始まるんです。その時点で、舞台少女たちの台詞入りのものと、台詞なしのものをもらって、脚本と照らし合わせながら、台詞と台詞の隙間の感情を埋めながら歌詞を制作していきます。」

(アキバ総研「語り部の女神と九九組の魔王が語る!? 「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」レヴュー曲はいかにして作られるのか。中村彼方×小泉萌香インタビュー」



「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」劇中歌アルバムVol.1「ラ レヴュー ド マチネ」
スタァライト九九組
ポニーキャニオン (2018-08-22)
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『ラ レヴュー ド マチネ』には第1~3、5・6話のレヴュー曲を、『ラ レヴュー ド ソワレ』には第8~12話のレビュー曲と、戯曲「スタァライト」劇中歌「星摘みの歌」を収録。そして第3~11話の各エンディングに使用された「Fly Me to the Star」の8つのヴォーカル編成違いヴァージョン(&インストゥルメンタル版)が2枚に分かれて収録されています。サウンドトラックと一部レヴュー曲の作編曲は、「ラブライブ!」「宝石の国」の藤澤慶昌氏と、「Free!」「ラブライブ!サンシャイン!!」の加藤達也氏の二人が担当。共にクラシカルな編曲に定評があり、卓越した手腕の持ち主であります(加藤氏の作編曲の師は三枝成彰、服部克久、小六禮次郎、羽田健太郎の四氏)。また、サントラ・劇中歌ともに、全てのストリングスパートを真部裕ストリングスが担当しています。


 第1話レヴュー曲「世界を灰にするまで」(作編曲:石井健太郎/オーケストラアレンジ:藤澤慶昌)は、二段構えの一曲。星見純那(CV:佐藤日向)と神楽ひかり(CV:三森すずこ)のデュオによる前半パートは、オーボエとクラリネットをフィーチャーした、しっとりとしたアンサンブル。転じて、愛城華恋(CV:小山百代)のソロによる後半パートは、ギター/ベース/ドラムスをフィーチャーし、激しさを露わにしたシンフォニック・ロック。前半/後半パートともに同じテーマ/メロディですが、全く異なるアプローチで展開することにより、別々の感情を表現しています。


 11名のホーンセクションによる低音の響きがストリングスと重厚に絡む第2話レヴュー曲「The Star Knows」(作曲:中村康隆/編曲:小高光太郎・藤井亮太・谷ナオキ)は、舞台「-The LIVE- #1 revival」のレヴュー曲「私たちの居る理由」のリ・アレンジという興味深いポイントがあります。方や純那&華恋のデュオ曲、方やスタァライト九九組メンバー全員の歌唱曲。シーンや詞、そしてアレンジは全く異なれど、これまた「複数の解釈」の一例といえるものでしょう。作曲は、管弦楽隊やDJを擁する大編成のロック・オーケストラ 「夜長オーケストラ」のリーダーであり、舞台版のミュージカルパートの劇伴も手がける中村康隆氏。ここに小高光太郎、藤井亮太、谷ナオキの三氏による手厚い編曲が加わり、めまぐるしく怒濤にして、きわめて華麗なシンフォニック・チューンに生まれ変わりました。


 間違いなく序盤のハイライトといえる第3話。華恋と天堂真矢(CV:富田麻帆)によるレヴュー曲「誇りと驕り」(作編曲:藤澤慶昌)は、はかり知れない昂ぶりをおぼえました。舞台経験に豊む富田氏の抜群にして朗々たる歌唱力が、高みを目指す天堂真矢の強さ、そして圧倒的存在感を示したシーンとダイナミックにシンクロしており、ヴィヴァルディ 四季「冬」を思わせるフレーズから迎える「より高く より輝く」クライマックスパートは圧巻の一言。This is 天堂真矢、彼女は天堂真矢、これぞ天堂真矢……。レコーディングメンバーのクレジットは20名を超え、編成も最大級です。ちなみに、第3話レヴューシーンの少し前に流れた劇伴は、四季「夏」を思わせる「ブリッジの上で」(※サントラ33曲目/作曲:藤澤慶昌)であったことにもハッとさせられました。






 露崎まひる(CV:岩田陽葵)と華恋のデュオによる第5話レビュー曲「恋の魔球」(作曲:小高光太郎・UiNA/編曲:藤井亮太・小高光太郎・谷ナオキ)は、アルト/テナー/バス・サックスを贅沢にフィーチャーした華やかなスウィングジャズチューン。〈敬遠〉〈空振り〉〈ストレート〉などのワードを散りばめ、恋のゲームが野球のゲームと同化する。そして〈まわるまわるステージ〉とは舞台でありグラウンドであり、スウィングするのはジャズでありバットであります。イントロは2分半に及び、本作のレヴュー曲の中でも最長。一応、2分ごろに「ちょっと待って」という まひるの一言が入るのですが、これは楽曲単体で聴くリスナーに向けた配慮、あるいは遊び心なのかなと、ちょっとメタなことを考えてしまいました。


 石動双葉(CV:生田輝)、花柳香子(CV:伊藤彩沙)のデュオによる第6話レビュー曲「花咲か唄」(作曲:大川茂伸/編曲:伊藤賢)はシンフォニック演歌EDMロックとでもいうような、和風でミクスチャーな印象のアップテンポチューン。ギターは山本陽介氏、尺八は和楽器バンドの神永大輔氏によるもので、両人とも、こってりとした響きを聴かせてくれます。腐れ縁な二人が それぞれの切なる心情を歌い上げた曲であり、終盤の詞「背を早み 岩にせかるる川 割れても末に逢はむ」は、崇徳院の和歌「瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ」(百人一首77番)の本歌取り。なお余談ですが、大川氏と伊藤氏の両人が名を連ねた楽曲は、堀江由衣「Stay with Me」(2015)以来です(伊藤氏が作曲、大川氏が編曲)。






「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」劇中歌アルバムVol.2「ラ レヴュー ド ソワレ」
スタァライト九九組
ポニーキャニオン (2018-10-17)
売り上げランキング: 385



 第7話で判明する、大場なな(CV:小泉萌香)が秘めていた永遠にも近い想い、そしてストーリーの×××展開には、第1話から既に仕掛けられていたのか! と脱帽したのですが、ななとひかりのデュオによる第8話レヴュー曲「RE:CREATE」(作編曲:三好啓太/オーケストラアレンジ:藤澤慶昌)もまた、端的に言って「強すぎる」。目眩く変拍子が、華麗なる上昇を続ける楽曲展開が、ひかりの劇的なる「再生産」を描くシンフォニック・ロック。楽曲の8分の7拍子が大場ななにも引っかかっているのではないか、とレコーディング時にハッと気づいた制作サイドといい、色々と神がかったものがあります。


 そして、ななと華恋のデュオによる第9話レヴュー曲「星々の絆」(作編曲:藤澤慶昌)。ななの多重コーラスが織りなす強迫的でサスペンスフルな展開から、華恋のヴォーカルが徐々に変化と浄化をもたらしていく展開を3分ちょっとで収めた構成も中々とんでもないのですが、制作時に古川監督が音楽プロデューサーに「サスペリア」の名を挙げてきたという話を聞いて腑に落ちました。あのウィスパーボイスのコーラスは、GOBLINのサスペリア メインテーマのオマージュでもあったのだなと。また、「RE:CREATE」「星々の絆」ともに、THE ALFEEのサポートメンバーなどで知られるパワー&テクニカルドラマーの吉田太郎氏がプレイされているところもトピックと言えましょう。


山田公平
「この曲、すごいです!作り的にもポップスっぽく聴こえるんですけど、実は変拍子の嵐で、これで普通にポップスっぽく聴かせるのはすごいなと思って。」

野島鉄平
「テクニックがすごいですね。8分の7拍子で始まって……そう、これは偶然なんですけど「8分の7」が「8話のなな」にもかかっているんです。レコーディングしているときに、そんな話になって。」

(リスアニ!WEB「TVアニメ『少女☆歌劇レヴュースタァライト』音楽スタッフ座談会 後編」






 第10話レヴュー曲「-Star Divine- フィナーレ」、第11話劇中曲「舞台少女心得 幕間」は、2017年9月にリリースされたスタァライト九九組の1stシングル「プロローグ -Star Divine-」に収録された「Star Divine」(作編曲:本多友紀[Arte Refact])、「舞台少女心得」(作曲:本多友紀(Arte Refact)/編曲:酒井拓也(Arte Refact))のリ・アレンジ。「-Star Divine- フィナーレ」は華恋、ひかり、真矢、西條クロディーヌ(CV:相羽あいな)の四者によるめくるめく歌唱で、2番はオリジナル版とは別の詞が新たに書き下ろされ、クロディーヌのソロパートにもなっています。そして、しっとりとバラードで想いが紡がれる「舞台少女心得 幕間」の編曲は加藤達也氏が手がけられています。


どこへ通じるかは 舞台のみぞ知ること
約束結んだ糸が 今に千切れそう
乙女の煌きが この歴史を動かす
たぎった情熱 ほとばしるまま進め

苦い風が吹いたのは 心揺らいだせいね
私たち 試されてるの

「Star Divine」2番


それぞれの心に それぞれ秘めた想い
凛々しい横顔 激しく火花散らす
まばたきもできない この瞳をそらせない
ぶつかり合っても 貴女のこと信じてる

舞台の真ん中には たった一人の場所
だけどもう 孤独じゃないよ

「-Star Divine- フィナーレ」2番


 華恋と ひかりによる第12話レヴュー曲「スタァライト」(作編曲:藤澤慶昌・加藤達也)は、フィナーレを飾るにふさわしい8分を超える大曲であるとともに、サウンドトラックのアレンジで構成されたレヴュー曲でもあるというのが大きな特徴。「ブリッジの上で」「歯車」(※サントラ33曲目・11曲目/作曲:藤澤慶昌)、「Elle est belle: 美しい人」(※サントラ21曲目/作曲:加藤達也)、「星摘みの塔」(※サントラ31曲目/作曲:藤澤慶昌)が“再生産”され、メドレーとして再構築されています。レコーディングメンバーは「誇りと驕り」と同様、20名を超える大編成。真部裕ストリングスの真骨頂、ここにありといったところでしょう。


 アルバムの最後を飾るのは、真矢、クロディーヌが歌う第9話劇中曲「星摘みの歌」(作編曲:加藤達也)。本作のさまざまなシーンに響き合った楽曲であるということに、改めてしみじみとした感慨をおぼえます。なお、サウンドトラックの1曲目は、「星摘みの歌」のインストゥルメンタル版「星摘みのメロディ」が配されています。少女☆歌劇 レヴュースタァライト『ラ レヴュー ド マチネ』『ラ レヴュー ド ソワレ』『オリジナル・サウンドトラック』、そのすべてを聴いたなら、あなたは永遠の願いを手に入れることでしょう。





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少女☆歌劇 レヴュースタァライト『ラ レヴュー ド マチネ』
[PCCG-01706|PONY CANYON|2018.08.22]




中村彼方、山田公平(Sound direction)


●01. 世界を灰にするまで
(作詞:中村彼方/作編曲:石井健太郎/オーケストラアレンジ:藤澤慶昌)
星見純那(CV:佐藤日向)
神楽ひかり(CV:三森すずこ)
愛城華恋(CV:小山百代)

田中竜夫(guitar)
二家本亮介(bass)
髭白健(drums)
最上峰行(oboe)
中秀仁(clarinet)
真部裕ストリングス(strings)


●02. The Star Knows
(作詞:中村彼方/作曲:中村康隆/編曲:小高光太郎・藤井亮太・谷ナオキ)
星見純那(CV:佐藤日向)
愛城華恋(CV:小山百代)

中野勇介、工藤正和、菅家隆介(trumpet)
鹿討奏、鳥塚心輔、山口隼士(trombone)
渡辺功(tuba)
藤田乙比古、和田博史、田島花林、野見山和子(horn)
真部裕ストリングス(strings)


●03. 誇りと驕り
(作詞:中村彼方/作編曲:藤澤慶昌)
愛城華恋(CV:小山百代)
天堂真矢(CV:富田麻帆)

岩村乃菜(chorus)
藤澤慶昌(guitar)
二家本亮介(bass)
髭白健(drums)
高桑英世(flute)
最上峰行(oboe)
中秀仁(clarinet)
笹崎雅通(bassoon)
中野勇介、工藤正和、菅家隆介(trumpet)
鹿討奏、鳥塚心輔、山口隼士(trombone)
渡辺功(tuba)
藤田乙比古、和田博史、田島花林、野見山和子(horn)
真部裕ストリングス(strings)


●04. 恋の魔球
(作詞:中村彼方/作曲:小高光太郎・UiNA/編曲:藤井亮太・小高光太郎・谷ナオキ)
露崎まひる(CV:岩田陽葵)
愛城華恋(CV:小山百代)

藤井健太郎(guitar)
吉田治、萱生昌樹(alto sax)
竹野昌邦、庵原良司(tenor sax)
鈴木圭(bass sax)
中野勇介、工藤正和、菅家隆介(trumpet)
鹿討奏、鳥塚心輔、山口隼士(trombone)
真部裕ストリングス(strings)


●05. 花咲か唄
(作詞:中村彼方/作曲:大川茂伸/編曲:伊藤賢)
石動双葉(CV:生田輝)
花柳香子(CV:伊藤彩沙)

山本陽介(guitar)
神永大輔(尺八 from 和楽器バンド)
真部裕ストリングス(strings)


●06. Fly Me to the Star #3(神楽ひかり)
●07. Fly Me to the Star #4(愛城華恋、神楽ひかり)
●08. Fly Me to the Star #5(露崎まひる)
●09. Fly Me to the Star #6(石動双葉、花柳香子)
●10. Fly Me to the Star #7(Instrumental)
(作編曲:尋木ヒロ/編曲:小高光太郎)

藤井健太郎(guitar)
真部裕ストリングス(strings)


※『ラ レヴュー ド マチネ』ブックレットでは「Guitar:―― Kentaro Fujii[M5]、Yohske Yamamoto[M6]」となっていますが、M5「花咲か唄」のギターが山本陽介氏で、M4「恋の魔球」とM6~10「Fly Me to the Star」のギターが藤井健太郎氏です。






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少女☆歌劇 レヴュースタァライト『ラ レヴュー ド ソワレ』
[PCCG-01707|PONY CANYON|2018.10.17]




中村彼方、山田公平(Sound direction)


●01. RE:CREATE
(作詞:中村彼方/作編曲:三好啓太/オーケストラアレンジ:藤澤慶昌)
神楽ひかり(CV:三森すずこ)
大場なな(CV:小泉萌香)

板垣祐介(guitar, bass)
吉田太郎(drums)
吉田治、萱生昌樹(alto sax)
竹野昌邦、庵原良司(tenor sax)
鈴木圭(bass sax)
中野勇介(trumpet)
半田信英、辻姫子、藤井良太(trombone)
真部裕ストリングス(strings)


●02. 星々の絆
(作詞:中村彼方/:作編曲:藤澤慶昌)
大場なな(CV:小泉萌香)
愛城華恋(CV:小山百代)

小泉萌香(chorus)
藤澤慶昌(guitar, bass)
吉田太郎(drums)
吉田治、萱生昌樹(alto sax)
竹野昌邦、庵原良司(tenor sax)
鈴木圭(bass sax)
中野勇介(trumpet)
半田信英、辻姫子、藤井良太(trombone)
真部裕ストリングス(strings)


●03. -Star Divine- フィナーレ
(作詞:中村彼方/作編曲:本多友紀[Arte Refact])
愛城華恋(CV:小山百代)
神楽ひかり(CV:三森すずこ)
天堂真矢(CV:富田麻帆)
西條クロディーヌ(CV:相羽あいな)

藤井健太郎(guitar)
小林修己(bass)
中村賢(piano)
真部裕ストリングス(strings)


●04. 舞台少女心得 幕間
(作詞:中村彼方/作曲:本多友紀[Arte Refact]/編曲:加藤達也)
愛城華恋(CV:小山百代)
星見純那(CV:佐藤日向)
露崎まひる(CV:岩田陽葵)
石動双葉(CV:生田輝)
花柳香子(CV:伊藤彩沙)
大場なな(CV:小泉萌香)
西條クロディーヌ(CV:相羽あいな)
天堂真矢(CV:富田麻帆)

加藤達也(piano)
真部裕ストリングス(strings)


●05. スタァライト
(作詞:中村彼方/作編曲:藤澤慶昌・加藤達也)
愛城華恋(CV:小山百代)
神楽ひかり(CV:三森すずこ)

遠山哲朗(guitar)
二家本亮介(bass)
髭白健(drums)
若松純子(flute)
最上峰行(oboe)
中秀仁(clarinet)
井上俊次(basoon)
エリック宮城、菅家隆介、小澤篤士(trumpet)
半田信英、辻姫子、藤井良太(trombone)
次田心平(tuba)
藤田乙比古、田島花林、勝俣泰、熊井優(horn)
真部裕ストリングス(strings)


●06. Fly Me to the Star #8(愛城華恋)
●07. Fly Me to the Star #9(星見純那、大場なな)
●08. Fly Me to the Star #10(天堂真矢、西條クロディーヌ)
●09. Fly Me to the Star #11(except 愛城華恋、神楽ひかり)
(作編曲:尋木ヒロ/編曲:小高光太郎)

藤井健太郎(guitar)
真部裕ストリングス(strings)


●10. 星摘みの歌
(作詞:中村彼方/作編曲:加藤達也)
天堂真矢(CV:富田麻帆)
西條クロディーヌ(CV:相羽あいな)

真部裕ストリングス(strings)

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『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オリジナルサウンドトラック』
[PCCG-01716|PONY CANYON|2018.10.17]




藤澤慶昌&加藤達也(作曲)
葛西竜之介、鈴木恵、関根佑樹、谷ナオキ、宝野聡史、増谷浩揮、坂東邑真、小川ハル、影山雪奈(Scoring assistant)

山田公平(Sound direction)
中村彼方(Track title naming)

01. 星摘みのメロディ (加藤達也)
02. 星のおどり場 (藤澤慶昌)
03. ふたりのセレナーデ (加藤達也)
04. halation (藤澤慶昌)
05. pied a pied:一歩ずつ (加藤達也)
06. 小鳥のアラベスク (加藤達也)
07. 少女たちのプレリュード (藤澤慶昌)
08. プロムナード (藤澤慶昌)
09. starhood (加藤達也)
10. dot to dot (藤澤慶昌)
11. 歯車 (藤澤慶昌)
12. daydream (藤澤慶昌)
13. anti daydream (藤澤慶昌)
14. starlight curtain (藤澤慶昌)
15. 華恋とひかり (藤澤慶昌)
16. 深遠 (藤澤慶昌)
17. キリンのためのワルツ (藤澤慶昌)
18. キリンのためのアダージョ (藤澤慶昌)
19. 暗転 (加藤達也)
20. カタストロフ (藤澤慶昌)
21. Elle est belle:美しい人 (加藤達也)
22. rendez-vous:遥かなる約束 (加藤達也)
23. クイックステップダンス (加藤達也)
24. 夢を振りまいて (藤澤慶昌)
25. 子猫のカーニバル (加藤達也)
26. ランチボックス (加藤達也)
27. ハッピーインターリュード (加藤達也)
28. バナナの叩き売り(加藤達也)
29. ギニョール (藤澤慶昌)
30. ロンド・ロンド・ロンド (加藤達也)
31. 星摘みの塔 (藤澤慶昌)
32. 星罪 (藤澤慶昌)
33. ブリッジの上で (藤澤慶昌)
34. dawn of the star (加藤達也)
35. ki-ringtone (藤澤慶昌)
36. 再生産 (加藤達也)


佐々木貴之(guitar)
藤澤慶昌(guitar)
二家本亮介(bass)
髭白健(drums)
真部裕ストリングス(strings)
高桑英世(flute)
最上峰行(oboe)
中秀仁(clarinet)
笹崎雅通(bassoon)
吉田治、萱生昌樹(alto sax)
竹野昌邦、庵原良司(tenor sax)
鈴木圭(bass sax)
中野勇介、工藤正和、菅家隆介(trumpet)
鹿討奏、鳥塚心輔、山口隼士(trombone)
渡辺功(tuba)
藤田乙比古、和田博史、田島花林、野見山和子(horn)

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語り部の女神と九九組の魔王が語る!? 「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」レヴュー曲はいかにして作られるのか。中村彼方×小泉萌香インタビュー
(from アキバ総研|2018.09.25)


▼TVアニメ『少女☆歌劇レヴュースタァライト』音楽スタッフ座談会 前編後編
(リスアニ!WEB|2018.09.26/10.12)


『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』TVアニメ史上に類を見ない試み“レヴュー曲”とは何だったのか? 制作陣が明かす「歌とセリフと映像の一体化」の秘密
(エンタメステーション|2018.10.17)


アニメ全話を終えて…古川知宏監督が振り返る『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』 時間のループ、東京タワー、そして“アタシ再生産”が意味したもの
(from エンタメステーション|2018.11.06)


第23回・まぼろしの舞台少女『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE- #2 Transition』|2・5次元通信(上田 麻由子)
(webちくま)

2018/10/09

末廣健一郎・MAYUKO『「はたらく細胞」オリジナル・サウンドトラック』(2018)




 2018年7月から9月にかけて放送されたアニメ「はたらく細胞」のサウンドトラック。手堅く、楽しいアニメ化でした。血小板の可愛さと白血球4989番のすっとぼけたキャラクター性は原作以上にフィーチャーされていたと思います。二期もお願いしたいところですが、「はたらく細胞BLACK」の方もぜひともアニメ化してほしいところ(無茶振り)。CDジャケットイラストは本編のさわりに登場する体内インフラストラクチャーの全景図ですが、よく見ると白血球と赤血球の姿が表と裏で確認できます。
https://hataraku-saibou.com/


 本作のコンポーザーは末廣健一郎MAYUKOの両氏。末廣氏はバンドマンからコンポーザーの道に入ったという経歴の持ち主で、音楽的な影響をヘンリー・マンシーニ、エンニオ・モリコーネ、アラン・シルヴェストリ、久石譲から受けたようです。また、岩代太郎と大澤徹訓の両氏から作曲技法/オーケストレーションを学んでおり、編曲の巧さに定評があります。「ダ・カーポII」「みなみけ」「true tears」などのキャラソンや主題歌の作編曲などを経て、劇伴作品ではこれまでにアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」「少女終末旅行」「ゴールデンカムイ」、ドラマ「貴族探偵」、映画「ミックス。」などを担当。今年10月からは「ゴブリンスレイヤー」「ゴールデンカムイ(第二期)」の劇伴を担当されています。
http://one-music.jp/suehiro.html


「『逃げ恥』『リゼロ』手掛けた音楽作家・末廣健一郎が明かす『少女終末旅行』劇伴に込めた工夫」
(Realsound|2017.12.09)


 MAYUKO(ゆうまお)氏はシンガーソングライター「MAYUKO」とコンポーザー「ゆうまお」の二つの顔を持つ、“歌えるコンポーザー”。「少女終末旅行」ではゆったりと静かで、そして聖なる空気感にあふれる劇伴のヴォーカル/コーラスを担当されておりました。作詞・楽曲提供も多く、「はたらく細胞」では劇伴のほか、ゆうまお名義で主題歌「ミッション! 健・康・第・イチ」の作詞・作曲も担当されています。末廣氏とはこれまでに「闇金ウシジマくん」「逃げるは恥だが役に立つ」、近時ではアニメ「ミイラの飼い方」、ドラマ「海月姫」「チア☆ダン」の劇伴などで共作されています。
http://www.mayuko-yumao.jp/index.html


ミッション! 健・康・第・イチ
はたらく細胞
アニプレックス (2018-08-22)
売り上げランキング: 546


「はたらく細胞」と同時期に放送された「深夜!天才バカボン」(末廣氏と眞鍋昭大氏の共作)ではビッグバンド、ロカビリー、ブルース、ボッサ、エレポップも交えた多彩な劇伴でしたが、「はたらく細胞」では優雅なオーケストラ/軽快な小編成室内楽サウンドを主体にしつつ、ホーンセクションなども迎えてコミカルで「わちゃわちゃ」した感じが楽しめる内容になっています。ビッグバンド風の「迷子でも一生懸命」、オルガンやエレクトリック・ギターをフィーチャーした「動員要請」「仲間と共に」「みんな命がけ」、どこかビバリーヒルズ・コップのテーマ感ある「迫る危機」あたりがまず耳を引きます。


はたらく細胞 Original Soundtrack
はたらく細胞
アニプレックス (2018-08-22)
売り上げランキング: 12,195


 ライナーノーツのコンポーザーインタビューによると、初期の段階で監督から「運動会」のイメージで説明を受けたということで、メインテーマはまさにヘルマン・ネッケの「クシコス・ポスト」(運動会の定番曲)のような楽曲になっています。また、ルロイ・アンダーソンの「タイプライター」をずばりオマージュした「今日も大忙し」は、仕事に追われる作品テーマにもドンピシャにフィット。トイピアノをさりげなくフィーチャーした「運んで、運んで」のメロディーは「抗原発見!」「仲間と共に」などにも織り込まれており、ちょっとしたフックになっております。





 血小板のテーマである「ちっちゃくてがんばりやさん」は、コーラスや「1・2・1・2・3」の号令が入る賑やかでキュートな一曲。マクロファージのテーマである「華麗に舞うフリル」「うふふ抹殺」は「白鳥の湖」などのバレエ音楽をイメージしてつくられたとのこと。白血球(好中球)のテーマはクールなキャラクターに合わせて、オーケストラではなく打ち込みで制作しているというのも興味深いポイントでした。EDMな味付けの「果たすべき使命」「まっすぐ、仕事を」などがそれにあたると思われます。

「それでも、戦う」は、悲壮感あふれるヴァイオリンソロが印象な一曲。「Re:ゼロから始める異世界生活」「少女終末旅行」のサントラ同様、篠崎正嗣氏がソロを担当されています。ワクワク感と大団円ムードの「お仕事完了という名の勝利」はアラン・シルヴェストリに、勇壮な躍動感あふれる「一進一退の戦い」はハンス・ジマーにそれぞれ通じるものを感じます。シリアスな混声コーラスがサスペンスを煽る「恐るべきもの」「この世界は、終わらせない」のスケール感の大きさはエピックミュージックに近い印象です。


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『はたらく細胞Original Soundtrack』
[Aniplex|2018.08.22|SVWC-70357~70358]
https://hataraku-saibou.com/music/


《DISC1》

01. はたらく細胞 -MainTheme-
02. 運んで、運んで
03. 迷子でも一生懸命
04. おだやか世界
05. 華麗に舞うフリル
06. ちっちゃくてがんばりやさん
07. ゆるやか、ほんわか
08. 大切なゆったり
09. 今日も大忙し
10. さて、どうしよう
11. 迷った時は
12. みんなそれぞれ
13. 侵入者
14. Yes Sir !!
15. 動員要請
16. 迫る危機
17. 何かがいる
18. 静寂に潜む危険
19. 世界への襲来
20. 抗原発見!
21. 恐るべきもの
22. 奴ら


《DISC2》

01. それでも、戦う
02. 立ち向かう勇気
03. 悲しみの在処
04. 生きる。たとえ切なくても
05. 優しさとありがとう
06. それぞれの、はたらく
07. お疲れ様でした
08. お仕事完了という名の勝利
09. 突然の恐怖
10. 一進一退の戦い
11. 世界の敵
12. 戦う、この世界のために
13. 果たすべき使命
14. まっすぐ、仕事を
15. 仲間と共に
16. うふふ抹殺
17. この世界は、終わらせない
18. みんな命がけ
19. 今日も元気にはたらいています


Music Composed & Arranged by 末廣健一郎
DISC 1:1~4、10~14、16、19~21
DISC 2:2、8~15、17~19

Music Composed & Arranged by MAYUKO
DISC 1:5~9、15、17、18、22
DISC 2:1、3~7、16


《MUSIC STAFF》

Sound Producer: 末廣健一郎・MAYUKO
Director: Lucy☆Diamonds
Recording & Mixing Engineer: 葛島洋一
Assistant Engineer: 房野哲士
Studio: Sony Music Studios Tokyo, 1 MUSiC STUDiO

Keyboards & Other Instrumental Programming:末廣健一郎
Chorus, Andes, Keyboards & Other Instrumental Programming: MAYUKO
Drums: 岡島俊治
Guitars: 吉本潮・本間大健 from LaiD Back Gorilla
Acoustic Guitar: 杉山つよし
Strings: 篠崎正嗣グループ
Flute & Piccolo: 高桑英世(管鍵”樂団!?)
Oboe: 庄司さとし(管鍵”樂団!?)
Clarinet: 山根公男(管鍵”樂団!?)
Fagotto: 大澤昌生
Horn: 日橋辰朗・矢野健太・豊田万紀・熊井優
Trumpet: 辻本健一・伊藤駿
Trombone: 古賀光・中西和泉
Bass Trombone: 石原左近
Alto Sax & Tenor Sax: 福井健太
Soprano Chorus: 佐藤亜理沙・瀧本真己・日野祐希
Alto Chorus: 佐藤涼香・寺嶋あゆみ・藤田彩歌
Tenor Chorus: 市原泰明・星野文緑・官下大器
Bass Chorus: 河野陽介・大津康平・高田慧一
Violin Solo: 篠崎正嗣

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2018/07/01

岩代太郎『みどりのマキバオー オリジナルサウンドトラック』(1996)

みどりのマキバオー オリジナル・サウンドトラック
TVサントラ MEN’S 5 F・MAP
メディアレモラス (1996-05-17)
売り上げランキング: 336,135


 1996年3月2日から1997年7月12日にかけて全61話が放送されたアニメ版「みどりのマキバオー」のサウンドトラック。コンポーザーは岩代太郎氏。キャリア初期の担当作品のひとつであります。1991年春に東京藝術大学大学院修士課程を修了するとともに、シルクロード国際管弦楽作曲コンクールに応募したソプラノ・サックスとオーケストラの為のコンチェルト「To The Farthest Land Of The World/世界のいちばん遠い土地へ」が最優秀賞を受賞。同年4月~5月に放送されたNHKスペシャル「ファッションドリーム」の音楽監督に起用され、劇伴作曲家デビュー。映画では「課長島耕作」(監督:根岸吉太郎/1992)、「あした」(監督:大林宣彦/1995 ※音楽は學草太郎と連名)。テレビドラマでは「君といた夏」(1994)、「東京SEX」「沙粧妙子~最後の事件~」(1995)の劇伴を手がけ、1994年4月にはファンハウスよりアルバム『It's』でソロアーティストとしてもデビュー。また、同作を起点(001)として、以降にCDパッケージ化された作品には「its」という独自のナンバリングが振られており、氏の公式サイトで一覧としてまとめられています。

「みどりのマキバオー」は、岩代氏のアニメ劇伴キャリアでは2作目にあたる作品(1作目は「H2」)。ヴァイオリンやエレクトリック・ギターをフィーチャーしたクロスオーヴァー色も強めの軽快な内容に仕上がっています。クライズラー&カンパニーもかくやという切れ味の鋭いフュージョン・インスト「根性の馬・ミドリマキバオーのテーマ」のメインモチーフはたびたび変奏され、とりわけ印象的なものは「みどり牧場の日々」でのパット・メセニー・グループを思わせるコーラス入りのアレンジ。また、ハードなギターのバッキングの上をサックスが吹き抜ける「最強のライバル・カスケードのテーマ」は見事にキャラの立ったサウンドになっています。ライナーノーツには岩代氏の半ば赤裸々なエッセイ感のあるコメントが掲載されているところもちょっとしたポイントです。

 余談ですが、岩代氏は90年代末ごろから映画音楽方面に活動の軸を大きく移していくこともあり、「みどりのマキバオー」の後、“テレビシリーズの”アニメ劇伴からはしばらく離れることになります。テレビアニメ作品で再び氏の名前が見られるようになるのは、「翠星のガルガンティア」(2013)から。また、「みどりのマキバオー」の放送から十数年後、2010年に岩代氏は中央競馬の本馬場入場曲を手がけられ、それらの楽曲はEP『Road to Glory ~岩代太郎 本馬場入場曲(JRA GI・GII・GIII)』(2012)としてリリースされています。さらに岩代氏は、2018年4月から6月にかけて放送されたアニメ「ウマ娘プリティーダービー」の音楽プロデュースを担当されています(サウンドトラックは2018年8月リリース)。キャリアの初期から現在に至るまでの断続的な馬との縁といいますか、なかなかに感慨深いものがあります。


Road to Glory ~岩代太郎 本馬場入場曲(JRA GI・GII・GIII)~
岩代太郎
avex trax (2012-04-18)
売り上げランキング: 73,773


http://www.its-club.com/

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『みどりのマキバオー オリジナルサウンドトラック』
[メディアレモラス|1996.05.17|MRCA-20089] 

01. 走れマキバオー
(作詞:池田謙吉/替え歌:大田一水/作曲:池田謙吉、前田伸夫/編曲:石川鷹彦/歌:F・MAP【福井謙二、三宅正治、青嶋達也】)

02. ファンファーレI
03. 根性の馬・ミドリマキバオーのテーマ
04. みどり牧場の夕陽
05. 修行への旅
06. 最強のライバル・カスケードのテーマ
07. 別離
08. ファンファーレII
09. 牧場の夢
10. 対決のプロローグ
11. ミドリコの想い出
12. 源次郎と昌虎
13. 牧場の夢
14. モンゴルの想い出
15. 母との再会
16. ファンファーレIII

17. とってもウマナミ
(作詞:淡谷三治/作曲:盆帆n'太郎、淡谷n'次郎/編曲・歌:MEN'S5)

All Tracks-Sound Produced, Composed, Orchestrated, Arranged and Conducted by 岩代太郎 for It's 021(except track 1, track17)

Produced by 大川正義(メディアレモラス)
Directed by 久永俊一(エバーフォーミュージック)、山内毅
Recorded & Mixed by
高橋寧(ファームスタジオ)
佐藤晴彦(テイクワンスタジオ)[track 1]
伴野滋彦(ハートビートスタジオ)[track 17]


走れマキバオー(原曲:走れコータロー) /とってもウマナミ  Single
F・MAP(フマップ)、Men's5
ポニーキャニオン
売り上げランキング: 287,357


▼オープニングテーマは当時フジテレビアナウンサーだった福井謙二、三宅正治、青嶋達也の3人によるユニットF・MAP(フマップ)の「走れマキバオー」(ソルティ・シュガー「走れコウタロー」のカヴァー/替え歌)。エンディングテーマは近田春夫&ビブラトーンズの元メンバー擁するMEN'S 5の「とってもウマナミ」。






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2018/06/08

山川恵津子『3丁目のタマ うちのタマ知りませんか? オリジナル・サウンドトラック』(1994)

3丁目のタマ/うちのタマ知りませんか? オリジナルサウンドトラック
TVサントラ 谷村有美 くま井ゆう子
ソニー・ミュージックレコーズ (1994-07-21)
売り上げランキング: 502,293



 今年、2018年で35周年を迎える「タマ&フレンズ」。いちばん最初のアニメ化は1988年制作のOVA「3丁目物語」。その後、1993年7月~8月にTVシリーズ第1期「3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?」として全9話が放送され、8月に劇場版「3丁目のタマ おねがい!モモちゃんを捜して!!」が公開。翌1994年4月~9月にかけて第2期として全26話が放送されました。その後、2006年に「タマ&フレンズ 探せ!魔法のプニプニストーン」、2016年に「タマ&フレンズ ~うちのタマ知りませんか?~」としてショートアニメが制作されています。なお、サウンドトラックCDは、劇場版(作曲:都留教博)と第2期TVシリーズ版のみリリースされており、今回ご紹介するのは後作。劇伴コンポーザーは山川恵津子さん。初期には谷山浩子や八神純子のバックバンド、山下達郎や竹内まりやのレコーディングへの参加で知られ、1983年に谷山浩子プロデュースによる「はみだしっ子」のイメージアルバムの編曲を担当。小泉今日子「100%男女交際」で1986年に第28回日本レコード大賞・編曲賞、1987年に立花理佐「キミはどんとくらい」で第29回同最優秀新人賞をそれぞれ受賞。現在に至るまで数多くのアーティストの作編曲や、TVドラマ、舞台などの劇伴を手がける大ベテランです。一方、活動はごく短期間ながら、メルティング・ポット(八神純子バンド)のバンドメイトであったギタリストの鳴海寬氏(2015年逝去)とのデュオ「東北新幹線」として1982年に唯一のアルバム『Turu Traffic』を日本フォノグラムよりリリース。ウェルメイドなシティポップの傑作として近年さらなる評価が進み、2007年、2017年に再発しています。



THRU TRAFFIC
THRU TRAFFIC
posted with amazlet at 18.06.07
東北新幹線(NARUMIN&ETSU)
ヴィヴィド・サウンド (2017-06-28)
売り上げランキング: 62,266



 山川さん単独でのアニメ劇伴仕事では、OVA「レア・ガルフォース」(1989)以来となった本作。「タマのお散歩」「不安な夕暮れ」「おやすみなさい3丁目」など、ヴァイオリン/ストリングス系の音色をフィーチャーした、爽やかでどこか切なさも感じさせる軽音楽を基調に、ボサノヴァ・タッチの「タマとたけしくんと…」や、シブいカントリーブルース・タッチの「ノラの孤独」などを収録。エレクトリック/アコースティックギターで芳野藤丸氏、アコースティック/ガットギターで東北新幹線の鳴海氏も名を連ねているところもトピックでしょう。スタートル(来生たかおバンド)や山下達郎の1988年~1989年のツアーサポートギタリスト(ライヴアルバム『JOY』)で名をはせ、デイヴィッド・T・ウォーカー スタイルのプレイで知られた鳴海氏のギター原体験がエレクトリックではなくガットギターであった()ということを踏まえると、ちょっと感慨深いものがあります。また、「タマと素敵な仲間たち」はOP主題歌「元気だしてよ」(谷村有美)のインストアレンジヴァージョン。「元気だしてよ」とED主題歌「みつあみ引っ張って」(くま井ゆう子)はともにフルヴァージョンで収録されています。



「Something for T. #08 鳴海寛さん」
(Mr. David T ― Official David T. Walker Japan Website)

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『3丁目のタマ うちのタマ知りませんか? オリジナル・サウンドトラック』
(SRCL-2942|Sony Records|1994.07.21)


01. 元気だしてよ
(歌・作詞・作曲:谷村有美/編曲:小林信吾)

02. タマのお散歩
03. トラのテーマ
04. みんなは仲良し
05. 不安な夕暮れ
06. 3丁目の朝
07. タマとたけしくんと…
08. おやすみなさい3丁目
09. ノラの孤独
10. 哀愁のブル
11. 3丁目の昼下がり
12. タマと素敵な仲間たち (「元気だしてよ」アレンジバージョン)

13. みつあみ引っ張って
(歌・作詞・作曲:くま井ゆう子/編曲:大村雅朗)

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サウンド・プロデューサー:山川恵津子

プロデューサー:百瀬恵一
コ・プロデューサー:西村達郎
ミキシング・エンジニア:芳川勇人
レコーディング・エンジニア:中村辰也・市川高信
アシスタント・エンジニア:山下智子・木戸孝真・内田直之・平田岳史
マスタリング・エンジニア:杉浦和海
ミュージシャン・コーディネーター:宮田文雄(ミュージックランド)

ジャケットデザイン:加藤欣司
コーディネーター:三国屋博之


【ミュージシャン(01、13を除く)】
作編曲:山川恵津子
シンセ・オペレーター:中山信彦・根岸貴幸
アシスタント・オペレーター:北岡徹也・丸尾稔
エレクトリック・ギター:芳野藤丸
アコースティック・ギター:芳野藤丸・鳴海寛
ガット・ギター:鳴海寛

レコーディング・スタジオ:Z'd, nazz, Peninsula


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http://www.etsu-style.tv/

山川 恵津子 Etsuko Yamakawa(RAINBOW ENTERTAINMENT)

2018/05/14

elmobo『Double Kick Heroes Vol.1 (Original Game Soundtrack)』(2018)

 海外で定期的に開催されている数日間のゲーム制作イベント「Ludum Dare」の2015年12月開催の第34回でプロトタイプが生み出され、好評とフィードバックを獲得したフランスのHeadbang Club開発によるシューティングゲーム「Double Kick Heroes」。荒廃した終末世界を舞台に、「ガンデラック」に乗り込んだメタルバンドが襲い来るゾンビ軍団をギンギンに演奏しながらガスガス撃ち殺しまくるという、パワーメタル(物理)なリズムシューティングゲームです(プレイヤーの好みの楽曲でゲームをプレイすることも可能)。同年末にSteam Greenlightでリリースされ、その後2017年8月にドイツのgamescomのインディーゲーム賞を獲得。2018年4月よりSteamで早期アクセスが開始されました。日本語ローカライズは架け橋ゲームズが担当しています。





 同作のコンポーザーであり、ギターとヴォーカルも自ら担当している「Elmobo」ことフレデリック・モッテ氏はゲームミュージックシーンとメタルシーンの双方で実績を残している才人。80年代より「Moby」の名でデモシーンに参加し、90年代よりゲームミュージックを作り続け、「パックインタイム」「ナイトメア・クリーチャーズ」「Bakugan: Rise of the Resistance」(爆丸バトルブローラーズの北米版ソフト)など多数のタイトルを手がけてきた大ヴェテランである一方、プログレッシヴ・メタル・バンド「Plun-In」でも活動を展開しており、Bumblefoot(ロン・サール)のフランスツアーのサポートメンバーに抜擢されてもいるテクニシャン。Plug-Inの2011年のアルバム『Hijack』ではバンブルフットのほか、アンディ・ティモンズ、FREAK KITCHENのマティアス・エクルンド、SOILWORK、SCARVEのシルヴァン・コードレー、MÖRGLBLのクリストファー・ゴディンなどのテクニシャンがゲスト参加した超強力盤です。2004年にはレコーディングスタジオ「Conkrete Studio」を構え、多くのバンドのミキシングやマスタリングも手がけてもおります。







 Steam Greenlightでのリリース時には5曲を収録したサウンドトラック(「Ludum Dare」の期間内に合わせ、作曲・レコーディング・ミキシング・マスタリングを72時間内で完了させています)が投げ銭でリリースされていましたが、このたびの早期アクセス開始に伴い、28曲(うちインストゥルメンタルver.が5曲)収録のサウンドトラック第一弾がシアトルのゲームミュージックレーベル Materia Collectiveよりリリースされました(正式リリース時には第二弾がリリースされることでしょう)。チップチューンメタルはもちろん、インダストリアル/エクストリーム/スラッシュ/グルーヴメタルもelmobo氏にとってはお手のものであり、まさにメタルジャンルのデパート状態。さらにPLUG-INをはじめ、LOKURAH、SAMSARA CIRCLE、HELL IN TOWN、ANTHEUS、GOROD、THE FUNDAMENTAL WISDOM OF CHAOSといった欧州メタル/ハードコア系バンドのギタリストやヴォーカリストが多数客演しているのも大きなポイント。elmobo氏の人脈の広さをうかがわせてくれます。ちなみに、SAMSARA CIRCLEのオッリ・サムサーラが作詞とヴォーカルを担当した「Die Untoten」は思いっきりラムシュタイン風であり、フランスのアヴァンメタルバンド THE FUNDAMENTAL WISDOM OF CHAOSのサブ・エルヴェニアが訳詞とヴォーカルを担当した「Don't Bite My Butt」は(妙な)日本語詞の楽曲になっています。



http://doublekickheroes.rocks/
http://www.elmobo.com/

2018/04/29

「レディ・プレイヤー1」 小説版と映画版の音楽ネタについて

最初に言っておくと、ネタバレです。小説版・映画版双方の音楽ネタについて触れているので、読んでいない人や観ていない人はご注意。3年前に書いたこちらの記事の増補・改訂版となります。


 『ゲームウォーズ 〔Ready Player One〕』 
非公式サウンドトラック (音楽ネタ一覧)
http://camelletgo.blogspot.jp/2015/03/ready-player-one-ost.html



ゲームウォーズ(上) (SB文庫)
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ゲームウォーズ(下) (SB文庫)
アーネスト・クライン
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音楽? 音楽は手強い相手だったよ。少しばかり時間がかかった。八〇年代は期間としては長い(まる十年だからね)。しかもハリデーは鑑識眼があるとはお世辞にも言えない人で、あらゆるジャンルを聴きまくっていた。だから、ぼくもあらゆるジャンルを聴いた。ポップス、ロック、ニューウェーブ、パンク、ヘヴィメタル、ポリス、ジャーニー、R.E.M.からザ・クラッシュまで。何だって聴いたよ。ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツの全レコードを二週間かからずに聴いた。ディーヴォにはもう少し手こずらされた。

――歌詞も暗記した。ヴァン・ヘイレン、ボン・ジョヴィ、デフ・レパード、ピンク・フロイドといったバンドのたわいない歌詞を山ほど記憶に刻みつけた。
(『ゲームウォーズ』上巻P127, 128)


小説『Ready Player One』(邦訳版『ゲームウォーズ』)に登場するロック/ポップ・ミュージックの元ネタは、著者のアーネスト・クラインが2011年に自身のブログですべて明かしています。「ファミリータイズ」「スクールハウスロック」や「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」など、本編に登場する番組や映画のテーマも含めて網羅されているほか、ご丁寧にも3曲の「ボーナス・トラック」まで記載されています。パット・ベネターを入れているのは、作中でアルテミスの本拠地とされている惑星の名前が「ベネター」だからでしょう(下巻P11参照)。


「The “Official” Ready Player One Soundtrack Mix Tape」
(2011.09.21)
http://www.ernestcline.com/blog/2011/09/21/the-official-ready-player-one-soundtrack/

01 - Oingo Boingo - Dead Man’s Party
02 - Billy Idol - Dancin’ With Myself
03 - Family Ties - Opening Theme
04 - Schoolhouse Rock - Verb
05 - Duran Duran - Wild Boys
06 - John Williams - Star Wars Soundtrack - The Throne Room End Title
07 - Midnight Oil - Beds Are Burning
08 - Howard Jones - Like To Get To Know You Well
09 - Basil Poledouris - Conan The Barbarian - Anvil Of Crom
10 - Ladyhawke Soundtrack - Main Title
11 - Richard Strauss - Also Sprach Zarathustra
12 - The Beepers - Video Fever
13 - Men Without Hats - The Safety Dance
14 - New Order - Blue Monday 88 Remix
15 - Duran Duran - Union Of The Snake
16 - Billy Idol - Rebel Yell
17 - Cyndi Lauper - Time After Time
18 - LA Style - James Brown Is Dead
19 - Blondie - Atomic
20 - Wham! - Wake Me Up Before You Go-Go
21 - The Plimsouls - A Million Miles Away
22 - Change - John Waite
23 - Peter Gabriel - In Your Eyes
24 - They Might Be Giants -Don’t Let’s Start
25 - Def Leppard - Pour Some Sugar On Me
26 - Bryan Adams - Kids Wanna Rock
27 - Buckner & Garcia - Pacman Fever
28 - Rush - The Temples of Syrinx
29 - AC/DC - Dirty Deeds Done Cheap
30 - Schoolhouse Rock - Three is a Magic Number
31 - Rush - Subdivisions
32 - Monty Python and the Holy Grail - End Music

Bonus Tracks:
Pat Benatar - Invincible
DEVO - Girl U Want
Van Halen - Dance the Night Away

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小説『Ready Player One』
(2011)


オインゴ・ボインゴ『デッド・マンズ・パーティ』という古い歌のイントロだ。
(上巻P8)
Oingo Boingo - Dead Man's Party(1985)
Dead Man's Party
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Oingo Boingo
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ティム・バートン監督作品などでお馴染みの映画音楽家であるダニー・エルフマンがかつて率いていたオインゴ・ボインゴは、スカとニューウェイヴのエッセンスを取り込んだロック/ポップスサウンドを得意としたバンド。「Dead Man's Party」は1985年のアルバム『Dead Man's Party』のタイトルチューンです。

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ハリデーも踊っている。現実の世界では見せたことのない姿だ。たがのはずれたような笑みを顔に張りつけ、猛スピードで回転し、音楽に合わせて腕と頭を振り回しながら、八〇年代を象徴するダンスの動きを完璧にこなしていく。ただし、ハリデーにダンスのパートナーはいない。文字どおり、一人でくるくる空回りしているだけだ。
(上巻P8)
Billy Idol - Dancing with Myself(1980~1982)


原文を見ないとわからないネタです。「He is, as the saying goes, dancing with himself」という一節があります。「Dancing with Myself」は、ビリー・アイドルが在籍したパンク・バンドのGENERATION Xが活動末期の1980年にリリースした楽曲。ビリーと同じくフロントマンだったトニー・ジェームズの共作曲。その後、1981年にバンドは解散、ビリーはアメリカに渡ってソロデビューするのですが、その際に再度この曲をカヴァーしてシングルとしてリリースします。同曲は1981年リリースのEP『Don't Stop』、1982年リリースの1stソロアルバム『Billy Idol』にも収録。

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(ちょうどいまはデュランデュランの『ザ・ワイルド・ボーイズ』を大音量で流している) 
(上巻P76)
Duran Duran - The Wild Boys(1984)


ニューウェイヴ/ニューロマンティックを代表するバンド デュラン・デュランが1984年にリリースした大ヒットシングル。同年にリリースされたライヴアルバム『Arena』に、唯一のスタジオトラックとして収録されています。

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「『レディホーク』は八〇年代の傑作の一つだ」
「あんな低級映画が傑作だって? じゃあ、何なんだよ、あの剣は? アルミ箔で作ったのか? それにあのサントラ。駄作もいいところだろう。シンセの音以外に何か聞こえるか、え? アラン・パーソンズ・プロジェクトだ? 超のつく駄作だよ!」

(上巻P83)

Andrew Powell - 『Ladyhawk Original Soundtrack』(1985) 


小説版では、エイチに「レディホーク」をこき下ろされてウェイドがキレるくだりがあります。同作のサウンドトラックを手がけたのは、ケイト・ブッシュのアルバム『嵐が丘』のプロデュースや、アラン・パーソンズ・プロジェクトでオーケストレーションを担当していたアンドリュー・パウエル。

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寝る間も惜しんで(バーン・ミッドナイト・オイル)勉強に励んだ。そうだ、知ってたかい? オーストラリアにミッドナイト・オイルというバンドがいたんだよ。一九八七年に『ベッズ・アー・バーニング』というヒットを飛ばしている。
(上巻P128)
Midnight Oil - Beds are Burning(1987)


ミッドナイト・オイルは1976年に結成されたオーストラリア・シドニーのロック/ポップス・バンド。2002年の解散までに11枚のアルバムを発表。その後も2005年、2009年、2016年とたびたび再結成しており、2017年には大規模なツアーを行っていました。リード・ヴォーカルのピーター・ギャレットは、現在は政治家としても活動中。「Beds are Burning」は世界的なヒットも記録したバンドの代表曲で、アルバム『Diesel and Dust』に収録されています。 http://www.midnightoil.com/

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この曲なら知っている。ジョン・ウィリアムズ作曲の『スター・ウォーズ』のオリジナルサントラ最後の曲
(上巻P168)
John Willams - The Throne Room and End Title(1977)

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八〇年代の詩人ハワード・ジョーンズなら、“もっと彼女を知りたいから”とでも言うだろうな。
 (上巻P183)

Howard Jones - Like to Get to Know You Well(1984)


上のセリフは、イギリスのニューウェイヴ/エレポップ シンガーであるハワード・ジョーンズの1984年のヒット曲のもじりです。同年にリリースされたリミックス・アルバム『The 12 Album』にインターナショナル・ミックス版が収録され、2ndアルバム『Dream into Action』(1985)のCD盤にボーナストラックとして収録。90年代以降はエレポップから離れた音楽性になるものの、現在までコンピレーションやライヴアルバムを含めてコンスタントなリリースを続けており、2008年、2010年、2012年、2017年に来日公演も行っています。

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ベイジル・ポールドゥリス作曲の『コナン・ザ・グレート』のサントラだ。
(上巻P213) 

Basil Poledouris - Conan The Barbarian - Anvil of Crom


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次に聞こえてきたのは、低く不気味な機械音と、映画のオープニングに使われたリヒャルト・シュトラウス作曲『ツァラトゥストラはかく語りき』だった。
(上巻P216)
Richard Strauss - Also Sprach Zarathustra


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ザ・ビーパーズの『ビデオ・フィーヴァー』が流れてきた。
(上巻P218)
The Beepers - Video Fever(1983)

ジョン・バダム監督による1983年発表のSFサスペンス映画『WarGames(ウォー・ゲーム)』の劇中曲。シンセサイザー奏者のブライアン・バンクス、アンソニー・マリネリ、映画のスコアを手がけたアーサー・B・ルービンスタインを中心にして結成されたビーパーズという企画バンドによる妙な味のあるテクノ・ポップ チューン。ちなみに、同年に発表されたバダム監督の「ブルー・サンダー」のサウンドトラックに収録されているメインテーマのアレンジ・ヴァージョン(本編未使用)も、ビーパーズ名義でクレジットされています。

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件名は、〈ウィ・キャン・ダンス・イフ・ウィ・ウォント・トゥ〉。メン・アット・ワークの曲のタイトルだ。
(上巻P360)
Men Without Hats - Safety Dance(1982)


原文を見てみると「The subject line read“We Can Dance If We Want To”」で終わっており、「メン・アット・ワークの曲のタイトルだ」にあたる文は見当たりませんでした。また、Men At Workにそういうタイトルの曲はありません。これはMen Without Hatsのデビューアルバム『Rhythm of Youth』(1982)に収録された「Safety Dance」の冒頭の歌詞です。80年代に活動したオーストラリアのロック・バンドMen At Workと、同じく80年代に活動したカナダのニューウェイヴ/シンセポップ・バンド Men Without Hatsとで混同された可能性があります。

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ニュー・オーダーの『ブルー・マンデー』。ただし『スター・ウォーズ』のドロイドの音声サンプルがふんだんに使われた八八年リミックスバージョンだ。
(上巻P367)

New Order - Blue Monday 88 Remix(1988)


マンチェスターのロック・バンド ニュー・オーダーの代表曲「Blue Monday」は、1988年にクインシー・ジョーンズがスーパーバイザーを務めたリミックス・ヴァージョンがシングルリリースされます。アルバムでは、1994年に出たベスト盤『(The Best of)New Order』に収録。

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「『ユニオン・オブ・ザ・スネーク』」習慣から無意識にそうつぶやく。「デュラン・デュラン。一九八三年発表」
(上巻P367)

Duran Duran - Union of The Snake(1983)


デュラン・デュランの9thシングルであり、3rdアルバム『Seven and the Ragged Tiger』の収録曲。セクシャルな隠喩に満ちたダンス・ポップ・チューンで、フィーチャーされたアンディ・ハミルトンによるサックスも印象的な1曲。

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ビリー・アイドルの『反逆のアイドル』のダンス・リミックスだ。
(上巻P369)

Billy Idol - Rebel Yell(1983)


ビリー・アイドルの2ndアルバム『反逆のアイドル(Rebel Yell)』のタイトルトラック。スティーヴ・スティーヴンスのギターソロも効いたハードなニューウェイヴ・チューン。

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今度はスローな曲をかけた。シンディ・ローパー『タイム・アフター・タイム』。
(上巻P371)

Cyndi Lauper - Time After Time(1983)


シンディ・ローパーの1983年のデビューアルバム『She's So Unusual』に収録され、翌年シングルカットされヒットした楽曲。数多くのアーティストにカヴァーされ、とくにマイルス・デイヴィスによるカヴァーは有名。

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L.A.スタイルの『ジェームズ・ブラウン・イズ・デッド』。クラブににぎやかな拍手が広がった。
(上巻P376)

L.A.Style - James Brown is Dead(1991)


オランダのエレクトロ・デュオ L・A・スタイルのクラブヒット。1991年にシングルでリリースされ、1993年にアルバム『L.A. Style』に収録。この曲が発表された当時は、もちろんジェームズ・ブラウンは存命中。「○○ is Dead」というタイトルの走りとなった楽曲で、○○ is not Deadや○○ is Still Aliveといった亜種が続々と出ています。

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ブロンディー『銀河のアトミック』。
(上巻P379)

Blondie - Atomic(1979)


デボラ・ハリー率いるアメリカのニューウェイヴ・パンク・バンド ブロンディの4thアルバム『Eat to the Beat(恋のハートビート)』(1979)に収録。翌年にシングルカットもされ、そこでは7インチミックスヴァージョンが収録されています。

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ワム!の『ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ』を最大音量で再生するようコンピューターを設定した。
(上巻P380) 

Wham! - Wake Me Up Before You Go-Go(1984)


ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーによるイギリスのデュオ ワム!の1984年のヒット曲。シングルは英米チャート一位に輝き、同曲が収録された同年のアルバム『Make It Big』も、各国でチャート1位を総なめにしました。

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ぼくは曲名、アーティスト名、収録アルバム、リリース年を早口で言った。「『ア・ミリオン・マイルズ・アウェイ』、ザ・プリムソウルズ、『エヴリホエア・アット・ワンス』、一九八三年」
(上巻P395) 

The Plimsouls - A Million Miles Away(1983)


アメリカのパワー・ポップ・バンド ザ・ナーヴスのメンバーであったピーター・ケイスを中心として1978年に結成された ザ・プリムソウルズの1982年発表のシングル。1983年発表の2ndアルバム『Everywhere at Once』に収録。この年に解散もしていますが、その後、断続的に再結成を繰り返しています。

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イントロを聞いただけで、ジョン・ウェイトの『チェンジ』だとわかった。『ビジョン・クエスト』サントラ。ゲフィン・レコード。一九八五年。
(上巻P395-396) 

Change - John Waite(1982)


JOURNEYのジョナサン・ケインが在籍していたことでも知られるThe BabysやBAD ENGLISHのヴォーカリストであったジョン・ウェイトの1982年のソロデビューシングル。同年のアルバム『Ignition』収録。AOR/メロディック・ハード・ロックの名曲であります。「ビジョン・クエスト/青春の賭け」は、ハロルド・ベッカー監督による、1985年公開の青春映画。サントラにはJOURNEYの「Only the Young」や、FOREIGNERの「Hot Blooded」などとともに収録されています。

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ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツの『ドント・レッツ・スタート』の一行だ。
(上巻P398) 

They Might Be Giants - Don't Let's Start(1986)


1986年のデビューアルバム『They Might Be Giants』に収録され、翌年にマキシシングルでもリリースされた1曲。TMBGは本編のキャラクター(ひいては著者の)のとくにお気に入りのバンドのようで、度々その名が出てきます。

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ピーター・ガブリエルの『イン・ユア・アイズ』を流していた。
(下巻P11) 

Peter Gabriel - In Your Eyes(1986)


世界的な大ヒットを記録した、ピーター・ゲイブリエルの1986年の楽曲。同年リリースの5thアルバム『So』に収録され、同作からのシングルカットされた5曲のうちの1曲であり、ワールド・ミュージックのテイストも強い名曲。ゲストヴォーカルで参加したユッスー・ンドゥールや、ドラムスのマヌ・カチェの名前を知らしめました。

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大音量で鳴っている音楽がトンネルの奥から漏れ聞こえてきた。デフ・レパード、『シュガー・オン・ミー』。収録アルバムは『ヒステリア』(エピック・レコード、一九八七年)
(下巻P37) 

Def Leppard - Pour Some Sugar on Me(1987)


イギリスのヘヴィ・メタル・バンド デフ・レパードの1987年リリースの4thアルバム『Hysteria』に収録。翌年に同アルバムからの3rdシングルとしてもリリース。前作『 Pyromania(炎のターゲット)』とともに世界中でビッグセールスを記録した、バンド絶頂期の楽曲です。

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カーペットを張った壁にかけられたスピーカーからブライアン・アダムスの曲が流れていた。どこへ行ってもみんなロックしたいんだと歌っている。
(下巻P43)

Bryan Adams - Kids Wanna Rock(1984)


カナダを代表するロック・シンガー ブライアン・アダムスの出世作となった1984年リリースの4thアルバム『Reckless』に収録。

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ゲームルームのスピーカーから『パックマン・フィーバー』が流れ始めた。
(下巻P48) 

Buckner & Garcia - Pacman Fever(1981)


ジェリー・バックナーとゲイリー・ガルシアによるアメリカのデュオ・ユニットの大ヒット曲。「俺はパックマンにお熱なんだ」とひたすら歌ったキャッチーな1曲。ちなみにこの曲が収録されている彼らの1982年のデビューアルバム『Pac-Man Fever』は、全曲が「ドンキーコング」や「フロッガー」といった当時稼動していたアーケードゲームのタイトルにちなんだものになっており、一種のコンセプトアルバムともいえる内容。近年はディズニー映画「シュガーラッシュ」のサウンドトラックに書き下ろしの楽曲を提供しています。

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ラッシュ初期のSFをテーマにしたコンセプトアルバム『西暦二一一二年』。
(下巻P115-116) 

Rush - 『2112』(1976)


「ラッシュの『サブディヴィジョンズ』のミュージックビデオにもちらっと出てくる」
(下巻P294) 

Rush - Subdivisions(1982)


ラッシュは、カナダを代表するロック・トリオ。アレックス・ライフソン、ゲディ・リー、ニール・パートの不動のトリオの名を知らしめた一大プログレッシヴ・ロック・アルバム『2112(西暦2112年)』。都市の中心にそびえる寺院「シリンクス」により、人民の生活がコンピュータ管理された社会で育った主人公が旧文明の遺物(ギター)に触れ、社会を脱するまでを描いております。 「The Temples of Syrinx」は、組曲2112の第二パートにあたる部分。小説版では『2112』はあるシーンの大ネタのひとつとして出てきます。それは読んでのお楽しみ。「Subdivisions」は、1982年にリリースされたバンドの9thアルバム『Signals』の収録曲。

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いつも『スクールハウス・ロック!』の歌詞がぼくの頭のなかをぐるぐるし始める。〈走る、行く、取る、渡す。動詞! 動作の主はきみ!〉
(上巻P137)

「『スリー・イズ・ア・マジック・ナンバー』ボブ・ドロー作詞作曲」アルテミスが頭のなかの百科事典から読み上げる。「一九七三年発表」
(下巻P208) 

Bob Dorough - Verb: That's What's Happenin'(1973)
Bob Dorough - Three is a Magic Number(1973)



「スクールハウス・ロック」は、1973年から1985年にかけてアメリカで放送された、音楽とともに算数や歴史などを学習するというコンセプトの子供向け教育番組。「Verb: That's What's Happenin'」「Three is a Magic Number」は、ともに劇中曲です。作曲者のボブ・ドローは、マイルス・デイヴィスやブロッサム・ディアリーなどのアルバム(ジョン・ゾーンのNaked Cityのアルバムにスペシャル・ゲストとして参加していたりもします)への参加や、ソフト・ロック・グループ Spanky and Our Gangなどのプロデュースなども手がけたジャズ・ピアニスト/シンガー。 http://www.schoolhouserock.tv/Verb.html

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AC/DC『悪事と地獄』がロボットの内と外のスピーカーから大音量で流れ始めた。
(下巻P250)

AC/DC - Dirty Deeds Done Cheap(1976)


アンガス・ヤング擁するオーストラリアのハード・ロック・バンド AD/DCの1976年リリースのシングル。アトランティックと契約を結び、世界に乗り出し始めた時期の楽曲であり、同年の3rdアルバム『Dirty Deeds Done Dirt Cheap』のタイトルトラック&オープニングトラックでもあります。

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「パイソンの『ホーリー・グレイル』だよ!」
(下巻P306)

Monty Python and the Holy Grail - End Music


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映画『Ready Player One』
(2018)


http://wwws.warnerbros.co.jp/readyplayerone/

原作小説があまりにも情報量過多なので、映画版との相違点を挙げれば大小を問わず相当な数にのぼりますが、見事な映像化だったといえます。原作者のオタク性の良いところと悪いところを凝縮した原作を刈り込んで、万人にウケる2時間20分の娯楽作にみっちり仕上げてくるのはさすがスピルバーグだなと。小説と映画とで楽曲はほとんどかぶっておらず、双方に共通する楽曲はニューオーダーの「Blue Monday」とジェネレーションX/ビリー・アイドルの「Dancing with Myself」ですが、前曲は映画ではリミックスではなく12インチヴァージョンが使用されています。 また、劇中では流れませんでしたが、バグルスの「ラジオスターの悲劇」が名前だけ登場しました。音楽ネタとして大きな改変の部類に入るのは、RUSHの扱いでありましょう。小説では彼らのアルバム『2112』がある場面での重要なファクターとなっていましたが、映画ではトレイラー映像で「Tom Sawyer」が使われ、本編であるキャラが『2112』のTシャツを着ていて、あるシーンでRUSHのポスターが貼ってあります。最後に関しては、初見で発見するのはかなり難しいです。探してみてください。






レディ・プレイヤー1(ソング・アルバム)
サントラ ブライアン・グエン
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『READY PLAYER ONE Songs from the Motion Picture』

01. I Wanna Be Your Lover - Prince
1979年リリース。2ndアルバム『Prince』(1979)収録。

02. Everybody Wants To Rule The World - Tears For Fears
1985年リリース。2ndアルバム『Songs from the Big Chair(シャウト)』(1985)収録。

03. Just My Imagination (Running Away With Me) (Album Version) - The Temptations
1971年リリース。14thアルバム『Sky's the Limit』(1971)収録。

04. Stand On It - Bruce Springsteen
1985年リリース。シングル「Glory Days」B面。

05. One Way Or Another - Blondie
3rdアルバム『Parallel Lines(恋の平行線)』(1978)収録。1979年にシングルカット。

06. Can't Hide Love - Earth, Wind & Fire
ライヴアルバム『Gratitude(灼熱の狂宴)』(1975)収録。Creative Sourceの「You Can't Hide Love」(1973)のカヴァー。1976年にシングルカット。

07. Blue Monday (12" Version) - New Order
1982年リリース。

08. Stayin' Alive (From "Saturday Night Fever" Soundtrack) - Bee Gees
1977年リリース。『Saturday Night Fever: The Original Movie Sound Track』(1977)収録。

09. We're Not Gonna Take It - Twisted Sister
1984年リリース。3rdアルバム『Stay Hungry』(1984)収録。

10. You Make My Dreams Come True - Hall & Oates
9thアルバム『Voices(モダン・ヴォイス)』(1980)収録。1981年にシングルカット。

11. Pure Imagination - Bryan Nguyen feat. Merethe Soltvedt
トレイラー映像(Come With Me)で使用。映画「夢のチョコレート工場」(1971)でジーン・ワイルダーが歌った劇中曲のカヴァー。



「トレイラーに使用されたがCD未収録のロック/ポップス曲」

【コミコン版予告】
Tom Sawyer - Rush

【Official Trailer 1】
World in My Eyes - Depeche Mode
Jump - Van Halen

【Dreamer Trailer】
Take on Me - A-Ha(オーケストラアレンジ)


「劇中に登場したがCD未収録のロック/ポップス曲」

Jump - Van Halen
Walk This Way - RUN-DMC
Pump Up the Jam - Technotronic
Hungry Like the Wolf - Duran Duran
Dancing with Myself - Generation X
Sweet Dreams (Are Made of This) - Eurythmics
I Hate Myself for Loving You - Joan Jett and the Blackhearts
I Heard It Through the Grapevine - Marvin Gaye
Faith - George Michael