勇者シリーズ第4作として1993年1月から1994年1月にかけて放送された「勇者特急マイトガイン」。1993年12月に発売されたドラマ&キャラソン集『歌のアルバム』の最後を飾る楽曲。「We Are the Champions」のオマージュであり、「Bohemian Rhapsody」と同様に6分ほどの楽曲であり、〈鉄道のチャンピオン〉〈7つの海を越え~〉という歌詞があるのもGOODです。作編曲はプログレッシヴ・ロック・バンド SENSE OF WONDERの難波弘之氏。
1999年10月から2000年1月にかけてWOWOWで放送された「THE ビッグオー」。同作のファーストシーズン オープニングテーマ「BIG-O!」は「Flash」の直球すぎるオマージュです。1999年10月リリースのシングル「BIG-O!」に収録。現在はプレミアアイテムとなっています。また「BIG-O! Show Must Go On」は2007年にアニマックスで再放送された際のオープニングテーマなのですが、THE KINKS「All Day and All of the Night」風ギターロックとみせかけてやっぱりQUEEN風に着地するしたたかなアレンジ。こちらは2012年に永井ルイ氏のコンピレーションアルバム『アニソン・コレクションVol.1』でリ・アレンジのうえ音源化されました。
2000年10月から2001年3月にかけて放送されたアニメ版「ハムスター倶楽部」。同作の劇伴と主題歌は永井ルイ氏が手がけており、2001年1月にリリースされた主題歌&イメージソングアルバム『ハムスター倶楽部ソングコレクション OLA!OLA!OLA!』もプロデュースしています。同作はブリティッシュ・ロック&ポップアレンジが横溢した永井氏の趣味大全開の名盤であり、福山芳樹氏のヴォーカルによる「Make my day!」は「Seven Seas of Rhye」「Death on Two Legs」などのオマージュとみました。永井氏はもはや殿堂入りでしょう。ドラゴンボールZやレイアースのキャラソンアルバム、ケロロ軍曹の挿入歌、ちょびっツのエンディングテーマなどでブリティッシュ・ポップマナーの入念なアレンジの楽曲を聴くことができ、いずれもオススメです。
▼神のみぞ知るセカイ Oratorio The World God Only Knows 「God only knows」(2010)
QUEEN的なロック・オペラの精神性を受け継いだケースとして、この曲を挙げたいです。2010年10月から12月にかけて放送されたアニメ版「神のみぞ知るセカイ」第1期オープニングテーマ「God only knows」は、フルサイズでは六部構成・トータル8分に及ぶ大曲。複数名のコンポーザーが分担する形で制作した各パートのトラックが次々と繋がっていくというリレー形式の展開もさることながら、重厚なコーラスワーク、ブライアン・メイ風のギターなどこれでもかと耳を惹く大仰なアレンジの数々が織りなすシンフォニック・ロック・オペラ。第1期をさらに上回るトータル13分という大曲となった第3期(2013年7月~9月放送)オープニングテーマ「God only knows -Secrets of the Goddess-」とともに、2010年代アニソンの一つの到達点だと思います。
瞬間的なパロディのケース。2017年4月から6月にかけて放送されたアニメ版「ひなこのーと」のオープニングテーマ(作詞・作曲:松浦勇気/編曲:睦月周平)。2・3・4・5拍子が混ざる上に早口で歌われる凄まじい曲なのですが、途中で〈ぱぱぱまんまみあ まんまみあ レッミゴー(×4)〉パートが入ります。これはもちろん「Bohemian Rhapsody」の〈Oh mama mia mama mia mama mia let me go〉のオマージュ。ただしTVサイズ版では当該パートが聴けないので、フルヴァージョンを聴きましょう。
2017年7月から9月にかけて放送された「プリンセス・プリンシパル」。「リトルブレイバー」は、8月にリリースされたキャラソンミニアルバム『5 Moving Shadows』に収録されたベアトリスのキャラソン。舞台がロンドンということもあり、アニメ本編のエンディングテーマ「A Page of My Story」はブリティッシュ・ポップ風アレンジでしたが、こちらも同様のテイスト。ただしこちらはギターアレンジががっつりブライアン・メイ トーンです。ギター演奏は菊谷知樹氏によるもの。
《番外・周辺・四方山話》
▼ 「BIG-O!」をめぐるアレコレ
「BIG-O!」をJASRAC作品データベース検索サービスで検索(JASRAC作品コード[0U2-1359-9])すると、作曲・作詞クレジットがブライアン・メイ、訳詞が永井ルイ、出版者は「QUEEN MUSIC LTD」、サブ出版者は「イーエムアイ音楽出版 株式会社 ソニー事業部」となっております。扱いとしては「Flash」の日本語カヴァーのような感じなんでしょうかね。
「BIG-O!」はエンディングテーマ「and FOREVER…」とのカップリングシングルでリリースされましたが、先の事情も関係してかiTunesでは「and FOREVER…」のみ配信されているという状況です。2007年以降に発売されたソフト、配信版のオープニングはすべて「BIG-O! Show Must Go On」に差し替えとなっています。
「むしまるQ」第3シリーズ(1997年~1999年)で登場した「ヘビメタスネーク」は、「We Will Rock You」と「The Prophet Song」のパロディであり、作編曲は杉山清貴&オメガトライブのキーボーディスト、西原俊次氏。演奏のKWEENは、1992年に結成され、日本で初めてフレディ・マーキュリー追悼ライヴを行い、その後、国内のみならずイギリス公演も行ったQUEENトリビュートバンド。KWEENメンバーがスタジオ出演しているヴァージョンもあります。1998年に『NHK「なんでもQ」 むしまるQ~カブト虫は840円~』と「NHKなんでもQ むしまるQ2」(シングル盤)に収録。その後2000年に『NHK「なんでもQ」歌のアルバム大全集~はてなのはね』に再収録。こちらは現在も入手可能です。
『ラ レヴュー ド マチネ』には第1~3、5・6話のレヴュー曲を、『ラ レヴュー ド ソワレ』には第8~12話のレビュー曲と、戯曲「スタァライト」劇中歌「星摘みの歌」を収録。そして第3~11話の各エンディングに使用された「Fly Me to the Star」の8つのヴォーカル編成違いヴァージョン(&インストゥルメンタル版)が2枚に分かれて収録されています。サウンドトラックと一部レヴュー曲の作編曲は、「ラブライブ!」「宝石の国」の藤澤慶昌氏と、「Free!」「ラブライブ!サンシャイン!!」の加藤達也氏の二人が担当。共にクラシカルな編曲に定評があり、卓越した手腕の持ち主であります(加藤氏の作編曲の師は三枝成彰、服部克久、小六禮次郎、羽田健太郎の四氏)。また、サントラ・劇中歌ともに、全てのストリングスパートを真部裕ストリングスが担当しています。
11名のホーンセクションによる低音の響きがストリングスと重厚に絡む第2話レヴュー曲「The Star Knows」(作曲:中村康隆/編曲:小高光太郎・藤井亮太・谷ナオキ)は、舞台「-The LIVE- #1 revival」のレヴュー曲「私たちの居る理由」のリ・アレンジという興味深いポイントがあります。方や純那&華恋のデュオ曲、方やスタァライト九九組メンバー全員の歌唱曲。シーンや詞、そしてアレンジは全く異なれど、これまた「複数の解釈」の一例といえるものでしょう。作曲は、管弦楽隊やDJを擁する大編成のロック・オーケストラ 「夜長オーケストラ」のリーダーであり、舞台版のミュージカルパートの劇伴も手がける中村康隆氏。ここに小高光太郎、藤井亮太、谷ナオキの三氏による手厚い編曲が加わり、めまぐるしく怒濤にして、きわめて華麗なシンフォニック・チューンに生まれ変わりました。
間違いなく序盤のハイライトといえる第3話。華恋と天堂真矢(CV:富田麻帆)によるレヴュー曲「誇りと驕り」(作編曲:藤澤慶昌)は、はかり知れない昂ぶりをおぼえました。舞台経験に豊む富田氏の抜群にして朗々たる歌唱力が、高みを目指す天堂真矢の強さ、そして圧倒的存在感を示したシーンとダイナミックにシンクロしており、ヴィヴァルディ 四季「冬」を思わせるフレーズから迎える「より高く より輝く」クライマックスパートは圧巻の一言。This is 天堂真矢、彼女は天堂真矢、これぞ天堂真矢……。レコーディングメンバーのクレジットは20名を超え、編成も最大級です。ちなみに、第3話レヴューシーンの少し前に流れた劇伴は、四季「夏」を思わせる「ブリッジの上で」(※サントラ33曲目/作曲:藤澤慶昌)であったことにもハッとさせられました。
華恋と ひかりによる第12話レヴュー曲「スタァライト」(作編曲:藤澤慶昌・加藤達也)は、フィナーレを飾るにふさわしい8分を超える大曲であるとともに、サウンドトラックのアレンジで構成されたレヴュー曲でもあるというのが大きな特徴。「ブリッジの上で」「歯車」(※サントラ33曲目・11曲目/作曲:藤澤慶昌)、「Elle est belle: 美しい人」(※サントラ21曲目/作曲:加藤達也)、「星摘みの塔」(※サントラ31曲目/作曲:藤澤慶昌)が“再生産”され、メドレーとして再構築されています。レコーディングメンバーは「誇りと驕り」と同様、20名を超える大編成。真部裕ストリングスの真骨頂、ここにありといったところでしょう。
山本陽介(guitar)
神永大輔(尺八 from 和楽器バンド)
真部裕ストリングス(strings)
●06. Fly Me to the Star #3(神楽ひかり) ●07. Fly Me to the Star #4(愛城華恋、神楽ひかり) ●08. Fly Me to the Star #5(露崎まひる) ●09. Fly Me to the Star #6(石動双葉、花柳香子) ●10. Fly Me to the Star #7(Instrumental)
(作編曲:尋木ヒロ/編曲:小高光太郎)
藤井健太郎(guitar)
真部裕ストリングス(strings)
※『ラ レヴュー ド マチネ』ブックレットでは「Guitar:―― Kentaro Fujii[M5]、Yohske Yamamoto[M6]」となっていますが、M5「花咲か唄」のギターが山本陽介氏で、M4「恋の魔球」とM6~10「Fly Me to the Star」のギターが藤井健太郎氏です。
●06. Fly Me to the Star #8(愛城華恋) ●07. Fly Me to the Star #9(星見純那、大場なな) ●08. Fly Me to the Star #10(天堂真矢、西條クロディーヌ) ●09. Fly Me to the Star #11(except 愛城華恋、神楽ひかり)
(作編曲:尋木ヒロ/編曲:小高光太郎)
Music Composed & Arranged by 末廣健一郎
DISC 1:1~4、10~14、16、19~21
DISC 2:2、8~15、17~19
Music Composed & Arranged by MAYUKO
DISC 1:5~9、15、17、18、22
DISC 2:1、3~7、16
《MUSIC STAFF》
Sound Producer: 末廣健一郎・MAYUKO
Director: Lucy☆Diamonds
Recording & Mixing Engineer: 葛島洋一
Assistant Engineer: 房野哲士
Studio: Sony Music Studios Tokyo, 1 MUSiC STUDiO
マキバオー単体のキャラソンは3曲ありますが、犬山さんが2つの声色を駆使して歌う「君よ風になれ」は、すかんちコンビが思いっきりアイドル歌謡に寄せた一曲。続く「リンゴは王様」は、徳武弘文氏の得意とするカントリーサウンドによる軽快な一曲。ここでは犬山さんは作詞も担当されています。チュウ兵衛のキャラソンである「チュウ兵衛初恋指南」は、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ ヨコハマ ヨコスカ」のパロディ曲。とにかくしゃべりまくり歌いまくる千葉繁氏のパフォーマンスもノリに乗っており、ある種の真骨頂です。ミドリコのキャラソン「Prayer」は山口美央子さん作曲のスローバラード。ちなみにこの時期の山口さんは、篠原恵美さんのアルバム曲を数多く手がけられています。カスケードの2曲のキャラソンのうち、「夢にむかってGo!」は井口慎也作曲/徳武弘文編曲による、アツいオルガンソロとギターソロ入りのサーフ・ロック チューン。紫野繁幸作曲/神津裕之編曲による「Number One~ハロンの殺しや~」は、アーバン・コンテンポラリー調。そしておそらくはQUEENの「We Will Rock You」もいくらか下敷きにあると思われます。
1996年3月2日から1997年7月12日にかけて全61話が放送されたアニメ版「みどりのマキバオー」のサウンドトラック。コンポーザーは岩代太郎氏。キャリア初期の担当作品のひとつであります。1991年春に東京藝術大学大学院修士課程を修了するとともに、シルクロード国際管弦楽作曲コンクールに応募したソプラノ・サックスとオーケストラの為のコンチェルト「To The Farthest Land Of The World/世界のいちばん遠い土地へ」が最優秀賞を受賞。同年4月~5月に放送されたNHKスペシャル「ファッションドリーム」の音楽監督に起用され、劇伴作曲家デビュー。映画では「課長島耕作」(監督:根岸吉太郎/1992)、「あした」(監督:大林宣彦/1995 ※音楽は學草太郎と連名)。テレビドラマでは「君といた夏」(1994)、「東京SEX」「沙粧妙子~最後の事件~」(1995)の劇伴を手がけ、1994年4月にはファンハウスよりアルバム『It's』でソロアーティストとしてもデビュー。また、同作を起点(001)として、以降にCDパッケージ化された作品には「its」という独自のナンバリングが振られており、氏の公式サイトで一覧としてまとめられています。