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2018/07/02

V.A.『みどりのマキバオー まきばで歌合戦』(1997)

まきばで歌合戦
まきばで歌合戦
posted with amazlet at 18.07.02
イメージ・アルバム 犬山犬子 千葉繁 玄田哲章 有馬瑞香
ポニーキャニオン (1997-01-18)
売り上げランキング: 752,322


 1996年3月2日から1997年7月12日にかけて全61話が放送されたアニメ版「みどりのマキバオー」。アニメ後半クールの放送中である1997年1月にリリースされたイメージアルバム。マキバオー(犬山犬子)、チュウ兵衛(千葉繁)、カスケード(玄田哲章)、ミドリコ(有馬瑞香)のキャラクターソングを8曲収録。なお、犬山さんのアニメ声優デビュー作です。

 本作の作編曲陣を見てみると、前年に一度解散を迎えた《すかんち》のローリー寺西&小川文明。泉谷しげるのバックバンドから発展した《ラストショウ》の徳武弘文。QUEENのトリビュートバンド《GUEEN》のメンバーであり、OVA「うしおととら」「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端」の主題歌/挿入歌のヴォーカリストであった井口慎也。80年代に井上鑑、立川直樹、土屋昌巳、松武秀樹を迎えて3枚のシンセ・ポップアルバムを発表したシンガーソングライターを経て、職業作曲家へ転身した山口美央子。80年代に3枚のアルバムを残し、「ボーンフリー・スピリット」のヒットで知られるロックバンド《ロブバード》の柴野繁幸と、かなりユニークな顔ぶれです。さらに、PSY・Sが正式解散して間もないころのCHAKAが作詞提供&コーラス参加されているのも興味深いところ。彼女は同年11月にアルバム『Delicious Hip』でソロデビューされます。

 マキバオー単体のキャラソンは3曲ありますが、犬山さんが2つの声色を駆使して歌う「君よ風になれ」は、すかんちコンビが思いっきりアイドル歌謡に寄せた一曲。続く「リンゴは王様」は、徳武弘文氏の得意とするカントリーサウンドによる軽快な一曲。ここでは犬山さんは作詞も担当されています。チュウ兵衛のキャラソンである「チュウ兵衛初恋指南」は、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ ヨコハマ ヨコスカ」のパロディ曲。とにかくしゃべりまくり歌いまくる千葉繁氏のパフォーマンスもノリに乗っており、ある種の真骨頂です。ミドリコのキャラソン「Prayer」は山口美央子さん作曲のスローバラード。ちなみにこの時期の山口さんは、篠原恵美さんのアルバム曲を数多く手がけられています。カスケードの2曲のキャラソンのうち、「夢にむかってGo!」は井口慎也作曲/徳武弘文編曲による、アツいオルガンソロとギターソロ入りのサーフ・ロック チューン。紫野繁幸作曲/神津裕之編曲による「Number One~ハロンの殺しや~」は、アーバン・コンテンポラリー調。そしておそらくはQUEENの「We Will Rock You」もいくらか下敷きにあると思われます。


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『みどりのマキバオー まきばで歌合戦』
[メディアレモラス|1997.01.18|PCCG-00386] 


01. 君よ風になれ
(作詞:CHAKA/作曲:ローリー/編曲:小川文明/唄:マキバオー【犬山犬子】)

ローリー(guitar)
小川文明(keyboard)
北岡徹也(synthesizer)
CHAKA(chorus)


02. リンゴは王様
(作詞:犬山犬子/作編曲:徳武弘文/唄:マキバオー【犬山犬子】)

徳武弘文(guitar & synthesizer)
尾崎孝(pedal steel)
有田純弘(banjo)
六川正彦(bass)
三浦メザシ晃嗣(drums)
増田俊郎(keyboards)


03. チュウ兵衛初恋指南
(作詞:三浦晃嗣/作編曲:矢田部正/唄:チュウ兵衛【千葉繁】)

矢田部正(synthesizer)
北村晃(guitar)


04. 夢にむかってGo!
(作詞:三浦晃嗣/作曲:井口慎也/編曲:徳武弘文/唄:カスケード【玄田哲章】)

徳武弘文(guitar & synthesizer)
星川薫(guitar)
六川正彦(bass)
三浦メザシ晃嗣(drums)
増田俊郎(keyboards)


05. Prayer
(作詞:CHAKA/作曲:山口美央子/編曲:徳武弘文/唄:ミドリコ【有馬瑞香】)

徳武弘文(guitar & synthesizer)
尾崎孝(pedal steel)
六川正彦(bass)
三浦メザシ晃嗣(drums)
増田俊郎(keyboards)


06. Number One~ハロンの殺しや~
(作詞:矢野開三/作曲:紫野繁幸/編曲:神津裕之/唄:カスケード【玄田哲章】)

神津裕之(synthesizer)
関淳二郎(guitar)
紫野繁幸(chorus)


07. パッといきましょ
(作詞:小杉雅之/作曲:野田晴稔/編曲:島田昌典/唄:マキバオー【犬山犬子】)

島田昌典(synthesizer)
飯室博(guitar)


08. み・ん・なの唄
(作詞・作曲:野田晴稔/編曲:神津裕之/唄:マキバオー【犬山犬子】、チュウ兵衛【千葉繁】、カスケード【玄田哲章】、ミドリコ【有馬瑞香】)

神津裕之(synthesizer)
関淳二郎(guitar)
野田晴稔、CHAKA(chorus)


Produced by 大川正義
Directed by 久永俊一、小杉雅之






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2017/08/27

松武秀樹(サウンドプロデュース)『魔法陣グルグル ジミナ村の祭典/キタキタおやじの逆襲/音の魔法陣』(1995)




 今年、三度目のテレビシリーズアニメ化を果たした「魔法陣グルグル」。1994年10月から1995年9月にかけて三クールにわたり放送されたテレビシリーズ第一作は、『ジミナ村の祭典』『キタキタおやじの逆襲』『音の魔法陣』と題したイメージアルバムが1995年3月から三か月おきにわたってリリースされておりました。スーパーバイザーは衛藤氏。サウンドプロデュースは、「YMO第四の男」であり、日本有数のシンセサイザースペシャリストであり、LOGIC SYSYEMなど多数のユニットを手掛ける松武秀樹氏。氏は1996年の劇場版のオープニングテーマ「金のトビラ」にも参加されます(「キハラサトミ with ラジオハート」は松武氏、木原さとみさん、衛藤ヒロユキ氏のユニット)。






「魔法陣グルグル」~ジミナ村の祭典
イメージ・アルバム TOo’S
ソニー・ミュージックレコーズ (1995-03-08)
売り上げランキング: 347,038



 本イメージアルバムは三枚ともいわゆるボイスミックスの趣向で、本編のナレーションや各キャラクターのセリフをこれでもかと大量投入したつくり。特にキタキタおやじ(CV:緒方賢一)ボイスの使用率は群を抜いており、公式による「やりたい放題」がここにあります。一枚目の『ジミナ村の祭典』ウィリー・ナカオ氏との共作アルバム。ウィリー氏は今剛を師にもつギタリストであり、杉山清貴など多数のアーティストの作編曲を手掛けるスタジオミュージシャン。かつてコナミのコンポーザー(なぞなぞ鈴木、半沢紀夫)との「Nazo2プロジェクト」に松武氏と共に参加してもいました。熱のこもったウィリー氏のギターソロとキタキタおやじのボイスカットインを交えたテクノポップチューン"ジミナ・テクノ"、お悩み相談ダイヤルの司会(伊武雅刀風ボイス)とキタキタおやじのまったく噛み合わないコントが繰り広げられる、スネークマン・ショーのあからさま過ぎるパロディ"待ってますぞ!"などを収録。また、鈴木蘭々がTOo's名義で歌った前期オープニングテーマである"MAGIC OF LOVE"は本CDにもフルヴァージョンで収録されています。



「魔法陣グルグル」~キタキタおやじの逆襲
TVサントラ
ソニー・ミュージックレコーズ (1995-06-21)
売り上げランキング: 407,051



 二枚目の『キタキタおやじの逆襲』からは、松武氏のユニットの一つ「Purple Project」の小松原まさし氏が参加。冒頭を飾る「DE・SU・ZO」は、一世を風靡したEAST END×YURIの「DA.YO.NE」(1994)のパロディ、主役はもちろん、キタキタおやじです。ちなみに、後にシングル「金のトビラ」にカップリング曲としても収録されます。小松原氏作曲の"N. K. Bar"は、ユルめのファンクチューン。また、ジミナ村とジミ・ヘンドリックスにひっかけたJimina Hendrixなるクレジットがあるのですが、これもおそらく松武氏でしょう。スクラッチ気味にボイスをカットインさせた"Supermarket"もまた、ファンク路線の一曲です。どストレートなタイトルの"DESUZOPOLIS"は、YMO"テクノポリス"のパロディ。主役はもちろん、キタキタおやじです。ウィリー氏作曲の"Rock Bellbottom"はジミヘンの"Purple Haze"よろしく、こってりしたギターを聴かせるライヴ感あふれる一曲。主役はもちろん(略)。





魔法陣グルグル~音の魔法陣~
サントラ
ソニー・ミュージックレコーズ (1995-09-21)
売り上げランキング: 311,529


 三枚目の『音の魔法陣』はククリを主役にした一枚。ククリ(CV:吉田古奈美)のボイスを大々的にフィーチャーしているほか、楽曲はいずれもククリが使う呪文の名を冠しています。松武氏、小松原氏、ウィリー氏の共同作曲、または編曲によって制作されており、音楽的にも総まとめ的な趣向。キュートかつ引き締まった内容です。ククリのボイスとともにウィリアム・テル序曲や天国と地獄、クシコス・ポストなどのおなじみのメロディが挿入される"グルグル"。心なしか「金のトビラ」のプロトタイプといえなくもないブレイクビーツチューン"トカゲのしっぽ""長い声のネコ"は、シンセサイザーとギターがそれぞれ「長い声」を奏でるという趣向も楽しいテクノ・ポップ。ギターがうなるテクノ・フュージョン"ベームベーム"は、投げやり気味に爆発オチを決めるアウトロとの落差が激しいのだけれども、それがまたなんとも「らしい」。ラストはカノンコード進行とリリカルなアレンジの"夢の回転木馬~わかれのウインク"で締めくくられます。




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『魔法陣グルグル~ジミナ村の祭典』
[SRCL-3132|Sony Music|1995.03.08]

01. ようこそグルグルワールド
(作曲:松武秀樹、ウィリー・ナカオ)

02. ジミナ・テクノ
(作曲:松武秀樹、ウィリー・ナカオ)

03. 待ってますぞ!
(作曲:松武秀樹、ウィリー・ナカオ)

04. Theme of コーダイ
(作曲:松武秀樹、ウィリー・ナカオ)

05. MAGIC OF LOVE by TOo's(鈴木蘭々)
(作詞:Miss Tee、Nohzy/作編曲:保泉ヒロ)


衛藤ヒロユキ(original concept & design, supervisor)

松武秀樹(music, arrange, synth op, vocorder, engineer)
ウィリー・ナカオ(music, arrange, guitar)
Hiroshi Shitamiya(mix down engineer)
George Asahi(produce & direction)


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『魔法陣グルグル~キタキタおやじの逆襲~』
[SRCL-3252|Sony Music|1995.06.21]

01. DE・SU・ZO
(作曲:Jimina Hendrix)

02. N. K. Bar
(作曲:小松原まさし)

03. Supermarket
(作曲:Jimina Hendrix)

04. DESUZOPOLIS
(作曲:松武秀樹)

05. Rock Bellbottom
(作曲:ウィリー・ナカオ)

編曲:Jimina Hendrix


衛藤ヒロユキ(original concept & design, supervisor)

松武秀樹(music, arrange, synth op, vocorder, engineer)
ウィリー・ナカオ(music, arrange, guitar)
小松原まさし(music, keyboards)
Hiroshi Shitamiya(mix down engineer)


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『魔法陣グルグル~音の魔法陣~』
[SRCL-3298|Sony Music|1995.09.21]

01. グルグル
(作曲:松武秀樹、小松原まさし、ウィリー・ナカオ)

02. トカゲのしっぽ
(作曲:ウィリー・ナカオ)

03. 長い声のネコ
(作曲:松武秀樹)

04. ベームベーム
(作曲:松武秀樹、小松原まさし、ウィリー・ナカオ)

05. 夢の回転木馬~わかれのウィンク
(作曲:小松原まさし)


全編曲:松武秀樹、小松原まさし、ウィリー・ナカオ


松武秀樹(music, arrange, synth op, vocorder, engineer)
ウィリー・ナカオ(music, arrange, guitar)
小松原まさし(music, keyboards)
Hiroshi Shitamiya(mix down engineer)


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 ところで、今年のテレビシリーズアニメ版の劇伴(と、エンディングテーマ)は、テクノポップユニット TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが手がけております。YMOからの多大な影響下にあり、シンセサイザーミュージックへの強いこだわりはもちろんのこと、これまでにYMOやアルファレコード人脈を迎えたサントラ制作も行っている彼らが起用されたキッカケには、第一作のイメージアルバム(と劇場版主題歌)を手掛けた松武氏のイメージがあったのかどうかはわかりませんが、20年の時を隔てて「つながっている」感があるのは面白いなと思います。







TVアニメ『魔法陣グルグル』ED主題歌「Round&Round&Round」
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.ボンジュール鈴木
ランティス (2017-08-09)
売り上げランキング: 2,140

2017/08/07

「キノの旅」イメージアルバム『キノなカノン~ゆっくりでアップテンポでなめらかな曲~』(2003)



 シリーズ第一作が刊行されて17年目を迎える『キノの旅 -the Beautiful World-』。今年に入ってコミカライズ企画が始動し、単行本第一巻が7月に刊行。さらに二度目のアニメ化(テレビシリーズ)も決定し、10月に放送が開始となります。旧テレビシリーズの最終話に登場したヒロインのCVを担当された悠木碧さん(この回が彼女の声優デビューとなりました)が、新テレビシリーズでキノ役を務めるというのも感慨深いものがあります(ちなみに、2016年の電撃文庫&ニコニコ動画のラジオドラマ企画で彼女はすでにキノを演じておりました)。


http://www.kinonotabi-anime.com/
http://kinonotabi.com


 改めて思ったのは、2003年の4月から7月にかけてWOWOWで全13話が放送された旧テレビシリーズでは音楽面での関連CDがかなり少なかったなということでした。そもそもアニメ本編は音響効果としての演出はあれど劇伴音楽はなかったためサウンドトラックCDそのものが出ておらず、また、ドラマCDも2002年に一枚しか出ていませんでした。同じ電撃文庫作品であり、その少し前にアニメ化した『ブギーポップは笑わない』は三枚の企画アルバムが出ていたことを考えると、なおのこと対照的に思えます。



キノの旅-the Beautiful World-  -記憶の国 Their Memories-(CD付き) (電撃文庫ビジュアルノベル)
時雨沢 恵一
メディアワークス
売り上げランキング: 337,593



 今回ご紹介する『キノなカノン』は、2003年12月に刊行された同作のビジュアルノベル第一弾『「記憶の国」-Their Memories-』に付属した音楽CDであり、『キノの旅』の現時点で唯一の公式イメージアルバムです。「パッヘルベルのカノン」のヴォーカルアレンジや、アニメ版エンディングテーマ「the Beautiful World」をふくめ全8曲を収録しており、作編曲・演奏は、アニメ「仙界伝 封神演義」(1999)や「妖しのセレス」(2000)などの劇伴を手掛けられた酒井良氏が担当。シンセサイザー多重録音によるアンビエントで無国籍風のインストゥルメンタルを中心にした「静のイメージ」で一貫して構成されています。「the Beautiful World」は、弦楽四重奏をバックに前田愛さんがやわらかに歌いあげるファンタジックなナンバーとして、今なお色あせぬ名曲です。また、「東の城門」「人々」には、「the Beautiful World」のメロディラインやストリングスが組み込まれているというちょっとした趣向もあり、ストーリーアルバムとしても、コンセプトアルバムとしても統一感のある仕上がりになっています。10年以上前に出た特殊な判型のCD付き書籍のため、今では古書店で見かけることもあまりなくなりましたが、ぜひともオススメしたいアイテムです。





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『キノなカノン~ゆっくりでアップテンポでなめらかな曲~』
[DMCG-30311|2003.12.25|メディアワークス]

01. 東の城門
02. 人々
03. 祈り
04. 祭り
05. 夜と朝
06. くりかえす (「パッヘルベルのカノン」より)
07. 西の城門
08. the Beautiful World


《STAFF》
作詞:村井さだゆき(M-06)
作曲:酒井良(except M-06)
編曲:酒井良


「the Beautiful World」
歌:前田愛
作詞:時雨沢恵一
補作詞:わたなべもも
作編曲 & synthesizer & programming:酒井良

NAOTO、伊能修(vl)
三木章子(vla)
大沢真人(vc)




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 以下、補足としての情報を。下川みくにさんが歌うオープニングテーマ「all the way」(作詞:何茶李/作編曲:Sin)と、前述の「the Beautiful World」のシングルは共に2003年6月にリリース。2005年2月に上映された劇場版第一作「何かをするために -life goes on.-」のエンディングテーマ「はじまりの日」(作詞:わたなべもも/作編曲:酒井良)は、同年3月にリリースされた前田さんのミニアルバム『night fly』のB面に収録されています。また、2007年4月に《電撃文庫ムービーフェスティバル》の一環として上映された劇場版第二作「病気の国 -For You-」のエンディングテーマ「Bird」(作詞・作曲:下川みくに/編曲:Sin)のシングルは同年3月にリリースされました。



all the way (「キノの旅」 OPテーマ)
下川みくに
ポニーキャニオン (2003-06-18)
売り上げランキング: 196,473


the Beautiful World (「キノの旅」 EDテーマ)
前田愛
ポニーキャニオン (2003-06-18)
売り上げランキング: 29,876


night fly
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前田愛
ポニーキャニオン (2005-03-16)
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Bird(初回限定盤)(DVD付)
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下川みくに
ポニーキャニオン (2007-03-14)
売り上げランキング: 136,602



 2003年3月にリリースされた『キノの旅 -the Beautiful World- サウンドコレクション』は、同年7月にメディアワークスからリリースされたPS2版ソフトのサントラ。作編曲は石井吉幸氏と加藤恒太氏の二人で、主題歌「セカイハカガヤク」のヴォーカルは霜月はるかさん。2005年に彼女のベストアルバム『あしあとリズム~Haruka Shimotsuki works best~』に収録されています。



キノの旅-the Beautiful World- サウンドコレクション
サウンドトラック
メディアワークス
売り上げランキング: 179,686


あしあとリズム ~Haruka Shimotsuki works best~
霜月はるか
メロウヘッド (2005-09-22)
売り上げランキング: 101,607



 二次創作作品では、2002年にサークル「LITTLE WING」から、MANYOさんの作編曲、園田まひるさんのヴォーカルによる10曲入りイメージアルバム『REVERIE -サウンドスケッチ "キノの旅"』が制作されています。







2017/03/25

原作:新井素子|西木栄二/アストライア『星へ行く船 イメージ・トリップ・シリーズ』(1991)

星へ行く船シリーズ5そして、星へ行く船
新井素子
出版芸術社 (2017-03-24)
売り上げランキング: 1,368


 1981年から1987年にかけて集英社コバルト文庫より刊行された、新井素子さんの〈星へ行く船〉シリーズは、ヒロイン 森村あゆみが遭遇する数々のドタバタと葛藤を描いたロマンティックSF作品。『星へ行く船』『通りすがりのレイディ』『カレンダー・ガール』『逆恨みのネメシス』『そして、星へ行く船』の五巻が刊行された後、1992年に番外編『星から来た船』が三分冊で刊行され、1994年に番外短編「αだより」が書かれています。長らく絶版でしたが、2016年9月より、出版芸術社より復刊がすすめられ、2017年3月24日に『そして、星へ行く船』が刊行されました。前述の「αだより」のほか、 書き下ろし短編「バタカップの幸福」、新規あとがきも併録されています。


星へ行く船/イメージ・トリップCDシリーズ
新井素子 西木栄二 米倉良広 森村あゆみ 佐藤ありす 新井直子
日本コロムビア (1991-03-21)
売り上げランキング: 339,539


 ラジオドラマ化や漫画化などのメディアミックスにも恵まれ、音楽化では日本コロムビアの〈ロマン・トリップ〉シリーズのカタログとして、五作すべてのイメージアルバムが制作されています。1991年にリリースされた本盤は、1983~1987年にレコードやカセット形態で発表された『星へ行く船』『カレンダー・ガール』『そして、星へ行く船/逆恨みのネメシス』(こちらはCD盤もあり)の三作をカップリングした二枚組CD。1985年リリースの『カレンダー・ガール』はこれで初CD化となります。また、1984年リリースの『通りすがりのレイディ』のみ、収録時間的な事情ゆえか本盤には未収録なのですが、同年に単体でCD化されています(……とはいえ、ちょっとややこしい)。




 イージーリスニング、歌謡曲、ビート・ロック、エレポップ、AORとバラエティに富む内容が展開される本作の作編曲を全面的に手がける西木栄二氏は、70年代にフォーク・グループ「猫」にごく短期間だけ在籍後、小室等&ザ・ファクトリーや、シティ・ポップ・バンド カーニバルのメンバーとして活動。80年代は作編曲家として本田美奈子や酒井法子、伊藤さやかなど数々のアーティストに楽曲提供をされていたギタリスト/コンポーザー。シリーズを通してメインヴォーカルでクレジットされている、原作小説のヒロインと同姓同名の「森村あゆみ」はいわゆる覆面シンガーであり、「中の人」の正体は不明です。"SENTIMENTAL RUNAWAY BOY"(『星へ行く船』)でヴォーカルをとられている米倉良広氏は42ND STREETのギタリストであり、井田リエ、当山ひとみ、堀江美都子などの楽曲を手がけられていた人。また、"SWEET DREAMER"(『カレンダー・ガール』)でヴォーカルをとられている新井直子さんは素子さんの妹さんです。

 演奏を手がける「アストライア」は、西木氏のソロユニットというよりはスタジオミュージシャンの集合体であり、『星へ行く船』の西木氏のライナーノーツを読むと、当時二十代の鳥山雄司氏と武部聡志氏の名前が挙がっています。制作当時、鳥山氏はデビュー二年目。西木氏は「これからがおそろしい」とコメントされておりましたが、それから数十年、今では両人とも押しも押されぬ大御所ミュージシャン/アレンジャーとして活躍されております。〈イメージ・トリップ〉CD盤には演奏者の記載がまったくないのですが、どうやら『カレンダー・ガール』には鳥山氏、武部氏のほかに、SHOGUNの長岡道夫氏やマライアの土方隆行氏、JIMSAKUの森村献氏といった面々が参加されていたもよう。"ラブコレクション"における鳥山氏の流麗なソロは必聴ものです。



 ところで『そして、星へ行く船/逆恨みのネメシス』の西木氏のライナーノーツで触れられていた「新人キーボーディストの坂本君」が個人的にずっと気になっていたのですが、氏はひょっとしたら作編曲家の坂本昌之氏なのではないか? と思い至るようになりました。坂本氏といえば、徳永英明や平原綾香、鬼束ちひろなどのアレンジャーとして知られておりますが、氏は1987年7月にアルバム『PSYCHE プシュケ』でソロデビューを果たしています。アルバム『星へ行く船/逆恨みのネメシス』が出たのは同年の12月であることを考えると、信憑性は高いのではないかと。なお、『PSYCHE プシュケ』は現在iTunesなどでデジタルリリースされています。


PSYCHE
PSYCHE
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坂本昌之

売り上げランキング: 590,319

https://itunes.apple.com/jp/album/pushuke/id403444773


『そして、星へ行く船/逆恨みのネメシス イメージアルバム』(1987)
単体レビュー記事。「森村あゆみ」の本シリーズ以外での活動についても少し。

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『星へ行く船 イメージ・トリップ・シリーズ』
[1991.03.21|COCC-7311-2|日本コロムビア]

原作/新井素子
ジャケット・イラスト/竹宮恵子


【Disc 1】
《星へ行く船》(1983)

01. SENTIMENTAL RUNAWAY BOY
02. GOOD-BYEは優しく
03. スリルいかが?
04. DEAR…
05. STARDUSTに誓った
06. TABASCO CRASH
07. SHYなフィリップ・マーロウ
08. 突然UPSIDE DOWN
09. HEARTBREAKなんて平気
10. 星へ行く船~COSMIC LULLABY~

作詩:佐藤ありす(01、02、04、10)
作編曲:西木栄二
唄:米倉良広(01)、森村あゆみ(02、04、10)

《カレンダー・ガール》(1985)
11. カレンダー・ガール
12. セレスハネムーン
13. SWEET DREAMER
14. ラブコレクション
15. あ、ゆ、み、グラフィティ

作詩:佐藤ありす(11、12、13、15)
作編曲:西木栄二
唄:西木栄二(11、12)、新井直子(13)、森村あゆみ(15)
コーラス:川島和子グループ西木栄二(13)
西木栄二(clap/14)

【演奏:アストライア】
長岡道夫(electric bass/11、14)
上原“ユカリ”裕(drums/11、14)
西木栄二
(acoustic guitar/11~13)
(percussion guitar/13)
土方隆行(electric guitar/11、14)
鳥山雄司
(electric guitar/12、15)
(solo & waw waw guitar/14)
(solo & guitar synthesizer/11)
森村献(acoustic & electric piano/11、14)
武部聡志
(electric piano/12)
(piano solo/15)
(synthesizer)
Mr. MC-4
(drum simmons/12)
(synthesizer bass、synthesizer section、drum machine linn drum/12、13、15)
村岡建(saxophone solo/12)
鳴島英治(percussion/14)


【Disc 2】
《カレンダー・ガール》(1985)
01. 活劇! 宇宙娘参上!!
02. BE MY GIRL
03. TEA FOR YOU
04. FORバタカップ -バタカップにささげる歌-
05. I LOVE YOU 聞かせて

作詩:佐藤ありす(02、05)
作編曲:西木栄二
唄:西木栄二(02)、森村あゆみ(05)
コーラス:川島和子グループ

《そして、星へ行く船/逆恨みのネメシス》(1987)
06. Believe
07. 飛んでもHoney Star
08. 数えきれないPlease
09. パニックビート
10. Flower─愛の花束
11. 憎みきれないお人良し
12. 君はSold out
13. 空の下はlonely
14. 宇宙一のLucky Girl
15. そして明日へ…

作詩:佐藤ありす(06、08、10、12、14、15)
作編曲:西木栄二
歌:西木栄二(06、12、14)、森村あゆみ(08、10、14、15)
Shoujyo-tai(chorus/04)
コロムビアスタッフ少年(chorus/04)
西木栄二(clap/01)

【演奏:アストライア】
長岡道夫(electric bass/01、05)
上原“ユカリ”裕(drums/01、05)
西木栄二
(acoustic guitar/02、03、05)
(electric guitar/05)
(half speed mandlin guitar/03)
(percussion、timpani/05)
土方隆行(electric guitar/01、05)
鳥山雄司
(electric guitar/02、04、05)
(cosmic guitar/01)
森村献(acoustic & electric piano/01、05)
森村あゆみ(acoustic piano/01)
武部聡志
(piano solo/03)
(synthesizer)
Mr. MC-4(synthesizer bass、synthesizer section、drum machine linn drum/02~04)
山崎弘一(wood bass/01、05)
村岡建(saxophone solo/05)
鳴島英治(percussion/05)





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星へ行く船シリーズ4逆恨みのネメシス
新井素子
出版芸術社 (2017-01-31)
売り上げランキング: 43,640

2016/07/15

原作:森川久美/音楽:小林克己、越部信義『南京路に花吹雪 イメージアルバム』(1983)

南京路(ロード)に花吹雪 (第1巻) (白泉社文庫)
森川 久美
白泉社
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 1980年11月から1981年2月にかけて白泉社〈LaLa〉で連載された中編「蘇州夜曲」に続き、同誌で1981年8月から1983年5月にかけて連載され、森川久美さんの人気を決定付けた漫画作品「南京路(ロード)に花吹雪」。1930年代半ばの上海租界を舞台に、左遷された日本人新聞記者の本郷義明と、日中混血の少年 黄子満の二人がシンジケートや軍部の暗躍や陰謀に巻き込まれてゆくシリアスなアジアン・ハードボイルド/アクションの傑作。花とゆめコミックスから単行本第3巻が刊行されてしばらくした頃に、日本コロムビアより同作のイメージアルバムがリリースされています。三人のヴォーカリストを立てた歌もの中心のアルバムであり、コンポーザーは、「おもちゃのチャチャチャ」をはじめとする童謡、「パーマン」(1967~1969年)や「昆虫物語 みなしごハッチ」(1970~1971年)「ドラえもん」(1973年)の主題歌や劇伴などを作編曲を手がけた越部信義氏と、近田春夫&ハルヲフォン、四人囃子(1976~77年にかけてサポートで参加)のギタリストである小林克己氏のお二人。越部氏は日中戦争開戦前夜の人々のドラマを描いた舞台「上海バンスキング」(1979年~)の劇伴の作編曲を手がけられており、時代設定をほぼ同じくする「南京路に花吹雪」のイメージアルバムへの氏の起用はまさにドンピシャリだったのではないかと思います。


南京路に花吹雪
南京路に花吹雪
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イメージ・アルバム
日本コロムビア (1995-02-21)
売り上げランキング: 1,416,224


 上野千佳子さん(同年に、大和和紀原作「アラミス'78」のイメージアルバムで矢野顕子作曲提供のヴォーカル曲を担当)がヴォーカルをとる"たそがれて上海" "ミステリーはいかが?" "上海ベイブルース"の三曲はいずれも越部氏の作編曲によるもので、ゆったりとスウィートなスウィングジャズ歌謡です。一方、小林氏の作編曲によるホンキートンクな"なんて悲しいシークレット"でヴォーカルをとるのは、現在ボイストレーナーとして活動されているKiKiさん(ちなみに本作の三年後に、高橋幸宏氏とスティーヴ・ジャンセンの共作シングル「Stay Close」にバックコーラスで参加されています)。同じく小林氏の作編曲による"漂流する街" "彷徨人(さまよいびと)" "ミッドナイトホテル" "Last SongはLove Song" の四曲でヴォーカルをとるのはMoJo氏。ハードエッジな演奏にビターなヴォーカルがマッチした"漂流する街"、軽快なニューウェイヴ・ロック調の"ミッドナイトホテル"がとくに印象的です。また、小林氏は自身の名を冠したリーダーバンドで演奏面のディレクションも担当しております。バックに参加したメンバーは四人囃子の岡井大二(drums)、カシオペア(初期)の鈴木徹(drums)、PRISMの渡辺建(bass)、福田真己(guitar)、冨田素弘(keyboard)といった面々であることも付け加えておきます。本アルバムはその後、1995年2月に《イメージ・トリップ・シリーズ》としてCD化され、2005年9月には《ANIMEX 1200》で5000枚限定で廉価盤CDで再発されましたが、ともに廃盤。むしろ、こちらの方が現在ではレコード以上にプレミアアイテム化しています。




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『南京路に花吹雪 イメージアルバム』
LP[CX-7104|1983.6|日本コロムビア]
CD[COCC-12350|1995.02.21|日本コロムビア《イメージ・トリップ・シリーズ》]
CD[COCC-72219|2005.09.21|日本コロムビア《ANIMEX1200シリーズ》 [139]]


01. プロローグ
02. たそがれて上海(歌:上野千佳子)
03. 蘇州夜曲
04. 漂流する街(歌:MoJo)
05. ミステリーはいかが?(歌:上野千佳子)
06. 彷徨人(さまよいびと)(歌:MoJo)
07. なんて悲しいシークレット(歌:KiKi)
08. 南京路に花吹雪
09. ミッドナイトホテル(歌:MoJo)
10. 上海ベイブルース(歌:上野千佳子)
11. Last SongはLove Song(歌:MoJo)


構成・作詩: 吉田健美
作編曲: 小林克己(③④⑥⑦⑧⑨⑪)、越部信義(①②⑤⑩)
演奏: 小林克己バンド(③④⑦⑧⑨⑪)、コロムビア・オーケストラ

《小林克己バンド》
岡井大二(drums)
鈴木徹(drums)
渡辺建(electric bass)
福田真己(electric guitar)
冨田素弘(keyboard)

Recorded at Columbia Studio in April & May 1983


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2016/07/13

楠桂&大橋薫/作編曲:瀬井広明・加藤道明『Little Shop of K & M』(1988)

Little Shop of K&M
Little Shop of K&M
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楠桂&大橋薫

売り上げランキング: 570,075


 漫画家姉妹である楠桂先生と大橋薫先生の二人を前面的に押し出して1988年11月にポリスターよりリリースされたヴォーカル&イメージアルバム。楠先生が自ら作詞とヴォーカルも担当された、五曲からなる《楠桂サイド》、大橋先生の書き下ろし台本をもとにした四つのドラマ&イメージ曲集の《大橋薫サイド》という変則的な構成の一枚。大橋先生にとっては本作が初のイメージアルバムとなりました。今にして思うとトンでもない企画盤という気がするのですが、同じ頃にラポートから『リトル・ショップ・オブ大橋姉妹(シスターズ)』という両先生の写真集も出ているので、いやあ、なんというかバブリーですね。ライナーノーツでは楠先生が「楠の場合、代表作が、すべてイメージアルバム化になったので、本人の作詞で本人が歌うことより残されていませんでした。と、いうわけで笑ってきいてね」とコメントされています。ちなみに、1988~89年にかけてキティレコードから「八神くんの家庭の事情」のイメージアルバムが三枚、1988年6月には東芝EMIから「楠劇場」のイメージアルバム(谷山浩子さん作詞・作曲を手がけられた名盤です)が出ており、まさにリリースラッシュといったところです。また、1992年3月にリリースされた「鬼切丸」のイメージアルバムに収録されている"Forever"は、楠先生が自らヴォーカルをとられた楽曲です。同年9月にはメルダックより楠桂&大橋薫名義のヴォーカルアルバム『プラチナ』も出ており、やはりバブリーな時代ですね。


PLATINA
PLATINA
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楠桂&大橋薫 大橋薫 楠桂
トライエム (1992-09-23)
売り上げランキング: 599,251


 楠先生のヴォーカルはヘタではないのですが、けっこう危なっかしくて強烈です。また、"東京クレオパトラ" "ピカレスク恋愛症候群"の二曲は矢尾一樹氏とのデュエットにもなっています。コンポーザー/アレンジャーは瀬井広明氏と加藤道明氏。瀬井氏は大ヒット曲となった国生さゆりwithおニャン子クラブの"バレンタイン・キッス"や、OVA「重戦機エルガイム フルメタル・ソルジャー」(1987)の主題歌"せいいっぱいの微笑みを"、OVA「宇宙家族カールビンソン」(1988)の主題歌"いちばんステキなラブ・ソング" "すぷりんぐ・そんぐ"、「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」(1991)の挿入歌"STOP OR GO" "都会の影" "かすれたメロディー"などの作曲者。加藤道明氏は「鎧伝サムライトルーパー」(1988)の"スターダストアイズ" "Far away"の編曲者であり、1989年にはおおたか静流さんと「dido」を結成されます。お二人とも非常にいい仕事をされており、絶妙なポイントに富んだ内容に仕上がっております。エレポップ/ニューウェイヴ・ロックな"東京クレオパトラ" "ピカレスク恋愛症候群"もさることながら、北欧ハードポップにも通じるキャッチーなメロディラインとエッジの効いたギターがキマった"愛してなんかいられない"は本作でもピカイチ。ハードロックな演奏をバックに矢尾一樹氏のモノローグが入る"あした悪魔になあれ"は、バックで流れているトラックがWHITESNAKEの"Still of The Night"にそっくりなのには思わず笑ってしまいましたが、ご愛嬌といったところでしょうか。続く、ロックオペラ調のインストゥルメンタル"降臨 (ADVENT)"も、加藤氏の趣味が出た一曲なのかなと。




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『Little Shop of K & M』
LP [R28X-1012|POLYSTAR (Picture Land)|1988.11.25]
CD [H32X-20013|POLYSTAR (Picture Land)|1988.11.25]


《楠桂サイド》
01. 愛してなんかいられない 【歌:楠桂】
(作詞:楠桂/作曲:瀬井広明/編曲:加藤道明)

02. 東京クレオパトラ 【歌:楠桂&矢尾一樹】
(作詞:楠桂/作曲:瀬井広明/編曲:加藤道明)

03. シンデレラ PartII 【歌:楠桂】
(作詞:楠桂/補作詞:鳶沢小百合/作曲:瀬井広明/編曲:加藤道明)

04. ピカレスク恋愛症候群 【歌:楠桂&矢尾一樹】
(作詞:三浦徳子/作曲:瀬井広明/編曲:加藤道明)

05. Dear Boy 【歌:楠桂】
(作詞:楠桂/作曲:瀬井広明/編曲:加藤道明)


《大橋薫サイド》
06. 真澄鏡
(作曲:加藤道明)

07. 人恋姫
(作曲:加藤道明)
08. あした悪魔になあれ!
(作曲:加藤道明)

09. 降臨 (ADVENT)
(作曲:加藤道明)

※06~08 大橋薫書下ろし台本によるイメージ曲







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2016/05/03

原作:星里もちる/歌:宝野アリカ、MoJo 他『りびんぐゲーム オリジナル・アルバム』(1993)

りびんぐゲーム
りびんぐゲーム
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宝野アリカ MOJO MOONLIGHT CAFE
EMIミュージック・ジャパン (1993-01-27)
売り上げランキング: 589,723


 小学館〈ビッグコミックスピリッツ〉で1990年から1993年にかけて連載され、単行本全10巻が刊行(後に全7巻の文庫版が刊行)された、星里もちる氏による住宅事情ラブコメディ漫画『りびんぐゲーム』。本作はイメージアルバムが制作されており、単行本第7巻の刊行と同時期に東芝EMIよりリリースされています。インストゥルメンタルとヴォーカル曲を交互に配した構成で、メインコンポーザーは松井寛氏と、同時期に酒井法子や中江有里などのシングルやアルバムを手がけていたプロデュースグループ「Project Moonlight Cafe」(同グループには、作編曲家・ギタリストの村瀬恭久氏がメンバーとして在籍されていました)。松井氏はレイヴ/テクノな"TOKYO~Afternoon Noise"、インダストリアル/ロックな"りびんぐ三拍子~せまい!きたない!金がない!"、Project Moonlight Cafeはフュージョン/イージーリスニングタッチの楽曲をそれぞれ提供しています。なかでも"そのままの君でいい"は秀逸なバラードナンバー。ヴォーカル曲では"何もない、何もない、何もない"でMoJo氏が、"もうすぐ16!" "Yesterdays"の二曲でALI PROJECTの宝野アリカ嬢が参加されています。蟻プロジェクトからALI PROJECTに改名してメジャーデビューして間もない頃ゆえか、ブックレットでは蟻プロジェクトの表記になっています。



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『りびんぐゲーム オリジナル・アルバム』
[TYCY-5275|1993.01.27|東芝EMI(Futureland)]

01. TOKYO~Morning Call
(作編曲:Project Moonlight Cafe)

02. もうすぐ16!
(作詞:田口俊/作編曲:多田光裕/歌:宝野アリカ(蟻プロジェクト))

03. 何もない、何もない、何もない
(作詞:田口俊/作編曲:松井寛/歌:MoJo)

04. TOKYO~Afternoon Noise
(作編曲:松井寛)

05. そのままの君でいい
(作詞・作編曲・歌:Project Moonlight Cafe)

06. りびんぐ三拍子~せまい!きたない!金がない!
(作編曲:松井寛)

07. それぞれの時間の中で
(作詞・作編曲・歌:Project Moonlight Cafe)

08. TOKYO~Night Light
(作詞・作曲:Project Moonlight Cafe)

09. Yesterdays
(作詞:田口俊/作曲:沢田聖子・宮原恵太/編曲:Project Moonlight Cafe/歌:宝野アリカ(蟻プロジェクト))


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原作・イラストレーション:星里もちる
プロデューサー:奥野敏聡
ディレクター:浅井裕子

E.guitars:
村瀬恭久 ①⑤⑨
増崎孝司 ②
Takeo Sugita ③

A.guitars:
笛吹利明 ⑦⑧

Alto sax:
春名正治 ①
多田光裕 ②

Backing vocal:
Project Moonlight Cafe ⑤
MOJO ③
Hiroko Fujiya ②③

Keyboard & All synth programming
Project Moonlight Cafe ①⑤⑦~⑨
松井寛 ③④⑥
多田光裕 ②

【Project Moonlight Cafe】are
岸忠明(作曲, manupiration)
森保道(作曲)
村瀬恭久(編曲, keyboard, guitar)
塚本亜矢子(作詞)



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りびんぐゲーム(1) (ビッグコミックス)
小学館 (2013-06-24)
売り上げランキング: 80,924

2016/05/02

原作:坂田靖子/音楽:伊豆一彦『闇夜の本 オリジナル・アルバム』(1985)



 朝日ソノラマ〈DUO〉に1982年5月号~1983年1月号にかけて連載され、1983年~1985年にかけてサンコミックスより新書版全3巻が刊行(のち、1995年にハヤカワ文庫JAより再刊)された、坂田靖子さんによる珠玉のユーモア・ファンタジー短編集『闇夜の本』。本作は単行本第3巻の刊行に先がけてイメージアルバムがリリースされており、現時点で唯一の坂田作品のオフィシャルアルバムであります。インナーには、B2サイズの描きおろしポスターが付属していました。リリースから30年以上経った現在もCD化などはされていません。コンポーザーは、前年にリリースされた大友克洋氏の『童夢』のイメージアルバムを手がけられた伊豆一彦氏。坂田さんとの打ち合わせのすえ、楽曲は単行本に収録されたそれぞれの作品をイメージしたものではなく、「闇夜の本」というシリーズ自体のイメージで制作されたという、いわば番外編といえるユニークなものになっています。ライナーノーツの坂田さんのコメントには『「どうせレコードをつくるのなら、聴いた人が「何だっ?!これはいったい何なんだっ?!」と頭を抱えて町内一周マラソンをしてしまうようなのにして下さい」―――と私は作曲者の伊豆さんにお願いしました』ともありました。




『童夢』のイメージアルバムではスタジオミュージシャンを多数迎え、ハードロック調の楽曲なども収録されていましたが、本作はコンパクトな編成で制作された暖色系のシンセサイザー・ミュージック。ちなみに、ベースでクレジットされている小林まこと氏は、漫画家の小林まこと氏その人です(氏は昔からベーシストとしての顔も持っているのです)。時期的には、講談社の週刊モーニングで『ホワッツマイケル』を連載されてまもない頃ですし、〈週刊ヤングマガジン〉で『柔道部物語』を連載開始前ですね。アルバムは、風雨と遠来、モンキーシンバルと笑い袋のSEによるイントロダクション"ダークナイト(雨~日没の風)"で幕を開け、"DNAとRNA"の幻想的なムードで一気に引き込まれます。『童夢』のイメージアルバムより引き続き参加の片岡郁雄氏によるハリのあるサックスソロも印象的な"フライング・プレート"は、スタジオミュージシャンとしての活動まもない頃の宮路一昭氏がギターソロでシャープに弾きまくるシンセポップチューン。しっとりとした長尺曲"夜の窓"、メルヘンチックな小品"Dance"と続き、ここまでがA面の収録曲です。B面一曲目の"バンBUu(竹の音)"不気味なメロディの反復の上で竹笛の音色がこだまする異様な雰囲気の一曲。荒涼としたイメージただようエスニックなインスト"砂漠の星"、マイク・オールドフィールドにも通じる、ふんわりと牧歌的なミニマルミュージック"両手ひろげて"を経て、ラストは再び片岡氏のサックスソロをフィーチャーして都会的ムードを湛えたスロウなフュージョン"City Dream"。目覚ましのアラーム音がフェードアウトし、現実世界へと徐々に引き戻されていくという締めの趣向も素晴らしいのです。




 伊豆氏はこの後、片山愁『ブリザード★センセーション』のイメージ&ドラマアルバム(1987)や、山寺宏一氏のアルバム『SUPER GAP SYSTEM 快適な世紀末』(1994)のプロデュースや作編曲なども手がけられます。

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『闇夜の本 オリジナル・アルバム』
[K28G-7232(LP)/K28H-4252(CT)|1985.01.21|KING RECORDS]

【Side 1】
01. ダークナイト(雨~日没の風)
02. DNAとRNA
03. フライング・プレート
04. 夜の窓
05. Dance


【Side 2】
06. バンBUu(竹の音)
07. 砂漠の星
08. 両手をひろげて
09. City Dream


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原作・イラスト:坂田靖子
プロデューサー:高塚俊紀
サウンドプロデュース:伊豆一彦
ディレクター:川島章

演奏:伊豆一彦&パラレル・ワンダーズ

伊豆一彦(keyboard, programming)
宮路一昭(F & A guitar)
片岡郁雄(woodwind, lyryconIV, synthe sax)
小林まこと(E bass)
福田真司(lyryconIV program & product)
ペンギンドラム、モンキーシンバル(percussion)




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闇夜の本 (1) (ハヤカワ文庫 JA (529))
坂田 靖子
早川書房
売り上げランキング: 48,312

2016/04/30

原作・構成:大友克洋/音楽:伊豆一彦『コミックス・オリジナル・アルバム 童夢』(1984)



 1980年から1981年にかけて双葉社の〈アクションデラックス〉〈週刊漫画アクション増刊 スーパーフィクション〉に全四回にわたり連載され、100ページの描き下ろしを加えて1983年に双葉社より単行本が刊行。漫画界のみならずさまざまな方面へ絶大なる影響を与えた大友克洋氏の漫画『童夢』。団地での謎の変死事件をめぐって繰り広げられるサイキック・アクションであり、「AKIRA」の原点ともいえる傑作です。映像化とは今なお無縁の同作ですが、唯一、音楽作品が出ております。それが、この『コミックス・オリジナル・アルバム 童夢』。桜田淳子"ロープ・ダンサー" "シンガポール・ナイト"(1979)や、中森明菜"キャンセル!"(1982)などの作曲者であり、大友作品の熱烈なファンである伊豆一彦氏が1981年に本人に企画を持ち込んだことで制作がスタート。配給元のレコード会社さがしにはかなり難航していたようですが、1984年6月にキングレコードよりリリースされました。ジャケットは大友氏の描き下ろし。ライナーノーツには大友氏と伊豆氏の対談が収録されています。リリースに際して、予約特典ポスターや、イラスト入りの特製レコード袋プレゼント(抽選1000名)といったキャンペーンが当時行われていましたが、その後、再販やCD化などはされていません。原作単行本ともども、現在ではちょっとしたプレミアアイテムです。


童夢 (アクションコミックス)
大友 克洋
双葉社
売り上げランキング: 10,539


 アルバムは打ち込みとバンドスタイルでのロック、ポップス、ジャズ、ラテン、電子音楽と、バラエティに富むインストゥルメンタルが不気味なイメージを湛えながら収められています。子どもたちの声や、公園の遊具のきしむ音、ガラスの破砕音やヘリのローター音など、随所で挿入されている各種のSEは大友氏のディレクションによるもの。また、B面一曲目"Act6 Scene24"がオルガンハードロックなのは、「以前、ディープ・パープルに凝っていた」大友氏の意向を汲んでのものです。氏のDEEP PURPLEへの傾倒は、「ハイウェイスター」「Fire-ball」といった初期の短編タイトルからもうかがえます(そういえば『童夢』は、THE MOODY BLUESの同名のアルバム邦題からでしたね)。ヴァイオリンやサックス、フルート、パーカッションなどもふくめて多数のスタジオミュージシャンが迎えられているのですが、T-SQUAREの和泉宏隆氏や、NAZCAの土方隆行氏、FENCE OF DEFENCE結成前の北島健二氏、スペクトラム~AB'Sの岡本郭男氏、当時、実験的音楽ユニット「ラーゲル」で活動中だった濱瀬元彦氏など、かなり豪華な顔ぶれ。"Act6 Scene24"のギターとオルガンの白熱のソロバトルはまさに痛快の一言ですし、子どもたちのコーラスをのせた軽快なシンセポップ"Act4 Scene14"や、中西俊博氏が印象的なヴァイオリンソロをとるアコースティックな小品"Act3 Scene8"、濱瀬氏のウッドベースと和泉氏のピアノがウェットに奏でるジャズ"Act7 Scene23"など、楽曲単体としてみても見所が多いです。




 余談ですが、1983年1月に刊行されたSF雑誌〈SFイズム〉の第五号で組まれた大友克洋特集では、アルバム『童夢』についてのページがあり、伊豆氏の寄稿もあります。1981年の秋に大友氏にイメージアルバムの企画を持ち込んだ時のやりとりや、あちこちのレコード会社にたらい回しにされていたこと、大友氏の立会いのもとにレコーディングや編集を進めていた1982年の状況などが語られているほか、この時点では東芝EMIからのリリース予定であったこと。A面・B面ともに4曲ずつ収録した全8曲構成であり、曲名も「団地のテーマ」「女の子のテーマ」「殺人事件のテーマ」といったものであったこと。短編「Fire-ball」のイメージアルバムを1984年春に発表予定であったことが記事からわかりました(なお、このアルバムの企画は頓挫した模様)。


芸術新潮 2012年 04月号 [雑誌]
大友克洋
新潮社 (2012-03-24)


 LPのライナーノーツで大友氏はフェリーニの映画とニーノ・ロータの劇伴の関係について語っていましたが、アート雑誌〈芸術新潮〉の2012年4月号の大友克洋特集での大友氏と中条省平氏の対談インタビューでは、同名の短編の扉絵でマイルス・デイヴィスの「Round About Midnight」のジャケットパロディを描いた大友氏の初マイルス作品は『On the Corner』(1972)であったとか、「普通のロックやプログレより、どこか民族音楽っぽいものに惹かれていたんでしょうね。サード・イアー・バンドの『錬金術』っていう、ちょっと民族音楽っぽいLPなんかも聴いていましたし」といったことが語られており、興味深い内容でした。


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『コミックス・オリジナル・アルバム 童夢』

[K28G-7184(LP)/K28H-4204(CT)|1984.06.21|KING RECORDS]

【Side-1】
01. Act1 Scene7
02. Act2 Scene26
03. Act3 Scene8
04. Act4 Scene14
05. Act5 Scene10

【Side-2】
01. Act6 Scene24
02. Act7 Scene23
03. Act8 Scene11
04. Act9 Scene27

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原作・構成:大友克洋
プロデュース・音楽:伊豆一彦
ディレクター:高塚俊紀
ミキサー:福島良治
カッティング・エンジニア:牧野晃

伊豆一彦(acoustic & electric piano, synthesizer)
和泉宏隆(acoustic & electric piano, synthesizer)
土方隆行(acoustic & electric guitar)
北島健二(acoustic & electric guitar)
武藤祐二(electric bass)
浜瀬元彦(woodbass)
岡本郭男(drums)
横山達嗣(percussion)
片岡郁雄(sax, flute)
中西俊博(violin)
和智秀樹(mandolin)
森達彦(MC-4 & synthe operator)






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原作:坂田靖子/音楽:伊豆一彦『闇夜の本 オリジナル・アルバム』(1985)