2013/11/27

メテオール『コスモ越さぬも』(2013)

コスモ越さぬもコスモ越さぬも
(2013/09/27)
メテオール

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 CGアニメーションと連動したライヴ・パフォーマンスと、ニューウェイヴ/テクノ・ポップと民謡を橋渡する音楽性で特異なインパクトを放つバンド メテオール。映像作品だけにとどまらず、パントマイム集団やイラストレーターとのコラボレーション作品も発表している彼らの新作アルバム。メンバーのカズウ(山田カズミ)氏と、4-D mode1やメトロファルスの横川理彦氏との共同プロデュース作品。また、民謡団体「ミカド天風総連合会」の家元代行である横笛奏者 ミカド香奈子さんが参加されています。ポップなエレクトロ・シーケンスに、エレクトリック・ギター&三味線の躍動的なビートと軽快な篠笛の旋律、ハァ~チョイナチョイナな合いの手が入るサウンドはバツグンのノリの良さ。アルバムは民謡アレンジとオリジナル曲が入り混じる構成で、民謡アレンジはタイトル・内容の宇宙的な改変ぶりも含めて絶妙な仕上がりであります。

 朝寝・朝酒・朝湯好きで身上をつぶした小原庄助さんを謳った福島県民謡の"会津磐梯山(あいづばんだいさん)"は、地震・津波・氷河期で絶滅した大型恐竜を謳う"ワイズマン第三の眼"になり、茨城県民謡の"網のし唄"が"AminoShooter"になり、山形県民謡の"真室川音頭(まむろがわおんど)"が"マクロ側オンディーヌ"に、"ソーラン節"が"ソーラー節"に、"木遣りくずし"が"ゲシュタルト崩壊(くずし)"といった具合でもじられております。ディレイラマとVOCALOIDのコーラスをバックに朗々と歌い上げられる"さそり座クシー"(和歌山県民謡"串本節"のアレンジ)。「ネルシャツのゾンビに気をつけろ♪」というフレーズの中毒性が高い祭囃子調ナンバー"NEL"。はぁー、どっこい ならぬ HardCoreでニューウェイヴ・パンクな"べんとら節"など、民謡特有の耳馴染みの良さと、テクノ・ポップのキャッチーなノリの気持ちの良い相乗が楽しめる曲ばかり。ミカドさんを全面的に(作曲も含め)フィーチャーした"Dodoiz~メテオール~"なる純民謡調な1曲もあります。

 また、やはりと言うところですが、バンドの音楽的なバックグラウンドには、平沢進氏からの影響も色濃く伺えます(ちなみに、メテオールは過去のアルバムで平沢氏のソロ曲"金星"を、南国民謡テイストでアレンジ・カヴァーしております)。after the rain、元P-MODELの秋山勝彦氏やヒカシューの巻上公一氏と三田超人氏のみならず、日本民謡協会の大会部長がアルバムにコメントを寄せているところも、"宇宙民謡"を標榜するこのバンドならではといったところでしょう。伝統民謡を大胆なアプローチで魅せる、新たな発見と楽しさに満ちた愉快な1枚。もっともだー もっともだ。






●オフィス・ガナゴナ×メテオール

2013/11/24

HAKEN『The Mountain』(2013)

MountainMountain
(2013/09/17)
Haken

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イギリスのプログレッシヴ・メタル・バンド TO-MERAのギタリスト Thomas MacLean、キーボーディストのRichard Henshallが中心となって2007年に結成されたプログレッシヴ・バンド ヘイケンの3rdアルバム。本隊であるTO-MERAはゴシック、シンフォニックな要素も組み込まれた聴き応えのあるプログレッシヴ・メタルを展開しているのですが、このヘイケンは各メンバーの音楽嗜好、アイデアを詰めるだけ詰め込んだ欲張りなハイブリッド・プログレ・サウンドが魅力のバンドであります。

前々作『Aquarius』、前作『Visions』では英国的プログレッシヴ・ロック様式と米国的プログレッシヴ・ハード様式の境目を行ったり来たりしつつ、ゴシック・メタル、シンフォニック・ロック、チェンバー・ロック、アヴァン・ロック、チップチューン的な要素も顔を出すというゴッタ煮具合で、ニッチなサウンドを好む手合いにはたまらないものがあるとはいえ、良くも悪くもB級感に甘んじているような内容でありました。それだけに、今回の大化けぶりには驚かされた次第です。欲張りなスタイルは変わっていないのですが、サウンドの焦点がこれまでになくプログレッシヴ・メタルとして聴かせるという方向で格段に絞り込まれており、楽曲に詰め込まれた無数のアイデアがことごとく劇的な方向に収斂していったのは非常に大きい。頼もしいことこの上ないサウンドを聴かせてくれます。

抜けるような清涼感と効果的に差し挟まれるパーカッシヴなラテン・テイストが ただでさえ起伏に富む曲展開をさらにキャッチーに引っ張っていく、ドラマティック極まる構成のリードトラック"Atlas Stone"と、GENTLE GIANTやQUEENへのオマージュともいえるアカペラコーラスワークも印象的に響く、ファニーでヘヴィなプログレ・メタル・チューン"Cockroach King"の2曲は必殺の出来で、アルバムの掴みの曲としてバッチリ。終盤には10分越えの大曲"Falling Back To Earth""Pareidolia"を配し、トリッキーでドラマティックな趣向はさらに強まってゆきます。プログレ・メタルとしての手応えもさることながら、"Because It's There" "Somebody"など、ヴォーカル/コーラスのハーモニーを重視したシンプルな演奏で叙情的な側面がこれまでになくフィーチャーされており、全体的に思索的なムードの横溢したアルバム構成になっているところもポイントでしょう。

スタイルをデビュー時から頑として変えずにここまでのものを作り上げたことに、賞賛の言葉を贈りたいです。また、ミキシングとマスタリングには、SOILWORK、DARK TRANQUILLITY、AMON AMARTH、SYMPHONY X、OPETH、ジェイムズ・ラブリエなど、数々のメジャー級アーティストのアルバムなどに携わり、近年のヘヴィ・メタル/プログレ・メタル シーンには欠かせない人物の一人とも言えるJens Bogrenが関与していることも、今回の方向性に大いにプラスになったのではないかと思います。今年10月をもってフロントマンの一人であるThomas MacLeanがバンドを脱退するというアナウンスがされたものの、バンドは来年2月に開催される マイク・ポートノイ主催の一大プログレッシヴ・メタル・フェスティバル「Progressive Nation At The Sea 2014」への出演が決定しており、さらなる飛躍が期待されます。







●HAKEN - Official Website
●TO-MERA - Encyclopedia Metallum

2013/11/20

Tim Follin『Treasure Master』(NES/1991)

1991年の12月にAmerican SoftworksからリリースされたNES用ソフト「トレジャーマスター」(NES作品なので日本未発売)。色々と盛りすぎなパッケージイラストが物凄く怪しいニオイをプンプンさせていますが、ゲームの内容は地味めなアクションゲームです。ロックマンを意識して作ったようなところも見受けられます。こちらがプレイ動画ですが、なんともモッサリした印象が拭いきれません。



◆YouTube再生リスト:「Treasure Master」BGM(全7曲)

そんな本作のBGMの担当は、Tim Follin氏。「ソルスティス」や「シルバーサーファー」を経て、氏が最後に担当されたNES作品ということもあってか、眩い音の煌きと技巧の数々がたっぷりと盛り込まれており、まさにNES時代のティム・フォリン・サウンドの総決算とでも言うべき内容が繰り広げられております。ファンク、シャッフル、ワルツといった軽快な曲調に載せて、所狭しとスプラッシュする粒揃いかつ重厚な音・音・音……脳内物質がとめどもなく溢れ出てきます。ちなみに、タイトル画面のファンキーなBGMは、70年代のドラマ「刑事スタスキー&ハッチ」のテーマを意識して作られたフシがあるようです(ちなみにこの十数年後、フォリン氏はゲーム版「STARSKY&HUTCH」のBGMの作編曲を手がけられるのですが、その話はまた別の機会に)。



本作を象徴する1曲がコチラ。フォリン氏の十八番といえる高速アルペジオや変拍子に加えて、クロスフェードまでキメるという前代未聞かつトリッキー極まりない展開を聴かせるステージ3&5のBGMのインパクトたるや、一度聴いたらイヤでも忘れられなくなります。


続くステージ4のBGMも相当なもので、あの「ソルスティス」メインテーマの再来・変奏とも言うべき、プログレッシヴな要素の詰め込まれた超絶的チップチューンに仕上がっています。


●Tim Follin - Wikipedia
●Treasure Master - Wikipedia
●Timothy J.Follin - みんなで決めるゲーム音楽ベスト100まとめwiki

2013/11/18

Tim Follinが楽曲を手がけた幻のメガドライブ用ソフト『TIME TRAX』(1993)

93年から94年にかけてアメリカで放送されたSFドラマ・シリーズ「TIME TRAX」。同作品はゲーム化され、94年にスーパーファミコン用ソフトがリリースされています。同時期にメガドライブ版も開発されており、製品化の直前まで行っていたそうですが、何らかの事情により結局リリースされることはありませんでした。そのメガドラ版TIME TRAXのBGMを担当していたのが、かのTim Follin氏であります。かつてフォリン氏のサイトで、同作品のタイトルテーマのmp3が公開されており(現在は音源へのリンクが切れています)、幻の作品の一端を聴くことが出来ました。

◆Dr. Follin's Home Surgery
http://www.timfollin.pwp.blueyonder.co.uk/Archive.htm

そして今年7月、ゲームがお蔵入りとなってから20年目を迎える年に、なんとメガドライブ版プロトタイプROMが発掘・公開され、海外のゲーム関係のフォーラムで話題になりました。そして、収録されていたBGMの全貌も明らかになったのです。BGMは全6曲(うち1曲は十数秒のジングル)で、60Hz版[NTSC版]、50Hz版[PAL版]ともにYouTubeやニコニコ動画で聴くことができます。SF的イメージの広がるスペイシーなテイスト、ハード・ロッキンなギター、コンテンポラリーなシンセなど、FM音源による極上のティム・フォリン サウンドを堪能できます。

◆Time Trax for the Sega Genesis
now available for download! - SEGAAGE




ニコニコ動画のリンクはこちら
■TimeTrax(NTSC版)BGM集 http://www.nicovideo.jp/watch/sm21321987
■TimeTrax(PAL版)BGM集 http://www.nicovideo.jp/watch/sm21626471

●Time Trax - Wikipedia
●Time Trax - Sega Retro
●Tim Follin - Wikipedia

2013/11/17

『One Man&His Mic Show #3 (Follintastic!)』(2008)

こだわりの打ち込みと多彩なメロディセンスで驚異的な作品を数多く残した伝説的なゲーム・ミュージック・コンポーザー Tim Follin氏。ゲーム音楽の仕事からは遠ざかってしまった今でもなお、国内外の多くのコンポーザーからのリスペクトを集めてやまない人物であります。今回ご紹介するのは、海外のレトロゲーム/ハードの情報サイト/音楽レーベルのBinary Zone Interactiveの中の人がDJを務める「One Man&His Mic」というレトロゲームポッドキャストが、フォリン氏を特集した回の音源です。フォリン氏が手がけたゲームの楽曲を、合間にコメントと有志によるリミックス・ヴァージョンを交えつつ1時間に渡って紹介していくという粋な企画であり、フォリン氏のサウンドの魅力を改めて再認識できる内容です。コモドール64作品からの選曲が多めであり、中にはレアなトラックもチラホラ。下記URLにあるプレイヤーの「Episode 003 -Follintastic!」を選択することで聴くことができます。

http://www.binaryzone.org/podcast/

同音源はニコニコ動画にもあります。


ちなみに、46:50あたりで聴ける"The Shining"という楽曲は、かつてフォリン氏のサイトで公開されていた(現在はリンク切れのためダウンロード不可能)、映画「シャイニング」のダイアローグをフィーチャーしたファンク調の小品。また、33:00あたりで流れる曲は未発表のPS2ソフト「Firearm」の楽曲。38:30あたりで流れるのは、同じく未発表となった1993年制作のメガドライブ用ソフト「Time Trax」のタイトル・テーマです。

個人的にオススメしたいのは、26:30から流れる、1991年発表のAMIGA用ソフト「Gauntlet III」のタイトル・テーマ。ブリティッシュ・プログレ・テイストの1曲であります。


また、18:10から流れるリミックス・ヴァージョンもなかなかです。アーケード版「大魔界村」の楽曲は、TAMAYOこと河本圭代さんによる作曲で知られていますが、海外で発売されたコモドール64/アタリST版「大魔界村」ではさらにTim Follin氏の編曲が加わります。つまり【作曲:TAMAYO/編曲:Tim Follin】という贅沢な仕上がりのBGMが聴けるのです。こちらはそのコモドール64版大魔界村のステージ4BGMを、BinsterことMartin Binfield氏がリミックスしたもの。















また、このポッドキャスト音源にボーナス・トラック9曲を追加収録したCD版が、Binary Zone Interactiveのサイトで販売されております。
http://www.binaryzone.org/retrostore/index.php?main_page=product_info&products_id=345















さらに、同サイトでは、フォリン氏が手がけたコモドール64作品からセレクトされた楽曲を収録した初期ベストCD『The Best Of Tim Follin』も販売しております。
http://www.binaryzone.org/retrostore/index.php?main_page=product_info&cPath=65&products_id=187

●Tim Follin - Wikipedia
●Binary Zone Interactive

2013/11/14

「CAMEL Europe Tour 2013 In The Autumn」2013.10.26 オランダ・アムステルダム公演 ライヴ映像

Snow Goose: Re-Recorded EditionSnow Goose: Re-Recorded Edition
(2013/10/22)
Camel

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フロントマンのアンディ・ラティマーが長期療養から復帰し、再び活動を再開したイギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド CAMEL。先ごろ、1975年の名盤『The Snow Goose』のリ・レコーディング・アルバムもリリースされ、それに伴い、イギリス、ベルギー、オランダ、ドイツで計11公演を行うヨーロッパ・ツアーも、10月19日から11月1日にかけて行われました。バンドの、そしてラティマーの久々のライヴというだけでなく、75年のロイヤル・アルバート・ホール公演以来という『The Snow Goose』のアルバム完全再演もセットリストに含まれたメモリアルな公演というだけあって、殆どの公演のチケットがツアー前からソールド・アウトとなっておりました。今回のツアーメンバーはアンディ・ラティマー(vo.g)、コリン・バース(b)、ギー・ルブラン(kbd / NATHAN MAHL)、デニス・クレメント(dr)、そして、近年のRENAISSANCEにライヴ・サポートとして参加もされているジェイソン・ハート(kbd)の5人。YouTubeには、10月26日にオランダのアムステルダムで行ったバンドのパフォーマンスをファンが撮影した映像が分割で上がっております。













ここまでの一連の映像が『The Snow Goose』再演パート。同公演では他にも、初期の代表曲にしてライヴの定番曲である"Never Let Go"。『Moonmadness』からの染み入る2曲 "Song Within a Song" "Airborn"。そして大曲"Lady Fantasy"のパフォーマンス映像もあります。たまらなく良い顔(ラクダ顔!)を伴ったギタープレイ、年輪を重ねてさらに旨味の増したフルートの旋律、CAMEL復活を印象付けるラティマー氏の熱演が十分に堪能できます。

"Never Let Go"
http://youtu.be/zfU3p3q5s9c

"Song Within a Song"
http://youtu.be/V4bT46hUvRo

"Airborn"
http://youtu.be/OJaTe8QWhY0

"Lady Fantasy"



CAMELの公式サイトでは先ごろ(11月13日付)、2014年3月のツアー予定が発表されました。現時点では、3月前半にオランダ、ベルギー、ドイツ、イギリスで計9公演を行うことが決定しているようです。また、こちらはまだ確定はしていませんが、3月後半にはポルトガル、スペイン、イタリアでもライヴを行う予定だそうです。再始動後の新作アルバムの発表にも期待したいですし、また日本にも来て欲しいですね。

●CAMEL PRODUCTIONS.COM
●CAMEL - Andy Latimer - facebook

2013/11/09

未知との遭遇を果たすエレクトロ・プログレッシヴ・サウンド ― Zantilla 『Encounters』(2013)

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)
(1978/10)
フィリップ・K・ディック

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フィリップ・K・ディックのSF小説"ユービック"からレーベル名をとった、「Ubiktune」というロシアのチップ・チューン&ゲーム・ミュージック専門ネットレーベルがあります。これまでに70枚に上るカタログをリリースしており、そのラインナップを眺めるだけでも楽しいものがあります。

http://ubiktune.com/releases

今回ご紹介するのは、10月末にubiktuneからリリースされた、カタログNo.71。Adrian Shegstadによるユニット Zantillaのデビューアルバム『Encounters』です。アメリカのUFO研究者 J・アレン・ハイネック(映画『未知との遭遇』のスーパーバイザーでもあった人です)の著書にインスパイアされた全7曲のアルバムであり、ChiptuneとDjentを二本柱に掲げ、両者のテイストを盛り込んだシンセサイズド・プログレッシヴ・メタル・サウンドを展開しております。コンパクトながら変拍子と起伏に富んだ構造の楽曲を、抜けの良いサウンドがさながら流線型を描くようにして突き抜けてゆく様は、煌びやかな味付けも含めてストレートにカタルシスが味わえることうけあい。bandcampにて全曲フル試聴可能。ダウンロード購入は$2です。Sci-Fiなプログレ・メタルがお好きな手合いはもちろん、80年代末期TANGERINE DREAMや、FROST*がお好きな手合いにもオススメです。

http://zantilla.bandcamp.com/





◆『Encounters』レーベル内紹介ページ
http://ubiktune.com/releases/ubi071-zantilla-encounters

2013/11/07

『ベストアルバムCD キルミーベイベー・スーパー』(2013)

ベストアルバムCD キルミーベイベー・スーパーベストアルバムCD キルミーベイベー・スーパー
(2013/10/16)
VARIOUS ARTISTS

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キルミーベイベーは復活した。
歴史が呼吸する瞬間が遂に訪れた…。

 みんな大好き「キルミーベイベー」の歌もの楽曲をまとめたベスト盤。買いましたよハラショー(しかしまだ付属DVDのアニメを観ていないのでわさわさ)。ハイパー・インストゥルメンタル・ロック・バンド ウンベルティポの今堀恒雄氏(g)、佐野康夫氏(dr)のお二人がプレイしていることでも一部で話題になった、キャッチーに込み入ったオープニングテーマ"キルミーのベイベー"、一転してシンプルながら非常に中毒性のあるエンディングテーマ"ふたりのきもちのほんとのひみつ"に始まり、やすな、ソーニャ、あぎりさんの各キャラソンが続きます。少し懐かしいテイストも香るテクノポップチューン"HOW TO ENJOY"(歌:赤﨑千夏) "Wanted! OBAKA dead or alive"(歌:田村睦心)。ほのぼのとしたポップスナンバー"今日も二人で"(歌:赤﨑千夏) "焼きそばパン"(歌:田村睦心)。すっとぼけつつも洒落たアレンジが最高に良い塩梅な"ティーンエイジ・ハイスクール・ニンジャ・ガール" "空き地と野良猫"(歌:高部あい)。と、三者三様の魅力を堪能出来ます。



 後半にまとまっている"キルミーのベイベー" "ふたりのきもちのほんとのひみつ"の各アレンジ・ヴァージョンでは、松前公高氏と山口優氏のお二人がやりたい放題やっていらっしゃいます。"キルミーのベイベー!のさらにウザいやつ"は文字通りの仕上がりで、この手のつけられないヒッチャカメッチャカ感はある意味必聴モノ。50年の時を経てもなお壮健(?)な二人の歌いっぷりが強烈な"キルミーのベイベー!2062"は、聴いていてナチュラルに脳みそが沸きそうになりました。もはや誰が歌っているのかわからない上に、途中で素の笑い声が入ってるのがなおのことツボです。また、トイ・ミュージックな趣のあるアレンジ"キルミーのベイベー!のウザくないやつ"でパーカッションをプレイされているのは、トクマルシューゴや栗コーダーポップスオーケストラ、やくしまるえつこなどの作品への参加でも知られる玩具系ドラマーのitokenさん。クレジットを見てなるほど納得いたしました。

 そして本アルバムの目玉と言えるのが、ボーナストラックとして収録された"キルミーのベイベー"の未発表ライヴ・ヴァージョン。ライヴ・ヴァージョンとありますが、曲中のMCで赤﨑さんが「みんなー8時間ありがとー!」と言ったりしているので、架空のライヴ音源と思われます。つまり、スタジオ録音で作り上げた、擬似ライヴ・ヴァージョン。しかしながら現実と虚構の境界が曖昧になるくらいにライヴ感のある仕上がりで、流石の一言です。スタジオ版とはちょっと違うアレンジもさることながら、赤﨑さんと田村さんのお二人のエキサイティングな歌いっぷりが実に痛快で、聴いているともはや細かいことはどうでもよくなります。ところで、中盤で田村さんに「この人がギターでーす!東京都在住!趣味は園芸!」と紹介されているギタリストは、今堀さんのことなのかちょっと気になりました。

●キルミーベイベー - Wikipedia
●キルミーベイベー 限りなく公式HPに近いサイト