良BGMばかりで思わず聴き入ってしまいました。スウェーデンのDigital Illusions(現在のEA Digital Illusions CE <通称 DICE>)による制作、かのロジャー・ディーンが社名ロゴをデザインしたことでも知られるPsygnosis(現在のSCE Studio Liverpool)の販売による、94年発表のAMIGA CD32ソフト「ベネファクター」。主人公のベン・E・ファクターを操り、"メリー・メン"という宇宙人たちを敵の魔の手から救出する一方で、彼らの能力を駆使しつつステージを攻略していくという内容のパズル・アクション・ゲームであります(シグノシス社のヒット作「レミングス」のちょっとした発展型といったところ)。コンポーザーはOlof Gustafsson、Magnus Walterstadの二人。Olof Gustafsson氏はDigital Illusions創設メンバーの一人であり、後に世界各国のコンポーザー(日本からは古代祐三氏が参加されておりました)が結集して制作された架空のファンタジーRPGのサウンドトラック・プロジェクト「メレグノン」にも名を連ねております。Magnus Walterstad氏は現在まで続く人気タイトルである「Battlefield」シリーズのサウンド・ディレクターを務めている人物。
●Amiga CD32 - Wikipedia
●Benefactor (video game) - Wikipedia
●Olof Gustafsson - Wikipedia
●Magnus Walterstad - IMDb
2013/10/26
TANGERINE DREAM『Optical Race』(1988)
| オプチカル・レース(紙ジャケット仕様) (2009/09/09) タンジェリン・ドリーム 商品詳細を見る |
ジャーマン・エレクトロニック・ミュージックの大家 タンジェリン・ドリームの88年作品。クリストファー・フランケが脱退し、エドガー・フローゼとポール・ハスリンガーの二人体制で制作されたオリジナル・アルバムであり、元メンバーのピーター・バウマンが主宰するレーベル「Private Music」への移籍後 初となるアルバムでもあります。個人的にタンジェリン・ドリームは70年代の大作エレクトロ/アンビエントな作風よりも、80年代に入ってコンパクトでキャッチーな路線を目指していくようになってからの作風に多分に惹かれるのですが、中でも本作は琴線にクリティカル・ヒットした1枚。この時期のタンジェリン・ドリームの一連の作品は、80年代後期~90年代初頭のゲーム・ミュージックの源流の一つではないかと思っております。
アルバムは平均4~5分程度の十の楽曲で構成されており、ポップに躍動するエレクトロ・プログレ・テイストと、落ち着いたトーンのニューエイジ・テイストが程よく混ざり合った仕上がり。淡々としながらもリリシズムを感じさせるメロディを、巧みに盛り込まれた起伏と併せて聴かせる「Merakesh」「Optical Race」。聴き触りは爽やかながらパーカッシヴなバッキングの間を縫うようにしてチェンバロがメリハリのある旋律を奏でる「Atlas Eyes」。煌びやかに歌い上げられるノスタルジックなメロディで締められるラストナンバー「Ghazal (Love Song)」などが特に耳を惹きます。適度にスリリングな流れをキープして澱みなく聴かせる構成もさることながら、しみじみとした味わいもあるコンパクトな良作。
●TANGERINE DREAM - Official Site
●TANGERINE DREAM - Wikipedia
●「Optical Race」- Wikipedia
2013/10/25
DADA(泉陸奥彦&小西健司) 『DADA』(1981) / 『城壁/鏡の中の家』(1994)
| DADA(紙ジャケット仕様) (2013/10/09) ダダ 商品詳細を見る |
後にジャズ・ロック・バンドKENNEDYを結成、コナミ矩形波倶楽部の一員としての活動を経て、現在はコナミデジタルエンタテイメント所属のコンポーザーの一人である泉陸奥彦(Gr.Syn.Violin.Noise)。後に4-Dを結成し、90年代にはP-MODELに加入する小西健司(Syn.Noise)。彼ら二人によって70年代に結成され、70年代後半から80年代初頭にかけて関西圏で活動していたのがこの「ダダ」。マニアックな存在ながら、二人の活動の原点を知る上では欠かせないユニットです。ダダの音楽性は一口でいうと実験的なエレクトロニック・ミュージック。空間をつんざく歪んだギター、ロマンティックでメランコリックなシンセサイザーの織り成すフレーズは、テリエ・リピダル(ECMレコードでの活動で知られるジャズ・ギタリスト)やヴァンゲリスの作品からの影響が色濃く、また、楽曲の持つ静謐さにはTANGERINE DREAMやFRIPP&ENOのような印象を感じさせます。先ごろキングレコードより紙ジャケット仕様で再発された『DADA』は、彼らの2ndアルバムにしてラストアルバムとなった作品で、上記のような趣向にさらに実験的ニューウェーヴ志向も加わり、ストレンジかつバランスもとれた内容になっています。ギラギラとしたビートやドラマティックなフレーズを打ち出した「Perpetual Motion」「America」。滴り落ちる水滴をイメージさせるミニマルな小品「Stainless Mama」。激しく駆け巡るギターと強度のあるモーグシンセの絡みが秀逸な「飛行船 Part 3」。テープコラージュ、ユーモラスなSEサンプリングを散りばめた「A.T.B」「ジロ君のお誕生日会」、そして淡い光で包み込んでゆくような展開が感動的な長尺のラストナンバー「アルルの太陽」と、バランスもさることながらアルバムの流れも非常に良く、当時のお二人の意欲と野心がヒシヒシと伝わってくる作品に仕上がっています。
| 城壁 スペシャル・ライヴ(紙ジャケット仕様) (2013/09/25) ダダ 商品詳細を見る |
先ごろマーキー/ベル・アンティークよりリリースされた『城壁/鏡の中の家』は、94年に同レーベルからリリースされた『城壁~スペシャルイシューVol.1』の改訂版。79年にライヴ会場限定で販売していた両A面カセットテープアルバムの収録内容に沿った上でのCD化となっており、1曲目に泉氏が作曲した約24分の「城壁」、2曲目に小西氏の作曲による約31分の「鏡の中の家」を収めています。「城壁」は、センチメンタルなメロディとミニマリズムで濃密な空間を演出していくシンセサイザー・インスト。時折ギターが唸りと共に切れ込んでくる場面もあり、ゆるやかな中にもある種の緊張感も孕んだ大曲です。日本のメディテーショナル・ミュージックの偉大なる先達であるファー・イースト・ファミリー・バンドに近いところも感じました。「鏡の中の家」は今回初めて聴いたのですが、小西氏がマイク・オールドフィールドの『Ommadawn』から色濃く影響を受けて制作したというだけあって、メディテーショナルな中にも牧歌的なテイストが顔を覗かせる仕上がりになっています。こういう曲も書かれるのか、と、少々意外に感じつつも、興味深く聴き入ってしまいました。
ちなみに、94年にリリースされた盤は、自主レーベル"Vanity"よりリリースされた1stアルバム『浄』と、前述の『DADA』の間、つまり78年から81年の間に制作されたデモテープの音源(中には「飛行船 Part 1&2」や、「アルルの太陽」のプロトタイプ版も含まれていました)を収録した全10曲入りという内容でした。詳しい曲目については、こちらを参照のこと。
★bemani series soundtrack list -「城壁~スペシャルイシューVol.1」
http://bemanicd.web.fc2.com/extra/castlewall.html
●泉陸奥彦:Wikipedia
●4-D mode1 OFFICIAL WEBSITE
●All About【4-D再編!小西健司さんへの質問】
2013/10/23
辻横由佳『スペースバズーカ』『メタルコンバット』(SFC/1993)
任天堂から1993年にスーパースコープ対応のスーパーファミコン用ソフトとして発表されたガンシューティングゲーム「スペースバズーカ」(海外タイトルは"BATTLE CLASH")。開発は、ファイアーエムブレムシリーズで知られるインテリジェントシステムズ。コンポーザーは、ファイアーエムブレムの全シリーズの楽曲に関わられている辻横由佳さんです。近未来SF的な世界観の作品だけあって、曲調もハードでトリッキーなものが多く、FEシリーズとは一味違う作風になっているのが興味深いなと思います。
●インテリジェントシステムズ - SPACEBAZOOKA[BATTLE CLASH] HOME PAGE
http://www.intsys.co.jp/game/clash/
また、同年に「メタルコンバット(Metal Combat:Falcon's Revenge)」というタイトルで続編が出ているのですが、こちらは欧米のみでのリリース。楽曲は前作に引き続き辻横さんが担当されており、曲調も前作以上にヴァリエーションが増えております。総曲数はなんと57曲。聴き応え十分で、日本未発売というのがつくづく惜しまれます。
●インテリジェントシステムズ - メタルコンバットホームページ/METAL COMBAT HOME PAGE
http://www.intsys.co.jp/game/clash2/index.html
【余談】
辻横さんの作風には少なからずプログレ的なニュアンスが伺えるものがあるのですが(FEサントラのライナーでプログレが好きだとおっしゃられていたという話も)、それっぽい曲をいくつかチョイスしてみました。
■ファイアーエムブレム外伝 - Enemy Attack
■メタルコンバット - Map 1
■ファイアーエムブレム 封印の剣 - ベルンの名のもとに
■ファイアーエムブレム 烈火の剣 - 静かに、そしてしなやかに
●辻横由佳:Wikipedia
●インテリジェントシステムズ - SPACEBAZOOKA[BATTLE CLASH] HOME PAGE
http://www.intsys.co.jp/game/clash/
また、同年に「メタルコンバット(Metal Combat:Falcon's Revenge)」というタイトルで続編が出ているのですが、こちらは欧米のみでのリリース。楽曲は前作に引き続き辻横さんが担当されており、曲調も前作以上にヴァリエーションが増えております。総曲数はなんと57曲。聴き応え十分で、日本未発売というのがつくづく惜しまれます。
●インテリジェントシステムズ - メタルコンバットホームページ/METAL COMBAT HOME PAGE
http://www.intsys.co.jp/game/clash2/index.html
【余談】
辻横さんの作風には少なからずプログレ的なニュアンスが伺えるものがあるのですが(FEサントラのライナーでプログレが好きだとおっしゃられていたという話も)、それっぽい曲をいくつかチョイスしてみました。
■ファイアーエムブレム外伝 - Enemy Attack
■メタルコンバット - Map 1
■ファイアーエムブレム 封印の剣 - ベルンの名のもとに
■ファイアーエムブレム 烈火の剣 - 静かに、そしてしなやかに
●辻横由佳:Wikipedia
2013/10/15
CIRCLE OF ILLUSION『Jeremias - Foreshadow Of Forgotten Realms』(2013)
| Jeremais (2013/08/19) Circle of Illusion 商品詳細を見る |
ドイツの新興プログレ・レーベル「GENERATION PROG」が送り出した、オーストラリア出身のプログレッシヴ・メタル・バンド CIRCLE OF ILLUSIONのデビューアルバム。バンドメンバーは総勢8名。ヴァイオリニストを擁していて、3人のヴォーカリスト(男性1人、女性2人)がいるという、なかなかに気合の入った編成です(何故かギタリストだけ白塗りメイクをしているのが気になるのですが、あえて深く突っ込まないことにします)。バンドのフロントマンはキーボーディストのGerald Peterで、彼が全面的に作編曲を担当しております。アルバムは、男性ヴォーカリストのTaris Brownが書き下ろしたファンタジックなストーリーに基づくトータル約80分のコンセプト作品になっており、各ヴォーカリストがキャラクターを演じつつ劇的に展開されてゆきます。サウンドはDREAM THEATER影響下のプログレッシヴ・メタルをベースに、オーケストレーションを盛り込んでドラマティックに組み立てられており、アルイエン・ルカッセン率いるオランダのプログレッシヴ・メタル・オペラ・プロジェクトAYREONにも通じる大仰さがあります。また、アルバムの序盤から中盤にかけて目立つのがR&B/ジャズ/ファンク的なアレンジ。"The Beginning" "The Run" "The Memory Returns"の3曲は脂が載っており、次から次へとめまぐるしく変わるアレンジと熱の入ったヴォーカルの掛け合い、そしてシンフォニックな盛り上がりと、アレンジ・構成の妙で一際楽しませてくれます。アルバム後半に入ると尺をいたずらに引き伸ばしているように感じるところもあり、前半と比べると明らかに精細を欠いているのが惜しまれるところですが、バンドのユニークな音楽性は十分に印象付けられました。ここからどのように発展していくか、今後の楽しみとしたいところです。意表を突いたサウンド、過剰なサウンドが好きな手合いは、今のうちにツバをつけておきましょう。
●CIRCLE OF ILLUSION - Official Site
●CIRCLE OF ILLUSION - ProgArchives
登録:
投稿 (Atom)