2014年12月7日日曜日

弾ともや、生沢佑一、AIK、そしてZZROCK ~ 実力派シンガーの多彩なキャリアを代表する一枚 ― TWINZER『Oh Shiny Days』(1993)

OH SHINY DAYSOH SHINY DAYS
(1993/11/24)
TWINZER

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シンガー 生沢佑一と、彼が90年代に率いていたロック・バンド TWINZER。生沢氏が本格的に音楽活動を始めたのは'74年、16歳の頃からで、「弾ともや」名義でのアイドル歌手やGSバンドの一員として活動を展開(欧陽菲菲の代名詞的な1曲で知られる"Love is Over"は、'83年に内藤やす子、やしきたかじん、黛ジュン、ニック・ニューサといった面々に次々とカヴァーされているのですが、生沢氏も競作に参加して歌っております)。'90年代に入ると、ビーイング傘下のZAIN RECORDSに所属、その歌唱力を買われて同所属アーティストのレコーディングにコーラスで参加、B'zやWANDS、DEEN、ZARD等、有名どころのアーティストの作品には殆ど参加していたようです。一方で自身のバンドも始動させるわけですが、それが今回紹介するTWINZERです。



本作はデビューアルバム。ビーイング系アーティストが楽曲面でもサウンド面でも手厚くサポートしており、織田哲郎氏や明石昌夫氏らが編曲で、宇徳敬子さんやWANDSの上杉昇氏、ZYYGの栗林誠一郎氏がコーラスで参加。いかにもビーイング然とした「Leave Me Alone」「消えないでシーズン」などの"出来過ぎ"な楽曲もありますが、KANSASの"Carry on a Wayward Son"を意識したと思わせる多重録音コーラスによるオープニング「CARRY ON~旅立つ君へ~」や、ヒット曲となった「Oh Shiny Days」、ANTHEMの柴田直人氏の作曲による「Let Me Try Again」「You Are A Woman」など、泥臭いミディアムテンポのアコースティック・ナンバーが目立ち、生沢氏の渋味が尾を引くソウルフルな歌唱もあって、アルバムは素晴らしい仕上がり。生沢氏のヴォーカルが最大のセールスポイントであることがよくわかるいぶし銀なアルバムになっています。本作以降はヘヴィ・メタル・バンドであるBLIZARDのギタリスト 松川敏也氏の参加もあり、よりパワフルなハード・ロック色を強めていきますが、'00年にバンドとしての活動を休止します。その後、DEEP PURPLE/WHITESNAKE直系のサウンドを聴かせるハード・ロックバンド BRAZEのヴォーカルに抜擢されているものの、基本的には生沢“AIK”佑一名義も含めてソロ・アーティストとしての活動を中心にしております。遊☆戯☆王デュエルモンスターズの主題歌"Warriors" "Eye's"や、デモンベインシリーズの主題歌"HOLY WORLD" "Evil Shine" "機神咆吼ッ! デモンベイン!" "人、神、機 -Man God Machine-"NHK「むしまるQ」"ホタル・カリフォルニア"を歌ったりしているので、馴染みのある人も多いんじゃないでしょうか。






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(2014/10/29)
キング・クリームソーダ

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ここ最近で何よりビックリしたのが、『妖怪ウォッチ』の企画バンドとして結成されたキング・クリームソーダのメンバー「ZZ ROCK」としての活動。ここでも素晴らしいヴォーカルを聴かせており、先ごろリリースされたシングル『祭り囃子でゲラゲラポー/初恋峠でゲラゲラポー』でも、グレン・ヒューズばりのソウルフルな歌唱がフィーチャーされています(心なしか間のギターソロやサックスソロまで艶っぽく聴こえるという)。彼のホットなヴォーカルに触れられる小さなお友達は幸せだと思います。ホントに。



生沢 AIK 佑一 OFFICIAL WEBSITE
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