2010年11月10日水曜日
巨乳まんだら王国『王国民洗脳教育セット』(2004)
イコマノリユキ教祖と愉快な仲間達による変態ロックバンド 巨乳まんだら王国の1stフルアルバム。変態は変態でもテクニックが変態という意味ではなく、スタイルと精神性がド変態という意味で。もはやコミックバンドというより下ネタバンドと言った方がいいほど歌詞は下ネタオンパレード。蟻の門渡りなんて単語も飛び出す「タマキン体操」はいろんな意味で衝撃だったというか、これには本気でホンマもんのアホ(誉め言葉)と言いたくなりました。伊達に教祖は嘉門達夫やおかげ様ブラザーズ、爆風スランプ、米米CLUBをフェイバリットに挙げてねーなというか、これらの方々の持っていたしょーもない(誉め言葉)部分をよくもまあここまで受け継いだもんだなーと思うことしきり。改めて聴き返してみると、マイク・パットンのMr.Bungleにも相通ずるところがあるなあ、とも。
ワザとやってんだか天然なんだか曖昧なラインでぶっ放すしょーもなさとアホらしさの徹底ぶりが琴線にハードヒット。また、楽曲アレンジが多彩かつ秀逸なのもこのバンドのもうひとつの魅力、アルバムの殆どの楽曲の作曲を手がけるゴリ国王(現在は隠居中)の懐はメタルからパンク、ファンク、テクノまで広い。ややジェイムズ・ヘットフィールド似の教祖の声を生かしたMETALLICA節炸裂のメタルナンバー「ちん毛」を皮切りに、勢いに任せて己のチンコを嘆くヘヴィ・ロック・チューン「割礼カレー」、小粋かつ軽快なファンク・ナンバー「69」(ちなみに、この2曲にベースで参加しているのはマキシマムザホルモンの上ちゃん)、メンスの悩みをキャッチーなイントロやサビのメロディに載せてエモーショナルに歌い上げる「メンス24」、その他「彼女はCm」「恋列車2004」「ホルスタイン」など、イヤでも耳を引く聴き応えのあるナンバーがズラリ。一方で前述の「タマキン体操」のようなグダグダも辞さないネタ/コント曲も多数盛り込まれており(例:渋滞情報、コンドームの使用法読み上げ、四十八手連呼)、アルバムの楽曲配置は地雷源そのもの、その混沌ぶりがまたよろし。ラストは大合唱の「国歌斉唱」でキレイにシメられますが、ここにはマキシマムザホルモン、花団、セックスマシーン、サンボマスターなど、巨まんと交流の深いバンドの面々が参加しております。改めて聴いても喰えねえアルバム、迷盤であり珍盤。
●「王国民洗脳教育セット」:試聴
●巨乳まんだら王国:Wikipedia
●巨乳まんだら王国:公式