2014年12月27日土曜日

2014年を振り返る~個人的に印象に残った20曲

ベストアルバム二十選(まだ考え中)とは別に、今年の作品で曲単位で印象に残ったものを二十選。考え出すと思考の泥沼にハマってしまうため、思い切りと勢いで選びました。


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2011年にバークリー音楽大学で結成されたアメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドが今年リリースしたフリーダウンロード曲。ギタリストが実に達者。曲は混沌としていて、シンフォニックな曲調で唐突にブラストビートをかます展開に思わず笑ってしまうのだけど、同時に説得力もあってたまらない。アルバムはまだ出していないけど、なかなかの実力派なので、今のうちにツバつけときましょう。





フランスのエレクトロ・ユニット。テクノ・ゴシック・ホラー×サイバーパンクな趣向を全開にしたこのPVも凄いのだけど、ヴァンゲリスの「ブレードランナー」あたりの80年代エレクトロミュージックの強化版って感じで最高です。所属レーベルのサイトの紹介では、ヴァンゲリスとジョン・カーペンターとGOBLINの名前が引き合いに出されていて納得。過去作も含めて、デジタル版は全てbandcampにてname your priceで販売されており、これは聴かない手はないと思いますよ。
http://perturbator.bandcamp.com/





オーストラリアのオルタナティヴ/プログレッシヴ・ロック・バンドClosure In Moscowの6年ぶりとなる二作目。MUSEやTHE MARS VOLTAからの影響も濃厚な、可変しまくる屈折系サウンド。ヴィンテージ・ロックな傾向もあり、見所の多いバンドです。まさかのYMCKをフィーチャーしたチップチューンなボーナストラックにも驚かされた次第。





〈マ肉〉ことマーマレード・ブッチャー。ぎっしりというより「ぎつしり」、そんな魍魎の匣めいた形容がしっくりくるテクい音の濃縮にノックアウトされました。





イスラエルのプログレッシヴ・メタル・バンド。一聴して素晴らしいなという印象。ナイーヴなヴォーカルを生かした曲展開やシンフォニックなアレンジも多く聴かせたりして、単なる押し一辺倒じゃないのが良い。複雑にして劇的。超強力です。





「極黒のブリュンヒルデ」の劇伴を手がけられた鴇沢直氏のオリジナル曲。非常に先鋭的なミクスチャーデジタルフュージョンでシビれる内容。ブリュンヒルデのサントラでも切れ味ある楽曲を多数制作されており、非常によかったです。





kickstarterでの資金調達成立により制作された2Dアクションゲーム「Shovel Knight」のサウンドトラック。ゲームの評判も非常に高いのですが、このサウンドトラックも素晴らしい内容です。メインコンポーザーは、米国有数のchiptunerであるvirtことJake Kaufman氏。さらに一部楽曲で松前真奈美さんも参加しており、二大コンポーザーの夢の共作が実現してしまったというのもミソです。





熱帯JAZZ楽団や、向谷実氏のバンドのメンバーである平川象士氏、「アイドルマスター」や「アイカツ!」、「エースコンバット」「ニーア ゲシュタルト/レプリカント」などの数多くのアニメやゲーム作品の楽曲のレコーディングに参加している後藤貴徳氏、VOCALOID楽曲をジャズアレンジで演奏するビッグバンドLowland Jazzの一員でもある小林修己氏によるインストゥルメンタル・ジャズ・ロック・トリオ。グルーヴィーな技巧派です。





猫ハードボイルド『Black Sad』でも知られるスペインのアニメーター/バンドデシネ作家フアンホ・ガルニドが本気ぶっこいてつくったFREAK KITCHENのアニメーションPV。流石めっちゃぬるぬる動く。マティアス・エクルンドのインタビューによると、ガルニド自身がFREAK KITCHENの大ファンで、今回のコラボレーションは彼のほうからアプローチしてきたそうな。





今年デビューアルバムをリリースしたチリの新鋭バンド ZEPTELAR。スキャット・ヴォーカル入りのラテン・ジャズを基調に、カンタベリー・ジャズ・ロックやチェンバー・ロック要素も忍ばせた緊張感のあるサウンド。これは秀逸。





「棺姫のチャイカ」オープニングテーマ。作編曲者のmanzo氏が以前「今まで一番、自由にプログレ歌謡が出来たように思います」とつぶやかれていたのもなるほど頷けるハードな仕上がり。そして間奏がかなーりプログレッシヴ・メタルしていた。大村孝佳、藤岡幹大の両氏がギターで参加されていたのにも納得。





創作プロジェクト「KOSZONTO」よりリリースされた、西島尊大氏と深水チエさんのコラボレーション作。十数名編成のコーラスを迎えてのド級のシンフォニック・ロックで、溢れるスケール感ととめどない音の奔流に圧倒された次第。崎元仁さんのシンフォニック路線の楽曲や、「神のみぞ知るセカイ」の大作主題歌が好きな手合いならまずハマると思います。





「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のオープニング&エンディングテーマの二曲のPVなのだけども、バカテク炸裂のアレンジ/パフォーマンスでぶったまげた。ベースはTMRサポートメンバーでお馴染みのIkuo氏、ギターはTRIXの菰口雄矢氏、キーボードはSchool Food Punishmentの蓮尾理之氏、ドラムはVenomstripの山崎慶氏、編曲は元WANDSの大島こうすけ氏というメンツもまさに鬼布陣。参りました。





ヴェネズエラとイタリア出身のふたりのメンバーを中心としてアメリカはルイジアナを拠点に活動するプログレッシヴ・メタル・ユニットのデビューアルバムより。ハード・ロックやピアノ・エモ、ジャズ・コンボやナードスタイルまで、なんでもありの雑食性。キワモノ好きは聴いて損はないです。




鮮烈のチップチューン女子。気づいたらリピート再生しておったんじゃ。





「エクストリーム・チップチューン・ダンス・メタル」といういささか盛り気味の音楽性を標榜している、デンバーのソロユニット。グロウル入りチップチューン。大仰、とにかく大仰。





楽曲を生演奏で収録という、シリーズ初の試みを行った「マリオカート8」ですが、メンツを見てビックリ。DIMENSION、T-SQUARE、SOLID BRASSの面々の強力な演奏です。





ロシア・サンクトペテルブルクのプログレッシヴなオルタナ/ハードコアバンド、その名もINDONESIA。そんでもって公式サイトのドメインはマン島(.im)。矛盾の塊である。いや、でもカッコイイんですよINDONESIA。ジャケもよい。





アメリカのプログレッシヴ・ゴシック・メタル・バンド BRAINDANCEの、なんと12年ぶりの新作アルバムからのPV。ハムナプトラ感。何だかわからんがとにかくすごい気合を感じた。フロントマンのマッチョの人のヴィジュアルがズルい。





マイク・オールドフィールドの楽曲のピアノアレンジなのだけれども、これが素晴らしい出来。ドイツで合唱団の指揮者やクラシック方面の編曲を手がけているCarsten Gerlitzという人によるものだそうで、彼のYouTubeアカウントでは、いくつかの楽曲のアレンジを聴くことができます。