Atlantis (2012/11/06) Elephant9 With Reine Fiske 商品詳細を見る |
SupersilentやSHININGのメンバーを擁するノルウェーのオルガン・ロック・トリオ エレファント9の3rdアルバム。ベース、ドラムス、キーボードの編成による即興重視のサイケデリックなジャズ・ロックという音楽性には依然ブレがなく、楽曲の長短に関わらず、各々がパワフルなパフォーマンスを存分に決めこんでいる。ハモンド・オルガンをメインに、フェンダー・ローズ、ミニモーグ、ピアノも駆使して縦横無尽に弾き倒すステイル・ストロッケンのプレイはやはり痛快。ハードコアな疾走感は前作と比べると大分抑え目になったものの、アンサンブルの厚み重みがグググっと増して、じっくり攻めていくタイプの曲構成と相まり、一触即発的ムードが終始充満しているのもエキサイティング、このテンションの持続力にはつくづく恐れ入る。さらに、今回はゲストでLANDBERK~DUNGENのギタリストであるレイネ・フィスケが4曲に参加していて、濃密なトリオの演奏の隙間を縫うようにして、さらなる刺激的ムードと切れ味をプラスしている。ファンキーなノリから一転して重戦車の如きゴツいボトムが腹にクる「Black Hole」、ハード・ドライヴィンで突っ走る「The Riddler」を皮切りに、静謐なアコースティック曲「A Foot In Both」や、「Atlantis」の序盤におけるアンビエントなムードなど一部でクールダウンを挟みつつも、勢いは微塵も冷めやらぬまま聴くものを熱狂的なトランスへといざない続ける。ラストの「Freedom's Children」の終盤は凄まじく、アンサンブルが徐々にボルテージと密度を高めてゆき、さながら全盛期のMAGMAを思わせるほどの凶暴性に息をのむばかり。
◆elephant9『Walk The Nile』(2010)
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