2010年1月10日日曜日

プログレッシヴなゲームミュージック集 Vol.9

2年ほど前にニコニコに投稿した動画「プログレッシヴなゲームミュージック集」の能書きを旧ブログに書き残していたのだけれども、改めて手を加えて書き直し(といってもあんまり変わってないけど)てみる。




●桜庭統&相曽晴日
「アイルロード:遠い日の約束」


ウルフチーム制作による92年のRPG作品:AISLE LOADの主題歌。いかにもな80年代ジャップスプログレナンバー、桜庭氏にとってはDeja-Vu以来の歌モノナンバーだったのではないかと。ちなみにシンガーの相曽嬢は岩男潤子嬢への楽曲提供や、斎藤ネコ氏のレーベルからアルバムを出したりもしているお方。


●宮川泰
「スタートリング・オデッセイ:バトルType2」


レイ・フォースの看板RPGシリーズ1作目。シリーズの楽曲はかの宮川御大が手掛けております(ザ・ピーナッツの陰の立役者であり、宇宙戦艦ヤマトのあの印象深い楽曲を作曲された方と言えばピンときますでしょうか)。数曲あるバトル曲は昭和歌謡みたいな展開のものもあるのですが、この Type2はなかなかそれっぽいのではないかと。


●すぎやまこういち&武内基朗
「46億年物語:最後の選択~ボルボックスとの戦闘(アレンジ)」


ゲームプラン21制作によるSFCアクションRPG「46億年物語 はるかなるエデンへ」より、ラスボス戦アレンジ。このお二方に関してはもはや何も言うことはないですね。ちなみにゲームはライセンス元のエニックスが制作したPC98版の方が評判が良いそうです。


●福田裕彦(&久石譲)
「天外魔境II MANJIMARU」


PS2、ゲームキューブ用ソフトとしてPCEの「天外魔境II 卍MARU」をリメイクしたのが天外魔境II MANJIMARU。楽曲は久石氏と福田氏が手掛けております(久石氏は9曲、福田氏は約50曲を提供)。久石氏の楽曲はやはりメロディに耳馴染み深いものがあり、福田氏の楽曲は激しい展開でガツンと強烈な一撃を見舞ってくれます。


●田中公平
「サクラ大戦」


10分にも及ぶ3曲目は『蒸気蓄音館』に収録。田中公平氏は割とプログレ的な曲も作ってる気が。


●光田康典
「ラジカル・ドリーマーズ~盗まれた宝石~」
「クロノクロス:疾風(Gale)/FATES~運命の神~(Fates)/龍神」


サウンドは前作クロノトリガーと同様素晴らしい出来、民族音楽を見事に消化したサウンドは一見すると地味ですが、個人的には本作が光田氏の最高傑作だと思っています。「疾風」は通常戦闘曲、クロスのプロトタイプとなった「ラジカルドリーマーズ」の楽曲リメイク、「FATES~運命の神~」はストーリー終盤のフェイト戦BGM、双方共にベースラインが非常に印象的。「龍神」は時を喰らうもの戦BGM、イントロのヨイク(北欧先住民族サーミに伝わる歌唱法)と緊迫感に満ちたヴァイオリンによる名曲。


●和智弥生
「パンツァードラグーン ツヴァイ:運命の始まり/決着」


民族色とプログレを織り込んだシンセミュージック。作曲者の和智弥生氏は今何をされているのでしょうか。


●平沢進/井元雅也/井上博美
「ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章:城へ/血の執着/パラサイト/ZODDO II」


どうしても平沢御大を入れたかったので。平沢氏の楽曲もさることながら、井元氏と井上嬢の楽曲もまた熾烈。


●山岡晃
「サイレントヒル:SILENT HILL」
「サイレントヒル2:Overdose Delusion」


楽曲は禍々しいオーラを放つノイズ&ダークアンビエント系が多いのですが、数曲ほどANEKDOTENとかANGLAGARDを思わせる北欧暗黒プログレじみたものがあります。ギターの枯れたアルペジオといい、たゆとうメロトロンの音色といい、荒涼としたニュアンスはどこか似通ってるなあと。