2010年1月12日火曜日

帰ってきたプログレッシヴなゲームミュージック集≪前編≫

「プログレッシヴなゲームミュージック集」VOL.1~10を投稿してから1年後に投稿した「プログレッシヴなゲームミュージック集 RETURNS」前後編。その前編の能書き。




●中潟憲雄
「源平討魔伝(AC):頼朝」


これぞ和風タルカス。ちなみにこのタルカス展開は超絶倫人ベラボーマンでもやっております。


●増子司
「真・女神転生:カテドラル」「真・女神転生II:3D:魔界」


モロに中期キングクリムゾン。「3D:魔界」は91年に出た女神転生I&IIサントラにおける米光亮アレンジの「Omega」のイントロフレーズ拡張版という印象も受けます。真メガテンIIは94年の作品なので、この楽曲はあのアレンジに触発されて出来たのでしょうかね?


●大山曜
「シルヴァ・サーガ」


やたらとKING CRIMSONチックな1曲。元々は初期ASTURIASの楽曲でありました。


●渡辺邦孝
「デスクリムゾン:アッシム」


これもモロにKING CRIMSONです。ゲームの評価がアレなのに引きずられる形で音楽の方もアレな評価をされがちですけど、せめて音楽はもうちょっと評価されてもいいんじゃないでしょうか。


●小谷野謙一
「グレート魔法大作戦:Thunder Storm」


本山淳弘氏と小谷野謙一氏の二人が楽曲を担当した魔法大作戦シリーズ第三作目。小谷野氏の楽曲はプログレがかってるように思います(どことなくEL&Pの「庶民のファンファーレ」みたいだからかしらん?)。


●コナミ矩形波倶楽部
「グラディウスIII:Sand Storm/Fire Scramble/Cosmo Plant」


作曲はプロフェット深見(深見誠一)、MIKI-CHANG(東野美紀)、ラ・ナカムール(中村圭三)の三名。ステージ7の「Fire Scramble」はRenaissanceの『シェエラザード組曲(Song Of Scheherazade)』の序盤パート「Fanfare」に似ているというネタがありますね。ちなみに、プロフェット深見こと深見誠一氏も泉陸奥彦氏と同様、80年代にプログレッシヴジャズロックバンド:KENNEDYのメンバーのひとりでありました(1stアルバム『Twinkling Nasa』にキーボーディストとして参加。ケネディ以外の作品ではNOVELAの五十嵐久勝氏のソロアルバムでも名前が確認できます)


●吉田健志
「UFOロボ ダンガー:ブルー・パラドックス」
「超時空迷宮レジオン:戦闘母艦ダーク/ダーク・ベイダー」
「フォーメーション アームドF:BONE」


ひたすらハイテンションだったりアグレッシヴだったり、はたまたふらりふらりと不安定だったり、吉田氏によるニツブツサウンドはまったく奇妙なインパクトに満ち満ちております。


●泉陸奥彦
「メタモルフィックフォース:火の鳥/デスシャドウ」


ジャズ・ロック、プログレ、ハードロック、クラシックのごった煮な曲がアツいベルトスクロールアクションゲーム。「火の鳥」はギタドラのMODEL DD6の元ネタ。「デスシャドウ」はMahavishnu Orchestra「Birds Of Fire」のフレーズが挿入されていたり、アツいギターソロ&ドラムソロが入っていたりと縦横無尽にやりたい放題やっています。


●大久保治信
「戦国TURB:SENGOKU TURB/真の敵」


今でも根強いファンがいるドリームキャストのアクションRPG。作曲者の大久保氏はGOOD JOBなるプログレバンドでキーボーディストを務めていた方でもあります。なので本編中にはキーボードプログレ系の楽曲がいくつかあったりします。


●武内基朗
「GUNGRIFFON THE EURASIAN CONFLICT」


初代ガングリフォン。捻じ曲がったジャズロックみたいな楽曲があるのがなんとも武内氏らしいと言わざるを得ない。サントラも素晴らしい内容。


●松尾早人
「サイバリオン(SFC)」


アーケード版サイバリオンはZUNTATAの渡部恭久氏が作曲を担当、SFC版サイバリオンはすぎやまこういち監修、松尾早人作編曲。AC版と方向性があまりにも違いすぎるため評判がすこぶる悪いSFCサイバリオンの楽曲ですが、個人的にはメリハリがビシバシ効いていてなかなか聴き応えがあるなあという印象を持ちました。とにかくSFC版はベースの暴れっぷりが半端ないです。


●半沢紀夫/入江純)
「ガンスターヒーローズ:Empire-The Final Assalt(アレンジ)」


トレジャーの名作。NONこと半沢紀夫氏はトレジャー移籍前にプレイバック半沢の名前でコナミ矩形波倶楽部に在籍しておりました。ステージ5の楽曲のアレンジは80年代のIT BITESみたいなポップなプログレの匂いを感じさせる仕上がり。


●竹内出穂/SEGAROCKS)
「MD/ファンタシースターIII:Planet Parma(アレンジ)」


SEGAROCKSはセガゲーの楽曲をハードロックアレンジするという目的で、元リンドバーグの小柳昌法、元聖飢魔II/CANTAのルーク篁、元BLIZARDの寺沢功一など、錚々たる面子が参加したプロジェクトバンド。セガラリーやバーチャロン、ファンタジーゾーン、セガガガなどの楽曲が全編アツいハードロックアレンジで展開されております。このファンタシースター IIIのアレンジは結構プログレ寄り。途中にYESのSiberian Khatruのフレーズが入っているのはご愛嬌といったところでしょうか。


●96 feat.藤本美樹
「ポップンミュージック16 PARTY♪:ポルターガイスト」


ジャンル「ヴァイオリンプログレッシブ」でポップンミュージック16 PARTY♪に収録されているプログレ曲。96こと黒沢ダイスケ氏はプログレメタルバンド:軌道共鳴 Orbital Resonanceのメンバーであり、ヴァイオリンを弾いている藤本氏はプログレバンド:Fantasmagoriaのメンバーであります(一時期ASTURIASのライヴサポートも務めていたそうで)。


●Dioramic Phono Odor(谷口博史)
「MOON:BLUE」


MOON本編に登場するムーンディスクの音楽には多彩な楽曲があるのですが、その中のプログレ曲がコレ。元イル・ベルリオーネの谷口氏作曲によるエレクトロニカプログレ。


●崎元仁&岩田匡治
「マジカルチェイス:コオリじゃないのよ!/ラー族のセンリツによる へんそうきょく」


崎元氏の今のオーケストラな作風も好きですけど、この頃のような作風の曲また作って欲しいなあとちょっと思ったりします。


●細江慎治/米光亮
「ドラゴンセイバー:火山(アレンジ)」


メタルホークやドラゴンセイバー、アサルトなどの細江氏の楽曲はやっぱりプログレ的なものを感じます。


●海老原博
「R-TYPE Δ:ステージ3 [巨襲]」/南部栄作「R-TYPE Δ:ボス[メカ系]」


暗闇の中をうねる様な妖しい雰囲気抜群の楽曲で統一され、高い評価を得たR-TYPE Δの楽曲ですが、前者は静かながらも複雑な盛り上がりで、後者はねじくれまくった鋭い激しさで特にプログレッシヴな趣を感じさせてくれます。


●Falcom Sound Team jdk
「英雄伝説 空の軌跡 The 3rd:山猫号反攻作戦/Overdosing Heavenly Bliss」


ファルコム作品の楽曲には昔から現在に至るまで連綿とプログレが受け継がれておりますよね。


●植松伸夫
「ブルードラゴン:影をとりもどせ!/封印解放」


イアン・ギランを起用した戦闘曲はちょっと苦しいものがありましたが、サントラは多彩な良曲揃い(FFV~VII の雰囲気を感じさせるところもチラホラ見受けられ、ニヤリとさせられるところも)でありました。「影をとりもどせ!」はPFMのような(というかモロに PFMです)陽気なノリを彷彿とさせる1曲。「封印解放」では伝統の植松流プログレハードっぷりを遺憾なく発揮しております。


●桜庭統
「グラナダ:Heavy Line~Windy Avenue~Tap(アレンジ)」


グラナダのサウンドトラックよりアレンジメドレー。初期の桜庭氏らしいプログレアレンジ。


●渡部恭久
「メタルブラック:Time(アレンジ)」


メタルブラックは何というかゲーム自体が色々とプログレッシヴな気がしますが、その魅力を何倍にも引き出していたのがYack氏による楽曲の数々。オリジナルも素晴らしいですが、別の切り口を見せたアレンジアルバム『METAL BLACK -The First-』もオリジナルに勝るとも劣らぬ素晴らしい内容。伊藤真澄嬢をコーラスにフィーチャーしたこの曲などは非常に「らしい」雰囲気があると思うのですがいかがでしょうか?


●大山曜
「獣神ローガス」


以前アレンジ版を入れたので原曲版を。そういえばこの曲って13/16拍子?


●田中宏和
「メトロイド(ディスクシステム版):エンディング」


EL&Pの悪の経典第3楽章をオマージュしたのではないかとよくネタにされるメトロイドのエンディング曲。確かに終盤の展開に似たところがありますね。