2010年1月8日金曜日

プログレッシヴなゲームミュージック集 Vol.7

2年ほど前にニコニコに投稿した動画「プログレッシヴなゲームミュージック集」の能書きを旧ブログに書き残していたのだけれども、改めて手を加えて書き直し(といってもあんまり変わってないけど)てみる。




●渡辺邦孝
「デスクリムゾン」


デス様。ゲーム内容はアレですが、楽曲は正真正銘プログレです。エコール社長が無類のキングクリムゾン好きのため楽曲をプログレにするようにリクエストしたとかしなかったとか(ホントかなあ?)。作曲者はマルチパフォーマーとして活動されている渡辺邦孝氏。ACTION、NOVELAの前身バンドである「山水館」のキーボーディストを一時期務めていたこともあったそうです。あれから2年経っても未だにサントラを入手できておりません。現物が欲しいです、切実に。


●中潟憲雄
「超絶倫人ベラボーマン」「未来忍者」


共に88年作品。ベラボーマンは源平討魔伝のスタッフが制作。未来忍者は雨宮慶太監督により映像化もされております。暴れん坊天狗、源平討魔伝同様、楽曲は中潟節全開の仕上がり。やっぱりそれっぽい(タルカス的な)フレーズがあってニヤリ。


●S.S.T.BAND
「R360[G-LOC]:Earth Frame G」


体感ゲーム筐体「R-360」専用ソフト。作曲はバーチャロンシリーズなどでも知られる光吉猛修氏。S.S.T.BANDは基本フュージョンですが、この曲はプログレ・フュージョンと呼べるんじゃないかと。


●梅垣留奈
「チョロQ3:ミドルサーキット「ALTERNATERY」」


2に引き続きミドルサーキットの楽曲はプログレ・フュージョン。なかなかチック・コリアな感じ。


●近藤浩治
「ヨッシーアイランド:大ボスBGM」


プログレというかオルガン・ロック。ちなみにクッパ戦BGMは完全にオルガン・ハード・ロックと化しております。


●福田裕彦
「スーパーボンバーマン2」


ボス戦を2曲。ボンバーマンシリーズの楽曲は殆どが竹間ジュン女史が手掛けているのですが、スーパーボンバーマン2の楽曲は例外の一つで、SFC/PC98エメラルドドラゴンや天外魔境IIの作曲に関わったことでも知られる福田氏が担当しております。堂々たるサウンド、SFチックでハリのあるメロディーは耳に残ること必至。プレイ中に落ち着いて聴けたためしがありせんが、よく聴くとこれがなかなかプログレッシヴなんですよね。


●コナミ矩形波倶楽部
「ツインビー ヤッホー:Schizoid Doll」


5面ボスBGM。タイトルはKING CRIMSONの「21st Century Schizoid Man」を意識したんでしょうか?


●石川淳「ハイパーゾーン」
●石川淳/宮川弾「星のカービィSDX:V.S.マルク」
●石川淳/安藤浩和「星のカービィ64:02」


石川氏はHAL研サウンドチーム所属のコンポーザー。ハイパーゾーンは91年制作のSTG。星のカービィはもはや説明不要ですね。石川氏の楽曲は「プログレだ!」とは言いづらいものの、曲によってはどことなくプログレチックな隠し味があるように思うことがしばしばあるのですが、どうでしょう?中でも「V.S.マルク」は変拍子と転調で構成されている耳コピ泣かせの難曲、そしてカービィDXの楽曲の中でも屈指のインパクトとドラマ性を誇る名曲。エンディングとの繋ぎで感動した人も多いはず。64版のコレは別にプログレじゃないんですが、ノリで入れた。


●Geoff Follin&Tim Follin
「PLOK!:Plok's House/Akrillic」


アクション洋ゲー:プロック!。VOL.7で一番の目玉はこの作品。楽曲を手掛けたのはジェフ&ティムのフォーリン兄弟。のどかで牧歌的な雰囲気と聴き手を飽きさせない起伏豊かな展開でじっくりと聴かせていくタイプの楽曲は、シンフォニック・プログレ/トラッド・プログレと言ってしまっても遜色がないくらいの素晴らしい出来栄え。今回チョイスした「Akrillic」「Plok's House」はそれぞれ7分半、5分半もの長さを誇る楽曲。70~80年代のプログレバンド(GENESIS、CAMEL)の楽曲のようなファンタジー度の高さに、聴いてるこちらの頬も思わずほころんでしまいます。弟のティム氏もさることながら、兄のジェフ氏もなかなかのやり手だなーと。


●Naya~n(古賀博樹)「POP'N MUSIC 14:Deep Magenta」
●NL&P「POP'N MUSIC 7:EXCALIBUR」
●Naya~n feat 野獣王国「POP'N MUSIC 9:Tower of the Sun(Long.Ver)」


いくつもの別名義を持つコナミデジタルエンタテインメント所属のコンポーザー:古賀博樹氏。Naya~n(なや~ん)とは彼が最もよく使う名義であります。「Deep Magenta」は、"3/8拍子+3/8拍子+2/8拍子という複合リズムが中心となっており、変拍子も含むややこしい構造"を持った曲。ドラムを叩いてるのはKENSOの小森啓資氏。この複雑なリズムを平気な顔して叩いて見せたそうです。「EXCALIBUR」は NL&P名義のキーボードプログレナンバー、名義の時点でEL&Pを意識しているのがモロわかりで微笑ましい。「Tower of the Sun」は難波弘之率いるフュージョンバンド:野獣王国をゲストに迎えてのハードなナンバー。白熱したソロの応酬が繰り広げられるプログレ・フュージョン。


◇番外:古代祐三「4operators」

オマケ。企画アルバム『FM音源マニアックス』の古代氏の提供曲。かなりEL&Pなキーボードインスト。「どこか懐かしいプログレ風味」とは古代氏の弁。