2010年1月13日水曜日

帰ってきたプログレッシヴなゲームミュージック集≪後編≫

「プログレッシヴなゲームミュージック集」VOL.1~10を投稿してから1年後に投稿した「プログレッシヴなゲームミュージック集 RETURNS」前後編。その後編の能書き。




●大久保治信
「戦国TURB FanFan I Love Me Dunce-Doublentendre」


戦国TURBのファンディスクより。モロにEL&P「Hoedown」。


●アリスソフト
「ランス -光を求めて- & ランスII」


ランスI&IIの楽曲には笹井隆司氏が関わっているという話があるのですが、聴いてみると確かに笹井氏じゃないかなあという感触の楽曲があります。後のルドラの秘法あたりに通ずる作風というか。


●阿部功
「ストリートファイターZERO 3:Shining one - Theme of SAGAT -」


変拍子のわけわからなさではSF2のサガットのテーマの方に軍配が上がるんですが(7/8、8/8に加えて11/8拍子とかもうなにがどうなってんのかわけがわかりません)、プログレっぽさならSFZERO3かなと。こちらは7/8+8/8拍子。


●MUMU
「ギフトピア:役人#4」


ラブデリックのスタッフが設立したスキップ制作によるGCのオルタナティヴRPG作品。本編に登場するラジオ局:ナナシFM(MOONにおけるムーンディスク的ポジション)の楽曲のひとつ。不安定なジャズ・ロック。


●Falcom Sound Team jdk
「ZWEI!! 魔王の両腕-ハンド-」「ZWEI 2:我にひれ伏せ」


「魔王の両腕」はVol.2にも入れたのですが、今回はPSP版アレンジも追加、アレンジされてもやはりタルカスです。「我にひれ伏せ」は心なしかEL&Pをオマージュしたクロノトリガーの戦闘曲(通常バトル + ボスバトル)のさらにオマージュといった感じがします。


●佐藤天平
「BEAST:序章」


バーディーソフトのエッチな美少女ホラーADVゲームの曲。どことなくマイク・オールドフィールドチック。


●加藤恒太
「かまいたちの夜:雪の中の進路」


なんとなーく聴いてたらそれっぽく聴こえてきたのですが。いかがでしょう?


●タケカワユキヒデ
「ソウルブレイダー:ロストサイトの沼地」


クインテット三部作の第一作目。音楽はタケカワユキヒデ氏が担当しており、随所に意欲的な試みがあって面白い仕上がりになっているのが特徴 (サントラの最後に収録されているヴォーカルアレンジは意欲的過ぎて賛否両論あるみたいですが)。「ロストサイトの沼地」は気持ちが良いベースが聴ける1 曲。


●S.S.T.BAND
「R360[G-LOC]:Earth Frame G」「ストライクファイター:K-CITY」


どちらもセガの体感大型筐体ゲー。「Earth Frame G」は以前アレンジ版をVol.7に入れたので、原曲版を。改めて聴いてみたら原曲のほうがアレンジ版よりプログレ度が高い気も。あと、作曲者のR三郎丸 (光吉猛修)はR360をもじったものだと最近になってようやく気づきました。「K-CITY」はVol.10に入れようと思っていたのに入れ損ねた曲。このうねりがいい。


●渡辺達也
「エア・バスター:Mechanized Cave」


カネコ(金子製作所)の横シューティング。ゲーム自体はオーソドックスなSTGで、曲調は歯切れの良いベースラインを押し出した爽やかなものが多いんですが(「シーサイドフロント」をはじめ良曲揃い)、このステージ2の曲だけ11/8拍子の変拍子が展開されており、やたら耳に残ります。


●高橋コウタ
「Ace Combat 2:El Dorado」


メロウなシンセフレーズがたまらない1曲。高橋氏によるエスコン2サントラ楽曲解説によると、この曲はドラゴンスピリットとDREAM THEATERの影響を織り込んだ曲なんだそうな、だからプログレっぽいのか。高橋氏の楽曲解説は非常に興味深い内容なので楽曲と合わせて是非とも。しかし、サントラが出ていないのはもったいないなあ。


●小谷野謙一(編曲:崎元仁)
「アームドポリス バトライダー:Cool Riding」


前編から引き続き登場の小谷野氏。魔法大作戦シリーズ、バトルガレッガのキャラやボスも入り乱れてのオールスターなゲーム内容に、崎元仁、並木学、小谷野謙一、本山淳弘、岩田匡治といったオールスターな作曲陣が参加したライジングのSTG。「Cool Riding」はステージ6テーマ。小谷野氏のこういう曲調はドラゴンセイバーやソルフィースの楽曲に通ずる雰囲気。(そういえば桜庭統氏のソルフィースの楽曲にも庶民のファンファーレみたいな曲調の曲があったなあ)


●細江慎治
「鋳薔薇:Sky High/Rose Garden」


鋳薔薇の楽曲は全編疾走感に溢れたプログレハードロックでかなり聴き応えがあります。この2曲ではオルガンのフィーチャー度が高いのも嬉しい。


●菊田裕樹
「双界儀:Energy/Absolute Lady」


菊田氏のスクウェア在籍最後の作品とあって多数のミュージシャンを起用し、実に豪華なサウンドを展開していた双界儀の楽曲はプログレハード/フュージョン寄りの骨太な楽曲が多く、名盤。現在サントラは高騰してしまっているので、是非とも再販もしくはダウンロード販売をして欲しい1枚。


●大山曜
「ミネルバトンサーガ:アイスパレス(原曲&アレンジ)」


瑞々しい6/8拍子フレーズの繰り返しが印象的な楽曲。原曲&ASTURIASによるアレンジVerのクロスフェードで。


●福田裕彦
「エメラルドドラゴン(PCE版):避け得ぬ戦い/ファイナルボス」


Vol.1にSFC版のヴァージョンを入れましたが、こっちはPCE版。音源が良いこともあってSFC版以上に楽曲のテンションがヤバイことになってます。


●迫田敏明/吉川哲也
「エイリアンクラッシュ:Demon's Undulate(アレンジ)」


コンパイル開発のデジタルピンボールゲー。ラストグラディエーターやネクロノミコンといったピンボールゲーもそうでしたが、このゲームも基本的にHR/HM調の楽曲でまとめられております(ちなみにデビルクラッシュの方はMD版の移植をテクノソフトが担当しており、そっちは楽曲の音色がモロにサンダーフォースシリーズのソレなので、グッとハードロッキンな感触)。そして90年に出たのがデビルクラッシュとエイリアンクラッシュの楽曲をカップリングしてのアレンジアルバム。さらなるメタリックなアレンジが施されており(アレンジャー陣の中にはBOWWOWの斉藤光浩氏の名前もある)、普通に良質なHR/HMアルバムとして聴けるシロモノになっております。その中で「Demon's Undulate」はおどろおどろしかった原曲に変拍子テイストを加えプログレ化。


●吉田健志
「テラクレスタ 3D:チューボ 他」


音源のグレードがアップしたことでアレンジもグレードアップ。「チューボ」はオケ&バンドアレンジでさらにプログレ度が上がった。もうひとつの曲はタイトルがわからないのですが、9/8拍子の展開があやしげで良い。


●崎元仁
「レイディアントシルバーガン:PENTA -第五部隊-」


崎元氏のオケ調の楽曲にはたまーにプログレっぽいと感じるものがあったりするんですよね。FFTの「Apoploxy」とか。


●川田宏行/西脇辰弥
「ワルキューレの伝説(アレンジ)」


ワルキューレの伝説アレンジなのですが、このアレンジが収録されていたのはワルキューレの伝説のアルバムではなく、フェリオスやロンパーズの楽曲が収録されていた『ナムコ・ビデオゲーム・グラフィティ Vol.6』、そのラストに収録されておりました。オケアレンジで壮大に始まったかと思えば急に激しいジャズロックパートに移行するという西脇氏のこの強烈なアレンジは聴き応えがあります。


●久保田修
「グラナド・エスパダ:Odyssey」


韓国産MMOPRGより。BEATMANIA IIDXへの楽曲提供者としてもお馴染みの久保田氏がコンポーザーの一人として参加しております。ライトなMAGMAといった印象。ちなみにこの人、あまりにも変拍子ばっかり弾きすぎて一時期普通の拍子がまるっきり弾けなくなったとかというエピソードがあるとかないとか。


●桜庭統
「シャイニングフォースIII:Persistance Of Hope(アレンジ)」


96年の発表された『ビヨンド・ザ・ビヨンド』『シャイニング・ザ・ホーリィアーク』のアレンジアルバム、その2年後に発表されたのがシャイニングフォースIIIのアレンジアルバム。先の2枚に比べると少々インパクトは薄れましたが、3ピースバンド編成によるシンフォニックロックアルバムとしてはこれまた申し分ない出来。ちなみに国内盤と海外盤では収録曲が違っており、8分にも及ぶ「Persistance Of Hope」は海外盤に収録されている曲。(国内盤の方は代わりに「Shining Force Medley」が収録されています)


●植松伸夫
「ロストオデッセイ:亡魂咆哮」


X-BOX360の大作RPG作品。情景描写に徹していたオーケストラ調の曲が多く、今ひとつ物足りない感があったロストオデッセイの楽曲ですが、このラスボス曲だけは別格。ブルードラゴンのラスボス曲も相当なものでしたが、こちらはそこからさらに輪をかけたド派手かつ壮大な大曲。プログレメタリックなアレンジにたっぷりと乗っかるゴツいクワイアコーラスに、弾き語りギタリスト:日比谷カタン氏をフィーチャーしてのラップ調の語りがさらに疾走感を煽る。近年の植松氏の楽曲の中でも会心の1曲ではないでしょうか。