2016年7月20日水曜日
トレードマークはケツアゴ。マンチェスターの“ターボ・プログレ”デュオのラストアルバム ― Cleft『Wrong』(2016)
THE MARS VOLTAやOCEANSIZE、Adebisi Shankなどから影響を受けたギタリストのダンとドラマーのジョンの二人による、イギリス・マンチェスターのプログレ/マスロック・インストゥルメンタル・デュオ クレフト。ユニット名は「割れ/裂け」を意味し、バンドのイメージキャラクターはケツアゴの青年ということで、アゴに妙なこだわりを持った人たちでもあります。2011年に結成され、2012年に4曲入りEP『Utter』でデビューした後、同年9月に5曲入りEP『Whale Bone』をリリース。その後、一年半ほど間が空くものの、2014年2月に1stフルアルバム『BOSH!』、同年7月と8月にライヴ音源6曲入りEP『Exit…Stage Cleft』と2曲入りチャリティシングル「Onan's Boulder/Me, Sugar」を立て続けにリリース。カムバックを果たしたかに見えたのですが、残念なことに、今年の4月にデュオは解散を発表。フェアウェルツアーに先がけて5月にリリースされたこの2ndフルアルバム『Wrong』がラストアルバムとなりました。四つのスタジオを渡り歩いて録音された本作は、先行配信された"Onan's Boulder" "Me, Sugar"を含む全12曲。バウンシーなリフと歯切れのよいドラムを軸に、コンパクトに切って投げるマスロックチューンは、2ピースジャムバンドゆえの瞬発力や足回りの速さが最大限に発揮されたもの。へヴィなグルーヴとタメの効いた"Frankenstein" "D.O.N.G. 808"や、じわじわと追い込んでゆくかのような"Me, Sugar"、軽やかなシフトチェンジがキマる"Onan's Boulder"などは、「14分の楽曲を3分に凝縮する」という例えで表される彼らのスタイルが堪能できる楽曲です。
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