2016年6月20日月曜日

マルチな才能がさらに開花した、元Big Big Trainのドラマーのソロ二作目 ― Steve Hughes『Once We Were, Part One』(2016)

ONCE WE WERE-PART ONE
ONCE WE WERE-PART ONE
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STEVE HUGHES
JFK (2016-06-24)


 The Enid(1993~1998)や、Big Big Train(1991~1998、2002~2009)、ジョン・ミッチェルのKINOにも一時在籍していたこともあるイギリスのドラマー スティーヴ・ヒューズ。バンドを脱退後、2015年3月に『Tales From The Silent Ocean』でソロデビュー。長年の友人であるJ・C・ストランドや、元Big Big Trainのショーン・フィルキンス、CITIZEN CAINのスチュワート・ベルらのサポートのもと、躁鬱に苦しむジャーナリストをテーマとしたコンセプト作を創り上げました。それから一年を経て、早くもリリースされた二作目が本作。二部作の前半パートとなるアルバムであり、前作にも参加したポーランド人ヴァイオリン奏者のマチェイ・ゾロウスキや、サックス奏者、DARWIN'S RADIOのデック・バークら複数のギタリストが参加。ショーン・フィルキンスもそうですが、元Big Big Train組は爆発力のあるモダンプログレチューンをつくるのがめちゃくちゃ上手い。聴き手をいっさい飽きさせないリズムパターンの変幻自在ぶりはさすがドラマーであり、TOTOやRUSH、IT BITESやFROST*にも通じる芯の太いメロディック・ロック/モダン・プログレチューンを創り上げています。本作では冒頭から33分もの大曲"The Summer Soldier"を配しており、楽曲へのすさまじい自信の現れを感じさせます。一方で、"Kettering Road" "That Could've Been Us"、ピアノ/シンセやストリングス中心の小品"Propaganda Part 1" "Second Chances"などの甘いメロディをもつポップスナンバーが多いのも、TEARS FOR FEARSやSCRITTI POLITTIをフェイバリットに挙げる彼らしい。男女デュオで歌い上げられるラストナンバー"Saigo Ni Moichido"は、なぜか日本語タイトルのハートウォーミングなバラードです。マルチ奏者/コンポーザーとしての才がさらに開花した、充実の一作といえます。





Steve Hughes: Interview
(from Official Site)

『Once We Were, Part One』 - progstreaming
全曲ストリーミング試聴(期間限定)

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