2016年6月18日土曜日

モスクワの地で繰り広げられる、ジャズとロックのプログレッシヴなせめぎ合い ― M-ARTel『War and Peace, ep7』(2013)



 60年代ロック/ポップスにルーツと憧憬をもつサックス奏者のミハイル・イヴァノフを中心として活動していたバンド Old wine in a new bottleが改名する形で2010年に始動した、ロシア・モスクワのフュージョン インストゥルメンタル・バンド M-ARTel。2011年に1stアルバム『The Assemblage Point』、2013年に2ndアルバム『War and Peace, Episode VII』(↑)、2015年にライヴアルバム『Озорные Панкушки (Merry Punks)』をリリース。バンド自ら「チャーリー・パーカーがレッドツェッペリンとジャムり、ジョン・コルトレーン・カルテットにジミヘンが加入したような」サウンドと形容している通り、ライヴ感に富むオールドスクールな魅力と、サックスとエレピ/シンセサイザーをガッツリを前面に押し出したジャズロック。スムースジャズ、ブルーズ、ファンク、ハードロックと歯切れよく表情を変えていくさまはじつに痛快です。「ラスト・オブ・モヒカン」の酋長チンガチュックと「スター・ウォーズ」のダースベイダーの抗争(!?)を、たっぷりととられたスリリングなソロ回しでとともに描いた10分越えのジャズロック"Chingachgook vs. Darth Vader"は圧巻の一言。



http://www.m-artel.com/
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https://soundcloud.com/m-artel
http://www.progarchives.com/artist.asp?id=9671