2016年5月7日土曜日
メロディアスなギターが冴える、眩惑のジャーマン・シンセウェイヴ ― Zombie Hyperdrive『Hyperion』(2016)
2000年以降に興ったシンセサイザー・ミュージックのリバイバルであり一ジャンルである「Synthwave/Retrowave」。登場からすでに10年以上が経過していますが、その活況はいまなお続いております。ゾンビー・ハイパードライヴは、ドイツのエレクトロ・ユニット。2009年より活動を開始したそうですが、プロフィールは依然として謎に包まれたままです。2013年にアルバム『The Cobalt Ship』をリリース。この時はまだ多分にアンビエント、ハウス寄りの作風で、楽曲的にも習作という印象がありました。その後、Arc NeonやAerocrushの楽曲のリミックスや、習作でdjentのリミックスなども手がけつつ、2015年にはニューヨークのシンセウェイヴレーベル「NewRetroWave Records」のコンピレーションアルバム『Magnatron』に"Gigawatt"を提供し、同レーベルに参画します。今年リリースされた『Hyperon』は、約3年ぶりとなる新作アルバムにして、シンセウェイヴアーティストとしての実質的なデビューアルバム。FMシンセと哀愁を孕んだ煌びやかなメロディという要素でガツンと押し切ってしまえるので、ことシンセウェイヴにおいては「差異化」というのはほとんどあってないようなものですが、ゾンビー・ハイパードライヴは"Red Eyes"や"Citadel"のような、メロディアスなギターソロが多分にフィーチャーされたロック寄りな楽曲がチラホラとあるところがポイント。さじ加減次第でさらに化けそうです。
『レッドライン』の映像を使用したホットなPV。ナイスなマッチング。
https://www.facebook.com/ZombieHyperdrive/
https://zombiehyperdrive.bandcamp.com/
https://soundcloud.com/zombie-hyperdrive