bandcampで異常なペースで作品をリリースしている手合いに遭遇することはそう珍しくはないです。Esmectatonsは、ブラジルのアンダーグラウンドで常軌を逸した活動を続けているアヴァン・ポップ・バンド。いちおう、四人組らしい。エルメート・パスコアル、アヒーゴ・バルナベー、ジョアン・ジルベルト、ジョン・サーマン、Throbbing Gristle、NAKED CITY/PAINKILLER、CARDIACS、SOFT MACHINE、VOIVODなどからの影響を挙げており、音楽性はアヴァン・ポップともポストパンクともデスメタルともスペースロックともグラインドコアともノイズともヘヴィプログレとも言ってしまえるのだけど、リリースペースをふくめてのあまりの傍若無人ぶりに、スカム・ミュージックとしかいいようがないです。スタジオのセッション一発録りをそのままリリースするし、メチャクチャなコラージュで曲をこしらえてみたりする(装甲騎兵ボトムズの次回予告をぶっこんで曲にしてしまうのは彼らぐらいのものじゃないかと)。それらは数十パターンにわたるジャケット違い(といっても雑誌やチラシなどからの切り抜き)、楽曲ランダム収録といった酔狂な仕様で手焼きCD-Rやカセットテープでも販売。軒並み完売させているあたり、色んな意味でツワモノです。配信版は基本的に投げ銭でダウンロードできるので、ちょっと聴いてみて下さい。まずはベクシンスキーに捧げられた2014年作『Slowa』あたりからどうでしょう。
https://www.facebook.com/esmectatons