2016年3月9日水曜日

冴えわたるアレンジで踊るミネアポリスのミクスチャーロックバンド ― SOAP『Piece by Piece』(2012)




 アメリカのミクスチャーロックバンド SOAP。もともとはシカゴ南部で結成され、2007年にミネアポリスに活動の拠点を移し、現在も各地のフェスをサーキットしながら活動中のバンドです。本作『Piece by Piece』は、2006年作『Lather』、2011年作『What's in the Box』に続く三作目のフルアルバム。バンド自ら“Dance Infused Rock”を標榜。「LED ZEPPELINとP-FUNKのツーマン昼興行をDREAM THEATERで観たあとにアムステルダムのディスコで朝まで踊るイメージ」という絶妙な例え方をしていますが、ジャズ、ファンク、ブルース、ジャム、カントリー、サイケデリック・ロック、エレクトロ・ポップ、プログレッシヴ・ロックなどからの影響をバンバン投射して懐を広げまくった音楽性は、べらぼうに巧いアレンジセンスと、ライヴ指向の貫禄たっぷりのパフォーマンスを伴っており、ハッタリではない納得力があります。結果的に一級のオルタナ・プログレとしても成立してしまっているのがなんともユニーク。鮮やかに手を変え品を変えて聴き通させるバンドマジックに魅了されました。その後、バンドは2015年10月に四曲入りEP『Just a Moment』をリリース。そして今年の4月26日には通算四作目となる新作フルアルバム『The Life We Live』のリリースを予定しております。





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