2016年3月8日火曜日
Redemptionのドラマーがマルチな才能を発揮した秀逸な初ソロ作 ― Chris Quirarte『Mending Broken Bridges』(2016)
ロサンゼルスのプログレッシヴ・メタル・バンド Redemptionの約四年ぶりとなる新作アルバム『The Art of Loss』が、さる2月26日付けでリリースされたのですが、同作に十日ほど先駆ける形で、Redemption(2002年より在籍)のドラマーであるクリス・キラルテのソロアルバムが出ました。これ、本隊に負けず劣らず出来がよいです。昨年2月にkickstarterでサポートキャンペーンを立ち上げ、目標資金を達成。アルバムは10分越えの大曲3曲(うち"Half Life"は16分)をふくむ全8曲。クリスは本作ではドラムのほかにキーボード、そしてヴォーカル(!)も担当。しかもこれがうまいのです。PRIMARY時代から楽曲を制作していたほか、自宅スタジオでもじっくりとマテリアルを書き溜めていたとのことで、ソロアルバムを出したくなったというのも当然の帰結でしょう。楽曲は全体的にメロディアスな展開を重視しており、聴き応えも十分。また、アルバムにはRedemptionのフロントマンであるニック・ヴァン・ダイク(g)&バーニー・ヴェルサイユ(g)、ショーン・アンドリュース(b)に、クリスがRedemption加入以前よりフロントマンとして在籍しているプログレッシヴ・メタル・バンド PRIMARYの盟友 ショーン・エントリキン(g)を迎えているほか、プログレッシヴ・ロック方面からはENCHANTのエド・プラット(b)、ニール・モーズのバンドの右腕的存在であるランディ・ジョージ(g)、エリク・ノーランダーのRocket Scientistsのドン・シフ(stick)が参加し、手厚くサポートしております。