2007年3月8日木曜日
ARRAKEEN『Patchwork』(1990)
フランク・ハーバートの『デューン~砂の惑星~』に登場する都市の名前を冠するフランスの5人組シンフォニック・ロック・バンド「アラキーン」の1stアルバム。MARILLIONやPENDRAGONといった英国ネオプログレ勢の影響が強く、楽曲展開はもちろん、ギターの泣きやキーボードの淡いトーンからもそれが如実に伺えます。突出したものはないのですが、たおやかなハイトーンを聴かせるマイコ嬢のヴォーカルを中心とした、しつこ過ぎないアレンジのシンフォニック・ロックはなかなかの好印象。アンサンブルが良く噛み合っています。全4曲30分というEPほどのヴォリュームにはやや物足りなさを感じてしまいますが、11分半に渡る長曲「Differences」は、緩急のついたドラマティックな展開もさることながら、ギター、キーボード、ヴォーカルが代わる代わる見せ場を巧みに演出していっており、バンドの魅力が詰まった1曲。この曲だけでも十分聴く価値はあります。4曲目「Folle Marie」はライヴ録音で、MARILLIONのスティーヴ・ロザリー(g)がギターソロで客演しています。本作発表後、シルヴァイン・ガバネイル(g)が脱退、バンドは後にテクニカル系ギタリストとして名を馳せるシリル・エイチャード(g)を後任として迎え、92年に2ndアルバム『Mosaique』をリリースするのですが、あえなく解散してしまいます。一方シルヴァインは、マリリオンのピート・トレワヴァス(b)とイアン・モズレイ(dr)を迎えてIRISというシンフォニック・ロック・バンドを結成、96年にアルバムを1枚発表しています。
●ARRAKEEN:Wikipedia