2018年12月25日火曜日

2018年ベストサントラ20選

「2017年ベストサントラ25選」
http://camelletgo.blogspot.com/2017/12/2017best-soundtrack.html



《2018年ベストサントラ20選》

▼藤澤慶昌『宝石の国』
▼松本淳一『魔法使いの嫁』
▼ケビン・ペンキン『florence』
▼得田真裕『アンナチュラル』
▼M・M・キーラヴァーニ『バーフバリ』
▼田中貴&細野しんいち『ラーメン大好き小泉さん』
▼立山秋航『ゆるキャン△』
▼エバン・コール『ハクメイとミコチ』
▼Elmobo『Double Kick Heroes』
▼峰岸透、永松亮、藤井志帆『スプラトゥーン2 オクト・エキスパンション』
▼寄崎諒『メギド72』
▼阿部海太郎『ペンギン・ハイウェイ』
▼末廣健一郎×MAYUKO『はたらく細胞』
▼渡辺俊幸『新幹線変形ロボ シンカリオン』
▼田中公平『プラネット・ウィズ』
▼藤澤慶昌&加藤達也『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』
▼岩崎太整&DJ MITSU THE BEATS『dele』
▼渡辺邦孝『デスクリムゾン』
▼ヨハン・ヨハンソン『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』
▼鷺巣詩郎『SSSS.GRIDMAN』



TVアニメ「宝石の国」オリジナルサウンドトラック コンプリート
藤澤慶昌
東宝 (2018-01-17)
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TVアニメ「魔法使いの嫁」オリジナルサウンドトラック2
音楽:松本淳一 ほか
フライングドッグ (2018-03-28)
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Florence (Original Soundtrack)
Florence (Original Soundtrack)
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TBS系 金曜ドラマ「アンナチュラル」オリジナル・サウンドトラック
オリジナル・サウンドトラック
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 これは昨年も言いましたが、「宝石の国」はOPがハイスイノナサ照井順政プロデュースのポストロックで、EDが鈴木慶一プロデュースのシンフォニックポップ、そして藤澤慶昌のポスト・クラシカルな劇伴なので、音楽的なスキのなさに参ってしまいます。そしてポスト・クラシカルといえば松本淳一が劇伴を手がける「魔法使いの嫁」。2枚目のサウンドトラックに加え、劇場公開作「魔法使いの嫁 星待つ人」のサントラもリリースされ、誠に喜ばしい充実のリリースでした。「florence」は「Monument Valley」のリードデザイナーを務めたケン・ウォンの新スタジオによるインタラクティヴ・ストーリーゲーム。ノルン+ノネット、メイドインアビスの楽曲を手がけたケビン・ペンキンによる室内楽スコアを聴くことができます。得田真裕による、ドラマ「アンナチュラル」のサントラは、魔法使いの嫁の挿入歌「君の行方」の歌唱も担当されたKOCHOのブルガリアンヴォイスやコーラスをフィーチャーした大胆なアプローチのメインテーマと挿入歌「カタルシス」もさることながら、リズム隊が渡辺等&佐野康夫というところにも注目したい逸品。



映画「バーフバリ」ヴォーカル&サウンドトラック
サウンドトラック
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★「バーフバリ」ヴォーカルアルバム&サウンドトラック徹底攻略の手引き
http://camelletgo.blogspot.com/2018/01/baahubali-music-complete-guide.html



★田中貴&細野しんいち『ラーメン大好き田中さんと細野さん』(2018)
http://camelletgo.blogspot.com/2018/04/koizumilovesramenOST.html


 今年は「バーフバリ」旋風が吹き荒れましたが、まさかこんなに早く日本国内でサントラ&劇中曲のパッケージ化が実現するとは、感無量でした。ダウンロード購入で劇中曲とBGMをコンプリートするのはめちゃくちゃ大変なので、5000円出してお釣りがくる『バーフバリ ヴォーカル&サウンドトラック』が出たのは一つの快挙ですよホント。サニーデイサービスの田中貴、元マグースイムの細野しんいちによる「わかってる」麺ズによる「ラーメン大好き小泉さん」のサントラ『ラーメン大好き田中さんと細野さん』はインスパイア系ラーメンならぬインスパイア系サントラの極み。



TVアニメ「ゆるキャン△」オリジナル・サウンドトラック
立山秋航
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★立山秋航『ゆるキャン△ オリジナル・サウンドトラック』(2018)
http://camelletgo.blogspot.com/2018/04/yurucamp-soundtrack.html


 立山秋航による「ゆるキャン△」サントラは最良のアウトドア・ミュージック。各キャンプ場のテーマはいずれも尺が5~7分ある力作で、アコースティック・アンサンブルの豊かさも相まって言葉にできない素晴らしさ。エバン・コールによる「ハクメイとミコチ」のサントラは、多国籍あるいは無国籍フォーク路線で、「ゆるキャン△」サントラと共にアコースティックの良作なので押さえておきたい。エバン氏は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のサントラも手がけておりますが、こちらはストリングスサウンド主体でガッチリ仕上げてきているので、やはりこの人の才能は恐るべきものだなと。



Double Kick Heroes, Vol.1 (Original Game Soundtrack)
Materia Collective (2018-05-01)

★elmobo『Double Kick Heroes Vol.1 (Original Game Soundtrack)』(2018)
http://camelletgo.blogspot.com/2018/05/elmobo-doublekickheroes.html



SPLATOON2 ORIGINAL SOUNDTRACK -Octotune-
スプラトゥーン2
SMM itaku (music) (2018-07-18)
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「Double Kick Heroes」は、爆走&演奏しながらゾンビを撃ち殺しまくるリズムゲーム。80年代よりデモシーンに参加し、90年代からゲーム音楽を作り続け、バンブルフットのツアーサポート歴があり、アンディ・ティモンズやマティアス・エクルンドを自分のバンドのアルバムにゲストで呼んだりもしている“ゲームとメタルの二足の鉄下駄を履く男”Elmoboによるサントラはインダストリアル/エクストリーム/スラッシュ/グルーヴ/チップチューンメタルetcをバッチリ完備。「スプラトゥーン2 オクトエキスパンション」のサントラ『Octotune』は、2本編サントラの文字通り裏番を張る存在としても素晴らしいのだけど、テンタクルズの「ナスティ・マジェスティ」「ミッドナイト・ボルテージ」もテーマとしてクリティカルな素晴らしさ。低音ブリブリのプリミティブなトラックに乗るイイダのタメの効いたヴォーカルの生艶っぽさがたまらないです。



★フォトンドリヴン世界救済RPG「メギド72」のBGM、コンポーザーの寄崎諒氏について
http://camelletgo.blogspot.com/2018/07/megido72soundtrack.html


「ペンギン・ハイウェイ」オリジナル・サウンドトラック
阿部海太郎
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はたらく細胞 Original Soundtrack
はたらく細胞
アニプレックス (2018-08-22)
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★末廣健一郎・MAYUKO『「はたらく細胞」オリジナル・サウンドトラック』(2018)
http://camelletgo.blogspot.com/2018/10/cellsatworksoundtrack.html


 スマートフォン用ゲーム「メギド72」は、ストリングスカルテットを活かしたキレッキレの曲ぞろい。また、メインモチーフの変奏の多用で統一感も生み出されており、コンポーザー 寄崎諒の巧みな編曲センスを感じさせてくれます。また、ゲーム中のスタッフクレジットで十数名の奏者もしっかりと明記されているところもポイントが高い。サントラ『メギド名曲コレクション』は7月に第一弾、12月に第二弾がwavファイル無料ダウンロードの形で公開されており、豪気きわまりないです。映画「ペンギン・ハイウェイ」のサントラは、晩年の蜷川幸雄演出舞台のコンポーザーも務めた阿部海太郎が担当。ニューエイジ/ポストクラシカルサウンドが爽やかに吹き抜けます(阿部氏の公式サイトではトラックリストはもちろんのこと、参加ミュージシャンなどのクレジットもしっかり掲載してあるのも有り難い)。末廣健一郎・MAYUKOの両氏による「はたらく細胞のサントラは、わちゃわちゃ感も満載した華麗なるオーケストラ&室内楽サウンド。ルロイ・アンダーソン「タイプライター」風の曲が入っているところもクスっとさせられるし、「ちっちゃくてがんばりやさん」の存在感も光る。



TVアニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」オリジナル・サウンドトラック
アニメ サントラ
SMM itaku (music) (2018-09-26)
売り上げランキング: 20,026


TVアニメ『プラネット・ウィズ』オリジナル・サウンドトラック
田中公平
ランティス (2018-09-26)
売り上げランキング: 33,753



「新幹線変形ロボ シンカリオン」「プラネット・ウィズ」、二つのロボットアニメのサントラが同日(9月26日)に発売したのは誠にトピックだと思いました。渡辺俊幸のTVアニメシリーズでの仕事は銀河機攻隊マジェスティックプリンス以来5年ぶり。「発車!」「頑張る!」「出撃!」といった“!”付タイトル曲の心地良い昂り。「シンカリオン -正義-/-豪速-/-情熱-/-三位一体-」のゴージャスな必殺感。重量感をシンフォニーの形で遺憾なくブツけてくる「踏みにじられる都市」「迫り来る敵」たるや。「プラネット・ウィズ」は、1クールアニメの可能性を真正面から拡張し、有機的で激アツな群像劇の形で証明してみせた最高の作品でした。2クール+αでやってもおかしくない展開と見せ場を12話に見事に「落とし込んだ」ストーリー&構成、音響、そして劇伴の凄み。質実ともにエピックにして王道を貫いた田中公平の劇伴は会心のクオリティであり、1980年代が「トップをねらえ!」、1990年代が「勇者王ガオガイガー」、2000年代が「OVERMANキングゲイナー」ならば、2010年代は間違いなくこの「プラネット・ウィズ」。そう断言したいです。



「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」サウンドトラック
スタァライト九九組
ポニーキャニオン (2018-10-17)
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★少女☆歌劇 レヴュースタァライト『ラ レヴュー ド マチネ』『ラ レヴュー ド ソワレ』『オリジナルサウンドトラック』
https://camelletgo.blogspot.com/2018/11/revuestarlight.html


テレビ朝日系金曜ナイトドラマ「dele」オリジナル・サウンドトラック
音楽:岩崎太整 DJ MITSU THE BEATS
バップ (2018-10-17)
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「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」も忘れ難い。現在進行形でやべーコンテンツが生まれてしまった。感情の交錯と爆裂と共演を一気見できたことを幸せに思います。「ラブライブ!」「宝石の国」の藤澤慶昌と、「Free!」「ラブライブ!サンシャイン!!」の加藤達也、共にクラシカルな編曲に定評がある二人のタッグによる劇伴の極まった華麗さにも脱帽です。ドラマ「dele」のサントラは、アニメ〈血界戦線〉シリーズで多種多彩多国籍なサウンドで魅了した岩崎太整と、GAGLEのビートメイカーDJ MITSU THE BEATSというスペシャルなタッグによる一枚。チルで刺激的なスコアに、水曜日のカンパネラのコムアイによる挿入歌「Pretend」が花を添える。レコーディングにはmabanua、Shingo Suzuki、関口シンゴらOvallの面々や、同じくorigami PRODUCTIONS所属のKan Sano、WONKのサポートでも知られる安藤康平、才気煥発のトランぺッター類家心平も参加しており、音楽面でも相当に贅沢なつくりになっています。



Death Crimson Soundtracks
Death Crimson Soundtracks
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渡辺邦孝
アンコール音楽工房 (2018-11-14)
売り上げランキング: 2,323

★渡辺邦孝『デスクリムゾン サウンドトラックス』(2018)
https://camelletgo.blogspot.com/2018/12/deathcrimsonsoundtracks.html


 セガサターンで「デスクリムゾン」が発売して今年で22周年。マルチパフォーマー 渡辺邦孝がかつて生み出したサウンドがついに全面リニューアルで「新生」を果たし、『デスクリムゾン・サウンドトラックス』としてお目見えしたのは誠に喜ばしく、そして快挙と言えましょう。KING CRIMSONやQUEENのオマージュ曲も収められた同作の発売月(11月)に映画「ボヘミアン・ラプソディ」が日本公開され、クリムゾンの来日ツアーも開幕したのは、巡り合わせの奇跡というほかありません。



MANDY (SOUNDTRACK) [CD]
MANDY (SOUNDTRACK) [CD]
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JOHANN JOHANNSSON
LAKESHORE RECORDS (2018-10-19)
売り上げランキング: 47,967

★Jóhann Jóhannsson『MANDY Original Motion Picture Soundtrack』(2018)
https://camelletgo.blogspot.com/2018/12/johannjohannssonmandy.html


 今年2月に48歳の若さで亡くなったヨハン・ヨハンソン。彼の最後の劇伴担当作品となった映画「マンディ 地獄のロード・ウォリアー」は、凄まじいヴァイオレンスムービーであり、一線を次々に越えてゆく怪作でありました。そしてヨハンソンは本作で、エレクトロニクスで禍々しいHEAVY METALを顕現させてしまった。ドゥーム/ドローン、ポスト・テクノ、ポスト・ロック、エレクトロニカ界隈の錚々たる顔ぶれがレコーディングに参加しているところも見逃せない。


【Amazon.co.jp限定】TVアニメ「SSSS.GRIDMAN」オリジナルサウンドトラック(デカジャケット付き)
鷺巣詩郎
ポニーキャニオン (2018-12-19)
売り上げランキング: 187


 今年の締めくくりのサントラとして、鷺巣詩郎の現行最新作である「SSSS.GRIDMAN」を挙げたいです。アルバムジャケットがグリッドマンのシルエット&電線というのも相当にエモい。強度とリッチさを兼ね備えたサウンドを多彩なヴァリエーションで提示し、作品世界をも見事にビルドアップさせてしまう鷺巣マジックは絶好調であり、やはりAIRスタジオやアビイ・ロード・スタジオで録られております。5000字超えというセルフライナーノーツの存在も嬉しい。