http://www.marquee.co.jp/live/maniera.html
イタリアのBAROCK PROJECTと、スウェーデンのMOON SAFARIのツーマンライヴに行きました。前者は初来日、後者は2013年11月の「ヨーロピアン・ロック・フェス2013」、2014年10月の単独来日公演に続く三度目の来日です。
《BAROCK PROJECT》
01. Overture
02. Gold
03. My Silent Sea
04. Fool's Epilogue
05. Broken
06. Skyline
【Encore】
07. The Longest Sigh
セットリストは、日本での出世作となった4thアルバム『Skyline』の楽曲を中心に、バンドとして大きな転換点となった3rdアルバム『Coffee In Neukölln』から、クラシカルな香りをたっぷりと含みこんだ"Fool's Epilogue"、「◯◯のフォロワー」感を脱臭して、バンドの基本コンセプトであるクラシックとロックの融合に全力で注力した最新作『Detachment』からの"Broken"という、それぞれの自信曲を挟んだ全7曲。冒頭で演奏されたインストナンバー"Overture"こそ、演奏がちょっと固かった印象がしましたが、二曲目の"Gold"の途中からはしっかりとエンジンがかかってきて、中盤以降はバッチリ最良に仕上がっていました。"Broken"も"Skyline"も、そしてアンコールの"The Longest Sigh"も、歌心のあるメロディと、堅実な演奏でじわじわ盛り上げていく楽曲の強さは改めて素晴らしいの一言。リーダーのルカ・ザッビーニはやはりイケメンのオーラを放っており、キーボードはもちろん、ヴォーカルにギターにと大活躍。客席の拍手フライングが途中若干あったのだけど、次の曲の終わりごろで「もうちょっと待ってネ」という感じで人差し指でサインを出した後に「OK!」と言って曲を締めていたところもお茶目でした。脱退したルカ・パンカルディの後任として加入した新ヴォーカルのアレックス・マリは、立ち回りをふくめてやはり上手いなあと。ザッビーニはギターもヴォーカルもこなせる人でもあるのだけど、楽器隊は基本的に堅実さ重視のためあまり動かないし、歌心のあるクラシカル・ロックの舵取りでは彼が動き回ってうまいことコントロールしていたという印象があります。イタリア本国ではIRON MAIDENやQUEENのトリビュートバンドなどでも歌っていたとのことで、実にこなれていましたね。スタジオ盤でのギターとドラムはマルコ・マッツォッコーロとエリック・オムベッリがそれぞれプレイしていますが、ライヴではジャコモ・アンセルミとアンディ・バルトルッチがメンバーとしてプレイ。チリチリヘアが印象的なジャコモはアメリカで音楽理論を学んだ人で、GOBLINのファビオ・ピニャテッリとアゴスティノ・マランゴロを擁する別動隊ゴブリンことGOBLIN REBIRTHのギタリストでもあります。アンディはジャズ/フュージョンにも造詣の深いセッションドラマーです。
http://www.barockproject.net/
《MOON SAFARI》
00. Sugar Band (Outro部分)
01. 1987 (新曲)
02. A Kid Called Panic
03. Emma Come on (新曲)
04. Constant Bloom
05. Southern Belle
06. Heartland
07. Too Young to Say Goodbye
08. Diamonds
09. Beyond the Blue (新曲)
【Encore】
10. Mega Moon
11. Constant Bloom
25分の休憩を挟み、MOON SAFARI。前回の来日公演も値千金のライヴでしたが、今回はその前回の印象すらもさらに鮮やかに上回る、完成されたパフォーマンス。最大四人で折り重なる華のあるヴォーカル/コーラス、グレイトな演奏、そして、動き過ぎだろ! というくらいにステージ上を所狭しと艶のあるムーヴでクネクネ動き回るペッター・サンドストロム! とにかくメンバーや客席を煽るので楽しいったらありゃしない。圧倒的でした。いや圧倒的すぎた。2015年の時点でライヴで披露されていた、"Emma Come on"をふくめ、"1987" "Beyond the Blue"と、現行アルバム未収録の新曲も計3曲披露。"Emma Come on" "1987"はどちらも「顧客がムーンサファリに求めているもの」がギュッと詰まったベリベリキャッチーで爽やかで激甘なコーラスポップチューン。"Beyond the Blue"はアカペラ曲です。前回の来日のあと、2015年に脱退したトビアス・ラングレンの後任としてドラムをプレイしているミカエル・イスラエルソンは、ヴィンテージ路線のプログレハードバンドとしてデビュー時は日本でも少し話題になったBLACK BONZOのドラマーでもあるのですが、実際観るとこんなにも近距離パワー型だったのかと。とにかく音が重いしデカい。その一方で、アカペラ曲の"Southern Belle"ではキーボードを弾いたりするので、ギャップ萌え要員でもあります。アンコールは「ロックマン、メガマン、メガムーン」というシャレっ気のあるコメントとともに"Mega Moon"。そしてダメ押しの"Constant Bloom"で〆。コンパクトなセットながら、旨味がギュッと濃縮された一時間でした。翌23日の単独公演は、去る5月にアメリカで開催されたRoSfestでのセットリストと同じだったようですね。しかしながら、今回もアンコールで30分超演っていてさすがだなと(ちなみに前回の来日でもアンコールが50分くらいありました)。
http://www.moonsafari.se/
▼NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BAROCK PROJECT : SKYLINE】
(from Marunouchi Muzik Magazine)
インタビュー(日本語)
▼NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BAROCK PROJECT : DETACHMENT】JAPAN TOUR 2017 SPECIAL !!
(from Marunouchi Muzik Magazine)
インタビュー(日本語)
▼PICK UP ARTIST + INTERVIEW 【MOON SAFARI】
(from Marunouchi Muzik Magazine)
インタビュー(日本語)
●MOON SAFARI『Lover's End』(2010)
●MOON SAFARI『THE LOVER'S END TRILOGY』(2012)
●MOON SAFARI『Himlabacken Vol.1』(2013)
●BAROCK PROJECT『Coffee In Neukölln』(2012)
●BAROCK PROJECT『Skyline』(2015)
●GOBLIN REBIRTH『Goblin Rebirth』(2015)