ビデオ・サントラ
SME・ビジュアルワークス (2001-12-19)
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2001年に発表されたOVA「怪童丸」(監督:若林漢二/キャラクターデザイン:田島昭宇/制作:IG PLUS、Production I.G)は、平安時代の京都を舞台にした伝奇アニメーション作品。本CDは、同作のDVD/VHS版と同時にリリースされたイメージアルバムです。コンポーザーは、80年代に近田春夫&ビブラトーンズやPINKなどで活躍、90年代からはヴォーカル・パフォーマンスによるソロ活動や、プロデュース、TV/映画などの楽曲制作を中心に行っている福岡ユタカ氏。前年には「ニュース・ステーション」のテーマ曲"NS2000"を手がけられ、また二枚のソロアルバムをリリースされてもおりました。この「怪童丸」イメージアルバムは、福岡氏がOVAの主題歌"怪童丸縁起絵巻"を手がけたことがキッカケとなり制作された一枚で、主題歌と書き下ろしのオリジナル曲からなる全12曲。なお、この翌年の1月には池頼広氏によるOVA本編のスコアを収録したサウンドトラックがリリースされております("怪童丸縁起絵巻"も収録)。
平安時代にその様式が完成したとされる「神楽」をベースに、エスニック・ミュージックも取り込んだ不思議な肌触りのサウンドに、福岡氏のヴォーカリゼーションが絡んでいくという趣向は、ゆるやかでありながらときに緊張感も孕んだものになっております。イメージスケッチのようでありながら、実験色も強いという印象です。主題歌"怪童丸縁起絵巻"は、厳かで雄大なイメージを喚起させる一曲。この曲で能管を演奏されているのは、一噌流笛方であり、多ジャンルとの積極的なコラボレーションを展開している一噌幸弘氏。氏は"遭遇"にも参加されております。ヴォーカリゼーションとギターのみで構成された"大江山 ~Yen calling“free improvisation”~"では、COILやボンデージ・フルーツなど数多くのバンドで活動するギタリスト 鬼怒無月氏が参加。また、強迫的にたたみかけるような疾走曲"荊木童子"は、福岡氏と鬼怒氏の共作曲になっております。アンビエント・タッチの"雷神道真"、ギラギラとした不穏さを孕んだ"火祭り"の二曲では、ROVOやボンデージ・フルーツなどで活動されている岡部洋一氏がパーカッションで参加されています。余談ですが、一噌氏と鬼怒氏はバンドメイトであり、鬼怒氏と岡部氏は福岡氏のライヴパフォーマンスユニット「YEN calling」のメンバーでもあります。
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『怪童丸 イメージアルバム』
[SVWC-7115 |2001.12.19|SMEヴィジュアルワークス]
01. 回想
02. 怪童丸縁起絵巻
03. 桜丹姫
04. 大江山 ~Yen calling“free improvisation”~
05. 月夜
06. 遭遇
07. 雨
08. 雷神道真
09. 火祭り
10. 呪、晴明邸
11. 荊木童子
12. 跋詩
M01~10、12 作編曲:福岡ユタカ
M11 作編曲:福岡ユタカ&鬼怒無月
〈参加ミュージシャン〉
福岡ユタカ(voice, keyboards, sampler, computer programming, synthesizer)
一噌幸弘(能管 / M2,6)
鬼怒無月(guitar / M4)
岡部洋一(percussion / M8,9)
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●福岡ユタカ オフィシャル・サイト
●福岡ユタカ - SOUND TRACK & PRODUCE WORKS(旧サイト)
●怪童丸 KAIDOUMARU - aniplex
また、近年の福岡氏は岩崎琢氏のサウンドトラック作品へたびたび参加されており、「刀語」(2010)の"bahasa palus"、「ヨルムンンガンド」(2012)の"Jormungand"、「ノラガミ」(2014)の"野良譚"といった挿入歌でいずれも存在感抜群のヴォーカリゼーションを聴かせてくれます。