2015年4月24日金曜日
ZYPRESSEN / Happy Family LIVE @吉祥寺MANDA-LA2 2015.04.24
http://zypressen.jp/live/gig-20150424.html
先ごろ19年ぶりに再始動を果たした、日本のチェンバー・ロック・バンド ツィプレッセンが、対バンにハッピーファミリーを迎えた復活ライヴを観てきました。再始動ツィプレッセンのメンバーは、オリジナルメンバーの五人に、2014年から加入されたヴァイオリニストのTOSHIEさんをあわせて六名。活動休止後も各メンバーはそれぞれ音楽活動をされているのですが、ツィプレッセンとしては19年間のブランクということもあってか、多少のぎこちなさはありました。それでも今のツィプレッセンというのを感じさせてくれるパフォーマンスでとてもよかったです。自分がいる位置からは見えなかったのですが、山上さんから発されていたテルミン様のサウンドはパペット型テルミンによるものだったようですね。旧曲は"Etude" "すべての縦縞は交差したがる"の二曲のみで、あとはおそらく新曲。高揚感のあるミニマル・チェンバー・ロックな趣はそのままに、フロントマンである今井さんのヴォーカリゼーションの比重が増し(素朴な叙情性を感じさせるフォーク調の"G&V"という歌もの曲も)、またサウンドの無国籍感がいくらか増したなという印象。終演後、今日の開演前にかかっていた"心、漂いのままに"と、演奏された"New Music"のデモCDが無料配布されており、ありがたく頂戴させていただきました。バンドの今後の活動にも期待したいです。
ZYPRESSEN
今井弘文(drums, vocal)
TAKAFU(bass)
三宅信義(violin, keyboard)
浅野淳(guitar)
山上晃司(piano etc)
TOSHIE(violin)
1 Dawning~Wind Breaker
2 翼
3 New Music
4 Etude
5 G&V
6 すべての縦縞は交差したがる
○[LIVE] ZYPRESSEN@MANDARA-2 | Livin' on the Edge of Sanity
○幻想性と複雑性が交錯する、国産チェンバー・ロックの名バンドの今なお色褪せぬ唯一作 ― ZYPRESSEN『Zypressen』(1996)
続いてハッピー・ファミリー。個人的には昨年のRock in Opposition Japanフェス以来ですが、バンドのこの強靭なまでのヘヴィ・プログレッシヴ・サウンドは、やっぱり小さめのハコの方がより強力にクるなという印象がしました。今回はギターのイズタニタカヒロ氏が中指の負傷のため、最初の二曲は三人での演奏。イズタニ氏の刺さるようなエッジの効いたギタープレイが聴けなかったのは残念でしたが、ズ太いパワートリオの装いというか、ギターレス編成ゆえの新鮮味を少なからず感じました。その後、イズタニ氏の代役を務められるイル・ベルリオーネの井戸沼尚也氏がギターで加わり、90年代に対バンしていたころによく演っていたという"Partei"(1stアルバム『Happy Family』(1995)収録)をプレイ。イル・ベルリオーネもハッピー・ファミリー同様、ヘヴィ・プログレの名バンドであり、氏が代役として参加されると聞いたときは驚いたのですが、微塵も衰えを感じさせない氏のテクニカル・プレイにも大興奮させられました。イズタニ氏のプレイとはまた違った凄みを感じさせられましたね。森本さんはこのごろ井戸沼氏とスタジオ入りされることが多いとのことで、イズタニ氏の負傷の件がなくとも、ライヴでゲストに迎えられる予定があったのだとか。ラストはイル・ベルリオーネのレパートリーである、超絶うさんくさい長尺曲"大仏"(1stアルバム『453分間料理地獄』(1994)収録)のカヴァーで〆。引っ張り続けるズルズルとしたグルーヴの上を、井戸沼氏入魂のギターソロがたっぷりと載せられたハイカロリーな内容でありました。
Happy Family
森本賢一(kyeboard)
市川秀水(bass)
永瀬敬一(drums)
featuring. 井戸沼尚也(guitar from IL BERLIONE, Zubola Funk Laboratory)
1 Slide
2 暴走機関車
3 Partei
4 Animal Spirit
5 水中禅問答
6 大仏 (IL BERLIONE Cover)