スプリガン ルナ ヴァース ― オリジナル・サウンドトラック (1999/11/26) ゲーム・ミュージック 商品詳細を見る |
『スプリガン』はたかしげ宙&皆川亮二のコンビによるバトルアクション漫画の名作ですが、同作品はゲーム版もあり、『スプリガン ルナ ヴァース』というタイトルで'99年にプレイステーション用ソフトとして発表もされました。制作はフロム・ソフトウェアで、同社の「キングスフィールド」や「アーマードコア」よろしく 主観視点での3Dアクションゲームでした。フロム作品といえば高い難易度と硬派なつくりがウリですが、本作もまた非常に高い難易度を誇ります。いわゆる「初見殺し」的な要素は各所に存在するほか、ステータスを上げるためのボーナスポイントを多く得るためには短時間でステージをクリアしないといけないこともあって、ヘタをするとステージ序盤でクリア不可能な状態になるというシビアなものでした(自分は攻略本を以ってしてもクリア出来ませんでした)。とはいえ 原作完結後の世界で展開されるゲーム・オリジナル・ストーリーは良質なもので、たかしげ氏、皆川氏の両人も監修者としてしっかり関わっているため(エンディングでは新規描き下ろしのカットも拝めます)、歯応えのあるキャラゲーとして評価する向きもあります(ちなみに、本作のノウハウを生かしてフロムが次に制作したのが、プレイステーション2の「エヴァーグレイス」です)。ゲームアーカイブスでの配信は現在もされておらず、今後される可能性も低そうです。
また、サウンドトラックはゲームの半年後にリリースされておりますが、出回った数は少なく、現在はプレミア化しており入手が困難なものとなっています。楽曲はフロム・ソフトウェアのサウンドチーム「FreQuency」によるもので、サウンド・プロデュースは星野康太氏、コンポーザーは瀬川圭一郎氏、齋藤司氏、神田有士氏と、いずれもアーマードコアシリーズのサウンドスタッフ陣。ライナーノーツの星野氏のコメントによると、本作のサウンドは特定のスタイルにこだわらず、「激しさ」と「神秘性」の二つのイメージに重点を置いて制作したとのこと。バンドスタイルによる硬質でヒリついたロック/テクノと、シンセサイザーをメインにしたニューエイジ/アンビエントという、対照的なタイプの楽曲が統一感を伴って収められており、いずれも冷ややかに醒めたものを感じさせます。鋭角的なギターサウンドで押す"ZERO_BURST" "Escape From A Lab" "Blowning"の乾いた疾走感は、初期ACシリーズの作風にも通じるのではないでしょうか。エスニックなテイストも絡めた"LUNAR VERSE"や、荘厳なムード漂う変拍子チューン"P and L"、どこか病的な神秘性を孕んだ"PRANOIAC REVOLUTION"も秀逸な楽曲です。また、26曲目から98曲目までは全て4秒間の無音トラックで、99曲目には隠しトラックが収録されています。
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01. ZERO_BURST
02. Excavation
03. LUNAR VERSE
04. Escape From A Lab
05. Blue Baby
06. Take Back The Artifact
07. Palace Revolution
08. Psychological Moment
09. Here Comes NINJA!
10. Boobytrap
11. Suggestion of Ruins
12. Stillness Tension
13. Blowning
14. The 3rd
15. Blind alley
16. P and L
17. Selenite
18. Solemn Music
19. Onset
20. Moonliter
21. Program Of Love
22. PRANOIAC REVOLUTION
23. Things Will Get Better
24. Gain Control
25. Lunacy
26~98. << Blank Track >>
99. Hidden Track
Executive Producer: 神直利
Producer: 西田新一郎
Sound Producer: 星野康太
Composer:瀬川圭一郎、齋藤司、神田有士
Additional Musician: Ei Satoh
[ABCA-39](1999.11.26)
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●SPRIGGAN LUNAR VERSE - FROM SOFTWARE
●スプリガン ルナヴァース - Wikipedia
●星野康太 - Wikipedia
●Spriggan Lunar Verse Original Sound Track - VGMdb