2010年4月14日水曜日

ALHAMBRA『Solitude』(2010)

SOLITUDE
SOLITUDE
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ALHAMBRA
SPACE SHOWER MUSIC (2010-04-07)
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 世良純子嬢擁するドラマティックなプログレッシヴ・ハード・ロック・バンド アルハンブラの3rdアルバム。前作『Fadista』はガッチリとした楽曲構成&怒涛の攻勢でバンドの圧倒的な力量をこれでもかと示した"攻め"のアルバムでしたが、今回は全8曲40分(うちイントロダクションが1曲、リメイクが1曲)、大曲もなし、ということで1st、2ndに比べるとヴォリューム少な目。ある種ミニアルバムのようにも感じますが、バンドのテクニカルな部分はそのままに、よりキャッチーな方向性を追求し、全体的にタイトに引き締まったという印象も強いです。洗練を重ねたとは言え、やはりキラーチューンの精度は凄まじいものがあり、2分に及ぶイントロダクション「東風遥か」から続く「Earnest」は、さながらサビが3段あるのかと思ってしまうほどに必殺級のフレーズで疾走するAメロ~Bメロ~サビ、さらにテンションを高める世良嬢のヒロイックなハイトーンヴォーカル、怒涛の流れのソロパート、といった具合に3拍子揃った『これぞALHAMBRA!』という魅力がガッツリ凝縮された1曲。いきなりクライマックスです。フックを盛り込みつつも確固たる安定感、存分にヴォーカルも生きる「Double OO」「Die Erde」。プログレメタルではなくプログレハード的なイディオム全開の、王道にして堂々たるミドルレンジナンバー「Solitude」。本作随一のキャッチーさを誇る歌謡ハードロックナンバー「約束の鍵」は、本作の"よりコンパクトかつキャッチーな"方向性をハッキリ位置づける2曲。1stアルバム収録の「Orion」の再録である「Orion 2010」は演奏・ヴォーカル共にパワーアップしているのがハッキリと伺える頼もしいリメイク。ラストはピアノとヴォーカルのみのアコースティックな小曲「ゆきうさぎ」で軽やかに〆。見事なスキのなさとブレのなさ。名実共に国内トップクラスのプログレ・ハード・ロック・バンドであるということをさらに確信させる貫禄の1枚だと思います。ヘヴィローテーション盤。

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