2009年11月13日金曜日

FIRE BOMBER『Re.FIRE!!』(2009)

Re.FIRE!!
Re.FIRE!!
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Fire Bomber
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 「マクロス7」放映15周年記念アルバム。アニメの関連アルバムはドラマCDやら編集盤やらオムニバスや らでかなりの数が出ましたが、FIRE BOMBER名義のフルアルバムとしては、98年の『Dynamite Fire!』を勘定に数えるなら実に11年ぶり(マクロス7の設定上では13年ぶり)となる通産4thアルバム。マクロスFが出た今となってはマクロスシ リーズの中では異色な存在として扱われることもなくなった(のかな?)7ですが、こちらも歌モノや楽曲に本編以上に力が入っていたのは言うまでもなく、 1st~3rdアルバムの頃のFIRE BOMBERの作編曲はKAI FIVEの田中裕千氏やKUWATA BANDの河内淳貴氏、子供ばんどの湯川トーベン氏といった手練の方々が関わっておりました。楽曲に80年代歌謡ハードロックみたいな古臭くも人懐こい雰囲気があったのも 彼らに因るところが大きかったと思います。本作『Re.FIRE!!』には彼らの名前がクレジットされていないのは残念ですが、若手の作曲陣(元CORE OF SOULや、JAZZIDA GRANDEのメンバー等)を起用して新しい色を入れようとしているのは伺えます。

 アルバムのオープニングを飾る「弾丸ソウル」のヘヴィメタリックな勢いや、続く「Burning Fire」のメロディック・パンクめいた明快な爽快感は、FIRE BOMBERにおいてこれまでになかった曲調で、良い意味で期待を裏切られたという感じ。福山芳樹氏もチエ・カジウラ嬢も十数年前と変わらぬ健在ぶりを見せていますが、特に福山氏のヴォーカルはこの十数年でかなりパワーアップしているのを強烈に実感、より煽情的で熱の込もったヴォーカルで突き抜ける「ビッグバン」 を聴いていると特にそう思います。年月の経過もあってか、彼の声はかつての「歌バサラ」のソレというよりはもはや「福山芳樹そのもの」になってしまってい るのですが、これも嬉しいご愛嬌というところでしょうかね。若手作編曲陣が前面に出ているとは言いましたが、要所要所では意外な人物が関わっており、 「LOVE IT」「突撃ラブハート」のリメイクヴァー ジョンの編曲にはレピッシュの杉本恭一氏やトルネード竜巻の曽我淳一氏が参加、また、外人部隊の永井ルイ氏とACKO嬢の参加は(「トップをねらえ2」の ED曲起用という前例がありますが)まさかといったところで、提供曲「MAGIC RHAPSODY」は実にストレートな正統派ハードロックに仕上がっております。クロスオーヴァーライヴイベントや劇場版マクロスF公開という一連の流れ に便乗してのアニヴァーサリーアルバム、という意図も見えますが、まさかFIRE BOMBER名義で新作が出るとは思っていなかっただけに、素直に喜びたいです。