2014年3月3日月曜日

NESS (三浦俊一/戸田宏武/内田雄一郎/河塚篤史) 『NESS 2』(2013)

NESS 2NESS 2
(2013/05/22)
NESS

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2011年に結成された、三浦俊一(g.prog / ex.有頂天、ケラ&ザ・シンセサイザーズ)、戸田宏武(syn.prog / FLOPPY、新宿ゲバルト)、内田雄一郎(b.prog / 筋肉少女帯)、河塚篤史(ds.prog / ex.陰陽座)という、いずれも確固たるキャリアの持ち主4人からなるロック・バンド「ネス」の2ndアルバム。略歴には「三浦氏と戸田氏のセッションがそのままバンドの母体となった」とあったので、有頂天やFLOPPYのようなニューウェイヴ寄りなサウンドを予想していたのですが、NESSが鳴らしているのはエレクトロ・サウンドを下敷きにしてニューウェイヴ、プログレ、シューゲイザー、ポスト・ロックの各要素も絡みつかせたミクスチャー・ロック。思った以上にハードなバンドサウンドです。基本インストゥルメンタルが中心ですが、楽曲によってはスパイス的にヴォーカルを挿入するものもあります。

アルバムはダンサブルなエレクトロ・ロック・チューン"SneS"で幕開け。バックでうねる電子音がどんどん空間を埋め尽くしてゆく享楽的な趣向も相まって、のっけからトベます。続く"Sonzai"は「忘れられた存在」「忘れられたい存在」のフレーズが電子音飛び交う11(6+5)拍子の展開に載せてひたすら繰り返されるマスロック・チューン。ちなみに、このフレーズを歌っているのは中野テルヲ氏です。うっすらとしたエレクトロなバッキングの上をヘヴィなギターリフが反復する"Nesso"は、どこかKING CRIMSONを思わせる乾いたヘヴィネスを聴かせる仕上がり(どうやら作曲は内田氏とのこと、なるほど納得です)。テクニカルなAメロBメロとキャッチーに広がるサビが痛快な"Tree Of Papers"は、三浦氏が20代の頃に作った曲だそうで、ケラ&ザ・シンセサイザーズにも通じるポップ・ロック・チューン。"VVV"は、ピアノの音色や瞬間的なミュートもアクセントにして流麗に疾走する轟音ブレイクビーツで、ちょっとCOALTAR OF THE DEEPERSっぽいかも。戸田氏によると、鳴っている各パートは全てモールス符号に基づいて打ち込まれており、それぞれが別々のトンツータイミングで切れているのだとか。何とも凝ったつくりです。ゴリゴリなギター&ベースとメロウなシンセフレーズでゴキゲンに展開する"Pavillion"は、NESS流サーフサウンドとでも言うようなノリの良い1曲。ラストは浮遊感のあるヴォコーダー・ヴォーカルを聴かせるストレートなロック・チューン"Nature"で〆。

楽曲のレコーディングは順不同にリレー形式でメンバーからメンバーへとタッチしていっているそうで、その過程でどういう方向に仕上がるのかはメンバーにもわからないのだとか。その「予測不可能」というところがそのままバンドのサウンドの魅力に繋がっていると思います。各々が培ってきたキャリアに裏打ちされた内容であるのは勿論、自由度の高いストレスフリーな制作環境だからこその面白味も感じさせる内容でした。

[Power Push]NESS - ナタリー
NESS-自由奔放な奇才4人のアイデアが交錯して生まれる音。その行く先は誰にも予測できない… - JUNGLE☆LIFE

バンドのSoundcloudで1stアルバム『NESS』の楽曲が試聴できます。


NESS - Official Site
NESS - Soundcloud