2013年9月9日月曜日

ぱっちりひつじ『ぽぷぺぴぱ』(2013)



メンバーが夢に見た様々な世界を歌う非現実系テクニカル・ポップ・バンド ぱっちりひつじの、昨年の衝撃のデビューアルバム『ゆめにっき』に続く3曲+α入りマキシシングル。元々はアルバム用に制作していたものの、クセが強いのでアルバムにはちょっと…という曲を集めたのが今回の作品だそうです。1曲目"ぽぷぺぴぱ"は、レコーディング中に突如現れた「そら豆型のポップ・ノイズの妖精」に困惑しながらも愉快に振り回されるという、5拍子のリズムで繰り返される「ぽぷぺぴぱ」のフレーズも印象深い楽曲。ヒネリのあるポップセンスが随所で効いており、一見すると明快かつキャッチーなようで、その実 一筋縄ではいかない仕上がりなのがぱっちりひつじの楽曲であります。

シリアスなイントロからストロングなプログレッシヴ・メタルへと雪崩れ込む2曲目"あかときいろとちゃいろ"は、マンションの一室で繰り広げられる、身の毛のよだつ「えのぐのとびちる」光景を歌った1曲。「腕も足も何もいらない」「切り落としてしまえ」と、いつになく詞の猟奇的なエグさもさることながら、バンドのハードでテクニカルな演奏、苛烈な展開にさらに拍車をかけるかのような男声ヴォーカルの絶叫も差し挟まれ、なるほどアルバムに入れた日には明らかに浮いてしまうことウケアイな【真っ黒】な曲に仕上がっています。しかしラストでは何事もなかったかのようにポップなメロディへと切り替わり、マンションの外の平和な日常風景を映し出しています。部屋の中のこの世のものとは思えぬ出来事で窓の外にまで垂れてくるほどに飛び散った<さんしょくのえのぐ>は、外の人達がおいしくいただきましたとさ。めでたしめでたし……。

夢の中の辞典で見かけたヘンな単語について歌った3曲目の"シュリーフスロスセヴェセヴェセヴェセヴェランス(shriefslothseveseveseveseverance)"は、何とも不思議な語感の長くてややこしいタイトルがまずもって目を引きます(個人的にはディズニーのミュージカル映画「メリー・ポピンズ」の楽曲"スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス"を思い出しました)。楽曲展開こそストレートですが、脱力を誘うリズムとメロディ、暖かみのあるトーンを奏でるシンセに包まれた小粋なプログレ・ポップ・チューン。前作における"あみずし"のような、ヘンテコリンなセンスでぶっちぎった1曲です。

ボーナス・トラックには、各パートを抜いたインスト・トラックが7曲収録されております。「歌や楽器を重ねて加工した状態であれば、動画サイトへのアップロードは自由」とのことです。テクニカルな仕掛けが施されているゆえ、カヴァーするのはなかなか難しそうですが…(笑)



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ぱっちりひつじ『ゆめにっき1』(2012)

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