2010年10月2日土曜日

ザ蟹(三柴理/塩野道玄) 他『戦闘妖精雪風 オリジナルサウンドトラック Vol.1&2』(2002/2005)

オリジナルビデオアニメーション「戦闘妖精雪風」オリジナルサウンドトラック1オリジナルビデオアニメーション「戦闘妖精雪風」オリジナルサウンドトラック1
(2002/09/21)
ビデオ・サントラ

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オリジナルビデオアニメーション「戦闘妖精雪風」オリジナルサウンドトラック2オリジナルビデオアニメーション「戦闘妖精雪風」オリジナルサウンドトラック2
(2005/08/26)
ビデオ・サントラ



 機械と人間、そして異星体との関係を、思弁と葛藤を交えて重厚に描く、神林長平の傑作SF小説「戦闘妖精・雪風」シリーズ。GONZO制作による、そのOVA版のサウンドトラック。筋肉少女帯や特撮のメンバーであり、現在はソロピアニストとしても活躍する三柴理氏と、元コザーノのベーシストで、現在はコンポーザーとして活躍中の塩野道玄氏によるユニット「ザ蟹」と、その兄弟ユニットである「THE金鶴」Clara氏が劇伴を担当。

 アニメ本編は、さながらプロモーションビデオのような断片化された内容(それでもラストは収まるところに収まっていましたが)で賛否両論の分かれる内容でしたが、緻密なヴィジュアルデザインやドッグファイトの臨場感、そしてそれらを彩るサウンドは文句無く素晴らしいものでした。ブレイクビーツ/エレクトロニカをベースとした、緊張感を与える無機的なバッキングと、豊かな情感を含めて奏でられる三柴氏のピアノ、両者の対比が絶妙に調和した、プログレッシヴなテイストも含んだ楽曲はスパイシーな魅力を放っており、ヘヴィな音色と繊細なメロディが交錯する「Lynn Jackson」、シャープなイメージをダイレクトに投影した「零のテーマ」、空間を緩やかにたゆたうベースラインが有機的な息遣いを感じさせる「Light Trap」、モーグの音色とジリジリとしたノイズが渾然一体となった、刺激的な耳触りの「糸」(ちなみに、ザ蟹の初期からあるレパートリーの1曲)などが印象深い。また、メランコリックなメロディを奏でる切なげなピアノ・インスト・バラードの数々は、説明不足な感が否めなかったOVAの場面や登場人物の心情を補う役割を大きく担っていたように思います。

 一方、サントラVol.2は、DVD第5巻特別限定盤の同梱品。全8曲/30分に満たないヴォリュームもあってか、Vol.1と比べるとやや淡白な印象ですが、ラストに収録された7分半の「Apotheosis~終曲」は力作。重々しくも、シンフォニックな美しさに満ちた1曲です。また、オープニングテーマ「Engage」が収録されているのも見逃せない。颯爽と流れるピアノの滑らかなシークエンスが、流線を描くシンセとコシの太いベースサウンドと共に高みへと昇る名インスト。雪風のイメージとこれほどシンクロした曲もないと思います。なお、"Engage" "RTB"(ムッシュかまやつ)の2曲は、06年にリリースされたGONZO制作作品の主題歌を集めたコンピレーションアルバムにも収録されております。



Reunion-GONZO Compilation 1998~2005-Reunion-GONZO Compilation 1998~2005-
(2006/07/05)
アニメ主題歌、木村郁絵 他

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「戦闘妖精雪風 オリジナルサウンドトラック Vol.1」楽曲解説
三柴理 ピアノのなせる業と神髄
戦闘妖精雪風:公式
戦闘妖精・雪風:Wikipedia

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