2018年10月6日土曜日

PROG FLIGHT@HANEDA(Acoustic Asturias、Lu7、新●月Project feat 北山真、KBB)2018年10月6日(土)@羽田 ティアットスカイホール

 昨年に続き、行ってきました。Acoustic Asturias、Lu7、新●月Project feat 北山真、KBBの4バンドが一堂に会したフェス。会場は昨年同様、羽田空港の4階レストラン街と同じフロアにあるティアットスカイホール。
http://crysta.jp/progflight






《Acoustic Asturias》
https://msmtr2.wixsite.com/ac-as

WATARIDORI
Adolescencia
Corridoio Molle
深夜廻~テーマ~
〈「深夜廻」より〉
黄源の舞
Waterfall
氷雨
紅蓮菩薩
〈「装甲悪鬼村正」より〉
Distance


川越好博 (piano)
筒井香織 (clarinet, recorder)
テイセナ (violin)
西村健 (guitar)

《Lu7》 
http://www.lu7.biz/

ミドル・ロングサーキット 〈「チョロQ2」より〉
L'esprit de l'exli
Flying Seed(Landscape37)
砂の階段
【with 筒井香織】
トキヲコエテソラニカエリ
新曲2曲


梅垣ルナ(keyboards)
栗原務(guitar)
岡田治郎(bass)
嶋村一徳(drums)


 15分ほど押しての開演。1バンド目は、先月9月1日に南青山MANDARAで昼夜2回公演を行ったばかりのアコースティック・アストゥーリアス。大山曜氏が手がけられた「深夜廻」(日本一ソフトウェア)のテーマもやはり今回のセットリストにふくまれておりました。静かに、そして様々な情感たっぷりに世界観を物語る、白眉な一曲だと改めて思います。Lu7は昨年同様、2バンド目として登場。定番の「ミドル・ロングサーキット(チョロQ2)」「L'esprit de l'exil」「Flying Seed(Landscape37)」、そして大曲にして難曲「トキヲコエテソラニカエリ」も、すっかり馴染んだ印象があります。今回はゲストで筒井さんを迎えての「砂の階段」、さらに今冬リリース予定の5thアルバムに収録される新曲を2曲初披露。爽やかなドライヴ感でグイグイ行くタイプの楽曲でした。



《新●月Project feat 北山真》
http://blog.livedoor.jp/shingetsutv/

殺意への船出 PART2
白唇
銀の船
テピラの里
手段


津田治彦(guitar)
花本彰(keyboard)
荻原和音(keyboard)
直江実樹(radio)
石畠弘(bass)
小澤亜子(percussion)
谷本朋翼(drums)
北山真(guest vocal, tambourine)


 1979年に新月の1stアルバム『新月』がリリースされて、来年で40周年。2006年に新●月が復活し、2007年に北山氏が脱退されてから10年とちょっと。北山氏は2008年に「北山真 with 真○日」でデビューライヴを行い、2015年にアルバム『冷凍睡眠』を発表。新●月Projectは2013年のライヴ活動再始動後、これまでに五十嵐勝久氏、A.m.u.氏、上野洋子氏、ワタナベカズヒロ氏らをゲストヴォーカルに迎えてライヴを行ってきました。そんな新●月Projectと北山氏が再びステージで合流を果たし、「ほぼ新月」となった今宵。感慨もさることながら、息をのみました。銀のマントを羽織った北山氏が客席中央からステージ入りするとともに、大曲「殺意への船出 PART2」で開幕。静かなる叙情も顔をのぞかせる鬼気迫るパフォーマンス、一瞬で場を支配する北山氏のオーラ。手に汗を握る緊張感込みでゾクリとさせられました。続いての「白唇(しろくちびる)」にも感激の至り。北山氏と花本彰氏による新ユニット《静かの海》の楽曲「銀の船」「テピラの里」は、詩情あふれるダイナミックな歌もの、12月26日に発売が予定されているアルバムが楽しみであります。北山&花本 両氏の共作曲であり、アルバム『冷凍睡眠』のラストも飾った「手段」の後、ふたたび新●月のレパートリー「鬼」へ。白装束をまとっての往年のパフォーマンスが再び蘇るとともに、北山氏のたたずまいは間違いなく何かが憑依していました。あれは、やはり鬼だったのでしょうか。



《KBB》
http://tsuboy.internet.ne.jp/kbb/

Kernel
白虹
この世の約9個の秘密
Age of Pain
Inner Flames
《スペシャルセッション》
Watcher of the Skies
【with 栗原務&梅垣ルナ&筒井香織&北山真&花本彰】

壷井彰久(violin)
高橋利光(keyboard)
Dani(bass)
菅野詩郎(drums)


 今回のトリは肉厚・骨太・灼熱のヴァイオリン・プログレッシヴ・ロックバンド KBB。壷井氏は客席中央からステージ入り。幾度となくライヴを目にしていますが、鉄板の安定感、高密度のパフォーマンス。そして壷井氏と高橋氏のボケとツッコミ的MCのユルさには毎度ニンマリとさせられます。アルバム『Age of Pain』が出てからもう5年が経つということに気づかされたわけですが、全編にわたって9拍子で貫かれた「この世の約9個の秘密」ともども、次のアルバムが待たれます。マハヴィシュヌ・オーケストラもかくやのウルトラパワーチューン「Inner Flames」のあとは、KBB with 栗原務&梅垣ルナ&筒井香織&北山真&花本彰によるGENESIS「Watcher of the Skies」のカヴァーセッション。全バンド終了後、Watcher of the Skiesのバッキングのリズムに倣った、一本締めならぬ「ウォッチャー締め」で閉幕しました。終演は21時20分。最終的に予定終了時刻より50分押しという豪快なタイムスケジュールとなりましたが、今年も素晴らしい内容でした。次回/第3回が行われるかは現時点ではまったくの未定ですが、これ以上ない好条件の会場と、破格のチケット代をみても採算度外視のフェスだと改めて感じます。2年連続で本フェスの開催を陣頭指揮された栗原氏に深く感謝いたします。スタッフ、関係者、出演者のみなさん、お疲れさまでした。