2013年7月9日火曜日

『ロッキー4』『トランスフォーマー・ザ・ムービー』を作曲した男 Vince DiCola 【その1 80年代編】

アメリカ出身のコンポーザー/キーボーディストにVince DiCola(ヴィンス・ディコーラ)という人がおります。トーマス・ニューマンやジョン・パウエル、ジェリー・ゴールドスミスといった著名な映画劇伴作曲家たちや、プログレッシヴ・ロック(特にYESやEmerson,Lake&Palmer/キース・エマーソン)から多大なる影響を受けているという彼の手がける楽曲は、劇伴/バンド作品に関わらず独特のプログレッシヴな香りを漂わせていて、非常に素晴らしいものばかり。個人的に大好きなコンポーザーの一人なのであります。そんなヴィンス氏に敬意を表しつつ、今回から数回のエントリに渡って、彼が手がけていった作品の数々を年代を追ってご紹介してゆきたいと思います。

【その1 80年代編】
【その2 90年代編】
【その3 00年代~】
【番外編】


ステイン・アライヴステイン・アライヴ
(1995/12/21)
サントラ、フランク・スタローン 他

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ヴィンス氏のキャリアは80年代初頭に始まるのですが、最初にその名が知られることになったのが、シルベスター・スタローンが監督・製作・脚本を担当した1983年公開の映画『ステイン・アライヴ(Staying Alive)』(あの「サタデー・ナイトフィーバー」の続編作品)の主題歌である"Far From Over"。この曲を、シルベスターの弟であり、俳優/コンポーザー/ギタリストのフランク・スタローンと共作しております。同曲は同年のヒットチャートを賑わせ、惜しくも受賞は逃したものの、ゴールデングローブ賞、グラミー賞の楽曲部門の候補にもなりました。楽曲後半の華麗なキーボード・アレンジに、ヴィンス氏の関与を伺わせます。




Rocky IVRocky IV
(2006/02/27)
Vince DiCola

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この後、シルベスターから再び声がかかり、1985年に「ロッキーIV 炎の友情」の劇伴に参加。彼は一部の楽曲の編曲の他、「Training Montage」「War」を提供しています。前者はロッキーとドラゴのトレーニングシーンで、後者は終盤のロッキーとドラゴの試合でそれぞれ流れる楽曲で、高揚感と緊張感を併せ持った劇伴としても、シンセサイザー・プログレとしても素晴らしい名曲です。








Transformers the Movie (Exp)Transformers the Movie (Exp)
(2007/05/29)
Various Artists

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翌86年にはトランスフォーマー・シリーズのアニメーション映画「トランスフォーマー・ザ・ムービー」の劇伴を担当。ロッキー4では数曲でしたが、ここでは数十曲に及ぶマテリアルを制作しております。メリハリたっぷりのシンセ・プログレ・チューンが満載で、まさに氏のソロ・ワークの極みを存分に堪能できる内容。"Escape""Autobot/Decepticon Battle""City Under Siege"などで聴けるアツい展開はたまらないものがあります。





サウンドトラックは何ヴァージョンかあり、一つ目が、87年リリースの10曲入りCD『The Transformers The Movie:Original Motion Picture Soundtrack』(89年にポニーキャニオンから国内盤も出ています)なのですが、主題歌/挿入歌で占められているためスコアは殆ど聴けません。二つ目は、97年度のBotCon(アメリカで定期的に開催されているトランスフォーマーシリーズのコンベンション)開催に際してリリースされた2枚組CD『Til All Are One』。主題歌を歌っているStan Bush(スタン・ブッシュ)が同年に発表したソロ・アルバム『Call To Action』(同アルバムは国内盤がゼロ・コーポレーションから出ていました)の楽曲をDISC 1に丸々収録し、DISC 2にヴィンス氏によるスコア/未使用曲を31曲収録しています。プログレ・ハード色の強いアレンジが施されたメインテーマの別ヴァージョン(本編未使用)や、Emerson,Lake&Powellを思わせる明快なテーマが躍動する本編未使用曲"Legacy"は隠れた名曲。三つ目は、01年度のBotConに際してリリースされた33曲入りCD『Lighting Their Darkest Hour』で、内容は『Til All Are One』のDISC 2と殆ど同じです。四つ目は、同時期にリリースされた『The Protoform Sessions』。デモヴァージョンや別ヴァージョン、未使用マテリアルやリハーサル音源を、ヴィンス氏によるコメンタリー・トラックも交えながら収録した内容です。五つ目は、これまた同年(よくよく考えてみると、この年は「ザ・ムービー」の公開15周年なのですね)にリリースされた、ヴィンス氏自らの手によるピアノアレンジアルバム。『Artistic Transformations: Themes and Variations』。氏が影響を受けたキース・エマーソンへのオマージュも感じさせる内容に仕上がっています。同アルバムに収録されている長尺アレンジ"The Suite"も白眉です。六つ目が、07年にリリースされた「ザ・ムービー」公開20周年記念スペシャルエディションDVDに付属したCD(CD単体のリリースもされたようですね)。こちらは87年のOSTに4曲(殆ど既出音源)を追加収録した内容です。






Vince DiCola - Wikipedia
Staying Alive (1983 film) - Wikipedia
Rocky IV - Wikipedia
The Transformers: The Movie - Wikipedia

The Transformers The Movie: Original Motion Picture Soundtrack - Wikipedia
Til All Are One - Wikipedia
Lighting Their Darkest Hour - Wikipedia
The Protoform Sessions - Wikipedia
Artistic Transformations: Themes and Variations - Wikipedia

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